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聖なる炎 06/07/24 00:24 ID:RJpXuPNo


道路を80キロの制限速度で、清朝が運転していた。
助手席に座っていた顔文字女が意を決したように話し始めた。
「わたしたち、今年で結婚10周年ね。それなのに、とっても申し訳ないんだけど、あなたと離婚したいの」

清朝はそれを聞くと、何も言わず、黙ってアクセルを踏んだ。車の速度は時速90キロにあがった。
顔文字女が言った。
顔:「実はオートマタさんと私、しばらく前からつきあってるの。彼のヌルポって、とっても情熱的なの・・・。それは私たちの結婚生活にはなかったものよ」

清朝は押し黙ったまま、さらにアクセルを強く踏み込んだ。
顔文字女が続ける。
顔:「自宅と土地の名義、それに株式は私のものにしたいの。あなたには現金があるでしょ・・・これって公平でしょ?」

顔文字女がそう言うと、車の速度はさらに100キロにあがった。
顔文字女はそれには構わずに続けた。
顔:「あ、子供の養育権も、もちろん私のものよ。あの子も私になついてるし・・・」

車の速度は120キロにもなり、路肩をはずれたかと思うと、道路脇にあるコンクリートのビルのほうに向かって走り始めた。
顔文字女が言った。
顔:「あなたの方で欲しいものは、ほかに何かあるかしら?」

清朝がようやく口を開いた。
清:「いらない。本当に必要なものは、こちらにあるから」
顔:「本当に必要なものって?」

顔文字女が不審げに尋ねた。
車の速度が140キロになると、清朝が答えた。

「こちらにはエアバッグがあるのさ!」

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