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10: 02/15 22:02 ID:??? [sage]
豆腐屋の朝はとても早い。
早くから仕込みを始めなければないとこの時間帯に朝食が間に合わないのだ。
親は普通の時期で、朝4〜5時頃。最盛期のお盆・正月は朝3時から作っている。
もちろん、スーパーで売ってる様なパックではなく、
ケースに入れてホチキスで止めてという感じの豆腐なので、防腐剤なんかは入っていない。
だから朝早く作って、午前中のうちに配達を終わらせて、午後からは豆を水に浸しておく。
ようするに、次の日の仕込みをしてしまうんだ。
あと、本当に出来たての豆腐って奴を一回でも良いから食べて欲しいと思う。
出来立ての豆腐の美味しさがわからないのは、これはもったいない事だ。
特に雛見沢みたいな所は自然も綺麗だし、水も美味しい。
その綺麗な井戸水を使っているので、それによって豆も生きてくる。
自慢じゃないけど…そこら辺のスーパーの豆腐とは風味も味わいも全然違うと思っている。
そんな自慢のおからを使った煮付けに味噌汁、そして炊き立てのご飯。期待通りに美味しかった。
俺は勢い良く水を喉へと流し込む。もちろんこれも井戸で汲んできた物だ。
…テレビの特集で都会の水はカルキ臭がすると言っていた。
都会の生活自体あまり考えられないけど、水がそんな匂いがする所ならあまり住みたくないと思った。
お母さんがテレビに表示された時刻を見て、俺を急かした。
「そろそろパジャマから着替えたら? 岡村君が待ってるんでしょ?」
俺はいつも岡村という奴と一緒に登校してる。
休日も一緒に雛見沢ファイターズで練習してるから毎日顔を合わさない日は無いと言っても良い。
掛け替えの無い一番の親友と言ってもいいだろう。
…ちょっと太めなので、一回冗談で痩せたらと言ったんだけど、取っ組み合いの喧嘩になりかけた。
俺は眼鏡をかけてるんだけど…その時はそれが遠くまで飛んでいった。…あまり冗談は通じない。
だから、ちょっとでも待ち合わせに遅れると機嫌が悪くなる。
俺は急いで服を着替えて、玄関へと駆けていった。
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