ファイアーエムブレム封印の剣〜光ある未来へ〜


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ファイアーエムブレム封印の剣〜光ある未来へ〜

1: 旅人:05/08/18 00:51 ID:wN2Fkp12
ひとつの話にかなりの量を書いてしまい、毎度省略させるので新しいスレッドに書くことにしました。
もうしばらくよろしくお願いします。

2: 旅人:05/08/18 12:33 ID:S8kfkuj.
あらすじ
ベルン動乱が終結して2年。ロイはリリーナと結ばれ、リキアを立て直すことに奮闘していた。
しかしアラフェン候ヘンゲルをはじめ、リリーナが盟主でいることを快く思わないもの達のため
新生リキア同盟はいまだ統率を欠いていた。
そんな中ヘンゲルは、カートレー候ディアス、トスカナ候レドと共に反乱を起こし、ロイの故郷フェレを強襲。
オスティアで対策を協議していたロイは報告に愕然とするも思考を切り替え、反乱軍が次なる標的としたラウスに向かった。


3: 旅人:05/08/18 13:27 ID:S8kfkuj.
出発
すぐにロイは出撃の準備をする。
しかし、ロイはフェレを一人で離れたため、援軍の数は一個小隊ほどのものだった。
準備が整い、出発しようとしたロイに、リリーナが進言してきた。
「ロイ、私も行くわ」
「えっ、でもリリーナ、君は万が一のためにここに・・」
「分かってるわ。でも、私だってエリウッドおじ様のことが心配だし、何よりもウォルトとスーを助けたいの。かつて戦った戦友として」
リリーナの強い要望にロイは迷ったが、重騎士団の副団長バースが進言した。
「ロイ様、どうかリリーナ様も同行させてください。その代わりもしものときがあれば我々が命を懸けてこのオスティアを死守します」
臣下にそういわれては、ロイも了承せざるを得ない。
「わかった。じゃあラウスに急ぐぞ!」
ロイ率いる援軍は、30そこそこと数こそ少なかれ精鋭ぞろいだ。
ロイは剣士としての技量はリキアでも1,2を争うほどで、リリーナはリキア一の賢者として名をはせている。
重騎士団の団長のボールスは超一流のジェネラルで、ディークに至っては“生きた伝説”といわれるほどの勇者である。
隊を組んだロイ達はオスティアを後にし、急ぎラウスにむかった。

その頃ラウスは、勢いに乗る反乱軍の襲撃を受けていた。
ラウス城内では、次々と戦況が報告される。
「敵は防衛網を突破!間もなくこのラウス城に向かってきます!」
「敵部隊の中核は、カートレー候ディアス率いるカートレー軍の模様。
「その数およそ八千。ウォルト様、ご指示を!」
ウォルトは迷っていた。このラウス軍の兵力は三千前後。そのうち八割が騎兵である。
重騎士不足の自軍が篭城策をとっても七日持つか持たぬかだ。かといって倍以上の敵軍に対して、迎え撃つのは自殺行為である。
「迎え撃つか、それとも立てこもるか、どうすればいいんだ・・・」
「立てこもっても、この城はあまり篭城には向いていない。オスティアからの援軍が来るまでなら持つかもしれないけど・・・」
ウォルトが悩み。スーも歯軋りする。そんな時、伝令が走った。
「天馬騎士団から伝令!オスティアからの援軍がこちらに向かってるとの事。到着は明後日早朝の模様!」
「ウォルト!」
報告にスーの表情が明るくなる。
そして、ウォルトも腹をくくった。
「城付近に兵を配置してやつらを迎え撃つ!ただし自分から仕掛けるな。援軍が来るまで持ちこたえるぞ!」

伝令の報告のスーの表情が明るくなる」

4: 旅人:05/08/18 13:33 ID:S8kfkuj.
訂正
最後のほうに、訳分からん文が入ってしまいました。(TT)
そこは無視してください。すいませんm(−−)m

5: 旅人:05/08/18 19:52 ID:S8kfkuj.
反撃
反乱軍がラウスを強襲して2日がたった。
戦況はラウス軍が援軍が来るという望みがあってか兵士の士気が高く、倍以上の兵力の差を感じさせない健闘を見せていた。
「もうすぐ援軍がくる!何としてでもそれまで持ちこたえるぞ!」
ウォルトが兵士達を鼓舞し、弓兵部隊と共に、攻め上がってくる反乱軍に城壁から矢の雨を浴びせる。
浮き足立ったところでスー率いる騎兵部隊が追い討ちをかける。
「あまり前に出るな!ある程度攻めたら退くぞ!」
前衛と後衛の見事な連携攻撃に、反乱軍は攻めあぐねた。
一方、自軍の半数に満たないラウス軍に手を焼き、ディアスの苛立ちは頂点に達していた。
「でえい!さっさとつぶせ!雑魚に何手間取ってんだ!」
部下に八つ当たっていると、伝令の兵士が答えた。
「どうやら、ラウス側に援軍が来るらしく、それが敵兵の士気を高め・・」
「だったら援軍が来る前におとす!重騎兵部隊、前に出るぞ!」
重騎兵とは、俗にグレードナイトと呼ばれる兵種で、重騎士と騎兵の利点が合わさったような兵である。
分厚い甲冑に身を包み、馬の機動力で襲い掛かる。強行突破を図るにはもってこいである。
(この俺様が敵の大将をしとめりゃこっちのもんだ)

(敵の数が減ってきた。後は援軍が来れば、戦局が変わる・・・ん?)
スーは敵の攻撃が止んだことに気づき敵陣を見た。
敵陣から一人の重騎兵が出てきた。
「!・・貴様はカートレー候ディアス・・!」
「ゲヘヘヘ、女ながらフォレストナイトを名乗るだけはあるな、だがもう終わりだ。俺様がケリをつけてやるぜ」
「敵将自ら出てくるとは・・・愚かな!」
スーは馬を走らせ、ディアスに斬りかかった。
だがスーの細腕では鎧に傷をつけるのが精一杯だった。そればかりか、幾多の戦闘を重ねるたびに剣が脆くなっており、斬りつけた瞬間剣は真っ二つに折れてしまった。
「何!・・しまった!」
「ゲヘヘヘ、愚かなのはお前のほうだったな!」
ここぞとばかりにディアスは斧を振る。スーはかわそうとしたが間に合わずわき腹を斬られ、バランスを崩し落馬した。
「きゃあっ!」
とっさに受身を取ったが、すぐには立ち上がれない。瞬く間に敵に取り抑えられた。
「勝負あったな・・・。この女の首を刎ねろ!」
「やっ、やめろぉーーっ!」
ウォルトの叫びを無視し、反乱軍の兵士が剣を剣を大上段に掲げた。
スーは目を閉じ、死を覚悟した。今までのことが走馬灯のように駆け巡る。
(父上、母上、私はさきに逝きます。・・ウォルト、ありがとう・・・)
「がはっ・・・・」
斬られた。しかしそれはスーではなく、兵士のほうだ。
スーは目を開け自分がまだ生きていることに気づく。
ウォルトのほうも、スーを助けた男を凝視する。
「間一髪、ってやつだな」
「ディーク、どうしてあなたが」
「援軍ってやつだ。後は任せろ」
命の恩人が、かつての戦友だと知り、ウォルトとスーは安堵した。
一方、男がディークであると知った反乱軍の兵士達は、顔を青ざめおびえだした。
「お、おい・・。ディークって言ったよな・・」
「ディークって、動乱のときに活躍した・・・」
「い・・・生きた伝説・・・」
怯える敵兵にディークは睨みを利かす。
「どうした?かかってこいよ・・ん?」
不敵に笑うディークに反乱軍は逃げ出した。
ある者は武器を捨て、ある者は馬の速さを頼りに戦場から離れた。
「て、てめぇら、何逃げてんだ、さっさと戦え!」
いくらディアスが鼓舞しても、臆病風にふかれた兵士には馬の耳に念仏である。
(ぐぐっ・・こうなったら・・)「てめぇの首!もらったぁ!」
戦局を打開するには、この男を殺すしかない。そう考えたディアスはディークに襲い掛かる。
だが、ディークにとって、ディアスは歯牙にかからない。斧の一撃を跳躍してかわす。
そして背中の大剣で、ディアスを袈裟斬りにした。
「げはぁ・・・・」
斧ごと真っ二つにされたディアスは崩れ落ち、その生涯を終えた。

6: 旅人:05/08/18 21:38 ID:ipa88ZQs
休息
「大丈夫、スー?傷は痛まない?」
「ありがとうリリーナ。あなたのライブで大分楽になったわ」
「間に合ってよかったわ。傷が開くといけないから、今はゆっくり休んでて」
戦いが終わったラウス城内では負傷者の治療を兼ね、休息を取っていた。
ラウス軍の死傷者は、全体の三割ほどではあるが、まだまだ建て直しがきくほどの兵力が残っていた。
ロイ達はいよいよフェレに攻め入る。
王室では、その作戦を考えていた。
「ロイ様たちが来てくれて、本当に助かりました。おかげで僕達はこうして無事にいられます」
「ウォルトも僕達が来るまで、よくがんばったな。援軍が間に合ってよかった。」
二人が喜びを分かち合っていると、ディークが口を挟んだ。
「二人とも。喜ぶのはいいが、問題はここからだぜ」
その言葉に二人は気を引き締めた。
「カートレー軍を迎撃したことは、もうヘンゲルの知るところでしょう。ただ、反乱軍がまだどれくらいの兵力を持っているかですなぁ」
ボールスの考察に、ウォルトが進言する。
「でも、半数以下の敵に敗れたことで敵の士気が下がってるはず。攻めるとしたら早いほうが」
「だが、ただでさえこっちは兵が不足してんだ。人海戦術が取れる分、まだ俺達のほうが不利だ」
「確かに、ディークの言うことが最もだ。でも攻めるとしたら今しかない」
一同がどうすればいいのか悩んでいると、部屋に一人の少年が入ってきた。
「ロイ様、俺が何でも教えるぜ」
「チャド、どうしてここに」
入ってきたのはチャドだった。
彼はロイ達と同じくオスティアを発ち、一足先にフェレで諜報活動をしていた。
「チャド、今のフェレはどうなってるんだ」
ロイの問いに、チャドは苦虫を噛み潰したような顔で口を開いた。
「・・・・ひでぇってもんじゃない。やつらが占領した後は地獄みたいになってる。毎日のように公開処刑があって、少しでも逆らえば首切り台だ」
事実に驚きつつも、ロイはたずねる。
「・・・・父上や、アレンにランス達は」
「エリウッド様はまだ生きてるらしい。でも、ランスさん達が処刑されんのは時間の問題かも知れねぇって聞いた」
「そうか・・・」
部屋にいた全員が黙り込んだ。
「少し、風に当たってくる・・・・」
そう言うとロイは部屋を出た。
「ロイ様・・・・」
ウォルトはロイを追うとしたが、
「今は一人にしてあげてください」
と、ボールスがとめた。
(この軍がこの先どうなるかは、あいつ次第だな)
ディークはそう思うのであった。

7: 旅人:05/08/18 23:22 ID:ipa88ZQs
決意
「い、いやだぁーーーっ!助けてくれぇーーー!」
「おっ、おゆるしをっ!ヘンゲル様ぁーーっ!」
ここはフェレの町の広場に建てられた公開処刑場である。
今、二人の男の処刑が始まろうとしている。
二人の罪状は逃亡罪、彼らはラウスから逃げ帰った兵士達だった。
ラウスに攻め入った軍が敗北したことはヘンゲルの耳に届いていた。
ヘンゲルにとって、それは予想外の事だった。
これにより彼は大きな憤りを覚えた。その憂さ晴らしに逃亡兵を処刑することにしたのである。
懇願する兵士に、ヘンゲルは冷たい視線を浴びせた。
「貴様らを見ておると気分が悪い。殺れ」
執行人に命じ、二人の首を刎ねさせた。
そして、自軍の兵士に叫んだ。
「よいか!貴様らも逃亡すればこうなるのだ!命が惜しくば逃亡しないことだ!」
処刑が終わり城に戻るとき、ヘンゲルは自分の右腕であるバーゼルに問いかけた。
「バーゼル、あの男はどうした」
「は、つい先日捕らえたとの報せが入りまして、こちらに護送させるよう伝えました」
その報告に、ヘンゲルは満足そうな笑みを浮かべた。
(切り札が手に入った。後はやつらが来るのを待つだけだ)
自分の勝利を確信したヘンゲルの顔から、その笑みが消えることはなかった。

ラウス城のバルコニーで、ロイは風に当たっていた。
(くっ・・・。僕の力不足のせいで、父上やマーカス達、フェレのみんなを苦しめることになってしまった)
ロイは後悔していた。自分がフェレを離れてしまったことを。そして責めていた。フェレが強襲されたときに何一つ出来なかった自分に。
(僕は侮っていた。みんなに頼りきっていた。すべては僕の甘さが招いたことだ)
悔やみきれない事実、そして不甲斐ない自分にロイは涙した。
その時、ロイは自分の後ろに人がいることに気づいた。振り向くとリリーナがいた。
「リリーナ、どうしたの?」
「うん。ちょっと疲れたから、夜風に当たろうと思って。横に行っていい?」
ロイは少しよると、リリーナは傍らに来た。それと同時に彼女は俯いた、そして言葉をもらした。
「・・フェレが堕ちたのは、私のせいよ・・」
「えっ、な、何を言い出すんだリリーナ。そんなことは・・」
「だってそうじゃない。あの時ロイを呼んでなきゃこんなことにならなかったかもしれないじゃない!」
面と向かったリリーナは、目に涙を浮かべ言葉を続けた。
「盟主として見過ごせないからって言っておきながら、結局ロイに頼ってた。ロイの国の事なんか考えてなかった。自分のことしか考えてなかった。全部、全部・・私の・・」
「違う!リリーナのせいじゃない!」
泣きじゃくるリリーナをロイは抱きしめる。
「今自分を責めても何も変わらない。今は悔やむよりも、やつらにどう立ち向かっていくかを考えるんだ」
ロイは自分に言い聞かせるように叫んだ。
「だからリリーナ、今は全力を尽くそう。尽くしてこの新しいリキアを豊かにしよう!・・・・僕達は、夫婦だろ・・」
「ロイ・・・」
(そうだ。今は全力を尽くすんだ。リリーナありがとう、目が覚めたよ・・)
ロイは決心した。そしてリリーナに感謝した。
翌朝、ロイはフェレ侵攻を決めたのである。



8: 旅人:05/08/19 07:57 ID:wN2Fkp12
小休止その2
話の中で、「グレードナイト」とか「フォレストナイト」と、聖魔のクラスが出てきましたが、これから先も
出てくる可能性はあります。まあその辺はご愛嬌ということで・・・(^−^)


9: 旅人:05/08/19 12:40 ID:S8kfkuj.
潜入
ここはフェレ国境の検問所。
そこで一台の馬車が検問をしている。
その馬車の主は奴隷商人で、護衛の剣士を共につけている。中には三人の若い奴隷がいた。
一通りの検査が終わり、その馬車は通行を許された。
「よし、いいぞ。しかし貴様も変わったやつだ。わざわざこんなとこまできて奴隷を売るとは。で、儲かってんのか?」
兵士の問いに、商人は苦笑する。
「いやはやさっぱりでして、今はわらにすがる思いであちこちを回ってる次第で・・。では」
そう言うと、男は馬車を走らせた。

馬車は町の片隅にある広場に馬車を止めた。
すると、男はなにやら周りを警戒している。人が見当たらない事を確認すると、中にいる奴隷に報告した。
「・・・ロイ様、今は周りに兵は居りません」
「よし、鎖をはずしてくれ」
商人はボールス、護衛の剣士はディーク、そして奴隷はロイ、リリーナ、チャドだった。
ロイはラウスの警護をウォルトたちに任せ、たった五人でこのフェレに乗り込んだのである。
危険だという声もあったが、ただラウスで待っていても埒が明かない。
そう考えたロイは、奴隷商人の一団になりすまして、まんまとフェレに入ることに成功したのだ。
「人気がない・・・。町全体が死んだみたい・・・・」
「街に出たら警備の兵が何かとうるさいから、あんまり街に出るのがいやらしいんだ。今このフェレは、あいつらのやりたい放題さ」
リリーナが率直な感想を述べると、チャドがその理由を説明する。
「父上たちは、ご無事だろうか。場所さえ分かれば何とかなるのに」
悩むロイに、ディークが進言する。
「とりあえず今日はもう遅い。情報収集は明日だな」
「そうですな。私とディーク殿が交代で寝ずの番をします。ロイ様たちはお休みくださいませ」
日が落ちると共に、ロイ達は眠りについた。
(父上、必ず僕がお助けします)
ロイはそう思い目を閉じた。

10: 旅人:05/08/19 18:36 ID:S8kfkuj.
絶望
「じゃあ二手に別れるか。俺とボールスは南側、ロイ達は北側を回れ」
「分かった、半日後に落ち合おう」
翌朝、ロイ達は行動を開始した。
まずは街の様子を調べるため、二手に別れ聞き込みをすることにした。
「ふ、あ〜あっ。ロイ様、動くのが早すぎんじゃねーの」
「我慢してくれ。こんな時間じゃないと、街に張り出されたものをじっくりと見れないしさ」
まだ眠気ののこるチャドにロイがたしなめる。
すると、リリーナが異変に気づく。
「ねぇ、何か臭わない?何か生臭いような・・・」
そう言われると確かにそんな臭いがする。風に乗ってきているのだと思うが、臭いのきつさから発生源が近いと創造できた。
「・・・・多分、風上に処刑場があるのだろう。血の臭いがここまで来ているんだ・・」
その言葉に、リリーナとチャドは黙り込む。
「ロイ・・」リリーナがロイを励まそうとしたその時、一枚の張り紙が彼女の目に留まった。
「何かしら、あれ」
リリーナが指差す方向に二人は目を移す。
その張り紙は、今日の処刑者の名簿だった。
(本日正午、公開処刑場においてフェレ騎士二人の処刑を執行する。
 受刑者  騎士団長 アレン
      副騎士団長 ランス
 市民は必ず見に来るように。こない場合は反抗罪と見なし逮捕する。
                      ヘンゲル     )
受刑者の名前を見てロイは愕然とした。
「そんな・・・・。彼らが今日処刑されるなんて・・・・」
「ちくしょう!最悪のタイミングだ!」
リリーナが悲鳴を上げ、チャドは激しく憤る。
(くっ・・・・。こんなときに限って・・。部下を救う力のない自分が情けない)
助けたいのはやまやまだが、この人数で助けに行ったとしても、三人とも捕らえられるのは目に見える。
今のロイには、最善の策が思いつかない。
(このまま見捨てるしかないのか・・・・)
時間は刻々と過ぎていった。

11: 旅人:05/08/19 22:39 ID:ipa88ZQs
奇跡
ロイが悔しがっている頃、ディーク達も同じ張り紙を見ていた。
「・・・・・・。ちっ、情報を集め始めていきなりこんな情報かよ。ったく、ついてねぇってもんじゃねえ」
「うむ。せめてこれが明日なら、助ける術が思いついたかもしれんが。いかんせんたった五人で助けるのは無理だ」
ディークが舌打ちをすると、ボールスもあきらめた表情で語る。
かつての同士が処刑されることは胸が痛む。しかし、今回ばかりは打開策が思いつかず、八方塞がりの状態だった。
「せめてあと10名、いや空を飛べるもの、天馬騎士がいれば何とかなるのだが・・・」
「蜘蛛の糸をつかむような希望を持つなよ。助ける方法がない以上、やつらの死を見届けるのが・・・・ん?」
今してやれることだ。そう言おうとしたディークは言葉をとめた。
傍にあった長いすに寝転がったとき、空に気になる物が目に留まったからだ。
不意に言葉を止めたディークにボールスがたずねる。
「どうされたのだ、ディーク殿」
「あの天馬騎士が気になってな」
「あれか・・。おそらく反乱軍が警備に雇ったのだろう。われらの軍が来ないように見張っているのでは」
「それにしちゃ同じとこをぐるぐる回りすぎだ。まるで俺たちに何かをせんとばかりに・・・」
その時、その天馬から何か落ちてきた、いや落とされた。
ディークはそれを顔の前で受けた。
(石に手紙を巻きつけてある・・。誰からだ)
その手紙にはこう書かれていた。
南の広場の大きな樫の木にきて、と
その筆跡から、ディークはある人物を思い出した。

「やっほー、アニキ。二年ぶりだね」
「シャニー、どうしてここに。・・それに、アニキはやめろ」
「なぜこのフェレに・・?」
「へへ、実は・・・」
オスティアに反乱の可能性があるという情報が入ったとき、リリーナは兵を補うためイリアの傭兵騎士団と契約をしていた。
そこで、シャニーたちの部隊が派遣されたのである。
しかしオスティアにつくなり、ラウスに行ってくれと頼まれ、ラウスにつくとウォルト達からロイ達がラウスに向かったことを知り、
後を追い、今に至ったのである。
「・・・・というわけ!」
「そうだったのか。リリーナ様がそこまでしておられたとは」
シャニーが加わったことで、ディークの脳裏にある考えが浮かんだ。
(こいつあ、ひょっとしたら・・・・)
「ねぇディークさん、なんか今することある?」
シャニーが尋ねると、ディークは答えた。
「北に飛んでロイ達を探せ!そしてこう言うんだ。助ける方法を思いついたってな!」

12: 旅人:05/08/21 18:46 ID:S8kfkuj.
突然だが打ち切る。ネタ尽きた。
暫く旅に出る。又いつか戻る・・・かも。

13: 手強い名無しさん:05/08/24 14:19 ID:uoZNZxXM
いや、頑張ってよ?スゲー面白いぞ

14: 旅人:05/08/25 23:09 ID:ipa88ZQs
再来
少し頭を冷やし、再開を決めた。
何とか面白いものを書くつもりなので、
また見てくれたらありがたいです。

15: 蒼き炎:05/08/25 23:59 ID:x4zeZ3Yw
つーかそろそろ封印小説あきたそろそろ別シリーズのが読んでみたいんだが・・・

16: 旅人:05/08/26 07:17 ID:wN2Fkp12
すまない、封印烈火にどっぷりで、他のをあまりやっていない。
一応最後まで付き合ってくれ。

17: 旅人:05/08/26 12:07 ID:S8kfkuj.
救出
この日のフェレはよく晴れていた。
平和なときなら、街は賑わい、子供が走り回り、婦人達が井戸端会議で盛り上がる。
だが、今は静寂に包まれていた。広場に作られた処刑場の周りを人々がぐるりと囲んでいる。
その中を受刑者を乗せた馬車が通る。そして首切り台につくと、二人の受刑者がおろされた。
「これより刑を執行する。かかれ」
部隊長の一人が叫ぶと、二人は手かせをはめられひざまつかされた。
再び静寂が走る。
「アレン、すまないが先に逝く」
「ああ、またあの世で会おう」
そういってランスは目を閉じた。
(ロイ様・・・、どうかご武運を・・・)
執行人が斧を振りかぶる。
そして・・・。
ザシュッ!
鈍い音が響いた。しかし、ランスの首はまだつながっている。斬られたのは執行人の傍にいた監督官だ。
「き、きさま・・・なんの・・つも・・り・・だ」
そうはいて倒れた。
それと同時に、その執行人はランスを抱えて走り出した。
「ま、まて!逃がすな!」
兵士が叫び、すぐ周りを囲む。
その時、アレンに向かってペガサスが急降下してきた。
「アレンさーん、つかまって!」
そういって、シャニーは手を出した。アレンがそれに捕まる。
そのままペガサスは飛び去った、それと同時に煙幕が張られた。
「くっ・・、おい一人も逃がすな!すぐ追いかけろ!」
あわてて憲兵が叫ぶも、虚を突かれた兵士達はどう動けばいいのか分からずパニックになる。
煙が晴れたとき、刑場には誰もいなかった。そのとき喝采が起きた。

「アレン・・、ランス・・、無事でよかった」
「申し訳ありませんでした。我々が不甲斐ないばかりに・・・」
「ロイ様こそ、良くぞご無事で」
臣下と再会をを果たしたロイは目に涙を浮かべ喜んだ。
アレンとランスは、もったいないとばかりにすぐに詫びを入れる。
「しかしまぁ、ここまでうまく行くとはなぁ」
「本当だぜ。なんかあっけねぇよな」
「アニキの方法って、すごい無茶だよね」
ディークが自分の作戦が成功したことにほっとしていると、シャニーとチャドが言葉を続ける。
ディークは刑が始まる直前に、処刑場の天幕に進入し、待機していた執行人を始末し入れ替わっていた。
刑が起きると同時に行動を開始した。執行人が何らかの事を起こせば自分に目が行く。
その隙にシャニーがもう一人を救出し、最後にチャドが煙幕を張って脱出する。
大胆というよりも無謀に近かったが、ロイはディークの提案に賭け、そして成功した。
(あとは父上だけだ。父上、どうかご無事で・・・)


18: 手強い名無しさん:05/08/26 19:03 ID:ykdtcmbM
小説とか書く人はやっぱすごいと思うよ

19: 手強い名無しさん:05/09/12 16:48 ID:/URKrWdo
>>旅人殿

この小説が完結したら
割れのページに公開させてはくれないだろうか

20: 旅人:05/09/15 16:21 ID:S8kfkuj.
>>19
構いません。どうぞどうぞ。こんな駄作ですが。

21: 旅人:05/09/16 08:40 ID:wN2Fkp12
突入
アレン達が救出されたことは、既にヘンゲルの耳にも届いており、その後のフェレ城は
緊迫した空気が流れていた。
「よいか、決して警戒を怠るな!奴等の数は少ないのだ。必ず奇襲してくるだろう。
 蟻一匹入れるではないぞ!」
あの日以降、警備の数は昼夜問わず今までの倍で行われていた。だが、ここまでの兵士の士気は
確実に下がっていた。
自分達に比べ兵力が劣っているにも関わらず、ラウスでは逆転勝ち、10にも満たない人数で救出、
士気を下げるな、というほうが無理な話だ。逃亡兵が少しずつ増えているのも事実だった。

一方ロイ達は、ベルン国境の村に本陣を置いて今後について協議していた。
ラウスからウォルト達、オスティアからはウェンディとオージェの部隊が援軍として駆けつけ、
生き延びたフェレ軍残党とあわせ、徐々に兵力が整いつつあった。
「さてと。これからどうすんだ?あまりじっとしすぎてもキリねえぞ」
「そうですね。何とかして先ずは城に入らないと」
ディークが話を切り出すと、それにオージェが続く。
「でも、いくら戦力が整ったといっても、まだ向こうの方が多いのよ」
「それに警戒がより厳重になっているから、忍び込むのも容易には出来ないわ」
リリーナが口を開き、スーがそれに賛同した。
このままにらみ合いをしても埒が明かない。しかし、どういった方法で攻めるか。
次々と意見が飛び交う中、ロイが口を開いた。
「みんな。僕にいい考えがある。聞いてくれないか」
その言葉に一同がロイの方を見る。

ロイの考えた方法は、実に驚きの方法だったが、
「成程、うまく行くかも知れませんね」とウォルトは苦笑じみて納得したのだった。


22: 旅人:05/09/21 23:50 ID:gjfR.QvA
突入その2
この日のフェレは雲ひとつない快晴である。見渡しもよく、時折心地よい風が吹いている。
とても今この地が内乱状態とは思えないほどのどかであった。
時は太陽が中天の位置にあった。このとき城は休息に入りだしていた。そのときである。
見張り台にいた兵士が、遠くの異常に気づいた。
「お、おい。何かこっちにくるぞ!」
「何だと!早く知らせなけ・・・・ぐあっ!」
下に下りようとした兵はその場に倒れた。
「えっ・・・何が・・・げふっ!」
隣の兵士も突如その生涯を閉じた。
兵士の額には矢が刺さっていた。
見張りの兵士が奇襲を知らせる事が出来ず、反乱軍は易々と奇襲を許したしまった。
奇襲を仕掛けたのはロイ達。そして兵士を射抜いたのはスーだった。
彼女は見張り台に兵士の姿を確認すると、長弓でそれを射たのである。
「な、なぜだ・・・・?なぜこんな白昼に・・・?」
玉座の間で報告を聞いたヘンゲルは愕然とした。
「ぐっ・・・。状況はどうなっているのだ!」
「そ、それが・・・」
「もうここにいるよ!」
声の発せられた方を向くと、そこにはレイピアを抜剣しているロイ、エルファイアーの魔道書を携えたリリーナ、
矢をつがえた銀の弓を構えたウォルトがいた。
「な、なぜこんな行動に出たんだ?貴様・・死ぬ気か・・・?」
ヘンゲルの疑問にウォルトが答える。
「僕もそう思いましたよ。でもロイ様はこう言われました。「自分の城に帰るのに、正面から入るのは当然だろ」って」
「城の兵士のほとんどは投稿したわ。もう終わりよ!ヘンゲル!」
「今降伏すれば命まではとらない。ヘンゲル、父上はどこだ!」
鬼気迫るロイとリリーナの気迫に押されたヘンゲルだったが、そう簡単に怖気づくほど彼は臆病者ではなかった。
「・・・・・ふん!知りたくば、力づくで聞くがいい!」
そういうとヘンゲルは銀の槍を構える。
「・・・・降伏する気はないのか。ならば受けて立つ!リリーナ。ウォルト。ここは手を出すな」
ロイの忠告に二人はうなずいた。

23: 手強い名無しさん:05/10/03 16:38 ID:aI1YpuJk
続編きぼーん

24: 旅人:05/10/13 00:06 ID:DtndSEjw
ちょっとまってくれ。今学校の課題が忙しい。
一段落ついたら又すぐに書く。

25: 見習い筆騎士('-'*) 56J2s4XA:05/10/13 09:25 ID:gAExt6/c
頑張ってください。続き楽しみにしてます。
私もリクを受けるほどになりたいものです。

26: 旅人:05/10/28 23:58 ID:MvD7KAi2
ガキン!
剣と槍が交互に打ち合う。
先ほどから始まったロイとヘンゲルの決闘は既に二十合を数えた。
ロイの実力は言うまでもなく、ヘンゲルもまた自ら槍の名手と自負しているほどの槍捌きを見せる。
だが、徐々にロイは隙をつき始めた。持久力ではヘンゲルのほうが劣っており、動きが鈍っていた。
(くっ・・・、このお!)
その疲れがヘンゲルに焦りと苛立ちを生んだ。
勝負を焦り、力んだ突きやなぎ払いが大振りとなり、隙が出来やすくなる。
間一発でロイの反撃をかわすがそこに余計に神経を使い、さらに疲れを生む。
そして・・・・・。
「今度こそっ・・・くらえぇ!」
(いまだ!)
ヘンゲルが槍を大上段に構え振り下ろす。しかしこれが大振となり隙が出来た。
ロイはそれを逃さなかった。
バキィ・・・・。ヘンゲルの槍が折れた。

27: 旅人:05/11/06 01:13 ID:6LLhoJQU
強制終了
最近は授業が忙しいうえこの先を考えていく自信を無くしてしまいました。
よってこれを持ちまして〜光ある未来へ〜は打ち切ります。
この続きを書いてみてーという人は好きにしてください。


28: test:07/06/18 17:49 ID:Z6dWrkGs
test


29: Unknown Mcgee:07/10/26 22:53 ID:hAPmUxtA
baryecoia asepsis tuitional unrecreant setarious boun alonso ministry
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