部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U


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部隊コード:8820(イリア天馬騎士団編)-U

1: 手強い名無しさん:08/05/03 18:21 ID:PM
更新間隔が長くなってしまっていますが誠意執筆中です。
今回は前作以上に長編化しそうな感じなうえ、
オリジナル要素が強く(というか、こんな展開になんの?!がコンセプト)読み手の意見も大きく分かれると思います。
まだ楽しんでくださる方がいれば幸いです。


147: Chapter2-2:闇に彩られし者:08/05/05 12:08 ID:2U
これから同じ部隊で仕事をしていくのだから、親しくなっておくことに越した事はない。
それに、こういう後輩を味方に付けておいて損はないという打算もあった。
アルマはそっけない奴という噂が広がっていたので、懐くか不安だった。
だが、そんな先輩の思惑とは裏腹に、いろいろ話してきた、
「いえ、特には。 ベルンがイリアの見習い騎士を軍の中枢に置くわけがないですから。」
「じゃあベルン軍でどんな任務をこなしてたの?」
「雑用ですよ。 別に騎士じゃなくても出来るような雑用です。」
先輩達は首をかしげた。
団長の妹が腕の立つ騎士だと言う事は、エトルリア軍で転戦に転戦を重ねた激戦を戦い抜いたその経験によるものと言うのは理解できる。
だが、アルマは別に戦場に多く立ったと言うわけでもないのだ。
それなのに、自分達よりはるかに実力があるというのが理解できなかった。
「ただ、所属自体はマードックと言う将軍の直下部隊でしたから、戦略とかそういう事はいろいろ盗み聞き出来て収穫になりましたけどね。」
「はぁ?! マードック??」
マードックといえば、前ベルン王国で三竜将と呼ばれる軍事幹部の中でも筆頭に当る人物である。
彼は外様と言えど、実力のあるものなら対等に扱う人間だった。
そんな人物に仕えていたとは、やはり何か人物として光る部分があったようだ。
だが、イリア人にとって、彼はそんな映り方はしない。
マードックといえば、イリアを占領した憎きベルン軍の将軍に過ぎなかったのだ。
「あ、あんたさ、敵国の将に仕えて何も思わなかったわけ?」
「別に。 むしろ母国に腹が立ちましたよ。」
想定外の返事に、先輩はどう言葉を返せばいいか分からない。
もし、自分が同じ境遇であったのなら、彼女はまず見習い修行先を変えていただろう。
母国を苦しめるような立場で修行など、出来はしない。
「だってそうでしょう? あんな腐った国に侵略されても、抵抗と言えるような抵抗もろくに出来ずに占領されてしまうなんて。
・・・それ以上に腐っていると言う事ですよ。」
イリアはご承知の通り、戦わねば生きてはいけない国。
侵略を受けた当時も、多くの騎士はエトルリアやベルンに雇われ戦争に参加していた。
当然、ベルンに雇われた騎士の中には、イリア侵略に加担する形となった者だっている。
イリアの国を守るべき騎士が、イリアの外で戦いに参加している。
国内に戻ってきたかと思えば、逆にあろうことか母国を滅ぼす側について戦いに参加する。 国を支える金を得る為に。
この、何ともいえない矛盾がアルマには許せなかった。
「敵国に雇われれば、母国を攻撃することが正当化されているんですよ。 同志を殺すことが正とされているんですよ。
イリア騎士の誓いとか言うヤツは。
そんなおかしいことがありますか? だから私は、最初の騎士宣誓であの誓いを行わなかった。
おかしいと思える事は誓えませんから。」
「まぁ・・・確かに。」
先輩達も納得せざるを得なかった。
今までは騎士の誓いこそが自分達の拠り所と考えてきたが、具体例を出して矛盾を付かれるとおかしい気もしてくる。



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