部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U


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部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U

1: 手強い名無しさん:08/05/03 18:21 ID:PM
更新間隔が長くなってしまっていますが誠意執筆中です。
今回は前作以上に長編化しそうな感じなうえ、
オリジナル要素が強く(というか、こんな展開になんの?!がコンセプト)読み手の意見も大きく分かれると思います。
まだ楽しんでくださる方がいれば幸いです。


137: Chapter2-2:闇に彩られし者:08/05/05 11:57 ID:2U
ウッディには、自分を棚に上げて責任転嫁する彼女が許せなかった。
体を乗り出して言い返そうとするウッディだったが、何かが服に引っかかり前に動けない。
よく見ると、シャニーがウッディの白衣をしたから引っ張っていたのだ。
―やめて
その力ない主張に、ウッディは止む得ず感情を抑えた。
援軍に到着した者達は、騒動が既に鎮圧している事を知り安堵の表情を見せる。
その顔にはどれにも等しく、眩い朝日が映えていた。
服を引っ張る力が無くなり、ウッディはシャニーのほうを振り向く。 その途端、彼は心臓がはじけそうになる。
緊張がぷつんと途切れた途端、体中を走り抜ける鋭痛でシャニーは気を失ってしまっていたのだ。
再び皆に緊張感が走り、皆はシャニーを運んで城へ急いで戻っていく。
今までの騒がしさがまるで嘘のように、普段見慣れた静寂のなかで寒く清清しい朝に戻る。
アルマは焼け焦げ、灰になった木々を見ながら、しばらくその場で独りになっていた。
「やはり、選択肢はない。 人間こそ光というこの世界。 あいつに言われなくとも、この手で変えてみせる。
しかし、奴らに気付かれている以上、余裕はないな・・・。」
彼女もまた、天馬を駆り、城へと戻っていった。
周りにはもう闇はなく、太陽の光でいっぱいに埋め尽くされていた。

 怪我人を出すほどの騒動であったにもかかわらず、騎士団内ではそこまで問題にならなかった。
現在イリアでは、戦後の賊が今も活発に行動しており、その討伐が毎日のように行われている。
昨夜の話も、その一環として片付けられてしまったのだ。
アルマにとっては都合のよい話であったが、事件は彼女の行動を一層エスカレートさせた。
 事件から二日後の早朝、騒然となる第一部隊。
そこには見慣れた第一部隊の面子と兼任部隊長のティト、そしてアルマがいた。
彼女は笑顔でティトに頭を下げる。 ティトは、いやその場にいた者は皆、それと同時に放たれたアルマの言葉に、絶句した。
朝から問題児が部隊を訪れ、何をしに来たかと思えば・・・。
「団長、是非、私をあなたの弟子にしてください。 お願いします。」
寝ぼけているのかと、皆思った。
何の前置きもなく、突然朝のミーティング中に現れてこんなことを言うのだ。
他の人間が言った言葉なら、朝からヘビーな冗談を言うね、の程度で済むかもしれない。
だが、それを言った人物がアルマだけに、冗談はまずない。
一同は緊張と言うより、何か得体の知れない感情で不安になった。
「・・・朝から一体どうしたの? あなたにはイドゥヴァさんがいるでしょう。」
ことのほか、話をひっかけられたティトは慎重にならざるを得ない。
彼女はいつも以上に言葉を選び、事態の収拾を図ろうとする。
昨日、妹が大怪我を負って意識が戻らないと言う知らせを聞いてから、
今は大分落ち着いたものの、彼女は食事も喉を通らないほど気持ちが不安定であった。
やっとまとまりかけてきた各部隊に混乱を招きたくはないし、これ以上の厄介ごとを増やしたくはなかった。
隊員達もそれが分かっていたから、何とかアルマを第二部隊へ戻そうとあれこれ理由を考えてはアルマに撤退を促す。
「イドゥヴァ部隊長から、私は破門を受けました。
賊一人倒せず逃がしてしまうようなものを弟子にした覚えはないと仰られていました。
私は団長と同じく、イリアを素晴らしい国に変えたいと切に願っております。
団長の右腕となって働けるように努めますので、どうか私を配下としてお加えください。 よろしくお願いします。」



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