じゃが島小説まとめ


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じゃが島小説まとめ

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1: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:11 ID:RUTLvIe2
諸島。
この島の北の大陸には広大な湖が存在する。
そこの水はきれいに澄んでおり、魚類も豊富であった。
しかし、その昔はここには湖など存在しなかった。小さな市街地が存在していた。
当時では貧乏国家、諸島の存続のための唯一の支えであり、また唯一の兵器庫であった。
ではなぜその市街地が今では湖に変わってしまっているのか?
すべてのはじまりは今から3年前の2004年に勃発したじゃが島大戦にさかのぼる・・・・・。


2004年 5月6日

当時、とはいっても今でも同じようなものだが、この諸島には小さな市街地以外には空港も港もなかった。
十分な軍用施設はなく、食料も乏しく、充実した施設はまったくといっていいほどなかった。
そのために住民は毎日苦しい生活を余儀無くされている。
他の島と貿易を行うために輸送船を5隻持っているが、これらが機能したことは一度もない。
輸出するべき資源がないからである。
では自分たちはこれからどうすればよいのか?
諸島政府はなんとか打開策はないかと会議を行ったわけが、どれもこれもお先真っ暗でぱっとしない。
全員が追い詰められた表情になってしまっていた。
一方彼らとは別に、諸島陸軍省の一室で将軍たちによる作戦会議が行われていた。彼らもまた政府同様、打開策を探るための会議を行っているのである。
だが彼らは軍人であって政治家ではない。彼ら軍人が諸島の危機を突破するための道を探っているとなれば、それは軍事的打開策を練っていると考えられる。
そして彼らが考え出した打開方法とは、恐るべきものだった。
軍用施設や建物、食料、武器弾薬が豊富な始島への侵攻を行うというとんでもない方法だったのである。
この会議結果は直ちに諸島政府に提出され、将軍たちは始島侵攻作戦を決行することを首相に進言した。
首相はこの報告内容に衝撃と一抹の恐怖を覚えた。軍事大国始島に戦争をしかけて無事で済ませてもらえるのか?
だが他の閣僚たちは、これ以外に打開方法はないと言い切り、首相も腹をくくって始島侵攻作戦の決行を決断した。

こうして諸島政府は諸島存続のために、始島と全面戦争を繰り広げることになるのである。
始島本土でいかなる事態が生じるのか、そして諸島の市街地(今の湖)になんの悲劇が生じるのか。それを知る者はいなかった。

2: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:11 ID:???
2004年 5月6日午後

始島の首相官邸の一室で、伊達浩太郎首相をはじめとする閣僚たちが会議を行っていた。
新島との貿易赤字解消のために、新島から政府専用機2機を購入するための会議を行っているのである。
と、そこに一人の紳士が部屋に入ってくると、伊達の耳元で何かを話し始めた。
男の話を聞く伊達の表情がこわばった。閣僚たちは怪訝そうに伊達と男の顔を見比べる。
伊達が男に二言三言言うと、男はうなずいて部屋を出て行った。
伊達が皆に向き直ると静かに切り出した。
「諸君、度肝を抜かれるような知らせだ。諸島政府がわが始島に宣戦布告の通知を行ったそうだよ。」
閣僚たちは耳を疑って思わず顔を見合わせてしまった。
諸島は貧乏国家でありながら、軍事力がじゃが島で2番目の軍事大国といわれている。
だが資源が満足に確保できず、その実力をフルに発揮することができないでいるため、実態は役立たずの金食い虫の軍隊となっている。
その諸島が、じゃが島軍事力bPと言われる始島に戦いを挑もうとしているのである。
敵の攻撃時刻は明日の午後3時と予告されている。
彼らは予定していた会議を急遽変更し、軍の上官たちも集めるという異例の緊急会議を開いた。
政府側はすぐに諸島へ上陸して敵を征圧することを主張したが、軍部側はこれに反対した。
諸島は地形が複雑ゆえ、上陸作戦を展開するとなれば守る側が有利となり、隊を進めるのにも大変な労力を費やす。
いかに敵が諸島軍とはいえ、なめてかかれば返り討ちにあってしまう。
だから軍部側は、諸島軍に始島を攻めさせ、敵を始島本土で征圧することが妥当だと主張した。
政府側もこの案を受け入れ、直ちに始島軍の総力を挙げて島の防衛に当たった。
敵の予測上陸地点はもっとも遂行しやすい砂漠と考えられる。そこに90両の兵力で固める。
さらに空港に90両、港と雪原に30両ずつ、計240両の兵力で島全体を固めた。
東の草原から上陸すると、迷路という障害を越えなければならないため、敵はおそらくここは避けるだろう。
雪原も地形が複雑なため、上陸は考えにくい。

5月7日 午後2時
始島の全域にピリピリした緊張感がみなぎっていた。何しろ本格的な戦争を始めるのは今回が始めてである。
雑魚しか集まらない諸島とはいえ、甘く見れば痛い目を見る。
開戦まであと1時間。
不気味な空白の時間がじりじりと過ぎていった。

3: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:12 ID:???
午後3時数分前


砂漠防衛部隊の見張り員は、南方面に広がる大海原を双眼鏡で眺めていた。
開戦の午後3時まであと数分。いつ敵が現れてもおかしくない。
右から左へ、左から右へと双眼鏡を動かしたとき、見張り員の目に数隻の船が飛び込んだ。
それは明らかに軍艦である。さらに手前に2隻の輸送船が認められる。
軍艦の数は2隻。味方の軍艦かと思ったがそれらが始島の軍艦であるはずがない。それらは港の防衛に加わっているため、港から一歩も出ていないのである。
すると今目の前にいる軍艦は諸島のものか?だがそれもありえない。諸島は軍艦を持っていないのだ。
しかしそれは上辺だけのことであって裏では隠し持っていたのかもしれない。じゃが島で2番目の軍事力を誇る諸島である。
彼らが軍艦を持っていたところで不思議ではない。
その2隻の軍艦の主砲がこちらを振り向いたところを認めた見張り員は、諸島軍であると断定し、味方に向かって絶叫した。
「敵だッ!方位324、諸島の軍艦、輸送船が接近してきますッ!」
次の瞬間、敵の軍艦が猛烈な艦砲射撃を浴びせてきた。巨大な砲弾が6000メートルの彼方から正確に砂漠防衛部隊に降り注ぐ。
着弾と同時に凄まじい紅蓮の炎が地面を這い、防衛部隊に襲い掛かって一気に数両を吹っ飛ばした。焼夷弾だ。
ここからでは戦車砲では敵軍艦まで届かない。港から軍艦をまわそうと考えたがその間に防衛隊は全滅してしまう。
ゆきむら隊長は防衛隊を一旦後方に下がらせ、敵の主砲の射程から外れようとした。逃がすまいと軍艦がさらに接近し、猛射を緩めない。
雨あられのごとく降り注ぐ砲弾に次々と戦車が吹っ飛ばされた。手も足も出せず、ゆきむらは全滅を覚悟した。
と、敵の軍艦が突然猛射をやめた。これ以上撃ってくる様子がない。
なぜ砲撃を続けないのかゆきむらには不可解だった。しかし、諸島艦隊、つまり諸島軍にはこれには無論理由がある。
今回の戦争のために用意した弾薬も食料も少ないため、これ以上使っていると後の支援作戦に支障をきたしてしまう。そのために節約しているのである。
2隻の輸送船が砂漠にむかって疾駆した。これは諸島軍上陸部隊およそ70両である。防衛隊の残り兵力は50両。
ゆきむらは海岸に十分近づけて撃つよう命じた。輸送船がさらに接近してくる。
輸送船が海岸に躍り上がり、遮蔽版を開くと大量の戦車を吐き出した。
砂漠防衛隊の猛反撃が始まった。砂漠いったいに砲声が響き渡る。陸に上がりかけた諸島軍に猛烈な弾幕が襲い掛かり、そこらじゅうでドームが多発した。
諸島軍も反撃を開始した。防衛隊よりもはるかに多くの弾幕が襲い掛かり、さらに同時に軍艦が砲撃を再開した。凄まじい猛攻に防衛隊は混乱し、全員がバラバラに分散し始めていく。
ゆきむらは反撃を続けるよう絶叫したが、兵士たちの耳には届かず、全員が空港へ向かって撤退をしはじめた。
砂漠防衛部隊はあっという間に崩壊した。生き残ったのはたったの数両足らず。これらは空港防衛部隊に加えられた。
この戦況の報告を受けた政府は衝撃を受けた。砂漠防衛部隊は精鋭の2個師団によって編成された部隊なのである。
それが破られたのだ。敵が軍艦を繰り出してくるなど想像もしなかったのである。
政府は直ちに港と雪原から10両ずつ援軍を空港へ向かわるよう命じた。
現場の報告によると、諸島軍の進撃はここでストップしたようである。だがまだまだ敵の増援がやってくるはずだ。
指揮官は夜の警戒も怠らないように兵士たちに命じた。
明日は空港防衛戦である。

4: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:12 ID:???
5月7日 午後11時  雪原


深夜の雪原は冷え込みがきつかった。
マイナス8度の冷え切った空気が雪原防衛部隊を容赦なく刺激する。
雪原一帯は月の光を反射して銀色に輝いていた。
この方面を防衛しているのは30両の新米部隊。
だが敵の諸島軍の猛攻に危機感を抱いた政府が港、雪原から10両ずつの援軍を空港へ向かわせたため、残りは20両となった。
ここは地形が複雑ゆえ、敵の上陸の可能性が低いと判断されているため一番楽観視されているところだ。
だがそれは政府の見解であって現場の軍人たちの考えはまったく逆である。防備が薄ければたとえ地形が複雑で上陸が難しいところでも、強襲上陸を受ければ制圧される恐れは十分にあるのである。
だから見張り員や兵士たちは仕事を怠ることなく双眼鏡をのぞいたり、銃器のチェックを丹念に行っていた。それに初めての実戦だけに緊張感が抜けない。
海を凝視し続けていた見張り員は突然顔をこわばらせた。この双眼鏡には赤外線暗視装置が備わっているため、海が鮮明に見えた。
だが双眼鏡が捉えていたのは海だけではない。およそ5000メートル先に2隻の軍艦と3隻の輸送船を認めたのだ。
始島の軍艦かと思ったがそれらの主砲は明らかにこちらを向いている。そして次の瞬間にはそれらが主砲の発射を示す閃光を発し、巨大な砲弾が雪原の森林を根こそぎ吹っ飛ばした。
「敵が来たぞッ!」
見張り員が振り返って絶叫した。それが彼の最後の言葉だった。


5月7日 11時30分


空港防衛隊に緊急の連絡が入った。
「長谷隊長、大変です。雪原防衛部隊が消滅しました。雪原には敵の大軍が上陸しています。」
それを聞いた長谷隊長は衝撃を受けた。
恐れていたことが起こっしまった。やはり防御の薄くなった雪原を敵は狙っていたのだ。
見事に挟み撃ちにされてしまったのである。
それもこれも戦いを知らぬ始島政府の文官が戦場に口出しするからいけないのだと長谷は思った。

この時のじゃが島にはシビリアン・コントロールの理念があったために、政府の役人(シビリアン)が軍の運営までに口を挟むことがしばしばあった。
これは本当のシビリアン・コントロールではなく、軍隊の運営は軍事のプロである軍人が行うが、運用そのものは政府が行うからシビリアン・コントロールと言うのである。
しかし今の政府はその意味を履き違え、戦いを知らぬ素人の文官が軍隊の現場までを牛耳っているのである。今の日本の自衛隊がそれに値している。
陸海空三軍の長である統幕議長が突発的な事態に直面しても、文官からの歯止めがかかって一個小隊すらも動かすことができないのである。文官が現場を牛耳るような軍隊は世界中のどこの国を見ても例にない。
だが諸島軍は違った。諸島政府はシビリアン・コントロールの意味をしっかり理解し、現場の運営はすべて軍人に任せているから円滑に作戦を進めることができているのである。
軍隊の運営はプロのキャリアを持つ者がふさわしいが、それにもかかわらず戦いを知らぬ文官が戦場に口出しをするために、このような挟み撃ちを受ける結果になったと言えるだろう。
雪原の防備をもっと厚くしていればこのようなことにはならなかったかもしれない。

だがまだ勝算は残されている、と長谷は思った。
空港には兵器庫が3つある。ここで一気に攻め込めば誘爆を起こしてしまう恐れがあるため、敵は安易に激しい攻撃はしてこないかもしれない。
ここで持久戦となるだろう。空港を取られれば後はない。ここで持ちこたえなければならない。

5: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:13 ID:???
5月8日  正午


砂漠方面の諸島軍は補給を終えると進撃を再開した。
雪原から上陸してきた味方と空港を挟み撃ちにする形で合流する。
偵察隊の報告だと、空港を防衛している敵の数は少なくとも120両はくだらないということだ。
ここは軍用空港なので、3つの兵器庫が背後にある。下手に撃つと誘爆する恐れがあるため、慎重かつ迅速に敵を追い出さなくてはならない。
迅速というのは、諸島軍としてはもとから持久戦をするつもりはないということである。今回のために用意した食料も弾薬も少ないのだ。
なんとか敵を空港から誘い出さなければならない。
諸島軍は空港へ進撃を開始した。


「敵が接近してきますッ!数およそ150ッ!」
見張り員が叫んだ。
空港防衛隊員たちはかつてない緊張感に包まれながら敵を待った。
諸島軍がこれほど手ごわい相手だとは想像もしなかった。合同訓練を行っているときはこんな実力を持っているようには見えなかった。
やがて南と北から地鳴りのごとく戦車のキャタピラ音が聞こえてきた。
その轟音が防衛隊兵士たちの恐怖感を煽った。
敵が見えてきた。左右前方どこを見ても諸島軍の戦車で取り囲まれてしまっている。
だが敵はまだ撃ってこない。これは当然であろう。自分たちの背後には3つの兵器庫があるのだ。
敵が本当に空港を手に入れたいのならばそのようなマネはしないはずだ。と、兵士たちは楽観していた。
だが、その考え方は甘かった。
沈黙を破って敵が猛烈な一斉射撃を浴びせてきたのである。やつらは血迷ったのか!?
不意を突かれた始島軍は衝撃を受けてあわてて反撃を開始した。敵は自分たちを弾薬庫とともに吹っ飛ばすつもりなのかもしれない。
だが諸島軍としては毛頭そんなつもりはない。敵が空港に引きこもれば持久戦になってしまう。
それだけは避けなければならない。何度も言うように、今回のために用意した食料も弾薬も少ないのである。
敵を空港から引きずり出すためには猛烈な攻撃を加え、 弾薬庫とともに吹っ飛ばす心積もりで攻撃を仕掛けなければならない。
予想通り、敵は空港から這い出してきた。しかし次の瞬間、恐れていたことが起こった。
弾丸の一部が1つの弾薬庫のシャッターを貫き、誘爆を起こしてしまったのである。
天地を揺るがす大音響が轟き、紅蓮の炎がナパーム弾のごとく地面を這った。火柱が青空を焦がす。
凄まじい爆風と炎が空港防衛隊兵士たちを飲み込んでいった。およそ50両以上の戦車が一気に吹っ飛ばされてしまった。
想像を絶する大爆発に諸島軍も一部が巻き添えを食らったが、再び攻撃を再開した。一気に空港へ突撃していく。
始島軍はこれ以上戦闘を続けては持たない。
空港防衛隊はついに破られた。全員が雪崩を打って市街地に向けて撤退し始めた。

6: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:13 ID:???
5月8日 午後9時

諸島軍は空港の占領にかかった。まずは消火活動にあたった。
あれほどの大爆発が起こったのにもかかわらず、残りの2つの弾薬庫は無事だった。
空港には食料も弾薬も豊富だった。輸送機も4機置かれている。
しかし、その泣き所は軍用空港のくせに戦闘機と爆撃機がないことだった。
戦闘機と爆撃機があれば、敵の市街地に機銃掃射と爆弾の雨を降らせることができる。
だがその肝心の機体がない。
輸送機に爆弾を積んで爆撃機として使おうと思えば使えるが、この輸送機は爆撃に向いていない。
手探り状態で爆弾を落とすことになるから、どこに爆弾が落ちるかわからない。
下手をすれば味方に当ててしまう恐れがある。
砂漠防衛戦のときでも、始島軍はそういった理由で輸送機を爆撃機として用いなかった。
だが食料や兵器があらかじめ市街地に移されていなかったのは幸運だったというべきだろう。こっちがここまで進撃してくることは敵は予想していなかったに違いない。
諸島軍はここで夜営の準備にかかった。明日は占領作戦の正念場である。

一方、始島の市街地の首相官邸の地下室では、今後の作戦を練るために伊達首相をはじめとする閣僚、部隊隊長たちが顔をそろえていた。
敵は最後の防衛陣を突破するため、空港に貯蔵されている武器をふんだんに活用してくるだろう。
輸送機を爆撃機として使ってくるかもしれない。最後の頼みの綱は対空砲を持った軍艦6隻だけだが、これらは敵の4隻の軍艦と交戦することになるだろう。
いかにここで持久戦を続けることができるかということになる。
だが敵の兵力は140を超える大軍であって、こちらの残り兵力は70両である。
敵が一気に攻め込めばこっちに勝ち目はない。兵器をあらかじめ市街地に移しておくべきだったと指摘する者もいたが、敵がここまでやってくることなど誰も予測しなかったのである。どの対策案もお先真っ暗となり、ついに全員が黙り込んでしまった。
しかし、一人の隊長が沈黙を破って口を開いた。砂漠防衛を担当していた、ゆきむら隊長である。
「ひとつだけ私に別の案がありますが・・・・・私の友人に大手パソコンメーカに勤める者がおります。 その男に、敵を一気に排除できるチートを開発してもらうのです。しかし、開発期間はきわめて短いですが。」
居並ぶ閣僚たちは顔を見合わせた。
「君は何を言っているんだ。戦時国際法ではチートの使用は禁じられているんだぞ。」
一人の閣僚が指摘した。タカ派で知られる松本外務大臣である。彼はチーターや荒らしを徹底して毛嫌いし、治安回復を目標に数々の実績を上げてきている。
「だがここでわれわれが存続するためには、それはやむをえないと私は考えるが。たとえそれが違法だとしても、他に道が残されていないのならばやる価値はあると思うがね。ここでチートの使用の是非を論ずる場合ではないだろう。」
別の閣僚が反論する。チートを正当化されてしまったため、松本はさらに異論を唱えようとしたが口をつぐんだ。チーターを徹底して嫌う松本も、始島の危機を打開する方法がこれ以外に見つからなかったからである。
始島政府だけでなく、諸島政府、新島政府、角島政府もチートは必ず隠し持っているものなのだ。

7: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:13 ID:???
実は唯一の治安対策組織だった「じゃが政府」も国家機密(!?)としてチーターを一人持っていたのである。その人物はじゃが政府の中に置かれていた新聞機関の記者という肩書で務めていた。彼の記事はじゃが島の管理人であるつの氏と関連のある内容が多いため、注目度も高く、じゃが政府HPのトップによく掲載されていた。
だがある日、その記者が新島で浮遊チートを使ってうろついていたのが多数の住民に目撃されたため、じゃが政府の交流掲示板に大反発が起こったのである。なにしろ「じゃが政府新聞記者○○」という名前を堂々と掲げながらフワフワ浮かんでいたのだから嫌でも住民の目に触れてしまう。
当時のじゃが政府首相だったJAPANは、荒らし、チーター撲滅に向けて善良な住民の意見のみを取り入れた政策を行っていたが、最近になってチーターの意見も参考にした政策を行うようになったのである。だからチーターを一人持つことにしたとJAPANは言い逃れるように住民に対して説明した。
だがJAPANとしてはもともとチーターを持っていたことを公言するつもりなどなかったのだろう。ずっと国家機密で隠し通すつもりだったのかもしれない。
その後じゃが政府は解散し、新たにマナーを守るという行為を実現するための「協会」が2006年3月に創立されることが宣言されたが、その改装予定のHPは2006年の2月から時を刻むことを忘れてしまっている。今まで同じ目標を持った組織は数多く存在した。だがそれらは結局口だけで、決して実績を上げることなく無残に滅びていった。じゃが政府もその例外ではない。
言葉や理想だけでチートをなくそうとする組織に説得力はなく、具体的な力で相手をねじ伏せることができない以上、歴史は繰り返されるだけなのである。

「よかろう、チートの使用を認める。だがそれを作っている間に始島はすでに陥落しているかもしれないが、それまで間に合うという自信はあるのかね?」
伊達首相が言った。
「あります。その男はきわめてプログラムに精通ですから、迅速に強力なチートを開発してくれると思います。」
ゆきむらはきっぱりと言った。
「協力が得られなかったら?」
「すべて私に任せてください。必ず得て見せます。」
「ううむ・・・・・」
伊達はうなった。
「いいだろう。君にかけてみよう。2日以内に完成させるように念を押しておきたまえ。 それまでに将兵たちにできる限り持ちこたえるよう命令しておこう。」

8: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:14 ID:???
それから1日と半日後

彼らの期待通り、ゆきむらはその友人の男の協力を得ることに成功した。
その男はゆきむらの言うとおり、きわめて短い期間で新型チートを開発したのである。
この男にしてみれば、短すぎる期間であったが、始島軍にとってはかなり長い期間であった。
この開発期間の間に、諸島軍による占領作戦の仕上げが行われはじめていたのである。
意外にも敵は軍艦を繰り出してこなかった。諸島艦隊は手持ちの弾薬をすべて使い切ってしまったからである。
彼らは市街地侵攻作戦で、手始めに輸送機を爆撃機として用いてきた。
狙いは適当だったが、それでも陸上にとっては脅威だ。
彼らは市街地に数十分の爆撃を行った後、港も爆撃した。
狙いは定まっていないので大した被害は受けなかった。建物に被害が出ただけで済んだ。
しかし軍艦は深刻な被害を受けた。およそ2隻が爆弾の直撃を受けて機能しなくなった。
軍艦も対空砲火を打ち上げ、輸送機を1機撃ち落した。
爆撃任務を済ませると、諸島軍は慎重に進撃し始めた。
敵はまだ港に軍艦を4隻持っている。軍艦の射程距離に入っているから、艦砲射撃を受けてしまう。
前方に防衛陣を展開している敵に戦車砲を発砲しながら進撃をはじめたが、艦砲射撃のためになかなか進めない。
このため、こう着状態が続いている。
そこに新型チートの完成報告が来たのだから、始島軍将兵たちの間に歓声が上がった。
戦闘が停止している間に、すぐさま緊急会議を開いた。
ゆきむらから新型チートの内容を聞かされると、閣僚たちは戦慄した。
その新型チートとは、絶大な破壊力と殺傷能力を持つ核弾頭チートだった。
開発期間が極めて短かったため、威力は予定よりも劣るが、それでも諸島軍を全滅するほどの威力を持っている。
しかし、問題があった。
この核弾頭チートは威力は凄まじいが、チートによるコンピュータに対する負担が計り知れないという。
そのパソコンは機能しなくなるという。最悪の場合、じゃが島にアクセスできなくなるかもしれないというのだ。
こんな代物を誰が扱うというのか?全員が黙り込んでしまった。
「・・・・・・自分は志願しますよ・・・。」
そう言ったのはゆきむらだった。上官たちは顔を見合わせてしまった。
「・・・・・・よろしい。」
一呼吸ののち、伊達が言った。
ついにゆきむらに核弾頭チートの使用を許可したのである。
しかし、この始島で爆発させるわけにはいかない。
なんとかして、敵の主力を諸島に誘い込まなければならなかった。

9: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:14 ID:???
5月10日

諸島軍は補給を終えると進撃を再開し始めた。
諸島軍の残り兵力は100両。敵は50両。
ここで制圧を完了させるつもりだった。軍艦は輸送機を使ってなんとしても轟沈させる。
諸島軍指揮官である柳原は敵の陣地を確認するためレーダーを見た。
おそらく敵は港方面に引きこもっているだろう。だがレーダーに映し出されたのは信じられない光景であった。
レーダーは敵を捉えなかった。何も映っていなかったのである。
潮が引くように敵が防衛陣から消えた。
いったいどうしたというのか?あきらめて他の島に移動したのか?
そのとき、通信兵が慌てて彼のもとへやってきた。
通信兵の報告を聞いて柳原は愕然となった。
始島軍は諸島の市街地(今の湖)に上陸作戦を展開し始めたというのだ。
がら空きになった本拠地である市街地を奪うつもりなのか!?
しかしそれは意味はない。市街地に残されている食料や兵器は全て持ち出したし、始島の占領を続けるにしたがって食料も弾薬も豊富に手に入った。兵力にも差がある。
奴らは血迷ったのか?しかし考えている暇はなかった。
柳原は空港に20両を残して諸島の北島に急行するよう命じた。
彼らは諸島にたどり着いた。いた。確かに始島にいたはずの始島軍が市街地の占領にかかっていた。
急ぎ、奪還せねばならない。迎撃体制に入ろうとした時、なにを思ったか敵は突然撤退をし始めた。
次々に輸送船に乗って始島方面に逃げ始めた。いや、一人だけ取り残している。
いったい彼らは何をしたかったのか?
柳原はそう思ってハッとなった。自分は敵の罠にはまってしまったのだ。
主力を諸島に誘い込み、その間に空港、砂漠を奪還するつもりかもしれない。
柳原はすぐさま全軍に始島に戻るよう命じた。そのとき、一人だけ取り残された始島軍兵士が何かを発射した。
それはまばゆいオレンジ色の光を発しながらこちらに向かってくる。ミサイルだ。
そのミサイルが自分たちの上空約10mに達したとき、強烈な閃光が四方に散った。
次の瞬間、 地球の最後を思わせるような轟音がとどろき、紅蓮の火柱が空高くつきあがると青空一帯を焦がしていった。
想像を絶する爆風と衝撃波が真上から諸島軍に押し寄せてきた。柳原の部隊は一瞬にして蒸発した。
市街地は一瞬にして吹き飛び、陸地に巨大なクレーターができた。
クレーターの中心部から地下水が噴水のようにわきあがり、あっというまに湖ができてしまった。

10: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:14 ID:???
始島軍は輸送船で始島に向かっている時、背後でものすごい爆発音がした。
全員が振り返ると、はるか彼方で巨大な火球が空に向かってむくむくと膨れ上がっていた。
この方向は明らかに諸島方面だ。ゆきむらが核弾頭を発射したのだ。
この威力だと、敵はとても生きてはいまい。無論ゆきむらも・・・・
始島軍は始島に帰還した。
空港を占拠している諸島軍に攻撃を仕掛けるべく、空港に進撃し始めた。
始島軍を発見した諸島軍の見張り員はすぐに味方に報告したが、諸島に急行した柳原の主力が戻ってこない。
敵はすぐ目の前に迫ってきている。
なぜ戻ってこないのか?このままでは袋叩きにあってしまう。
急ぎ柳原に連絡を入れたが応答がなかった。いったいどうしてしまったのか?
無論、このとき既に、柳原率いる主力部隊は諸島で核弾頭によって全滅させられてしまったのだが、 彼らにはそんなことは想像もできない。
空港は始島軍に取り囲まれた。同時に凄まじい攻撃を仕掛けてくる。
諸島軍は援軍を待ちわびながら反撃をしたが、いつまでたっても彼らは戻ってこない。
たちまち制圧させられていき、ついに彼らは堪り兼ねて降伏した。
4日間の戦争は始島軍の見事な逆転勝利であった。
その後、諸島政府の首相は始島政府に謝罪をし、多額の賠償金を払った。
始島は諸島に対して武器、食料の供給を約束してくれた。
そしてこの戦記は、始島が戦時中にチートを使用した事実を隠蔽するかのごとく、歴史に刻まれることはなかった。
諸島の湖で魚が跳ねた・・・・・・・。

11: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:15 ID:???
【時空を越えた戦い】


2006年3月

当時、じゃが島の全体の雰囲気は非常にぴりぴりとしたものだった。
火焔率いる火竜軍と住民の対立問題でおおわらわであり、
その影で、新島で行われたドイツ軍と朝鮮人民軍との戦争は住民の目に触れることはなかった。
両者の戦いは大接戦であったが、結果的にドイツ軍は熱狂的な朝鮮軍の猛攻に耐えられず、
徐々に衰退していき、ドイツ軍掲示板にまで押し込まれ、朝鮮軍によってもてあそばれることになる。
そうなるはずだった。


2006年3月22日

諸島で住民と火竜軍の対立が起こっている中、新島では壮絶な戦闘が展開されていた。
朝鮮軍24両とドイツ軍27両の空港攻防戦である。
作戦を有利に進めるために、弾薬や食料の豊富な空港を占領しようと、両軍とも血眼になって激しい戦闘を繰り広げいている。
朝鮮本軍35両は北東に陣を構え、ドイツ本軍40両は草原に構えている。
ドイツ軍は空港を無傷で手に入れようとするため、どうしても攻撃が及び腰になってしまう。
熱狂的な朝鮮軍はそのようなことはおかまい無しに激しい攻撃を仕掛けてくる。
このためドイツ軍は空港占領のチャンスを失い、朝鮮軍に追い払われ、陣地まで逃げ戻った。
ドイツ軍は体制を整えるため、市街地に撤退しようとした。
だが敵はそうはさせてくれなかった。敵が空港を通り過ぎて一気に突撃してきたのである。
弱体したドイツ軍に止めを刺すつもりだ。万事休すだ。
このときである。両軍の間に割ってはいるかのように、突然目の前で金属的な音とともに青白い巨大な渦が出現した。
さすがに朝鮮軍も驚いて突撃を中止し、両軍とも呆然とその異様な現象を眺めていた。
青白い渦が徐々に大きく膨張した次の瞬間、渦の中心部から異様な物体が2,3個飛び出した。
朝鮮軍攻撃隊隊長は目を疑った。
それは戦車であった。しかもその戦車はドイツ軍の国旗を掲げている。
何よりも彼らが驚いたのは、その戦車が恐ろしく巨大でかつ、平べったい形をしていたからである。
その巨大な砲塔が朝鮮軍の方を向くと、凄まじい音とともに戦車砲を発射した。


12: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:15 ID:???
巨大戦車の発射した戦車砲の着弾はものすごかった。
朝鮮軍の戦車数台が一発で一気に吹っ飛んでしまったのである。
「撃てッ!あの化け物をしとめるんだッ!」
朝鮮軍攻撃隊隊長は夢中で命令した。ドイツ軍の国旗を掲げている以上、敵であることに間違いない。
彼らは自分たちの火力をその怪物に集中させたが、怪物はびくともしなかった。
怪物たちは落ち着き払ったように、次々に彼らを吹っ飛ばしていった。
ドイツ軍将兵たちはその光景を見て愕然となった。彼らはその戦車の正体を知っていた。
それは日本の陸上自衛隊の九〇式主力戦車であった。
戦車砲台は120ミリ滑腔砲(かっこうほう)を持ち、防御力も自分の砲を防げる装甲を持たされている。
九〇式戦車の複合装甲は120ミリ砲弾を跳ね返す力があるわけだから、じゃが島の戦車ごときの砲台ではかすり傷もつかないのである。
青白い渦からは出てきたのは九〇式戦車だけではなかった。155ミリ自走砲まで出てきたのである。
これらまでが朝鮮軍に向けて火を噴き始めたからたまらない。
朝鮮軍突撃隊はあっという間に蹴散らされ、生き残ったものは自分たちの北東の陣地にまで逃げ出した。
戦いを見守っていたドイツ軍将兵たちは、青白い渦から飛び出して来た計4両の九〇式戦車隊と3両の155ミリ自走砲を、われを忘れて見続けた。
目の前で起こったことが信じられない様子である。
それにしても、ドイツ軍の国旗と、日本式の戦車の組み合わせは異様な光景であった。
一台の九〇式戦車が彼らに近づき、ドイツ軍将校と向かい合った。
「自分は2015年からやってきました、ドイツ軍将兵橘中佐であります。我々は2006年のドイツ軍を手助けするため、
タイムトンネルを通じてやって参りました。」
周波数を変更しているのにもかかわらず、突然彼らの声が伝わってきた。
ドイツ軍将校と上官たちは顔を見合わせた。ということは、彼らは9年後の未来のじゃが島からやってきたというのか?
橘少佐が言ったタイムトンネルは、タキオンを応用した一種のタイムマシンであった。
タキオンとは、理学でいう超高速粒子のことであり、原義はギリシャ語で「非常に早いもの」である。
常に光の速さを超えるという猛烈なスピードで運動し続ける仮想的な粒子のことであるが、実在する粒子としては確認されていない。
未来のドイツ軍は、その代物をこともあろうにタイムトンネルという技術に応用し、実用化に成功していたのである。
そしてその目的は、過去のドイツ軍を手助けするという途方もない目的であった。
なぜ彼らの戦車が日本式なのかというと、未来のじゃが島で使える戦車が定められているからだという。
旧ドイツ軍将校と上官、橘中佐とその彼の部下たちは、今後の作戦を練るために会議を行った。

13: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:15 ID:???
「まさか、そんなことが!?」
朝鮮人民軍指揮官である金正日は、さすがにこのときばかりは真剣になった。
普段発狂し続けている金正日であるが、事態がこのような状態に陥ってしまっては当然といえば当然であろう。
「本当です。我々の突撃隊はその恐るべき敵戦車隊にあっという間に撃破されてしまいました。
こちらの攻撃は全くダメージを与えられません・・・・・。」
生き残った将兵が震えた声で言った。
金正日が将兵のいう言葉を信じたということは奇跡というべきだろう。
「ううむ・・・・・。」
金正日は唸ってしまった。
「ともかく、この戦いは絶対に勝たねばならんのだ。なんとしても、その化け物を避けてでもドイツ軍を叩き潰せ。」
「しかし敵はその化け物を引き連れてこちらに向かってくると思われます。我々はここで防衛を続けますので、
金正日様は脱出をしてください。」
「ばか者ッ!栄光ある朝鮮人民軍が防衛戦などできるかッ!なんとしても敵戦車を突破しろッ!」
「・・わ・・・・わかりました。」
将兵は慌てて返事をした。
彼は、金正日はこっちの苦境を本当にわかっているのか?と思った。
敵の巨大戦車の恐ろしさを目の当たりにすればこのようなことは言えなかっただろう。
しかし、命令とあれば仕方がない。
敵の残存兵力はおよそ36両。こちらは50両だが、あの巨大戦車4両と、それとは別に異様な形をした戦車が3両随伴している。
これは無論155ミリ自走砲のことであるが、彼らにはわからないようだった。
これらの恐るべき戦車を突破しろとは実に無茶な話だ。こちらが射程に入る前に片付けられてしまう。
となれば、旧ドイツ軍の出番がなくなるということになるが、ドイツ軍はその辺のことはちゃんと考えていた。
まずは九〇式戦車隊と155ミリ自走砲隊による打撃攻撃を行い、敵の抵抗力を奪った後、旧ドイツ軍が止めを刺すという形になる。
彼らの出番がないと気の毒というべきだ。
1400時。
ドイツ軍は北東の市街地に進撃を開始した。

14: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:16 ID:???
「敵が来たぞッ!」
朝鮮人民軍の見張り員が突然叫んだ。
軍員たちは冷水をぶっ掛けられたような気持ちになって振り向いた。
例の化け物たちが轟々たる戦車のキャタピラ音を発しながらこっちにやってくる。
九〇式戦車と155ミリ自走砲の恐ろしさを一度味わった朝鮮軍員の一部はパニックに陥った。
まだ彼らと交戦したことのない軍員は迎撃体制に入ろうとしたが、敵がそうはさせてくれなかった。
こちらが射程に入っていないにもかかわらず、敵が120ミリ滑腔砲を矢つぎ早に発砲してきたからである。
一気に5両が吹っ飛ばされてしまった。
続いて後方遠方から155ミリ自走砲も撃ってきた。これらが朝鮮軍のど真ん中に正確に着弾していく。
朝鮮軍はしゃにむに九〇式戦車に突っ込み、追い詰めようとしたが彼らの動きもすばやいものだった。
1500馬力ディーゼルエンジンを搭載した九〇式戦車は時速70キロを出すことができる。
このすばやい動きに狙いが定まらないのである。たちまち迎撃隊は壊滅させられた。
155ミリ自走砲も遠距離から敵陣地に猛烈な攻撃を加え、敵の抵抗力を奪っていく。
この恐るべき戦車たちの実力を目の当たりにした金正日は肝をつぶしてしまった。
脱出しようと考えたが、いまさら間に合うはずがない。
戦闘が一段落したところを見た旧ドイツ軍は突撃を開始した。九〇式戦車隊と155ミリ自走砲隊は後方にさがる。
突貫の叫びとともに彼らが市街地に突っ込んで行った。
朝鮮軍は恐怖のあまり適当に乱射しながら後退していったが、百戦錬磨のドイツ軍にたちまち制圧させられていった。
ついに朝鮮軍員は耐えられずに、金正日の許可なしに降伏してしまった。
ドイツ軍の圧勝であった。九〇式戦車と155ミリ自走砲の助けがなければ、今頃ドイツ軍はすでに壊滅し、
彼らの捕虜になっていたことだろう。
金正日はドイツ軍将兵に捕らえられ、じゃが島から追放することにした。
任務を終えた未来のドイツ軍指揮官の橘中佐は、旧ドイツ軍将校に握手を交わし、
九〇式戦車隊と155ミリ自走砲隊はタイムトンネルに向かって走っていった。
戦車隊が青白い渦の中に消えていくのを、ドイツ軍兵士たちは見守った。
タイムトンネルが縮み始めた................


15: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:16 ID:???
【ザビエル島停滞戦前】短編

    *

第一次大戦が勃発する少し前、北部同盟は新島北部の砂漠へ上陸した
新島の住民は抵抗すら出来ず、突然すぎる嵐に飲み込まれていった
北部同盟は東へ進出し、北部同盟らは軍事工廠、基地等、彼らの基盤となるものを続々と建設した
彼らの軍人や、その家族らはこの一帯に住み、いつかは五島最高の都市となっていった

同年12月、ある程度基盤が完成した北部同盟らは派生部隊を残し始島へ引き返した
派生部隊とはいってもその数は12000人以上、北東都市に駐屯する親衛隊らを合わせると20000人は裕に超えていた
しかしこれを契機とみたのか、南西に在った市街地の抵抗部隊は北西に部隊を派遣していった


16: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:16 ID:???
【ザビ島】(ざびとう) 由来:宣教師ザビエルの名から。

新島中央下部にある、第一次、二次じゃが大戦とその他民族、宗教紛争などに巻き込まれた悲劇の島
今もなお、島では紛争が多発しており、一日に幾回は必ず銃撃戦が発生する場所である
元々は緑溢れる平和な島であったが、島の位置や環境、新島全土を占領するには必要不可欠であるといわれたほどの島であった
そのため、軍同士の奪い合いが激しく、第一次じゃが大戦中に新島に上陸した北部同盟派生部隊に要塞化される
が、四面楚歌の状態に陥った派生部隊は翌年に総攻撃を受けザビ島陥落  その後もまた争奪戦が再開する
現在は軍同士の争奪戦は落ち着きを見せてきたものの、民族紛争が激しく、新島政府は未だ手を打っておらず、無法地帯となっている

17: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:17 ID:???
第一次じゃが島大戦 ― 新島 

新島は当時、国家が未誕生であったため、自治も軍隊も何もなかった
そのため急に乗り込んできた始島や諸島の軍隊に抵抗できず、一瞬のうちに占領されてしまった
が、4つの軍隊はほぼ同時に新島へ上陸したため、全土を占領することが出来なかった

それぞれの軍が出した答えは・・・  ザビ島占領であった。

大陸を占領することは容易ではない まずは占領しやすい、大陸の近辺にある比較的小さい島を占領することである
中央島は四面楚歌となるリスクがあった それに、周りの海が狭く、船の行き来がやりにくい
ザビ島はどうか  近辺の制海権や制空権は勿論のこと、ザビ島は軍港としての活躍も期待できる
また、平地が多いため軍工場や兵器格納庫が大量に設置できる
要塞とすれば或いは全土占領は目前といっても過言ではない
小さな軍にもザビ島が手に入れば強かった  逆に大きな国にザビ島が獲得されれば、鬼に棍棒であった
早くザビ島を確保する必要があった。 それは占領の為だけでなく、自らを守るためにもザビ島の一刻も早い占領軍策が必要だったのである

そして翌日 ザビ島をめぐる戦争は始まった

18: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:17 ID:???
ザビ島争奪戦 一   

極聖軍は比較的に小さな国であった  大国にしていきたい そんな思いが、彼らの新島占領の思いを急かしたのだった
そして某日 新島南西部の島に上陸  翌日には先住民らを支配し、市街地を拠点とした軍事活動を進めていった
ひと段落着いたころ、北から北部同盟が侵攻してきたのである
なんとか防衛ラインは保ったものの、これを破られれば市街地に侵入を許すこととなってしまう  そうなればもはや統治は終わりである 
彼らの決断はやはり、ザビ島だった あれを獲得することができればあの大国にも打ち勝てる  そう思ったのだった

東部に上陸した南部同盟は淡々と占領し、わずか3日あまりで東島を支配した 
が、北へ侵攻しようとしたが北部同盟が既に上陸しており、圧倒的に戦差があると判断した東部同盟は侵攻を中断 
北部同盟を打ち破るには、何か切り札が必要である 戦差を補うには、何がを使えばいい  
彼らの答えも ザビ島だった  その後彼らは諸島から艦隊を新島に集め、ザビ島占領の為態勢を整えていった

19: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:17 ID:???
東部同盟側極西軍  対  南部同盟  (上陸、対空、対艦戦闘編)
 
早朝午前5時

極西軍 第一〜第五戦車部隊ザビ島揚陸完了
5分後、他軍が上陸していないことを確認  攻めてきたときの為に野砲部隊と第二戦車部隊を東へ向かわせた 

同時刻、南部同盟は極西軍のザビ島上陸を確認する
30分後、約10000の兵と200の戦車を率い出撃

午前6時13分 戦車、野砲を確認した南部同盟護衛艦隊ザビ島東部全面へ艦砲射撃 
15分、艦砲射撃を受け極西軍野砲、戦車部隊は塹壕へ一時撤退

18分、極西軍戦闘機部隊到着  護衛艦隊へ対艦攻撃開始
南部同盟強制揚陸艦、ザビ島へ強制上陸成功

25分、東島南海上 南部同盟空母、ザビ島へ爆撃部隊、護衛機隊発進 
31分、南部同盟爆撃部隊らザビ島へ到着  極西軍戦闘機部隊が迎撃、その後爆撃機撤退

(ザビ島南沖海上) 対艦戦闘開始
33分、極西軍艦隊が空母へ向け対艦ミサイルを発射
同時刻、南部同盟護衛艦が迎撃成功  つづいて対艦ミサイルを発射
34分、極西軍護衛艦一隻ミサイル迎撃に失敗 ⇒ 30秒後撃沈
同時刻、極西軍戦闘機部隊が南部同盟艦隊へ攻撃 ⇒ 二隻撃沈させる
続いて極西軍が再び南部同盟空母、護衛艦へ対艦ミサイル ⇒ 護衛艦一隻へ命中 空母へは失敗する

41分、南部同盟艦隊、撤退す

20: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:17 ID:???
2026年 春

20年前のじゃが島のずんぐりしたスタイルの戦車は姿を消し、新たに2回りは大きい巨大な戦車が配備された。
諸島・・・
桜が美しく花を開き、春風にあおられて花びらを撒き散らしている。
その満開の桜の花びらが散る中、南島では凄まじい砲声が響き渡っていた。
ドイツ第3帝国軍と北朝鮮人民軍の南島攻防戦である。
両者の戦争は20数年前から続いているが、金正日の執念深さが朝鮮軍をここまで成長させた。
そして、今ここでまた攻防戦が続けられている。
戦いは互角といってもよかった。
数ではドイツ軍が優勢だが、ドイツ軍は押されつつあった。熱狂的な朝鮮軍を相手に苦戦を強いられているのである。
これが朝鮮軍の恐ろしさであった。目を血走らせ、絶叫とともに突っ込んでくる。
「第13中隊は右側に回りこみ、敵の注意をひきつけろッ!」
ドイツ軍指揮官が叫んだ。中隊といっても7両で編成された隊である。
第13中隊は命令どおりに右側に回りこみ、攪乱射撃をしようとした。
だがそのとき、全く突然に真っ白な霧が発生しはじめた。視界が急激に悪くなっていく。
味方の軍も朝鮮軍も、彼らの視界から全く見えなくなった。
第13中隊ゆきむら隊長は困惑してしまった。こんなところに霧が発生するなんて考えられない。
次の瞬間、第13中隊の隊員たちに凄まじい頭痛が襲った。あまりの激しい頭痛に彼らは思わず頭を抱えてしまった。
だがその痛みは一瞬だけだった。激しい頭痛から瞬時に開放され、彼らは頭をゆっくりとあげた。
さきほどの濃霧は消え、見慣れた美しい草原が目の前に広がり、青空は雲ひとつなかった。
だが消えたのは濃霧だけではない。味方ドイツ軍も、朝鮮軍も消えてしまっていた。
ゆきむら隊長は鋭い目つきで辺りを見回した。異様な静けさである。味方や敵はいったいどこへ消えてしまったのか?
通信兵が懸命に味方を呼び出しているが応答がないようだった。
そのとき、彼方で戦車の砲声がした。爆音も聞こえてくる。
「全軍戦闘配置ッ!」
ゆきむらは反射的に叫び、ドイツ軍第13中隊は砲声のした方角へ急いだ。

21: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:17 ID:???
2006年 7月22日

諸島南島で北朝鮮人民軍と、住民を含めたドイツ第3帝国軍の南島攻防戦が行われていた。
住民の一部は金正日に反抗し、ドイツに加勢する者がいたがそれでも苦戦していた。
熱狂的な朝鮮軍は弾丸の嵐に負けずに突進してくる。
ドイツ軍は押されつつあった。このままでは北島まで侵攻されてしまう。
誰もが諦めかけていたそのときだった。
全く突然別方向から戦車の砲声が聞こえ、次の瞬間には朝鮮人民軍の戦車数台が一気に紅蓮の炎とともに吹っ飛ばされてしまった。
「なんだッ!何が起こったッ!?」
朝鮮軍攻撃隊隊長が叫んだ。
ドイツ軍と朝鮮軍の隊員たちはいっせいにその方角を振り向いた。
遠くから巨大な7つのシルエットがこちらに向かってくる。自分たちの戦車より2回りは大きい。それらがいっせいに朝鮮軍に向けて火を噴いた。
朝鮮軍の戦車13両が凄まじい爆発とともに消滅した。朝鮮軍員は驚愕し、慌てて彼らに向かって戦車砲を撃った。
だが彼らの撃った弾丸はむなしくガンという音とともにはじき返されてしまったのである。
「あ・・・あれはTK-Xですよッ!」
ドイツ軍の一人が巨大戦車を指差して叫んだ。
TK-X・・・・・・・・それは恐るべき化け物であった。
なぜなら、その戦車は防衛庁・陸上自衛隊が新中期防衛力整備計画に基づき計画・開発している次期主力戦車だからである。
現在主力となっている90式戦車の後継ぎとして開発がスタートし、 全国的に配備される予定になっている。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2d/Japanese_TKX.png
戦車砲台は90式戦車より20ミリ大きい140ミリ滑腔砲を装備し、防御力は自分の砲をはじき返す力が備わっている。
したがって旧態依然たるじゃが島の戦車の砲台では傷ひとつすらつけることはできないのである。
速力も1500馬力以上のディーゼルエンジンで70キロ以上を出すことが出来る。
そんな化け物が自分たちの目の前に現れたのだ。目の錯覚ではない。しかもそれらはドイツ軍の国旗を掲げ、朝鮮軍を猛攻撃しているのだ。
朝鮮軍は手も足も出せず、金正日は撤退を命じ、全軍が北島に向かって逃げ出した。
ドイツ軍は目の前で起こっていることが信じられなかった。そしてそれはTK-X乗組員も同じであった。
無論、彼らは2026年からやってきたドイツ軍第13中隊である。
ゆきむら隊長は大きな衝撃を受けていた。自分たちは数十年も昔のじゃが島にやってきてしまったのか!?
おそらく、あの時発生した霧が原因に違いない。だがいったいどのようにしてタイムスリップしたのか?
旧ドイツ軍指揮官がやってきて挨拶をした。
「自分はドイツ第3帝国軍SS第5師団師団長イワーノフであります。われわれを救っていただき、まことに感謝いたします。ところで・・・あなた方は・・・・・・・?」
「・・・・・自分たちは2026年からやってきましたドイツ第3帝国軍第13中隊隊長ゆきむらであります。
信じていただけないかもしれないでしょうが、我々は向こうの世界で戦闘中に白い霧に飲み込まれ、こちらの世界にトリップしてしまったのです。」
イワーノフと旧ドイツ軍高官たちは思わず顔を見合わせてしまった。彼のいっていることがなんなのかわからないに違いない。
「・・・・ぇぇ、とりあえず、最高司令官と面会していただく必要がありそうなので、ご一緒願えますか。」
ゆきむらは黙って頷き、彼らの後に従った。

22: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:18 ID:???
「ふうむ・・・・」
ドイツ第3帝国軍指揮官アドルフヒトラーは呻いた。
めったなことでは動じないヒトラーであったが、このときばかりは絶句した。
「・・・まるで空想ドラマのような話だな。しかし我々を救ってくれたことは非常にありがたい。
今後も我々とともに戦ってくれれば誠に心強いのだが。」
「そのつもりです。我々はこの戦いにかかわってしまいましたし、ここで無責任に手放すわけには行きません。」
ゆきむらはきっぱりと言った。無論向こうの世界が今どうなっているのか気になるが、彼は自分たちがこの世界に来たのは何かの定められた運命なのかもしれないと考えていた。
「そうか、一緒に戦ってくれるか。」
ヒトラーはわずかに微笑んだ。
「だが、あなたたちはどうやってもとの世界にかえるおつもりなのですか?」
イワーノフが尋ねた。
「私は、この世界に来たのは何かの運命なのではないかと思います。この戦争が終われば、元の世界に返れるのではないかという気がします。
だから、我々はここであなたたちとともに朝鮮軍と戦うべきではないかと思うのです。」
「うむ・・・」
ヒトラーは再び呻いた。
「わかった。では参謀長、今後の作戦を考えようじゃないか。」
参謀長は頷き、地図を開いて説明をした。
現在北朝鮮人民軍は北島の安全地帯に篭っている。なんとか敵を安置から引きずり出さないとならないが、それはゆきむら隊が引き受けることになった。
TK-Xの140ミリ滑腔砲ならば、この時代の安全地帯なら容易にぶち抜くことが可能だ。
敵を安全地帯から引きずり出した後、旧ドイツ軍が制圧作戦を展開する。

23: 匿名戦車@ナナシ号 :07/03/16 23:18 ID:???
北島では金正日以下、高官たちが安全地帯に篭って緊急会議を行っていた。
突然の巨大戦車乱入で朝鮮軍戦車30両が蹴散らされ、残り兵力は40両となってしまった。
敵はまだ余力を残している。しかもあの7両の巨大戦車も随伴してくると思われる。
なんとか打開策はないかと会議を行ったわけだが、どんな作戦を提案してもお先真っ暗だった。
巨大戦車の性能の恐ろしさを考えると、とても役に立ちそうな案は浮かばなかったのである。
「敵が来たぞッ!」
見張り員が突然叫んだため、金正日と高官たちは思わず立ち上がってしまった。
安全地帯に入ってはいるが、巨大戦車のことを考えると安心することが出来なかった。
そして見張り員の指差す方角を見る。
彼らの危惧したとおり、あの巨大戦車7両が先頭となってドイツ軍がこっちに向かってくる。
それは恐ろしく巨大で平べったい形をしており、砲身も長かった。轟々とキャタピラ音を立てて進んでくる。
安全地帯の朝鮮軍は旧ドイツ軍に取り囲まれた。朝鮮軍員は恐怖のあまり動くことが出来なかった。
巨大戦車が・・・7両のTK-Xの砲塔が、いっせいにこちらを向いた。
次の瞬間、凄まじい閃光が発し、TK-Xが140ミリ滑腔砲を発射した。総重量40tの車体が激しく揺れ、砂埃が舞い上がる。
安全地帯を貫いた140ミリの砲弾が朝鮮軍戦車8両を吹き飛ばした。
朝鮮軍員たちは驚愕した。敵の巨大戦車の戦車砲は安全地帯は無意味なのか!?
敵が立て続けに140ミリ滑腔砲で安全地帯を貫いていく。朝鮮軍はこのままでは全滅してしまうため、安全地帯から飛び出した。
旧ドイツ軍はこのときを待っていた。敵に向かって一斉射撃をあびせた。
朝鮮人民軍は無数の弾丸が飛び交う中を逃げ惑い、次々に真っ赤なドームにさせられていった。
なすすべもなく、ついに彼らは金正日の許可無しに降伏してしまった。
旧ドイツ軍は歓声を上げた。いかに戦力に差があったとはいえ、戦史には珍しい完璧な勝利であった。
第13中隊は、勝利を確信して喜び合っている旧ドイツ軍を見守った。
だがそのとき、彼らの目の前の視界が悪くなり始めた。例の白い霧が発生し始めたのだ。
霧が徐々に彼らを包み込み、またしても激しい頭痛が襲ってきた。思わず彼らは頭を抱える。
そして次の瞬間には彼らの目に見慣れた光景が飛び込んできた。
自分たちとおなじ形をした戦車が朝鮮軍員を拘束している。味方を示すドイツ第3帝国の国旗を掲げている。
2026年に戻ってきたのだ。こっちの世界のドイツ軍も朝鮮軍に勝利を収めたのだ。
その結果が過去に干渉したことで手に入れた勝利なのかはわからない。だが、この戦いは決して無駄ではないとゆきむらは信じていた。
ゆきむらは黙って隊員たちを引き連れて味方陣地に向かって戻っていった・・・・・・・・

24: >>1 (´,_ゝ`) :07/11/28 12:12 (P)
>>1 (´,_ゝ`)


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