[*]前 次[#] [0]戻 [4]履歴
[1]最新 [2]最初 ▼[3]コメント欄

ファイアーエムブレム封印の剣の小説を書こうぜ!!
11/17頁 (163件)
102: 08/04 10:28 ID:E1USl4sQ
「!? もう俺達の居場所がかぎつけられたのか。おのれ・・・!」
ラルクが渾身の力でベルン兵に向かって槍を振るう。ベルン兵は焦って避けた。
「うわっ 何するのよ!!」
「黙れ! 一人でのこのこ挑みに来るとは命知らずな奴。ここで叩き斬ってくれる!」
「ま、待ってよ! あたしだよ!」
そういってその竜騎士は焦って顔を隠している兜を外した。
「!? シャニー様!! 公女様であるとは知らず、ご無礼極まりない行動、何卒お許しください!」
「・・・あのさぁ、先輩。いい加減その呼び方やめてよ。昔みたいにシャニ坊でいいじゃん。」
「だ、団長!! よかった・・・ご無事だったんですね。・・・おかえりなさい。」
「うん、心配かけてごめんね。・・・ただいま。」
シャニーはいつもの笑顔で団員に帰還の挨拶をした。泣き出す団員もいる。
「ちょ、泣かないでよ! ・・・それより、帰ってきて早々だけど、皆には謝らないといけない・・・。」
シャニーは国王の事や自分の身に起こったことを全て隠すことなく話した。
「ごめん・・・あたしがついていながら・・・守るどころか・・・。」
「そうか・・・陛下は・・・。シャニー様のせいではありません。そう御自分をお責めにならないでください。」
「いや・・・あたしが弱かったからいけないんだ。あたしがあいつらを一掃出来てさえいれば・・・。」
「私は団長だけでも帰ってきてくれてうれしいですよ。皆団長の帰りを心待ちにしていました。ルシャナさんも・・・。」
「あれ、そういえばルシャナは?」
「・・・。」
ルシャナの名前を出した途端、皆下を向いてしまった。・・・シャニーにはなんとなくわかった。
「あいつが・・・俺達を裏切ったんです・・・。敵の陣形まで突っ込む振りをして天馬騎士団を誘導したんです。俺達の到着が後少しでも遅れていたら、あのマチルダとか言う敵将の超魔法で微塵になるところでした・・・。」
「・・・嘘だ。あいつが・・・あのルシャナが裏切るなんて嘘だ!」
「落ち着いてください。俺だってあいつが裏切るなんて今でも信じられない。・・・前日までシャニー様が帰ってくるまでは絶対に持ちこたえると言っていたんですから・・・。でも、事実は事実なんです。」
「そうだね・・・。受け止めるしかないね・・・。それじゃ、お姉ちゃんは? 急がなければ処刑されてしまうんでしょ?」
「后妃様は城の牢に囚われています。我々も一刻も早く救出しようと策を練っているのですが
なにぶん敵将が天使のごとく空を舞い、魔法を撃って来るものですから、手出しできない状態で・・・。」
「そうか・・・わかった。あたしがお姉ちゃんを助けてくる。先輩達はそれまでここで待ってて。」
「そんな! そんな危険な事を承知するわけには行きません。」
「大丈夫、あたしならこのまま変装して中に突入できるし、いざとなれば戦える。それに・・・今まで大変だったのに、何もしてあげられなかったから、あたしなりの罪滅ぼしだと思って、ね?」
「でも、いくら強くても団長一人じゃ危険です。団長まで失いたくありません! せっかく、せっかく帰ってきてくださったのに・・・。団長が死ぬなら私達だって・・・。」
なんか、どこかで聞いたような台詞だ・・・自分がベルン城から逃げる際、ゼロットに言った台詞だった・・・。あたしの事をそんな風に言うほど慕ってくれている人がいるんだ、尚更頑張らないと・・・。
シャニーはゼロットへも兼ねて、団員にこう言い放った。
「あたしも陛下から直々に位を戴いた神聖騎士。その名に恥じない働きをするまでだよ。」
「でも・・・!」
「だーいじょうぶ! あたしを信じなさいって、ね?」
団員に笑いかけた。団員達は、団長の決意は変わらないことはわかっていたが、それでもあえて説得しようとしていた。この笑顔が見られなくなると危惧していたのだ。皆を光に導く、その笑顔を。
「公女様。くれぐれもご無理をなさらないように。我々も時を待って突撃します。」
「もーう・・・。先輩。公女って言葉、使用禁止ね。それじゃ行って来る!」
そういうとシャニーはまたブリザードの中に消えていった。しかし、騎士団には確実に士気が戻りつつあった。ロイ様達が到着するまでは絶対に諦めない・・・いや、到着を待たずとも、奪還をしてみせる・・・。
ラルクの槍を握る手に、一掃力がこもった。例え恋人を殺す事になっても、もう後戻りは出来ない。

[*]前 次[#]
▲[6]上に [8]最新レス [7]ピク一覧

名前:
Eメール:
コメント:

sage
IDを表示
画像を投稿(たぬピク)
現在地を晒す