部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U


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部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U

1: 手強い名無しさん:08/05/03 18:21 ID:PM
更新間隔が長くなってしまっていますが誠意執筆中です。
今回は前作以上に長編化しそうな感じなうえ、
オリジナル要素が強く(というか、こんな展開になんの?!がコンセプト)読み手の意見も大きく分かれると思います。
まだ楽しんでくださる方がいれば幸いです。


136: Chapter2-2:闇に彩られし者:08/05/05 11:54 ID:2U
「ほぉ・・・これは恐ろしい。」
男もそれを嬉しそうに受け入れる。
ペルソナで素顔を隠していても、余裕の笑みを浮かべていることが顔の筋肉の動きや口調からイヤと言うほど伝わってくる。
だが、その笑顔もほんの一瞬の話であった。
男は笑みを消し、視線を背後に回して空を見上げる。
よく聞けば、天馬の羽ばたく音が曙の陽と共に大きくなってくるではないか。
天馬が朝日に希望を乗せて、今向こうの空からたくさんやってくる。
男は慌てるように、お辞儀をした。
「せっかくメインショーに移れると思ったのに・・・。
非常に残念です。 ですが、楽しみは後にとっておけとも言いますしね。 今回はこれぐらいでショーは終了とします。」
どんなに優秀でも、多勢に無勢では不利に違いはない。
逃げようとする男へ、アルマはありったけの力で槍を振り向ける。
だが、男を貫いた槍に手ごたえはなく、そのまま男の中で空気を裂いていく。
よく見れば、それは男の残影だった。
彼は消え行く闇の中に溶け込み、残像のみを残して消え去ってしまったのだ。
「随分楽しませてもらいましたよ。 私は朝に弱いので失礼します。
アルマ様、またお会いできる日を楽しみにしております。
シャニーさん。 貴女も色々仰っておられましたが、あれだけ振舞えるなら立派な殺戮者ですよ。
ヘンな正義感など捨てて心の赴くまま、殺意に身を任せれば楽に人生を送れますよ。 人生楽しまなくてはね。」
言葉だけが不気味に響き、脅威はその場から去る。
アルマは舌打ちをしつつ、背後にある木の根元を見る。
そこには、レイサややっと到着したウッディから手当てを受けて肩で息をしながらも立ち上がろうとするシャニーの姿があった。
アルマは親友のもとへ寄り、膝をかがめて視線を合わせる。
「シャニー。」
「アルマ・・・無事でよかった。 あいつ、あんたを狙ってたみたいだったから。」
シャニーの苦痛の中で見せる笑顔に、アルマは涙腺が緩みそうになった。
無事でよかったなどという言葉をかけられたのは、何年ぶりだろうか。
「こちらこそ申し訳ない。 無事でよかった。
まぁ、あの程度の賊にコテンパンにされるとは、私のライバルにしては少々力量不足だが。」
アルマの不敵な笑みから放たれる言葉を、ウッディは許せなかった。
彼はアルマに詰めよって拳を突き上げた。
「お前、まだそんな事言うのか! 誰のせいで二人がこんな目に遭って、
誰のせいでこんなに大勢の仲間に迷惑をかけたと思ってるんだ! 」
言われて黙っているアルマではない。
彼女は一呼吸置くと、シャニーからウッディへ視線を移した。
そして、突き上げられた拳を手で払いのけて、顔を近づける。
「申し訳ないことをしたと言っている。 だが、賊討伐も立派な騎士としての仕事だ。
どの道実力がなければ戦場で死ぬだけのこと。
シャニーは自分の力で自分の身を守った。 誰のせいで余計な負担がかかったと思っている?
ろくに自分の身も守れない人間が、でかい口を叩くな!」



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