部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U


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部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U

1: 手強い名無しさん:08/05/03 18:21 ID:PM
更新間隔が長くなってしまっていますが誠意執筆中です。
今回は前作以上に長編化しそうな感じなうえ、
オリジナル要素が強く(というか、こんな展開になんの?!がコンセプト)読み手の意見も大きく分かれると思います。
まだ楽しんでくださる方がいれば幸いです。


145: Chapter2-2:闇に彩られし者:08/05/05 12:04 ID:2U
「うん。 あんたを逃がしてからね、あいつ人が変わったみたいに恐ろしくなってさ。
殺してやるぞーって目を見開いて何度も怒鳴ってた。 私怖くて見ていられなかったもん。」
親友の全く知らない一面を知り、ウッディは息を呑んだ。
あのシャニーが、殺意をむき出しにして襲い掛かる姿・・・とても想像できない。
だが、歴戦を戦いぬけてきた人間だ。 一度タガが外れれば戦士としての血がたぎって来るのかもしれない。
「でも、私も大怪我をして幻聴を聞いていたのかもしれない。 だって、あいつがそんな事言うわけが・・・。」
「・・・そうか。 でも、人には必ず眠っている性向があるって言うよ。
彼女も人竜戦役以来続く騎士の家系だし、そういう気質があってもおかしくはないのかもしれない。
いつもがいつもなだけに、にわかには信じがたい事実だけど。」
何とか理由を見つけて、この驚きを抑えようとするウッディ。
しかし、その隠れた性向も何かのきっかけがなければ眠りから覚めることなど無い。
先日の襲撃は、彼女にとって極限を要求していたから、きっかけとしては相応しいものであった。
そうでなくとも、襲ってきた相手は殺意に満ちた顔を見たいと言っていたぐらいなのだから。
「あの仮面の男・・・一体何者なんだ。」
「結局、アルマをおびき寄せる為に私達を襲ってきたんでしょ?
あんなヤツのために私達が被害を被ったと考えると、何か腹が立つわ。」
ウッディもセラの考えに同意であった。
だが、セラと違って自分は何も言えなかった。
自分の身すら守ることの出来ず、守ってもらうだけの自分が、何を言えるだろうか。
アルマの不敵な笑顔が脳裏に浮かぶ。 悔しいが、無力な自分では反論が出来ない。
「なぁ、セラ。 僕でも必死になれば剣を扱えるようになるんだろうか。」
「え?!」
窓の外の風景をゆっくり眺めていたセラは、思わず声をあげて蚊帳の方を覗く。
見ればウッディが製薬をやめてこちらの答えが帰ってくるのを待っていた。
セラは正直、どう答えればよいかに迷った。
いきなり剣を振って上達するようなものではない。
まして剣は、使いこなしに相当の技術を要する武器。
素人が少し手解きを受けたぐらいで扱えるようになる代物では、決してない。
だが、ウッディの口調から察するに、彼の意図はなんとなくはわかる。
どういえば、納得してもらえるか。 何とか言葉を搾り出し、答えようと口を空けたその時だった。
「あー、セラ! ウッディ様を独り占めにしてたな!」
突然の声と共に部屋に入ってきたのは、セラと所属部隊を同じにする先輩騎士だった。
セラに詰め寄ってホンキで睨みつける。
彼女は違うと手と表情で弁解するが、なかなか信じてもらえない。
「まったく怪我の治療とか言って、帰ってこないと思ったら! 部隊長がお怒りだぞ! 後は任せて早く部隊に戻れ!」
「後は任せろって・・・。」
「ゴチャゴチャ言わずに早く行く!」
半ば強引に部屋を押し出され、セラは仕方なく部隊へと戻っていく。
横顔でウッディに申し訳なさそうにウインクして行った。
それを確認すると、先輩騎士はウッディに何とも苦しげな顔で助けを求める。
「ウッディ様―、わたし怪我をしちゃいました。 すごいうずくんです。」
聞きたい事を聞けぬまま、今度はセラの先輩の相手をする羽目になるウッディであった。



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