部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U


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部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U

1: 手強い名無しさん:08/05/03 18:21 ID:PM
更新間隔が長くなってしまっていますが誠意執筆中です。
今回は前作以上に長編化しそうな感じなうえ、
オリジナル要素が強く(というか、こんな展開になんの?!がコンセプト)読み手の意見も大きく分かれると思います。
まだ楽しんでくださる方がいれば幸いです。


139: Chapter2-2:闇に彩られし者:08/05/05 11:59 ID:2U
今までに見たことのないような彼女の振る舞いだったので、ある者は改心したのかと思い、ある者は更に警戒心を強めた。
むろんどちらの感情を抱く者が多かったかは明白であるが。
その一人が、ティトの傍に寄って心配そうに声をかけた。 それは副将だった。
「団長、いくら団長と言ってもあんなのを傍に置くなんて信じられません。」
「ソラン、そう言わないで。 彼女のひたむきに任務へ当っている姿は知っているわ。
しばらく様子を見ましょう。 そろそろ異動辞令も近いし、その頃でも遅くないわ。」
団長がそういうなら、その隊員は今回はそれでやめた。 団長には団長の考えがあるのだろう、と。
だが、それでも危機感がどうしても拭いきれない。
あの野心家であるイドゥヴァの腹心だったのだ。 
彼女自身もかなりの野心家であるのを皆は知っていたから、そうそう簡単に改心するとは思えるはずもない。
むしろ、権力取りに失敗したイドゥヴァを見捨てて、団長を利用しようと今更言い寄ってきたのではないかと思えてしまう。
そういった納得できないと言う思いが、自然と顔に表れていた。
「どうしたの?」
ティトも副将の曇った顔の理由が分かっているから尚更、そう聞きたくなる。
「本心をお聞かせください。」
「え?」
「団長も、彼女が何か企んでいるかもしれないという事は少なからず頭にあると思います。
それでも、彼女を第一部隊で面倒を見ることにした本当の理由をお聞かせください。
いくら団長の意向とは言え、今回の決定は今後の天馬騎士団にも関るやもしれません。 納得できるお答えをいただきたいのです。」
副将も今までは信頼する団長の考えなら疑問を投げかけても従ってきた。
だが、今回ばかりは団長の真意が読み取れない。
ティトはお人よしだから、イドゥヴァに見捨てられたアルマを哀れに思って拾ってやったとしたら、
まんまとわなにはまっているのではないか。 少しばかりひねているかもしれないと思うくらい、副将は心配だった。
ティトは珍しい部下の態度に、一瞬目を丸くした。
だが、彼女も独断で決定したので反感はあることが分かっていたし、
自分を分かって欲しいと言う気持ちが強かったので、包み隠さず話すことにした。
「そうね、なんて言えばいいのかしら。 ・・・暴れ馬を手綱で繋いでおくには絶好の機会とでも言っておこうかしら。」
ティトもアルマも型破りな行動には警戒していた。
だが、特に規律を犯しているわけでもなく、所属部隊も違うという事から、今までは手を出すことが出来なったのだ。
それが今回、こうして自分から鳥かごに入りに来たのである。
「団長はすぐ厄介ごとを引き受けてしまうのですね。」
「厄介ごとだなんて。 やり方は違うけど、私もあの子もイリアを変えたいと切に願っている。
きっと話し合えば分かり合えると思っているわ。」
アルマも戻ってきたので、皆出発の準備を整える。
出発の三十分前、ティトは何かを思い出したかのようにぽんと手を打つ。
「準備をしてちょっと待っててもらえる?」
ティトは走って城へ戻っていく。
部下達は大方予想のつくその行き先を見守る。
「よっぽど心配なんだね。」



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