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アフォしぃなどを小説で虐殺part7(?)
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157: 09/03 12:56 ID:wc p4018-ipbf807hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
彼女はティファニーのような繊細さと、ベンツのような曲線美を兼ね備えていた。
彼女に心を奪われたオシャレなオシャレな友達と一緒に、毎日踊っているのだ。
その中には今の記憶を心に刻み込もうとして踊っているものもいれば
全てを忘れようと踊っている者も少なくはないのだ。

俺は彼女の踊りに心を奪われるわけでもなく、ボーイ長のモナーに
「ワインを持ってきてくれ」
と頼んだが、モナーは
「ギコさん、申し訳ございませんが当店ではこのようなスピリットは用意しておりません。1969年以降…」
と、何も持ってこなかった。
モナーの眼はどことなく濁っていた。まるで彼自身のスピリットを放棄したような…。

それでもまだ、例のあの声が聞こえてくるのだから、たまったものではない。

ギコさん
ようこそ、ホテルカリフォルニアへ。
ここはとても素敵なところ。
とてもすてきな装飾でお客様をおもてなし致します。
どなたもこのホテルでの生活を十分に楽しんでいらっしゃいます。
貴方様もどうぞホテルをお楽しみください。

ホテルの天井はミラーで覆われ、グラスには氷の入ったピンクのシャンパンが入っている。
どれも反射するものばかりで、まるで自分の中を見透かされているようで困る。
気がつくと、テーブルの前にはしぃが立っていた。
「ギコさん」
彼女はひとつ間を置くと言ってはならないことを言うかのように厳しい表情で話し始めた。
「ここにいる人たちは皆囚われているんです。それも自分自身に囚われているような人ばかり。」
彼女の眼も濁ってはいたが、モナーのようなものではなく、微かに人の本質を捉えているようなものがあった。
しかし、彼女もいずれはモナーのようになってしまうだろう。残念だ。
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sage
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