部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U


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部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U

1: 手強い名無しさん:08/05/03 18:21 ID:PM
更新間隔が長くなってしまっていますが誠意執筆中です。
今回は前作以上に長編化しそうな感じなうえ、
オリジナル要素が強く(というか、こんな展開になんの?!がコンセプト)読み手の意見も大きく分かれると思います。
まだ楽しんでくださる方がいれば幸いです。


146: Chapter2-2:闇に彩られし者:08/05/05 12:07 ID:2U
早足で部隊へ帰るティト。
もうみな支度を終え、自分の帰りを待っているころだ。
出発後の航路と天気を考えながら城の外へ出て、部隊と分かれた場所に急ぐ。
部隊を見つけ、お待たせ、と声をかけようとしたティトは目を疑った。
自分の部下達が皆、一点を見つめて瞬きもしない。
その先を見れば、何と部下同士が私闘を行っているではないか。
「何をやっているの! 降りて来なさい!」
戦っている二人を大声で呼び止めて引き摺リ下ろす。
近くで改めてみてみると、アルマと対峙していた隊員は相当酷くやられていたようだ。
周りの隊員にも数名、同じような者がいる。
どうやらアルマ一人に何人もがコテンパンにされたらしい。
「これから出撃と言う時に何をやっているの!」
様子を見ていることしか出来なかった隊員たちから事情を聞く。
それにつれ、これが単なる私闘などではなく、喧嘩であったということが明らかになっていく。
アルマの加入によって何かしらの波紋が生じる事は予想していたものの、まさかこんなに早くそれが訪れるとは。
「アルマ! さっき言ったばかりでしょう。 何故勝手なことをするの。」
「私は先輩の指示で槍をとったんです。
あの状況で嫌ですとは、後輩としては言えなかったんですよ。 決して自ら進んで私闘を行ったわけではありません。」
戦った先輩達も、アルマの実力を認めざるを得なかった。
一人だけならまだしも、誰もアルマに参ったと言わせることが出来なかったどころか、こちらが参ったと言わされたのだから。
その悔しさと言ったら、言葉で言い表せるものではなかった。
「まったく。 騎士としての強さは槍術だけじゃないとあれほど言っているのに。
もう叙任何年目だと思っているの? もう少し騎士としての心を磨いてちょうだい。 槍術なんかよりよっぽど重要よ。」
ティトに叱られ、皆は反省しているようだ。
アルマただ一人が、まるで他人事のように槍を磨いていた。
だが、ティトも叱るに叱れなかった。 何せ先輩の指示に従えと命令したのが、他でも無い自分であったのだから。
(・・・流石に手強いわね。 でも・・・。)
ティトは確かな手ごたえを感じていた。
アルマが加入した事により、他の隊員たちの雰囲気が変わってきたのがもう分かったからだ。
―こんなヤツには負けられない。
この闘争心が、良い方向へ向かってくれるように、ティトは願った。
「さぁ、気持ちを切り替えて出発するわよ。 ほら、服を着替えていらっしゃい。」

エトルリアの空路は、訪れた春の風が温かく、青い空が何処までも続いている。
何度も行き来する空路であるし、事前に普段と変わりないことを調べてあったから、
何のトラブルもなく着々と目的地へと近づいていく。
「それにしてもあんた強いね。 ベルンでも結構上位の部隊にいたの?」
険悪なムードになるかと思われたがそんな春の陽気も助けてか、
騎士の中には、アルマの実力を認め仲間として受け入れようとする者も少なからずいた。



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