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えろポケ
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342:嵐の日の荒らし 01/04 16:13 [sage]
 ケンタは息を切らせながら、山道を登り続けていた。夜の山道は闇が支配しているが、空には満天の月が輝いており進むべき道を照らしてくれている。その道の途中でも元気がないポケモンを多数 目にする。ノコッチを初め、ホーホー、イトマル、ムウマ、オドシシ等々。あいつらがこの異変を引き起こしているのなら、一刻も早く阻止しなければ。ケンタのポケモンたちを想う気持ちが先を急がせる。それにマリナやジュンイチのことだって気に掛かる。先ほどのあいつらの言動からするとまだ接触はしていないと思われるが、これからどんな不測の事態が起こるか分からない。そんな不安を抱きながらケンタは黙々と先を急ぐのだった。

343:嵐の日の荒らし 01/04 16:14 [sage]
 どれだけ歩き続けたであろうか。休憩も取らずに早足で上り続けているため、そろそろ足腰が重く動かなくなってきた。夜だというのに滲んでくる汗にも構わずケンタは、歯をくいしばり それでも尚、前進しようとする。今歩いている道はやたらと長い勾配の掛かった道で、くじけそうになる心に負けまいと必死に上り続ける。そんな時だった。この坂道の上方から女性の悲鳴が聞こえてくる。そしてそれに続き岩が崩れる衝撃音。ケンタはハッとし、この道の見える限りの先方に目を向ける。そして疲れきった身体のことも忘れ、傾斜の坂道を今持てるだけの力を振り絞って駆け上がって行った。
 その坂道を登り切ると開けた場所に出た。山の中腹に広がるちょっとした平地だった。そこでケンタは衝撃的な場面に遭遇する。ハガネールの巨大な尾が大きく振られた瞬間、一人の人間に当たりその人間は吹っ飛ばされ壁岩に激突する。坂を登り切って見た光景がいきなりこれだ。その人間に尚もにじり寄るハガネールに、次の指示が冷酷にバショウの口から放たれた。

344:嵐の日の荒らし 01/04 16:18 [sage]
 バショウ「ラスターカノンです!」
 ケンタ「やめろ!」 叫ぶと同時に走り出し、岩壁の前でぐったりと腰を降ろしているジュンイチめがけ飛び掛かる。その瞬間襲い来る、眩いばかりの閃光弾。威力は凄まじく、岩塊がいとも簡単に粉砕してしまう。ケンタはジュンイチを抱え込み、ごろごろと転がっていた。無事なところをみると、なんとか間に合ったようだ。
 回転が止まると、ケンタはすぐさまジュンイチを見る。ジュンイチがつむっていた目を開け、こちらを見た。どうやら大丈夫そうなのを確認し、ひとまず安心する。助け甲斐があったというものだ。未だに きょとんとし、何がどうなったのか分からない顔をしているジュンイチにケンタは声を掛ける。
 ケンタ「ジュンイチ、しっかりしろ!」
 ジュンイチ「ケ、ケンタ、助けに来てくれたんだな。ありがとう、ありがとう。もう駄目かと思ったよ〜。」 と、いきなり抱きつくと思いっきり締め上げてくる。

345:嵐の日の荒らし 01/05 18:37 ID:hI [sage]
 ケンタ「いてて…」
 ジュンイチと共に転がった時だろう。体のあちこちを打ち身していることに気が付かされる。その後 ジュンイチは、涙と鼻水をケンタの服に残し真剣な表情をすると、体が痛むのを我慢するように立ち上がろうとする。
 ジュンイチ「僕が今行くからね。待っててね、マリナちゃん。」 ジュンイチはうわ言を言うように声を発するが、その後 がくっと膝が落ちそのまま座り込んでしまう。
 ケンタ「おい、無理すんなって。」 すかさず声を掛ける。
 ケンタ「ジュンイチ、それでマリナは?」 その問いにジュンイチは泣き叫ぶような声になってこう言った。
 ジュンイチ「マリナちゃんはその岩場から下に落ちちゃったんだー!」
 ケンタ「え?」 ジュンイチの指差す方を見ながら、信じられない気持ちになってくる。ここからではどのくらい深いのかよく分からないが、落ちて無事に助かるような高さでないことはだいたい見当がつく。その時、こちらを見ていたロケット団の1人ブソンが声を掛けてくる。

346:嵐の日の荒らし 01/05 18:39 [sage]
 ブソン「やってくれるな、ヒーローボーイ! 友の為にそこまで自分を犠牲にするとはな。」 褒めているような言葉だが、皮肉がたっぷり交じっている。
それに続きバショウも口を挟む。
 バショウ「そんなもの、不要としか思えません。それに自分以外の他の生物を助けようなんて、何故そんな気持ちになるのか判断しかねます。あの女の子も他の者を助けようとしなければ、自分は助かったものを。」
 ケンタ「おまえらなんかに分かるもんか!!」 2人の好き勝手な言い分に、怒りを露わにして怒鳴りつける。バショウはそれを受け流す感じで、
 バショウ「もうこれ以上ここにいても意味がありません。後はヤツに取り付けたレーダーで追跡するのみです。行きましょう、ブソン。」
 ブソン「ああ。」 
 ハガネールをモンスターボールに戻すと、2人は再び車に乗り込む。

347:嵐の日の荒らし 01/05 18:40 [sage]
 ブソン「おまえら、これ以上俺たちの邪魔をするんじゃねえぞ。あのお譲ちゃんのようになりたくなかったらな!」 運転席からブソンがこちらに顔を向けて言う。そしてエンジン音が響くと、車は切り立った岩場に向かって走り出す。崖に入る直前に、その車のタイヤが丸ノコのような刃にチェンジすると そのまま崖の側面を削りながら走り去っていった。
 やつらが過ぎ去った後、ケンタはマリナが落ちたらしい場所まで行ってみる。無事でいてほしいという想いを胸に、緊迫した面持ちで崖の下を覗き込む。その下は闇が広がっていて、底の方はどうなっているか分からないが相当の深さがある。ふと耳を澄ますとゴウゴウと音がする。水の流れる音だ! その音はかなり下の方から微かに聞こえてくる。水の中に落ちたのなら絶対とは言えないが、まだ助かる見込みがある。その可能性を信じて、ケンタはすぐにマリナの探索に向かうことにした。

348:嵐の日の荒らし 01/05 18:43 [sage]
 ケンタとジュンイチの今いるこの平地には巨大な物体が放置されていた。機械とでもいうのだろうか、骨組みが目立つ円柱形の何をするためのものなのか全く理解できない物体。そしてその近くには巨大な穴が一つ。ジュンイチの話によると、この機械から帯状の光が放出されその新種のポケモン、ツチームを締め付けていたらしい。しかもその光の帯からは捕らえたポケモンを弱らせる為のものらしいバチバチした電気も出ていた。苦しそうにもがくそのポケモンを見たマリナとジュンイチは堪らなくなって、その機械を停止させることにした。その後、何とか機械は止まり、ツチームは長い体をくねらせ穴を掘って逃げて行ったということだった。そこまでは自慢ありげに話すジュンイチ。
 ジュンイチ「こいつを止めたと同時に地面からの振動波もなくなり、“一イシツブテ、二ポッポ”って感じだったなー。」
 ケンタ「ちゃんと一石二鳥って言えよ。」 突っ込むケンタ。

349:嵐の日の荒らし 01/05 18:46 [sage]
 野生のポケモンたちを弱らせたあの振動波。ロケット団の奴ら、その新種のポケモンと一緒に弱ったポケモンたちを根こそぎ奪うつもりだったのか…? マリナが無事であることを自分に言い聞かせ、マリナを探しに行くことを告げるケンタ。ジュンイチももちろん行きたがったのだが、ジュンイチは負傷の程度が大きくまともに歩くこともできない。無理であることを悟ったケンタは、ジュンイチに山を降りるよう言い放った。

350:嵐の日の荒らし 01/05 18:47 [sage]
 ケンタ「山を降り、救護隊を呼んで来てくれ。それがおまえに今出来る、マリナに対する一番思いやりのある行動だ。」
 こう言ってもジュンイチはしばらく ぐずっていたが、やがて今の状況からそうすることしかないことを知ったように、
 ジュンイチ「分かったよ。ケンタ、マリナちゃんを必ず、必ず頼む。」 そう言い、真剣な目つきでケンタの手を熱く握る。
 ジュンイチ「ああ、もうこれで出番は終わりかよ〜。どうせならマリナちゃんを助ける役のほうが良かった…。」 横を向き、密かに小声で嘆く。
 ケンタ(役って何だよ。この状況を作ったのは、お前にも責任があるんだぞ。) ジュンイチの言葉に、心の中で突っ込みを入れずにはいられなかった。

351:嵐の日の荒らし 01/08 17:20 [sage]
 ケンタは今、崖下に広がる川岸に辿り着いたところだ。川の水量はわりと多く、流れも急なほうだ。
 ジュンイチは、メガニウムに支えられながら山道を下って行った。そんなジュンイチと別れたケンタはすぐにスピアーを出すと、この絶壁をスピアーに運んでもらい下に降りて行った訳だ。下が岩肌でなくて本当に良かったと思う。しかしまだ安心するのは早すぎる。ケンタはありったけの声でマリナを呼んでみるが、自分の声が響いた後はすぐにまた元の静寂に戻る。流されたのならもっと下流だろう。ケンタは、無事であると強引に心に念じると下流に向けて歩きだした。
 その道は道といえるような道ではなかった。岩壁は迫り ごつごつして足場は悪く、と思うとぬかるみがあったり岩で塞がれていたりと、何度もスピアーに助けてもらい先に進んだ。途中でマリナの名を何度 呼んだことか。しかし一向に返事は返って来ない。もっと先まで流されたのか? それとも谷に落ちた時点でもう? ケンタは頭の中に自然に浮かんでくる思いを必死に打ち消した。
 ケンタ(そんなこと、あってたまるか!) 無意識に拳が強く握りしめられる。

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