【長編】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜【小説】


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【長編】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜【小説】

1: 見習い筆騎士('-'*) 56J2s4XA:05/08/06 11:49 ID:E1USl4sQ
ということで別スレ建てさせてもらいました。
1部の24章までは以下のURLよりご覧いただけます。
http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1100605267/7-106

何かご意見がございましたらその都度レスしていただけると幸いです。
まだ書き手としては本当に初心者なので、ご指摘は特にありがたくい頂戴したいと思います。

〜今までのあらすじ〜
ベルン動乱から4年、平和に向かって歩んでいたエレブ大陸で再びベルンが戦争を起こす。
その首謀者は女王ギネヴィア。兄ゼフィールの意志を継ぎ、世界を統合しようと企む。
その過程でロイの恋人シャニーがロイをかばって事実上戦死するが、竜族伝説の聖王ナーガの力によって復活を遂げる。
そしてエレブ大陸とどこかで繋がるという、別世界から来た神竜族クリスによって衝撃の事実を告げられる。
ギネヴィアは『ハーフ』と呼ばれる人間と竜族の混血の種族の一人に体を奪われている、と。その乗り移った目的はエレブ大陸の支配。
彼らは別世界では迫害され、こちらの世界に自分達の国を作ろうと乗り込んできたのであった。
ロイ達は大陸内で唯一ベルンの侵攻のないナバタの里から、エトルリア、イリアへと進軍していくのであった。


185: 手強い名無しさん:05/12/29 10:27 ID:E1USl4sQ
「お前は可愛いんじゃないな。キレイなんだ。」
「!!・・・っ」
ベッドから飛び起きると、シーナは珍しくクラウドに拳骨を食らわした。
「バカ!」
シーナはそう言うとベッドに潜りこんでしまった。クラウドは何故拳骨までされるのかやはり理解できていないようだった。・・・俺なんか変な事言ったかなぁ。可愛い妹に可愛いって言って何が可笑しいのだろう・・・。
暫くそんな沈黙が続いた。クラウドはシーナに話しかけられず、ベッドも占領されて、仕方なく窓辺で暖炉の火に当たりながら外を見ていた。
セレナ達、しっかりやってるかなぁ・・・。まぁ親父達もいるし心配する事でもないか。きっと相手もおんなじこと考えてるだろうな。俺がヘマしてないかって・・・。俺って何でそう信用されてないんだろうなぁ・・・シーナにも殴られるし。はぁ・・・。
だが、俺だって親父に負けないぐらいの騎士になると誓ったんだ。そして、お袋の仇を取るんだ。ここの将軍が俺のお袋の両親・・・つまり俺のじいさんばあさんを殺したんだったな・・・。その仇、絶対にとってやるぜ。
暫く一人で色々考えていると、ふと声が聞こえてくることに気付いた。
「・・・兄ちゃん。」
シーナだった。まだ起きていたのか・・・?
「うん?」
「そんなところにいて寒くないの?」
「寒くないのって・・・。お前がベッド占領してるからここしか居場所ないじゃんか。なぁに、暖炉の前にいるから寒くはねぇよ。」
「・・・久しぶりに一緒に寝る?」
シーナのその言葉にクラウドは驚いた。何時もは寝相が悪いといって絶対に隣に寝させてくれないのに。
「お、いいのか? サンキュー。」
待ってましたと言わんばかりにベッドに飛び込んでくるクラウド。兄といい、姉といい、どうして二人とも遠慮がないのか。そう思いながらもシーナは話した。
「さっきはごめんね。」
「? 何が?」
「グーで殴ったでしょ?」
「あぁ、気にしてねぇよ。セレナのおかげで殴られ慣れてるよ。」
兄は優しかった。絶対に怒らないし。シーナはそんなクラウドが大好きだった。言葉には言いあらわせられないけど。いつもセレナには反抗するが、クラウドにはあまり反抗しなかった。やっぱり好きだから?でも、姉の事が嫌いと言う訳でもないし・・・むしろ姉の事も好きだった。
「ねぇねぇ。」
「うん?」
シーナのねぇねぇにいつもクラウドは、うん?で返していた。
「兄ちゃんは、好きな人とかいるの?」
「一杯いるぜ。セレナもお前も、アリスの姉貴も・・・西方の皆も好きだぜ。」
「・・・。そうじゃなくて! その・・・好きな女の人とか居るの?」
シーナはここまで聞いておきたかった。こんなこと、姉とか他の人がいるところで聞いたら茶化されてしまう。
「好きな女の子? うーん・・・。」
クラウドは暫く考えてみたが、該当する者はいなかった。というか、そんなこと今まで考えた事すらなかった。
シーナは自分と言って欲しくてたまらなかったが、やはり相手にその気はないようだった。でも、自分の気持ちも伝えておきたかった。身近な人であるだけに。
「私は・・・その・・・兄ちゃんの事好きだよ?」
シーナは勇気を振り絞っていってみた。シーナにとってクラウドは大好きな兄・・・いや大好きな人だった。さっき吹雪の中で抱かれたときのあの気持ちは、“兄に”抱かれたからではない・・・。そう思った。
「へ? そりゃ、俺だってお前の事大好きだぜ、可愛いもんな!」
クラウドはそのシーナの言葉を深読みせずに直ぐに笑顔で返した。クラウドにとって、シーナは妹だった。だから、その妹に好きだと言われる事も、あまり違和感がなかった。可愛いと言いながら頭を撫でてやる。



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