ファイアーエムブレム封印の剣の小説を書こうぜ!!


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ファイアーエムブレム封印の剣の小説を書こうぜ!!

1: スーパーサイヤ人名無し:04/11/16 20:41 ID:xwD.4YS.
さあ書け

114: 手強い名無しさん:05/08/07 16:42 ID:E1USl4sQ
激励ありがとうございます。
貴方が>>5のレスを下さっていなかったらこの小説もなかったと思います。
そう思うと貴方には感謝してもしきれません。
これからも応援・ご指摘よろしくお願いします。

115: 手強い名無しさん:05/08/09 21:07 ID:hQSSVvFw
まだかなぁ・・・
待っています。続き頑張ってください

116: 手強い名無しさん:05/08/09 23:07 ID:9sML7BIs
>>115
ごめんなさい。他の方の物も読んでみたいし
まだまだ先が長いので別個スレ建ててそちらに移住しました。
別個スレ建てるほどに面白い作品かどうかというのは分かりませんが、楽しんでいただけるように頑張りますので
別スレでご指摘や応援よろしくお願いします。

別スレ

【長編】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜【小説】
http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1123296562/l50

117: 手強い名無しさん:05/08/10 00:45 ID:mINGRtOQ
>>116
あーそちらに・・・ではたまに来た時に読ませていただきます

さーどういう風に書いていこう?

118: 手強い名無しさん:05/08/10 22:38 ID:mWaRFA92
1章胎動
「これであらかた片付いたな」男がそう言うと剣をおさめた
「ああ、後はこの奥にいる魔竜だけだ」赤い髪をした少年がそう言うと
「あんたは先に行くといい。俺は後で追いつく」男はそう言った
「そうか。じゃあルトガー後でまた」
「ロイも充分気をつけろ」
そう言うとロイという少年は奥へと歩いて行った
「・・・魔竜イドゥンか」

「ここが封印の神殿か・・・」
2年前忍び込んだ封印の神殿。そこはルトガーにとっては関係の無いものだったがその時ばかりは違った
「確か国王の姿が見えるはず・・・」そう思って見てみるとベルン国王の姿があった
「手に持っているあの赤い珠・・あれがファイアーエムブレムなのか」
ベルンの至宝、ファイアーエムブレム
それはある剣と人の封印を解く鍵とも言う
「光ったな・・・」王がエムブレムを台座にはめると剣が取り出され棺の中から女性が出てきた
「誰だ・・・?あいつは」

あの時から2年。ベルンに故郷を滅ぼされたルトガーにとってベルンは復讐の的だった
だが、魔竜は復讐の的ではない。ルトガーにとって魔竜は関係無いものだったのだ
「・・・あれから2年にもなるがあいつは誰なんだ?」と思いながらもルトガーは奥の方へと歩いていった
そして竜殿の最深部に辿りついたルトガーが見たものはあの時の女性だった
「!?・・・まさか、あいつが魔竜だと言うのか・・・?」
何も考えずただ単に命令された事に従う女、まさにそうだった
「ルトガー知っているのか?」
「いや、俺は見た事があるだけだ・・・。詳しくは知らん」
ロイに聞かれたが見た事のあるだけの人を詳しく知っている人は誰もいない
「ロイ様・・・」
「やるしかないさ!この封印の剣で!!」
ロイの恋人であるソフィーヤが回りの竜共を一掃。そして・・・「あなたに『哀れみ』を感じて救おうとしたハルトムートの思い、ここで終わらせるわけにはいかないんだっ!!」封印の剣に光が走り、一閃。勝負は一瞬だった
そして魔竜イドゥンは元の女性の姿に戻った
「な、なんだ!急に崩れ始めたぞ!」
「ロイのお兄ちゃん・・・」
「わかってるよ。あとは僕に任せてここから出るんだ!」ロイがイドゥンを助けようと振り向いた瞬間
「ロイ、ここは俺に任せて早く行け」
「え!?ルトガーなんで君が・・・」
「いいから早く行け!瓦礫の下敷きになりたいのか!」
「わかった。でも、必ず戻ってきてくれよ」
「ふっ・・・言われなくてもわかってる」ロイや仲間達は出口へと向かって行った
「・・・お前が本当にあの時の女なのか?」悩みながらもルトガーは出口へと走って行った
丁度彼が走りだした瞬間に天井から瓦礫が降ってきた



119: 手強い名無しさん:05/08/10 22:38 ID:mWaRFA92
外に出るとロイから一つの言葉が発せられた
「ルトガー、君に頼みがあるんだ」
木陰にイドゥンを休ませると
「何だ?言ってみろ」
「君にイドゥンをナバタの里まで送って欲しい」
ナバタの里は神竜の住む唯一の場所。生まれは知らないがそこへ行けば誰かが知っていると思ったからだ
「いいだろう。同行する」そうしてルトガーはイドゥンを連れてたった一人で出発した

それから2ヶ月後・・・
「・・・どうして私の側に?」
「約束だからだ」
「・・・本当に?」
エトルリアとミスル半島の丁度国境付近の森にいた二人は初めて会話をした
恐らく『心』を奪う術が弱まっているのだろう。ルトガーはそう思った
「・・・いいから黙って来い!」ルトガーがイドゥンの壊れそうな腕をとろうとした瞬間
ガサガサと音がしノシノシと音がした
「!・・・戦闘竜か!?」
「・・・違う」イドゥンがそう言うと草むらから見た事の無い生き物が出てきた
「なんだこいつ!?」
「・・・剣を」イドゥンがそう言うと剣を投げて渡した
「ちっ・・・はぁ!」
ルトガーが胴体を斬り走ると生き物は動かなくなった
「何なんだ一体・・・」
疑問をしている場合ではないと思い、イドゥンを連れ里へと急いだ

ナバタの里につき『心』を奪う術をといてもらい長老にその事を聞いたルトガーはこう回答された
「1000年以上も昔のことじゃが・・・これと同じようなことがあっての。詳しくは知らないのじゃが・・何か嫌な予感がするんじゃ。ちょっと調べてみてくれんかの?」
もう「復讐」は終わった。だからルトガーは
「悪いがもう力を貸す気にはならない」
そう言うとイドゥンが
「お願い。あなただけが頼りなの」
イドゥンがそう言うのは初めてだった。さすがのルトガーもそれに驚いたのだろうか少し姿勢を崩したが
「・・・・・・いいだろう。そこまで言われるのであれば仕方が無い」
そう言い、承諾した

120: 見習い筆騎士('-'*) 56J2s4XA:05/08/11 08:53 ID:gAExt6/c
続き楽しみにしてます。
お互い頑張りましょう。
さて、今日は告別式だ・・・。

121: 手強い名無しさん:05/08/12 14:43 ID:Inist.Uk
>>120
ありがとうございます

では続きです

2章 天馬のような「もの」

ルトガーとイドゥンはまずナバタの里にある書物室から何か役立つような書物は無いかと探した
そしてある名前が浮かび上がった
「ティアマットか・・心当たりは無いか?」
「いいえ・・・知らないわ」
「そうか。仕方が無い。明日にでもエトルリアへ出発して調べるとするか」
「・・・そうね」
ティアマット、その名前に聞き覚えがあるとルトガーは感じていた
「おねぇちゃん、おにいちゃん!」
幼い誰かの声がした
「ファ?」
「うん!そうだよ!」
ファ、神竜族の少女でロイの恋人であるソフィーヤの妹である
「・・・フェレから帰ったところなのか?」
「うん!ソフィーヤおねぇちゃん、ロイのおにいちゃんと一緒でしあわせそうだったよ!」
「そうか。それは何よりだな」
「・・・ロイ?」
「・・・話していなかったな。お前を助けるために封印の剣で斬りつけたやつだ」
「そう・・それで気になっていたのね・・私」
もう夜が近づいていた
「夜か・・・もう寝るか?」
「ええ、そうしましょう」
「明日エトルリアへ向かうから支度は・・」
「大丈夫。ローブは持っているから・・」
「そうか。俺はここで寝る。何かあったら呼んでくれ」
「ええ、お休み・・ルトガー」
そうしてソファーの上で寝る事にした

だがルトガーは気になっていた
あの時の生き物はバレンシアという大陸にいるという話を聞いた事があるからだ
「・・だとすると何か起きているのかも知れないな」



122: 手強い名無しさん:05/08/12 14:43 ID:Inist.Uk
そして夜が明けた
「・・・ん・・・朝か」
ソファーから出てイドゥンとファの寝ている部屋へと行った。が・・・
「!・・・取っ手にひびが」
剣を構え扉を蹴破ると
「イドゥン!ファ!」
「ルトガー!」
人影が見えるが誰かはわからない
「ここは俺に任せて外へ行け」
「でもルトガーは・・」
「いいから行け」
「はい・・・」

見覚えのある人物だった。相手が斬りかかると紙一重で避けた
「・・・鈍いな。だが、剣を弾けば問題ないだろう」
斬り返しをした直後、ルトガーは自分の剣で相手の剣を弾き床に叩きつけた
(この剣は・・・)
「しまった!剣が!」
声に聞き覚えがあった
「フィルか?」
「え?」
丁度日が入ってきたので間違い無く
「フィルだろう」
「ルトガーさん?」
「西方三島へ向かったと聞いたが・・・」
「いえ、途中で変な生き物に襲われてそれで・・」
「何!?その生き物は?」
「きゃーー!ルトガー!」
遠くからイドゥンの呼ぶ声がした
「ちっ・・フィル行くぞ!」
「はい!」

かけつけるとそこにはイドゥン一人だけと天馬のような生き物がいた
「っ・・・天馬!?」
「いや、違うな。目の色が死んだ天馬みたいな色をしている」
「ルトガー・・」
「イドゥン、そこから動くな。はぁ!」
ルトガーが斬りかかったが寸前に相手は避けた
「早いな。こいつ・・」
天馬がフィルに向かって角を突き出して体当たりをしてきたが難なく避けた
「・・・壁にひびが入った・・・!」
「食らったら一たまりもないな。だが、もうここで終わりだ」
そうルトガーが言うと
「青竜斬」
見えたのはルトガーが剣をかざして天馬の反対側に出ただけだった。だが次の瞬間に天馬は倒れた
「イドゥン。ファは?」
「・・・あっ、私とはぐれて・・でも外に居ると思うわ」
ただぼーっとしていたイドゥンの手を取り一緒に歩き出した
幸いファは外の水辺で遊んでいたのですぐに見つかった

「フィル。すまないな」
「いえ、いいんです。まさかあんな生き物がいるなんて・・・」
竜を倒していったフィルも動揺を隠せないでいた
「これからどうするんだ?」
「西方三島に渡ろうと思います」
「そうか。達者でな」
ルトガーはフィルに別れを告げた
「行くとするか・・」
「ええ・・行きましょうエトルリアへ」
「おにいちゃん、待って。私も行く!」
「ファ?」
「別に良いでしょう、ルトガー」
「・・・そうだな」
ルトガーとイドゥンとファの3人はエトルリアへ向かった

123: 手強い名無しさん:05/08/12 16:30 ID:UhKS4qG.
年上なのに妹?

124: 手強い名無しさん:05/08/12 21:55 ID:e3pJpo4I
いえ、ソフィーヤの妹だからそう書いたんですけど・・・
何か指摘箇所がありましたらどうぞ

125: 3章 白竜と黒竜:05/08/14 00:57 ID:mMO89drY
ナバタの里から出発して2週間。ようやくアクレイア郊外まで近づいた
来るまでに色々な生き物が襲いかかってきたがルトガーの剣とイドゥンの魔法で難なく片付いた
「ここがエトルリア王都アクレイアだ」
「・・・高い壁」
「さすがにこの高さでは天馬も入れない。イドゥン、これに着替えろ」
「・・・どうして?」
「お前は人に恐れられているからだ。下手に姿をみせては事が大きくなる」
「わかった。向こうに行って着替えるわ」
人通りのない袋小路へと入って行きファとルトガーが誰もこないか見ていた
「おまたせ」
「よし、図書館へ向かう」

3人はエトルリアの王立図書館で何か文献は無いかと思い
「古い本を探すんだ」と言って探し始めた

「おにいちゃん、この本はどう?」
「これか?・・・・・・破損がひどいが関係ないな」
「そっか。じゃあ他の探してくるね!」
「ふう・・・あらかた探したな」
探し初めて1時間が経過していた
「ルトガー・・・これ」
「?これは」
「開かないのだけれど・・・何かしら」
「・・・・・・開いたぞ」
「えっ?」
「これは・・・・・・探していた物だな」


126: 3章 白竜と黒竜:05/08/14 00:57 ID:mMO89drY
3人はその本を詳しく見ていった
「放浪の剣士ルギスが砂漠で迷っていて倒れていた所をたまたま通りかかった女性レルアに助けられる・・・その女性はこの砂漠にある神竜国ルークリュの王女で敵対している帝国の黒竜王ティアマットに対抗できる力を持っている・・・」
「ティアマット・・・あの時の名前?」
「そうだろうな。そして居場所が帝国に突き止められて黒竜軍の前に一夜にして滅亡・・・だがルギスの助けによりレルアとわずかな民達は生き延びたという。レルアは黒竜と戦う決心をし、ルギスも彼女と共に戦う事を決意した。そして白竜ティレルアから竜族の神器と魔剣を授かったレルアとルギスは黒竜を封印したという・・・か」
「ねぇねぇ、封印っていう事はいつかまた出てくるんでしょ?」
「・・・だとしたら今復活しつつあるのか?」
「あの生き物達については書かれて無いの?」
「・・・あった。魔物、黒竜の復活が近づくにつれ生まれる邪悪な生き物と書かれてあるな」
「・・・それじゃあ今黒竜の復活が迫っているという事?」
「そうらしいな・・・あと魔物についてこう書かれている。魔物をこの世から消し去るには魔石を破壊せよさすれば魔の力は失われんと」
「その魔石を破壊すれば・・・」
「ああ、魔物はいなくなる」
「ねぇねぇ、探しに行こうよ」
「そうだな、それを破壊できればいなくなるからな・・・」

ルトガーは出てから
「一つ寄っておきたいところがあるんだが良いか?」
「ええ、良いわ」

127: 手強い名無しさん:05/08/14 01:14 ID:mMO89drY
「ここだ」
「ここ?どこかのお屋敷みたいだけど・・・」
「まぁ、見てろ」コンコン
「郵便屋さんですの?」
少し高い声がする
「もう、あの人から手紙がこないのでさびしいですのに・・・」
「悪かったな。手紙をよこさなくて」
「え・・・?ルトガー!?」
「相変わらずだな。クラリーネ」
久しぶりの友人との再会だった
「わざわざ私に会いにきてくださいましたの?嬉しいですわ!」
「わざわざは余計だ。それに、旅の途中でよっただけだ」
「どういうことですの?」
「・・・それは長くなるが良いか?」
「ええ、ここで立ち話も何ですし中に入ってくださらない?」
「良いだろう。イドゥン、ファ、先に入ってていいぞ」
「お邪魔・・・します」
「え?イドゥンって・・・」
「それも中で話そう」

ルトガーとイドゥンはこれまでにあった事を話した
「そうかい・・・そんな事が」
たまたま仕事が休みで家にいたクレインもその話を聞いた
「信じられないとは思うが・・・事実だ」
「でも、私達より前にそんな事が起こってたなんて・・・」
「うん。で、ルトガー、その魔物とやらは今世界中にいるのかい?」
「恐らく、な。他の地域に行って無いからまだ何とも言えない状況だ」
「そうか・・・これからどうするんだい?」
「西方三島へ渡る。ミルティン王子なら何か知っているかもしれん」
「そうか、じゃあ道中気をつけてね」

ルトガー達はアクレイアを出発し、西方三島へ渡った


何だかわかりにくくなってるかも・・・わかりにくかったらすみません

128: 4章 西へ:05/08/15 19:34 ID:TW3kzNZI
「風・・・」
潮風がイドゥンの髪をなびく
「どうした?」
「砂漠で感じた風とは違う・・・」
「それはだな・・・」
波が立って船が揺れる
「きゃっ!」
「よっと」
立っていたイドゥンが倒れそうになったのでルトガーは押さえた
「・・・海って不思議ね」
「何故だ?」
「風が吹いて、鳥達が舞い、波は生きているかのように動く・・・」
哲学的な事を話し始めた
「・・・それで不思議に思うのか」
「ええ、陸と海ではまるで違うの」
「そうか。陸と海・・・サカにも同じ事が言える。草原を海と例え、山を陸と例えればまるで違うのと同じだ」
「ルトガーはサカの人なの?」
「ああ、そうだ」
ルトガーはサカの部族の出身だったのでベルンが攻め込んだ時のことは覚えている

「っく・・・」
「ルトガー逃げて!」
「お前を見捨てて逃げれるか!?」
「私は大丈夫・・・だから・・・逃げて!」
「・・・・・・くそ!」

「ルトガー?」
「・・・昔のことを思い出していた」
「えっ?」
「ベルンに攻められた時の事だ。あれからもう1年になるのか・・・」
「ごめんなさい」
「気にするな。お前があやまるようなことじゃない。俺の力不足だったんだ・・・」
「ルトガー・・・」
「明日には島につくだろう。それまで休め」
そう行ってルトガーは甲板から降りた
「・・・あなたは失う事を恐れている。その事があなたを追い詰めているの・・・?」
イドゥンはルトガーの思いを感じていた・・・

129: 仲村哲也:05/08/16 01:20 ID:Wsoci5LI
婚礼
動乱が終結して2年がたった。
ここはオスティア。春のさわやかな風が吹く市街地は、いつも以上に活気にあふれていた。
「いよいよリリーナ様も結婚か、ヘクトル様もあの世で喜んでるだろな」
「しかも、相手がフェレのロイ様とくりゃあ、リキアも豊かになっていくだろうよ」
「ロイ様ばんざ〜い」
「リリーナ様ばんざ〜い」
一方ここはオスティア城リリーナの自室。
リリーナは純白のウェディングドレスに身を包み、窓の外から見える空を眺めていた。
「あれから、2年がたつのか〜。みんな今はなにをしてるんだろ」
動乱が終わると仲間達は自分達の故郷に帰っていったり、再び旅に出て行った。
わかっているのは、クレインがティトと結ばれリグレ公爵家を継いだこと。
エルフィンが招待を明かし、エトルリア国王に即位したこと。
シャニーが新生天馬騎士団の団長になったこと。
イリア王国が建国したことだ。
「リリーナ、もうすぐロイ殿が到着するわ」
「わかったわ、お母様」
部屋を訪ねた母、フロリーナにそう答えると、
「そして私も・・・」
胸の鼓動が高まるのを感じ、リリーナは部屋を出た。



130: 仲村哲也:05/08/16 02:15 ID:Wsoci5LI
祝福
「ロイ様!」
「リリーナ様!」
バルコニーに二人が姿をあらわすと、民衆から嵐のような大歓声が起きた。
ロイは動乱後、正式にフェレ候となった。17歳となったロイからは少年の面影は消えうせ、英雄の貫禄につつまれていた。
リリーナも盟主となってからは、大人としての魅力が出ていた。
二人は民衆にささやかに手を振った。
「二人とも、おめでとう」
「セシリアさん、お久しぶりです」
「ありがとうございます」
エトルリア代表として出席した恩師に二人は笑顔を見せた。
「セシリアさんの方も、もうすぐなんじゃないですか」
「え・・、ち、ちょっとロイ!」
愛弟子の質問にセシリアは頬を赤らめた。
セシリアとパーシバルの婚礼のうわさは、すでにロイたちの知るところとなっていたのだ。
「まあ、これからは大変だと思うけど、二人で力を合わせてこのリキアを導いていくのよ」
「はい、ありがとうございます」ロイはセシリアに一礼した。
「ロイ様おめでと〜」
「まあリリーナ、そのドレスよくおにあいですわ」
シャニーとクラリーネも婚礼の儀に出席していた。
「こんなかっこいいだんなさんで、リリーナしあわせだね〜」
「シャ、シャニー。からかわないでよ〜」
リリーナは思わずりんごのように顔が真っ赤になった。
「2年ぶりだね。クレイン将軍は元気かい?」
「ええ、ティトお義姉様となかよくやってらっしゃるわ。でもロイ、お兄様はいまは軍人じゃなくて文官でしてよ」
同い年の四人は話に花を咲かせていた。
「ロイ様、おめでとうございます」
「みんな相変わらずね」
ウォルトとスーが輪に入ってきた。ウォルトはともかくスーも貴族の衣装を身にまとっている。
「ウォルト、もうラウス候なんだから様はよせよ」
「スーもその格好が似合ってきたわね」
この話の内容がわからず、クラリーネはたずねた
「えっ、どうゆうことですの?」
「ああ、言うのを忘れていた。ウォルトとスーは結婚して、新ラウス候になったんだ」
「え〜知らなかった」
ロイの答えにシャニーは驚いた。
ロイとリリーナの婚礼の半年前、すでに結婚をすませていたウォルトは、動乱時の功績をたたえられ、ラウス候となったのである。
「そうでしたの。お祝いできずにざんねんですわ」
「今日はおめでた尽くしだ」
シャニーの掛け声に、六人は笑った。

131: 仲村哲也:05/08/16 23:57 ID:ipa88ZQs
不服
ロイ達の婚礼が済んでから数日後。
ここオスティアで諸侯会議が始まろうとしていた。
今ひとりの諸侯がオスティア城に一個小隊をひきいて到着した。
彼の名はアラフェン候ヘンゲル。23歳。動乱後、領主となった前アラフェン候の弟である。
「ふん!この私が、何ゆえ女に従わねばならんのだ」
謁見の間までの回廊を歩いているとそう吐き捨てた。
亡き盟主ヘクトルの跡取りは女。それゆえ盟主は務まらないがために、リキア第二の都市アラフェンを治める自分こそ盟主にふさわしい。
彼はリリーナが盟主となった今でもそんなことを考えを持っていた。
ヘンゲルは、パラディンとしての技量は高いが、欲望が強く自分の思い通りにならないと気が済まない男であった。
彼は女を自分の“遊具”として考えており、その遊具が自分の上に立っていることに憤りを覚えているのである。
その為、彼女が考え出す政策を、徹底的に批判しては毒を吐いて帰っていくのである。
新生リキアがいまだまとまりを欠いているのはこのためである。
「ヘンゲル殿!いい加減にしないか!今は民と共にあることが大事なんだ。貴殿には、新しいリキアの礎を築く気はないのか」
「妻をかばう夫の戯言など聞きたくはない。私を盟主にすることが礎を築くには欠かせぬことだ」
会議が始まるや否や、ロイとヘンゲルが口論を始めた。
「二人ともやめてください。今は口論をしている場合では・・」
「ふん。ウォルト殿、貴殿にも問題があるぞ」
矛先を変えたヘンゲルの言葉の意味がわからず、ウォルトは疑問に思う。
「貴殿は清らかなリキアの地に、汚らわしいサカの獣の血を引き入れたのだ。サカの女を妃にするなどと、動乱で頭がくるわれたのか?」
「!・・貴様っ!!」
スーのことをけなされウォルトは今にも飛びかかろうとする。
「私はこれ以上付き合いきれん。失礼する」
そういうと彼は踵を返し、臣下と共に去っていった。

部屋に戻る回廊で、ロイはリリーナに語りかけた。
「ごめん。また会議を無駄にして・・」
「ううん、ロイのせいじゃないわ。それよりもウォルトのほうは?」
「うん。今度ばかりは相当頭にきたみたいだ。さっきから部屋に閉じこもったままだよ」
「そう・・・」
普段おとなしいウォルトが、あれほどが激高したことは、乳兄弟としてすごしたロイ自身も見たことがない。いや、あれほど言われれば自分だって激高しただろう。

「それにしても、アラフェン候のほうはなんとかならないだろうか。今はひとつとなってリキアを立て直す大事な時期なのに」
「・・・私もまだ力不足なのかな・・・」
リリーナが弱気な言葉を漏らすと、ロイは即座に否定した。
「リリーナは精一杯やっている。力不足なんかじゃないよ」
「うん・・ありがとう」
ロイの言葉にリリーナは救われた気がした。
しかし彼らはまだ知らない。
今リキアが大きく揺れていることを。
その危機は、一人の戦友の手紙で知ることとなる。




132: 手強い名無しさん:05/08/17 01:07 ID:YQs9bzxM
>>131
書くのは良いけど名前をふせてくれ

133: 手強い名無しさん:05/08/17 13:33 ID:10j3wQPY
どうせネタだろ

134: 手強い名無しさん:05/08/17 17:05 ID:vAvLqTx6
5章 西方の王子

「ここから北に行けばフィルがいるはずだ」
「どうして?」
「北は山岳地帯だ。武者修業には持って来いだ」
西方三島についたルトガー達はフィルを探しに行った。彼女は力になってくれるはずだからだ
「おにいちゃん、鳥のおにいちゃんは探さなくて良いの?」
「鳥・・ミルディンか。フィルを探した後でも充分だろう」
エルフィン。本当の姿はエトルリア王子ミルディンである

「ここ?」
「そうだ。この辺りのはずだが・・・」
「・・・おにいちゃん!あれ!」
ルトガーが振り向くと竜がいた
「戦闘竜!?」
「違うわ!これは・・屍竜よ!」
「屍竜?それは?」
「竜が死んだ後何者かによって生み出されるいわば・・・ゾンビよ」
「ファ!」
「きゃん!」
「くっ、山の中ではさすがにつらいな」
「任せて。・・・ライトニング!」
イドゥンの手から光の玉が撃ち出され竜へと向けられた
「ガ・・」
「今だ、失せろ!」
「エルファイアー!」
ルトガーが竜の胸を切り裂いたあと、イドゥンが炎で追い討ちした
「やった?」
「・・・まだだ!」
猛攻を受けながらも竜はルトガー達に牙を向けた
「ルトガー、避けて!」
「?」
「息を吐こうとしているから早く!」
「わかった」
イドゥンがそう言うと竜が息を吐いてきた。二人は吐くのと同時に木の上に上った
「このままじゃ木が持ちそうにないな」
「どうすれば・・・」
その瞬間、剣が竜の目に刺さった
「!?」
「ルトガーさん!」
「フィル!?」
「あなたこそどうして・・・」
「今は話している場合ではない!一気に斬り伏せる!」
「はい!」
ルトガーとフィルは同時に竜に向かって斬りかかった
「これで終わったな・・」
「ルトガーさん、どうしてここに?」
「さっきの竜を見ただろう。あんなのが大陸中に出るんだ」
「えっ・・・」
「フィル、お前の力を貸して欲しい。いいだろうか?」
「私にもよくわかりませんが、人々を脅かすようなものは放っておけない。力になりましょう」
「すまないな、フィル。ところでミルディンがどこにいるか知らないか?」
「ふもとの村にいますよ。会いに行くんですか?」
「そうだ。聞きたい事があるんでな」
「わかりました。案内しますよ」
「頼む。・・・イドゥン?」
「人々を脅かすもの・・・」
「・・・・・・」



135: 手強い名無しさん:05/08/17 17:05 ID:vAvLqTx6
フィルに案内されてルトガー達はふもとの村に行きミルディンのいる家の前へ来た
「ここか」
「はい、ミルディンさーん」
「はいはい、今行きますよ」
扉を開けると詩人のような青年がいた
「王子、久しぶりだな」
「・・・ルトガーですか。どうしたんですか?」
「一つ聞きたい事があるんだ。良いだろうか?」
「かまいませんが・・・どうしてですか?」
「それはこいつを見ればわかるだろう」
「・・・・・・」
イドゥンは黙ってフードを取った
「!あなたは・・・」
「かまわないか?」
「・・・訳ありのようですね。いいでしょう。中に入ってください」

ルトガーはこれまで知った事をミルディンに話した
「・・・なるほど。そのような事があるとは」
「このような事について何か知らないか?」
「・・・聞き覚えがあります」
ミルディンの話によると
1500年程前に国が5つに分かれてありナバタの里あたりにルークリュがあった
人々とは離れて暮らしておりその中で王女レルアは人に興味があり度々砂漠へと行っていた
今のベルンの最東端に黒竜ティアマットがドラグエルナを築いて世界を我が物にしようとしていたのだ
ルギスは現在のサカにあたるところで生まれ育ち自らの力を試すために放浪していたという
その中で二人は出会い、本に書いてあるようなことがあったのだ
「なるほど」
「それでルトガー、あなたはどうするつもりなのです?」
「魔石を破壊し、黒竜を討つまでだ」
「そうですか・・・でも一つ気になる事があります。『魔石は黒竜の元に有り』と」
「黒竜の元に・・・」
「それでも・・・」
「それでもだ。破壊しなければ世界に大きな災いが起こるからだ」
「そうですか・・・これからどこへ?」
「リキアへと向かって行く」
「では気をつけて」

4人は外に出ると
「ルトガー・・・」
「どうした?イドゥン」
「・・・まだ昔のことを引きずっているの?」
「どうしてわかる?」
「私・・・わかるの。誰かを守るために懸命になってるって・・・でもそれじゃルトガーが」
「俺は構わん」
「・・・ルトガー?」
「誰かを守る事、それが今俺にできることだ」
「・・・・・・」
イドゥンはルトガーの事が心配だった。何故あそこまで自分に気を使うのか不思議でたまらなかったからだ
「イドゥンさん、気を落とさないで下さい」
「おねぇちゃん、きっと大丈夫だよ」
「フィル、ファありがとう・・」

誰かを守る事で自分を保つ、それが今のルトガーだった

136: 仲村哲也:05/08/17 17:40 ID:S8kfkuj.
反乱
諸侯会議から二週間後、ここはアラフェン城の王室。
室内は蝋燭の明かりで照らされている。
その室内には数名の影があった。
「万事ぬかりはないな」
「はっ、明日までには準備が完了します」
「うむ。確認を怠るなよ」
部下の報告に男が満足すると別の男が笑みを浮かべた。
「ゲヘヘヘ。ヘンゲルよ。いよいよやるのか」
「ああ。ディアスよ。カートレー軍が参戦してくれること、感謝しよう」
「民と共にあれ、か・・・。平和ボケしてるやつらなんざ敵じゃねぇよ」
男はアラフェン候ヘンゲル。別の男はカートレー候ディアスだ。
ディアスはヘンゲルとは旧知の仲で、戦好きのジェネラルだ。
ヘンゲルから反乱を起こすという話を聞いたときは二つ返事で賛同した。
満足そうな二人とは対照的に、おびえる影があった。
「だっ、大丈夫かなぁ・・。こんなことをして。も、もしうまくいかなかったら・・・・」
「だぁーー!いちいちうるせぇんだよてめえは。だいたいなんでこんな奴がいるんだよ!」
おびえているのは、賛同者のレドだ。
トスカナ候である彼は、知に長けたドルイドで反乱軍の魔道部隊を率いている。
その代わり性格はかなりの小心者で、ディアスは彼を毛嫌いしており計画の中で唯一気に入らなかったことだ。
「そう言うな。あのリリーナに対抗できるくらいの魔道士をつけるのが筋だろう。レドもいい加減に腹をくくれ。自分から賛同した以上、それなりに働いてもらうぞ」
「わ、わかったよ。その代わり約束は守れよ」
約束とは、成功の暁にはオスティアとフェレの領土をくれるというもの。ヘンゲル同様、欲望の強い彼を動かせるには十分だった。
意気の上がるディアス、そして手に入る富に胸躍らせるレドを尻目にヘンゲルは嘲笑する。
(くくく・・。これだから単細胞は扱いやすい。貴様らなんぞ私の“コマ”に過ぎんのだ)
反乱のときは、刻一刻と迫っていたのである。
 
時を二日ほど少しさかのぼる
ここはフェレ城の王室。
その部屋に新たにフェレ騎士団の団長となったアレンが入室した。
「失礼します。ロイ様、オスティアからの使者がこれを・・・」
書状を受け取り、ロイは手紙を開いた。
手紙はリリーナからのものだった。
「あなたがオスティアを発ってから二日ほど後、ルゥから手紙が届いたの。その中でとんでもないことが書かれていたの。「アラフェンではあちこちで戦の準備をしている」と。
 事実かどうかはわからないけど、ルゥの言うことに嘘はないと思うし、チャドに筆跡を確認させたらルゥのものに間違いないそうよ。盟主としてこれは見過ごせない事態なの
 反乱かどうかはこれからその検討をするから、すぐにオスティアに戻ってきて。  リリーナ」
手紙を読み終えた後、ロイは傍にいるマーカスにたずねた。
マーカスは動乱後騎士を引退し、今はロイの参謀となっていた。
「どう思うマーカス。もしこれが本当だとしたら・・」
「可能性はありますな。ヘンゲル殿はリリーナ様が盟主でいることを快く思ってません。反乱の動機は十分かと」
「しかし本当にオスティアが狙いなのかな。いくら兵を集めたところで、オスティアとアラフェンじゃ距離がありすぎる。そこが気になるな」
「しかし、ロイ様・・」
「わかっている。オスティアに戻る。マーカス、後を頼む」
「では、護衛の兵を呼んでまいりましょう」
「いや、その必要はない」
ロイの言葉に、マーカスは異議を唱える。
「ロイ様、何ゆえそのような・・」
臣下の問いに、ロイは緊張した趣で答える。
「妙な胸騒ぎがするんだ。兵は出来るだけここに残して置きたいんだ」
それ以上マーカスは聞こうとしなかった。

その夜、ロイは一人で城を出た。妙な胸騒ぎがしたまま・・・。
                 

137: 旅人:05/08/17 17:57 ID:S8kfkuj.
小休止
え〜突然記載させていただいたわけですが、タイトルは「光ある未来へ」です。
ベルン動乱から2年後の世界を舞台に書かせてもらってます。
ここまでで出てきたキャラクター及び封印キャラの現在の地位です。
ロイ   フェレ候 
リリーナ オスティア候
ウォルト ラウス候
スー   ラウス候夫人
マーカス フェレ家宰相
アレン  フェレ騎士団団長
ランス  同副団長
チャド  オスティアの密偵
シャニー エデッサ王宮騎士団団長
クラリーネ リグレ候妹
クレイン リグレ公爵
ティト  同夫人
ヘンゲル アラフェン候
ディアス カートレー候
レド   トスカナ候



138: 旅人:05/08/17 21:35 ID:ipa88ZQs
再会
オスティアに向かう船の上で、ロイはリリーナからの手紙を思い返していた。
(ヘンゲル殿はどこを狙うつもりだ・・・。素直に考えれば、オスティアを狙うはずだが・・。昨日からずっと胸騒ぎがやまない)
オスティアとアラフェンの距離はどんなに強行軍をかけても馬で七日はかかる。それだけかかればすぐにオスティアの知るところとなり、奇襲が決まる可能性は低くなる。
ましてやオスティア軍はエレブ大陸きっての重騎士団と難攻不落の城を持つ。篭城に追い込んだとしても、援軍が来るまでは持ちこたえることもできる。
反乱を仕掛けるには不利な要素が多い。
ロイは考え込んでいるうちに、背後に人が近づいているのに気づかなかった。
「よう、あんたロイってんだろ」
ロイはその瞬間気を張り詰め、マントで隠している剣に手をかける。
(ヘンゲルの・・・刺客か?)
背後からの凄まじい剣気に、背筋が凍りつく。しかし、なぜか懐かしい・・・。
(もしかして・・・)
そう思い後ろを見た。
自分の丈ほどある大剣を持った緑の髪の剣士。
そして何よりも目立つ顔の傷を見て、かつての戦友だと確信した。
「ディークか・・・、脅かさないでくれ」
「よう大将、ひさしぶりだな」

「そうか・・リグレ候のところに行くとこだったのか」
「ああ、クレインにせがまれてな、二月に一回は顔を見せるようにしてるんだ、そういやお前は何で一人で、この船に乗ってんだ?」
ディークの言うことは最もだ。今や一貴族であるロイが、たった一人でこの船にいることを疑問に持たないほうがおかしい。
しかしロイは話すことができない。いかに信頼しているとはいえ、ディークは傭兵である。
すでにアラフェン候に雇われている可能性も否定は出来ない。
ロイが困惑の表情を表すとディークは聞くのをやめた。
「俺もオスティアに用がある。話しは道中で聞く」
そういうとディークは船室に入った。
(ディークには話してもいいかもしれない・・・・)
ロイはそう思った。もしディークがヘンゲルの刺客なら、背後を取られた時点で命を奪われている。
ロイは船室に戻った。そして翌日の日中、船はオスティア領の港町バドンについた。

139: 旅人:05/08/18 00:45 ID:wN2Fkp12
驚愕
オスティアまでの街道でロイはディークにこれまでの経緯を話した。
「なるほどな、アラフェンでやたら傭兵の勧誘があったのはそのせいか」
「えっ!ディーク、まさか君は・・」
「ば〜か安心しろ。俺はやつらの手先じゃねえ。もしそうだったら船でおまえを殺ってる」
「す、すまない。しかしこれで反乱の可能性が高まった。一刻も早く対策を講じないと」
「付き合うぜ、ロイ」
「いいのかい?」
「昔のよしみだ。それに万一のためにも味方は多いほうがいいだろ」
「ありがとう、心強いよ」
「前金でたのむぜ」
二人はオスティアへ馬を急がせた。

二人がオスティア城に到着すると、リリーナを中心に作戦会議が開かれた。
とはいっても少人数で行ったもので、参加者はロイ、リリーナ、重騎士団長のボールス、密偵のチャド、それに契約したばかりのディークの五人である。
「ルゥの手紙が届いてからいろいろさぐりを入れているの。まずは兵力。情報ではカートレーやトスカナも賛同しているみたいよ」
「アラフェンはオスティアに匹敵するくらいの兵を持っているし、それに二つの軍が加わるとしたら、正規兵だけでも1万5千はあるな」
「ディーク殿の言うように、傭兵も沢山集めているとすれば、2万を超える大軍になりますな」
「けっこうな数だな、オスティアが狙われたらやべえんじゃねえか」
ディークの問いにチャドが自身満々に答える。
「心配ねえよ、篭城すればこっちに分があるし、そう簡単にはやられねえよ。でもほかの領土だとちょっとやべえかもな」
その言葉に、ロイは急にものすごい悪寒を感じた。
顔色を変えるロイに気づき、リリーナが気を使う
「どうしたのロイ、顔色悪いわよ」
「・・・フェレを発ったときからずっと胸騒ぎがするんだ。自分の領土が襲われるんじゃないか・・」
苦しむロイを見て、チャドはあわててわびる。
「あっ、ご、ごめんロイ様。変なこと口走って・・」
「いや、いいんだ。気にしてないよ」
「だが、まんざらでもねえ。距離のあるオスティアよりも、親交のあり尚且つ近いところを襲うって事も考・」
「ディーク!いい加減にして!」
苦しむロイに追い討ちをかけるようなことを話すディークに、リリーナが激高する。
「自分の国が襲われるかもしれないロイを、どうして苦しめることを言うの!」
「いや、おれは万が一のことを・・」
「あなたには分からないわ!自分の国の民が苦しめられる領主の気持ちなんか!」
「リリーナ様、落ち着いてください」
ボールスの言葉に、リリーナは我に返る。
「ロイ様をかばう気持ちは分かります。しかし今は口論をしている場合では・・」
「・・・・そうね。ディーク、ごめんなさい」
「いや、俺も言い過ぎた。悪かったなリリーナ、ロイ」
「・・みんな、すまない。でも僕は大丈夫だ。だから・・」
その時、部屋の扉が勢いよく開いた。
リリーナの護衛隊長であるウェンディが、息を荒げながら伝令を伝える。
「リリーナ様、ロイ様、大変です。フェレがアラフェン候の率いる反乱軍に強襲され、壊滅的被害を受けたとの報せが!」
「何ですって!」
「・・・やりやがったか」
報告にリリーナは驚愕し、ディークは歯軋りをする。そしてロイは言葉を失い、呆然と立ち尽くす。
「エリウッド様達はどうなったのだ、ウェンディ」
「エリウッド様及び主な臣下の生死は不明。反乱軍はそのまま進路をラウスにとり、このオスティアに向かっています」
「・・・ロイ」
「・・・可能性がある限り僕はあきらめない。まずはラウスにむかおう!ウォルト達と力を合わせて、反乱軍を倒す!」
現実を受け止め、すぐに冷静な判断をくだす。ロイは己を見失わなかった。
(へっ・・さすが“英雄”だな)
ディークはそう思うのであった。


140: 手強い名無しさん:05/09/30 00:24 ID:YUjjS87.
随分と久々に書きます

6章 竜の血

「イドゥン、足とかは大丈夫か?」
「ええ、斜面が急だけど大丈夫・・・」
エトルリアからリキアへと渡るのには山を越える必要があった
(海路もあるのだが金が足りないとの事で山越えにした)
ルトガーは途中に魔物が出ないかと思っていたが出る気配はなかった
「ここだ」
「ここは?」
「以前、西方へ遠征に行く時この洞穴を通ればわざわざ山頂まで回らずに済むと聞いた」
「それでルトガーさんは崖みたいな所を?」
「そうだ。この方が少々危険だが早いと思ってな」

そうして4人は洞穴へ入っていった

暗いが結構広く途中に景色を望める穴もあいていた
水がポツポツと落ちる音を聞いていたがルトガーは
「待て・・・」そう言うと
「何かいる」

4人は戦う構えをした。その瞬間
「きゃーー!」
「イドゥン!?」

141: 手強い名無しさん:05/09/30 00:38 ID:YUjjS87.
イドゥンが何かに手と足を絡めとられ、上へと上げられたのがわかる
光が少し入ってくるが何かはわからない

「ちっ・・・何だ!?」
「待って、石で照らしてみる!」
ファが神竜石の光で何かを照らした
すると・・・
「これは・・・植物?」
「わっ!危ない!」

「ルト・・ガー・・」
「イドゥン、・・くそ!
フィル、ファを守りながら戦え!」
ルトガーはそう言い放つと植物の魔物に向かって斬りこんでいった
「ファ、側を離れないでルトガーさんを助けてあげて!」
「うん!」
フィルとファは向かってくる触手を切り倒し、焼き払いながらルトガーに向かってくる触手を減らしていった
一方イドゥンは手と足が縛られていて何もできないがルトガーが自分の元へ来ているのをみて少し安心していた
「イドゥン!」
「ルトガー!」
「待ってろ、今叩き斬る!」
剣を構え、彼女を縛っている触手を全部斬り払うと崩れ落ちる彼女を抱きかかえ、フィルのところへ駆け下りた
「フィル、どうだ?」
「どうにもこうにも・・・数は減ってるけど多すぎですよ」
「く・・3人で何とかできるか?」

その時だった
手斧が後ろから飛んできて触手を瞬く間に斬り倒した
「今のは・・・?」
「よおルトガー、苦戦してるみたいだな?」
「ディーク?それにクラリーネにクレイン将軍」
「あなたが向かうと聞いて不安に思ったらこれですもの」
「話をしている場合じゃないよ。あれを倒さないとね」

142: 手強い名無しさん:05/09/30 00:53 ID:YUjjS87.
かつての相棒ディークに仲の良かったクラリーネにその兄のクレインがかけつけてきた

「恐らくあの本体を倒せばいいだろう」
「よし!任せろ!」
「私もやりますわよ」
ディークは手斧を投げて邪魔なものを斬り、クラリーネはエルファイアーで焼き払った
「あれだな。よし!」
クレイン将軍は自慢のミュルグレで植物の本体と思われるところを居抜いた。だが、手応えはあまりない
(斬ったほうが早いのかもな・・・)
ルトガーはそう思うとフィルと共に斬り込んで行くが、硬くて斬れそうにはない
「ち、やはり炎系で焼くしか無いか・・・」
「う・・・ルトガー」
「イドゥン?」
「ごめんなさい」
「もういい、それよりあの本体を何とか炎で焼けないか?」
「・・・もしかしたら竜語魔法で効くかもしれない」
「竜語魔法?」
「詳しい話は・・・後にしましょ」
「そうだな・・詠唱に入れ。クラリーネもフォルブレイズで援護頼む」
「言われなくてもでしてよ!」

全員一気に攻撃に出た
ファはイドゥンの側で邪魔な触手を焼き払って、残りは向かってくる触手を倒して行く

「今、ファ。どいて。・・・みんな下がって!」
イドゥンがそう言うと手から紅蓮の炎となって魔物に向かっていった
「ファラフレイム!」
炎は魔物の本体に直撃し、間も無く魔物は倒れた

「イドゥン、大丈夫・・・じゃないな。オスティアについたらゆっくりと休ませるか・・・」
「ルトガー、あの魔法は?」
「詳しくはわからん。それよりお前達はどうするんだ?」
「ルトガーと一緒に行くよ。あんな化け物がいたら大変だ。僕達も協力するよ」
「クレイン将軍・・・すまないな」

ルトガー達は洞穴を抜けるとオスティアへと辿り着いた

143: 手強い名無しさん:05/09/30 00:55 ID:YUjjS87.
えーとすみません・・・更新しなくて放置しっぱなしで
一段落して落ち着いたので更新していけると思います

144: 7章リキア地方へ:05/10/15 01:25 ID:qK25cVGs
オスティアへ辿りついたルトガー達はまずリリーナに会う事にした
「ここか」
「そうだね」
ルトガーはオスティア城の城門についた
「すまないがリリーナ嬢に会いたいのだが・・」
「お名前は?」
「ルトガーだ」
「ルトガーさんですね。しばらくお待ち下さい」
「あれ?ルトガーさんじゃないか」

後ろから懐かしい声がした
「・・・オージェか?」
「やっぱりルトガーさんだ。みんな揃ってどうしたんだ?」
青い髪のした青年が問いかけた。それに対しルトガーは
「わけは後で話す。リリーナ嬢に会いたいのだが・・・」
「ああリリーナね。あ、君。この人達は親友だからわざわざ通す必要はないよ」
「はっ、わかりました」
「どうぞ中へ入ってください」
「わかった」

ルトガーは何故オージェがリリーナ嬢を呼び捨てして呼ぶのが不思議で問いただしてみると二人は戦いの後結婚してオージェはオスティア領主・・・ではなくリリーナの側近という形らしいと言う事だ
リリーナに会う前にルトガーはイドゥンを休ませる必要があると言い、別な部屋へと連れて行った

「・・・イドゥン、気がついたか?」
「・・・ルトガー?」
イドゥンは疲れているのか顔色が悪かった
「お前はここで休んでいろ。戦った後だ。無理は禁物だ」
「・・・私も行く」
「駄目だ。ここでゆっくりしてろ」
そう言ってルトガーはイドゥンをベッドに横にさせて寝かしたあと部屋を出ていった
「・・・ルトガー・・・」

その後ルトガーはリリーナと会い、話をした
話の前にこれまでに調べた事を話し、事情を説明すると彼は魔物の事や被害など、詳しい事を聞いた
「そう・・・今のところ被害はでていないわ」
「そうか、だが早いうちに破壊するのがいいだろう」
「ルトガー。私にはお手伝いはできないけれどロイを訪ねてみて。きっと力になってくれると思うわ」
「感謝する。リリーナ嬢」
「リリーナでいいわよ。ルトガーはいつもそうなんだから・・・」


145: 手強い名無しさん:05/10/15 01:26 ID:qK25cVGs
今後の行く先はフェレへ行き、ロイと会う事になった
だが連日旅をしているため疲れていたので2、3日滞在することにした

「ふう・・・イドゥン、・・・寝てるのか」
そぉっと彼女の顔を見てみた
「・・・天使みたいだな、かつて魔竜だったのに今は一人の神竜の女性・・・か」
ルトガーはもの思いにふけると
「・・・安心しろ。お前は俺が守ってやる」
そう言ってルトガーは眠りについた


「・・・・・・ルトガー?」
イドゥンは彼が側にいるのに気がついた
「もう・・心配・・ルトガー?」
彼女とルトガーがだんだんと離れてゆく
「ルトガー、お願い行かないで!」
次第に彼女の目には映らなくなった
「ルト・・・ガー・・・」
「何を恐れている・・?」
突然声がした
「だ、誰・・・?」
「我が妃よ、何を恐れる必要があるのだ?」
「き・・・さき?」
「そうだ。我が妃、イドゥンよ」
「・・・あなたは誰なの!?」
「我は黒竜王ティアマット。そなたは我が妃なり」
「・・・・・・来ないで!!!」

ルトガーは大きな声に目が覚めた
「イドゥン!?」
「・・はっ・・・はぁ・・・」
「どうした?何か悪い夢でも・・・?」
「・・・ルトガー」
「・・・少し風にあたる方がいいか」
ルトガーはイドゥンと一緒にベランダへと出た
「・・・イドゥン、どうしたんだ?」
彼女は震えていた
「・・・ルトガー、あなたがいなくなる事は・・・ないよね」
「俺はお前の側にいる。お前を守るためにな」
「ルトガー・・・」
「今は休むといい。2、3日はここは動かないからな」
「・・・私、夢を見たの。あなたが遠くへ行ってしまって私が黒竜の妃に・・・」
「!?」
「ルトガーお願い、約束して。ずっと・・・一緒にいてください」
「・・・イドゥン。お前を守るんだ。ずっと一緒にいてやるよ」

そして夜が更けていった・・・

146: asss:05/10/15 21:26 ID:601lJXN2
次の朝、何の前触れも無く全員消えた

147: 8章休息の日:05/10/16 01:37 ID:xdPffgOI
朝になるとルトガーは町へと向かった
「・・・風景は変わって無いな。まだ半年しかたっていない」
半年前にオスティアで反乱があり、その時ルトガーはロイのリキア同盟軍に所属しており一員として戦っていた
「・・・あれから半年。戦いが終わり2ヶ月か・・・」

「・・・ルトガー?」
イドゥンは目が覚めるとルトガーがいないのに気づいた
「どこへ行ったのかしら・・・」
部屋を出て探しに行った
「・・・・・・」
「あ、イドゥン。目が覚めた?」
声をかけてきたのはリリーナだった
「ええ・・・ルトガーは?」
「ルトガーなら町に行くとか言って一人で出かけたみたい」
「そう・・・私も一緒にいいかしら」
「いいわよ」

ルトガーはいつも通り、闘技場へ向かった
「親父、掛け金はいくらだ?」
「760ゴールドになるぜ」
「よし、じゃあ掛け金だ。相手は?」
「あっちだ」

「ルトガーのことだからきっと闘技場に行ったんでしょうね」
「とう・・ぎ・・・じょう?」
「行けばわかるわ」

148: 手強い名無しさん:05/10/16 01:37 ID:xdPffgOI
「はぁ!だぁ!」
「見て、ルトガーよ」
「ルトガー。どうして戦っているの?」
「ここは腕を磨いたりお金をかけて戦うのよ。もちろん命もかけて戦うからそこは注意だけど降参があるから大丈夫」
「・・・・・・」
「見て!」

「・・・遅い」
敵の攻撃はろくに当たらず
「次で終了だ。・・・・・・七星剣!」
ルトガーが一瞬構えたかと思うとすれ違いさまに斬りつけた
「すごい・・・」
「ルトガーって・・・あんな風だったの?」
リリーナは少し驚いていた。軍で見る彼とは違う姿だったからだ

「・・・次はどこへ行く?」
ルトガーはあてもなしに歩いていた
「イドゥンも連れてくるべきだったか?」
「ルトガー」
「イドゥン?いたのか」
「あなたが闘技場で戦っているの見てたのよ」
「リリーナもか」

3人は公園で話をすることにした
「・・・そう言えばロイはどうしている?ソフィーヤと結婚したと聞いたが」
「えーと今フェレで復興している最中みたい。あ、そう言えばロイって半竜人なんだって。ルトガー知ってた?」
「いや、初耳だ」
「ロイの母さんが竜でその人とエリウッドおじ様の間にできたのがロイなんだって」
「そのことをお前は知っていたのか?」
「ううん、最近よ」
「・・・半竜人」
「どうかしたのか?」
「いいえ・・あの人はまだその血が覚醒していない。もしそうであれば時の流れは遅いはず・・・」
「竜は時が流れるのが遅いからか・・・」

149: 手強い名無しさん:05/10/24 20:23 ID:jU/ZQWrM
おもろいですね
つづき待ってます

150: 手強い名無しさん:05/10/30 01:17 ID:UfcOtkdY
しばらくして昼が近づいていた
「・・・腹減ったな」
「あ、近くに行きつけにレストランあるの。行ってみる?」
3人はリリーナの良く行くレストランへと足を運んだ
「ルトガー何食べるの?」
「そうだな・・・和食はあるのか?」
「和食・・・サカの方のは少しだけど」
「それにしよう。イドゥン、お前は何を食べる?」
「えーと・・・それじゃコーンスープとあとサラダと焼き魚を」
「決まりね。店員さん、私はいつものでお願いしまーす」
「かしこまりました」
注文したものが来ると
「いただきまーす」
リリーナは明るくそういった
「・・・味は悪くないな。この店」
「・・・・・」
「どうした?」
ルトガーは食べずにイドゥンがこちらを向いてるのに気がついた
「・・・不思議な食べ物」
「?」
「ルトガー、彼女サカの料理を知らないから・・・」
「無理もないか。サカに行った時思う存分食わしてやる」

食べ終わるとまた町へと出た
「・・・ルトガー、何か買ってあげたら?」
「俺がか?」
「そ、似合いそうな物があるかなぁって」
「・・・」
身だしなみとかそういうものにうといルトガーは彼女に何が合うか少し考えた
「・・・若い女性、竜、神秘的な感じ、容姿端麗、か」
考えがつくと
「・・・いい店はないか?」
「あるわよ。こっちこっち」

151: 手強い名無しさん:05/10/30 01:18 ID:UfcOtkdY
店につくなりルトガーは竜の形を模したペンダントと指輪を買った
「それに名前を入れてくれ。ルトガー・リルスと」
「わかりました!しばらくお待ちください」
「・・・?」
「で、ペンダントと指輪を買うの?」
「考えたらこれがいいと思ってな」
「6000ゴールドになります」
「丁度だな。これだ」
「ありがとうございました。またお越し下さい」
「イドゥン、着けてみるか?」
「ええ、ありがとうルトガー」


城へ帰るとイドゥンはルトガーにこう聞いた
「ねぇルトガー何故あなたの名前を入れたの?」
「理由が必要か?」
そういうとイドゥンはうなずいた
「・・・お前に忘れてほしくない」
「えっ?」
「戦いが終わればまた旅に出るかもしれないからな。お前には俺の事を覚えて欲しい。知らずに消えて行くのはお前も嫌だろう?」
「・・・私が忘れない?」
「それにお前は竜だ。1000年以上生きる事が普通。俺は人間でせいぜい80年か90年、100年が限界だ」
「そんなっ・・・」
「・・・残酷なものだな。運命や種族というのは」
そう言うと彼は去っていった
「・・・種族?」

その夜、ルトガーはあることを考えていた
「やはり正直に話したほうがいいのだろうか・・・」
ベッドに入るが中々寝付けず、テラスに居た
「いくら俺が神秘的な女性に弱いとは言っても・・・言わない方がいいのか」
振り向いてベッドに向かおうとすると
「イドゥン」
彼女がいた
「・・・寝れないのか?」
「ええ、だから少し話をしようかなって・・・」

「ねぇルトガー、時ってあなたと私では違うの?」
「違うと言えば寿命が違うくらいだろうな。お前はまだ生きて俺は老いて死んで行く。それが普通だろう」
「・・・もし、ルトガーが竜だったら何をしたいの?」
「俺が?・・そうだな、一番大切なものをずっと守っていきたい。それが俺がしたいことだな」
「そうなの?」
「そうだ。・・・イドゥン」
「なぁに?」
「・・・それ、ずっと着けていろ」
「ええ、ありがとうルトガー」

そうして3日後、ルトガー達はフェレへと向かうのだが・・・
その日の朝
「ルトガー、これ」
「これはデュランダル。何故こんなものを?」
「これルトガーが今まで使っていたでしょ、だから渡しておきたいと思って」
「・・・そうか」
「あ、ちゃんと手入れしてあるから大丈夫よ」

ルトガーはリリーナからデュランダルを受け取り、フェレへと向かった

152: 手強い名無しさん:05/11/19 23:53 ID:57hyHuOk
続き待ってます
まったりとぜひ続けてください

153: 9章再会の時:05/12/13 00:41 ID:MDU4aCls
数日してルトガー達はフェレへとついた
「ここがフェレか。来るのは初めてだな」
空を見ると天馬が飛んでいる
「あれはティトだね」クレインが上を見て言う
「ちょっと待った。君達は・・・」
赤い鎧を着た騎士が話しかけて来ると
「ルトガーだ。ロイに会いに来た。相変わらず汗かいているな・・・」
「ルトガー・・・?ああ、君か。城であればこっちです」

赤い鎧を着た騎士に案内されるとフェレ城についた
「どうぞ中へ」
「すまないな」

中へ入り、広間へ案内されると
「ロイ様、客人が参りました」
「お客?」
「久しぶりだな・・・」
「ルトガー!それにみんなも」
「・・・イドゥンもだ」
「・・・?どうして彼女が?」
「わけを話そう」

154: 手強い名無しさん:05/12/13 00:42 ID:MDU4aCls
ルトガーは今まであった事を人とおり話すと
「・・・まさかそんな事が起きているなんて」
ロイは驚いた表情でその話を聞き終わった
「被害が拡大する前に止めなければならないんだ」
「でも、場所はわかっているんだろう?だったら協力して・・・」
「・・・あなた、あの・・・」
ロイの妻であるソフィーヤが不安気な顔をして話かけてきた
「なんだいソフィーヤ?」
「話を聞いていて・・・何だかベルンの方に・・・黒いものを感じます・・・」
「黒いもの・・・?」
「・・・奴は復活しつつあるのか?」
ルトガーは黒いものが何なのか少し感じ
「まだわかりません・・・私にも感じる程度で・・・」
「そうか」と納得した
「ルトガー、私達はこれから魔石を破壊してそれからティアマットを倒す・・・のね?」
イドゥンが何やら心配そうに聞いてきた
「そうだが何か?」
「・・・破壊したとしても倒せるのかしら」
本に書いてあるとおり、あの武器が無ければ倒せないだろう。だが
「心配するな。デュランダルがあるから最悪武器が壊れても何とか倒せるだろうな」
リリーナからもらったデュランダル。前の戦いでルトガーが常に持っていた
人竜戦役の時勇者ローランが使っていた烈火の剣である
「そう言えばお前の親父も使っていたのだろう?」
「その通りだよ」

155: 手強い名無しさん:05/12/13 00:43 ID:MDU4aCls
後ろから声がすると
「父さん、母さん」
ロイの父親エリウッドと母親のニニアンが2階から降りてきた
「調子は大丈夫なの?」
「心配ない、この通り元気だよ。してルトガー・・・と言ったね」
「そうだ」
「ふむ・・・中々良い目をしているな。今日はティア・・・何だっけ?」
「ティアマットですよ、あなた」
「そうだそうだ。話を聞いていたのだが戦うと聞いたよ」
「・・・・・・」ルトガーは黙って聞いていた
「しかしそれで倒せるとは私には思えないな。戦った火竜とも違う存在の様に思えるんだ」
「・・・存在が?」
ルトガーには竜と同じものと感じている
「うむ、何か・・・この世界とは違う何かがね・・・」
「・・・そうか」

昼が過ぎ、ルトガーはイドゥンと一緒に散歩に出た
「・・・ルトガー、さっきの事だけど」
「・・・何だ?」
「もし倒せなかったら・・」
「考えるな」とっさにルトガーは否定した
「その事を考えると勝てるものも勝てなくなる・・・」
「でも私・・・ルトガーの事が心配なの」顔を赤らめてイドゥンは言った
「あなたに死なれたら私・・・」
「イドゥン・・・」ふっと頭から押さえるようにすると
「すまないな・・だが死ぬことは何とか避けてみよう」
「ルトガー・・・」

156: 手強い名無しさん:05/12/13 00:47 ID:MDU4aCls
「母さん、あの二人をどう見る?」
「?どうって・・・」
「何だか二人とも雰囲気が全然違うように思うんだ。まるで昔の君みたいに」
「・・・もしかすると竜?」
エリウッドとニニアンがテラスから二人を眺めて話をしていた
「少なくともそう思えるね。まぁ良いんじゃないか?雰囲気も良いみたいだしね・・・」
「あなたったら・・・」
その頃・・・
「お姉ちゃん!」
「ファ、おいで・・・」
「元気にしてたかい?」
繋がりのある3人。3人とも竜である前に一人一人が人間でもある
「ああいうの見てると家族っていいものだね」
「何だよホームシックか?」
「違うよ。僕にもああいう支えてくれる人がいたらって・・・ね」
「あら兄様。私がいましてよ」
「そうだったね。でもクラリーネには・・・」
「・・・その事は控えてくださらないでしょうか?」
「・・・ごめんね」
この3人も家族同然の繋がり
笑いあい、時には支えあいながら過ごして行く・・・
二人にはそれがあるのだろうか?
二人を繋ぎ引き寄せるものは・・・?
それを知る事がこの旅の目的なのかもしれない
人であるが人と触れる事を恐れるがただイドゥンには心を開くルトガー
竜であるが人に興味を持ち何故と考えたが故に利用され人から恐れられる存在になったがルトガーの事を思うイドゥン
あの戦いから3ヶ月。彼にはある考えがあった
このまま一人で生きるかそれとも共に生きる事を選ぶか
復讐を果たした今、共に生きることは必要ないと感じた
だが今は違う。一人の竜であり一人の女性を好きになってしまったからだ

157: 手強い名無しさん:05/12/13 00:49 ID:MDU4aCls
(果たしてイドゥンは共に来てくれるだろうか?)
ただ、彼女の事が頭に浮かんだ
小さな木の元でゆっくりしている。イドゥンはルトガーに寄りかかるようにして寝ている
「・・・イドゥン」
すーすーと寝息を立てながら彼女はゆっくりと寝ている。いつ魔物が襲ってくるかわからないのに
「・・・まったく、俺も素直じゃないな」
「・・・ルトガー、・・・ずっと・・・いてね」
寝言だ。だがそれは本当に寝言であるのか疑わしいくらいの自然な寝言だった
「・・・ずっとそばに・・・」
「・・・参ったな。おいフィル!城へ行くぞ」
木の上にはフィルが居たのでそう呼ぶと
「あ、はい!ついでにリンゴ持ってきましょうか?」
「そうしてくれ」

城へ着くともう夕方を過ぎていたので夕飯を食べた後、風呂に入った
「ふぅー」
「ルトガー、体洗おうか?」
「頼む」
ロイがルトガーの背中を流していると
「ところでルトガー、彼女とはどういう関係なんだ?」
「どういう?」
「そっ、恋愛とか異性とか」
「・・・お前、いつからそんな考えが」
「嘘はいかんぞ」
風呂の戸を開けてエリウッドが入ってきた
「父さん」
「いいか、女の人は場所と時間を選んで話すんだ。私も・・・」
「・・・まったくあの人ったら」
ニニアンが向かいの話を聞いていた
「ロイ様も・・・元気でなによりです」
「・・・・・・?」
イドゥンは何の話か理解しきれてないようだ
「あ、良いのよ。私達の話しだから」

「まったく・・・体を流すつもりが逆に疲れたぞ」
30分程彼らの話しに付き合わされていた
「今日はもう寝よう」
「ルトガー」
「イドゥン?」

ベランダに二人は出た
「・・・こんな時間にどうしたんだ?」
「ルトガー・・・」
「・・・・・・大丈夫か?何か気になる事があれば言え」
不安気な表情を浮かべて彼女は
「・・・私、あなたの前から消えそうな気がして・・・」
「消える?」
「ええ」
「俺は消えたりはしない。ずっとお前の側に居続けてやる」
ルトガーは否定した
「・・・本当に?」
「本当だ。居続けよう。お前の側に」
「ありがとうルトガー・・・」

翌日、ルトガー達はサカへ向かおうとするが・・・
「ルトガー待ってくれ」
ロイがひきとめた
「なんだ急に」
「僕達も連れて行ってくれないか?」
「家はどうするつもりだ?」
「父さんと母さんがいるから大丈夫。話を聞いて二人で我慢してられなかったんだ」
「二人?」
ロイのすぐ後ろにソフィーヤがいた
「彼女も一緒に行く。大事な人だから・・・」
「わかった。じゃあ向かうぞ」

158: 手強い名無しさん:05/12/13 00:50 ID:MDU4aCls
えーとテストやら旅行やらで忙しかったのですみません・・・
少しずつ更新していくつもりです

159: 手強い名無しさん:06/01/09 23:02 ID:lm3QGbcs
10章記憶の彼方
サカへ向かうこと1週間。ようやくサカに入った
「・・・広い・・・」
髪が風で靡く中イドゥンは言った
「町へ向かうぞ」
近くの町へ向かいそこでどうするかを話し合うことにした
「ルトガー、ベルンへ真っ直ぐ向かったほうが良いんじゃないのか?」
「いや、何か他に資料は無いかと思ってな。もしかするとサカやイリアにもあるかもしれないからな」
ロイとルトガーは話し合っている様子だ
その頃他の皆は
「綺麗・・・」
「何か買ってくかい?」
「・・・それじゃその水晶でできた竜の首飾りを」
「ああ、これね。500ゴールドでいいよ」
「・・・ありがとう」
イドゥンはルトガーに首飾りを買って
「へぇ・・・はじめて見たけど緑が多くてきれいだね。ここは」
「兄様。景色も良いですけど空気もきれいですわよ」
「ま、たまにはこういうところもいいかもな」
クレイン以下3人は町の公園で散歩していた
「で、資料がある可能性が高いということなのかい?」
「恐らくはな。大きい国だからピンからキリまで探せばあるかもしれん」
「うわ・・・それは大変だね」
「人事のように言うなよ・・・」
一段落ついたところでルトガーは町に出てイドゥンを探した
「あいつ・・・どこにいるんだ?」
ただ当てもなく歩き回っていると
「あ、ルトガー」
後ろから懐かしい女性の声がした
「その声はスーか」
「何故ここに?旅の途中?」
「まぁ、そんなものだな」
「そう。村には帰らないの?あそこは・・・」
「スー、それは俺が決めることだ。勝手にしてくれ」
「・・・わかった」
馬に乗りスーは町の外へと去って行った
「イドゥン。どこにいるんだ?」

160: 手強い名無しさん:06/01/09 23:03 ID:lm3QGbcs
「・・・風」
一人草原に出ていたイドゥン。彼女は彼が来るのを待っていた
「ルトガー」
「こんな所に居たのか」
「どうしてわかったの?」
彼に聞いても
「別に歩き回っていただけだ」
「そう・・・あ、そうだ。・・・これルトガーにあげる」
右のポケットから買った首飾りを差し出すと
「水晶でできた竜の首飾りか。お前が作ったのか?」
「いえ、違うわ。お店で売っていたのを買ってきたの」
「珍しいな。サカで水晶が取れるとは」
そう言いながら彼は首に着けた
「うん。似合ってる」
不思議に思ってルトガーはイドゥンを見ていたが二人で町へと戻った

その夜、ルトガーは一人で草原へと出て寂れた村へと向かった
「・・・変わって無いな。あの時から」
そして一つの家へと入った
「ベルンに襲われた時から変わって無いな・・・」
その家はルトガーが家族で暮らしていた家だった。今は家の扉は壊れて、屋根や壁は穴が空いていた
「・・・・・・戻ってきてよか」
後ろから突然音がした
「誰だ!・・・・・・この!」
「きゃぁ!」
外に居た何者かをつかんで投げるとイドゥンだった
「イドゥン!?」
「ご、ごめんなさい・・・」
「何でお前が?」
「クラリーネやロイに聞いたら外に出ていったって言ったからそれで・・・」
「夜は危険だと言っただろう!・・・まぁいい、側にいろ」
「うん・・この家、ルトガーの?」
「何故わかる?心でも読んだのか?」
「えっ。どうしてわかるの?」
前にソフィーヤに腹が減っているのを察知されてわざわざ食べ物を出してもらった覚えがあった
「前にソフィーヤに心を読まれてな。もしかしたらその類かも知れないと思ったからだ。・・・そうだな。心を読むと言う事は人の思い出も読めるということだろう?」
イドゥンは不思議に思ったが
「・・・?ええ。生まれた時まで遡ることができるわ」
ルトガーは少し笑いを浮かべると
「丁度良い。俺の過去の思い出を遡って見てみろ。遠慮は要らない」
「え、えーと・・・それじゃあ・・いい?」
二人は手を繋ぐとイドゥンは詠唱をして二人共瞑想するかのように入った

161: 手強い名無しさん:06/01/09 23:05 ID:lm3QGbcs
(何が見える?)
(今あなたが戦っているのが見えるわ。雪が降っている)
(イリア地方・・・最近の出来事だな)
(ここは・・船の上かしら)
(多分エトルリアから西方へだな。あるいは西方からミスルへか)
(・・・馬?それに女性が・・・)
(クラリーネか。初めて仲間に入った時だな)
(ねぇルトガー、これは?)
(・・村が襲われた時の状況だな)
(・・・ごめんなさい。あ、でも何だか滝に上っているのが見える)
(近くの山だな。あの時何があるか興味津々だったな・・・そろそろ少年時代か)
(うん。一人で何だか木の棒を振っているけれど)
(ん〜多分剣を振る真似をしていたんだな)
(・・・?)
(どうした?)
(・・・これは?)
(・・・・・・何だコレ?記憶にないぞ。生まれた時のは?)
(いえ・・・ここが生まれた時の記憶みたい)
(何だと!?)

「イドゥン、さっきのが俺の生まれた所なのか?・・・じゃあ俺は・・・」
「落ち着いてルトガー。仮にそうだとしてもあなたが人である事には変わりはないわ」
「俺は何者なんだ?人だということはわかった。だが真実は何だ?」
「それは・・・終わったら探しに行きましょう。私もあなたの事が知りたいから」
ルトガーを落ち着かせると二人は町に戻ろうとしたが
「!?」
イドゥンが何か驚いたような声を出すと
「どうした?」
「・・・何か来てる」
イドゥンが指を指すとその先に魔物の大群が迫ってきている
「イドゥン、町に向かってロイ達にこの事を伝えろ」
「えっ!でも・・・」
「早くしろ!奴らは町に向かってきている!」
「う、うん」
急いでイドゥンは町へと走って行った
「・・・来い!」

町につくなりイドゥンはロイに
「大変!ルトガーが・・・」
「ど、どうしたんだ?そんなに慌てて・・・」
「町の外に魔物の大群が来てるの!彼、一人で戦おうとしてるの。お願い、力を貸して!」
「な、何だってー!ソフィーヤ、みんなに伝えて助けにいこう!」
「ええ、ファ!フィルさんにこの事を伝えて!私はクラリーネさん達にこの事を伝えるわ」
「うん!わかった!」
「ルトガー・・・どうか無事で」

162: 手強い名無しさん:06/01/09 23:06 ID:lm3QGbcs
「はぁぁ!!」
ルトガーは魔物共に向かっていき剣で切り払う
「お前らに町を襲わせるわけにはいかん!」
払い抜けると50体前後の魔物が一気に倒れたがそれでもまだ多くいる
「まだまだ!」
ルトガーが交戦していると後ろの方から炎が飛んできた
「よし!・・・当たったな」
「ロイ、来ていたか」
「みんなもすぐに来るからもう大丈夫さ」
「いや、そういうわけにはいかないようだな・・・」
ルトガーの眼差しの先には巨大なドラゴンゾンビがいた
「な・・でかい!」
「ルトガー!」
「イドゥン、魔法で辺りの敵を倒してくれ」
「わかった。気をつけてね・・・」
ルトガーは心配するなと言うような顔をして向かっていった

「一体何匹いるんだ!」
「そんな事言う暇あったら斬りかかれ!」
魔物の数が膨大なのを見てイドゥンは
「・・・ファ、回りを少し見ててくれる?もし魔物が襲ってくるような事があったらそれは倒して」
「うん。わかった!」
「・・・風よ。我が前に立ちはだかる敵を吹き飛ばせ・・・」
「こんのー!」
「・・・フォルセティ!」
イドゥンの回りが風で覆われると辺りに強い風の流れが吹いた
「きゃっ!」
「わわ!何かつかまらないと飛ぶぞ!」
「このまま飛んで奴らを切り伏せる!」
ルトガーは風に身を任せると空中へと飛んで行った
「このっ・・・!」
空中で魔物がバサりと斬られて行く中、地上からも
「!・・・クレインの弓にクラリーネか。これなら効果が続いている間に・・・!」
倒した魔物の死骸を足場にして空中を飛びまわりながらルトガーは剣で斬り続けた
やがて
「ルトガー、ファに乗って!効果が切れるわ!」
ルトガーは飛んできたファにつかまると
「このままあいつを斬る!イドゥン、クラリーネ、炎系の魔法で攻撃しろ」
「ええ、わかった」
「そうこなくてはね」
「封印の剣、その身に受けてみろ!」
ロイが封印の剣で炎を撃ち出すと
「フォルブレイズ!」
クラリーネの魔法で追い討ちをかける
「相手が何者でも、人を傷つけることは許さない!」
「でけぇ図体してボケっとしてるんじゃねぇよ!」
「魔物相手でも僕は立ち向かう!」
フィル、ディーク、クレインがそれぞれ攻撃を仕掛けた
「このー!」
「アポカリプス!」
「はぁ!これでどうだ!」
「ファラフレイム!」
全員で総攻撃を仕掛けた。だが
「まだピンピンしてるぞ・・・」
「くっ・・・ならば!」
ルトガーが斬りにかかったが、不意に敵の尻尾がルトガーに直撃した
「ぐっ・・・!かは」
「ルトガー!」
血を吐いている。それ程重傷なのだろう
「・・・許さない」
「お姉ちゃん?」
イドゥンはポケットから竜石を取り出すと
「私の大切な人を傷つける事は許さない!」
「イドゥン!!!やめろ!!」
竜石が輝き、イドゥンはあの時の姿に変えた

163: 手強い名無しさん:06/01/09 23:07 ID:lm3QGbcs
(止める)
イドゥンは敵に飛びかかるとかみつき、魔法で攻撃した
(ファラフレイム!)
敵の体に直に当て更にブレスで追撃した
(効いてる?)
動きが少し鈍っているのを確認すると爪で首の所を掴み
(・・・受けなさい!)
再びファラフレイム放ちを今度は首に当てた
(・・・止まったかな?)
しばらく様子を見ていたが動く気配はしなかったのでイドゥンは元の姿に戻った
「はぁ・・・はぁ・・・」
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「ごめんね・・ファ。それにみんな」
「・・・イドゥン、まだ魔竜の力が残っているのか?」
「・・・そうじゃない。けれど変化する力は残っているわ」
「何故変化した。事になるだろうと言っただろう」
「でも私が今なってなかったら・・」
「・・・もういい。町に戻るぞ」
「・・・」
翌日、町の住民は外で見た事のないものを見ていた
「これなんだ?」
「知らないよ」
昨晩ルトガー達が戦った跡であった

「魔物の勢力が増大している・・・?」
「多分そうだろうな。急がねばならん」
「あなた、お客さんが・・・」
「誰だい?・・・スー?」
「ルトガー、これを渡しにきたわ」
「この本は?」
「事情は聞いたわ。これ、あなたたちの旅に必要になると思うから渡しにきたの。イリアには河を渡って北へ向かえばすぐよ」
「そうか、すまないなスー」
「いいのよ、それじゃ」

「で、どうするんだい?イリアへと向かう?」
「イリアへと向かう。その後ベルンへ」
ルトガー達は町を後にしイリアへと入っていった


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