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エロゲーのような生活ってリアルにあるの? -Side&After- Part12
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263:◆ODv2GPUc 01/18 01:59 [sage]
「・・・師匠はこんな傷物の女を嫁にはしたくないでしょう?」
ああ、いつぞやハウルを見た後映画館の前で妹と話していたことが現実になろうとは。
「だから、もう、私の居場所はないんです、どこにも・・・」
勝手に居場所を消滅させるな、と俺は心の中で毒づいた。
俺はたとえ▲▲がお岩さん状態になろうが別れる気はさらさらない。
「俺、そんなにいい加減なヤツと思われてたのか。婚約者が怪我したからって捨てるようなヤツだと」
俺はわざと暗い表情をしてみせた。それを見て▲▲は初めて表情を変えた。
「え?」
「いいか、▲▲。顔の傷が残ってたって、俺がデートしてやる。ヘロヘロのボールしか投げられなく
たって、○○がキャッチボールしてやる」
「でも・・・」
言いかけた▲▲を俺は強引に抱き寄せる。
「い、痛いよ師匠」
抵抗は弱弱しかった。小さいけれども活力にあふれていた▲▲の存在がこれほど儚く
思えたのは初めてだったかも知れない。
「おまえは、『このぬくもりが私の全て』って言ってたんだ。覚えているだろ?」
俺が▲▲の背中を撫でながら言うと、▲▲の抵抗が止む。
「う、うん・・・」
「だったら余計なこと考えないで黙って俺のそばに居ろ」
「・・・」
▲▲は答える代わりに、俺に体を預けてきた。俺にとっても久々の感触。懐かしいにおい。
しばしの沈黙のあと、▲▲は不意に口を開いた。
「約束、してくれますか?」
「ん?」
「デートと、キャッチボール」
上目遣いに俺を見る▲▲の目には、生気が戻っていた。
「ああ、デートは、退院したらいつでもしてやるよ。キャッチボールは・・・明日にでも○○つれてくるから、中庭の隅っこででも」

勝手に約束したものの、ろくにボールも投げれない▲▲の姿を見たら○○が泣き出すんじゃないかと思って少し憂鬱になった。
▲▲がやる気を取り戻したのは飛び上がりたいぐらいうれしい
ことではあったのだけど。
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sage
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