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えろポケ
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372:嵐の日の荒らし 02/07 18:48 [sage]
 ブソン「あいつ、野生のポケモンを手懐けやがったぜ。」 驚きも含めた冷静な声でブソンが言う。
 バショウ「そんなことをして何になるというのです。こちらとしては、ツチームを捕獲するという任務を全うすることのみ。」
 ロケット団の2人は現在の状況に対し、どのように対応したら最も効果的かすでに心得ていた。攻撃あるのみだ! 相手にダメージを与え、弱ったところを戴く! バショウは再びハガネールに攻撃指示を出そうとしたまさにその時だった。状況を一変する出来事が起こったのであった。
 突然、ツチームの体が光り始めやがてその光はツチームの体全体を包み込む。
 ケンタ「なんだ?」 驚くケンタ。
 バショウ「これはまさか、進化?」 攻撃指示を出すのを中断し、バショウはそのポケモンの様子を見守る。
 光の中のシルエットが元の大きさの倍かそれ以上は大きくなっていく。

373:嵐の日の荒らし 02/07 18:49 [sage]
 ブソン「ひゅー、すげぇ!」 ブソンが口笛を吹きながら何かに期待したようににやつく。光がどんどん収まっていくと、そのポケモンの正体が明らかとなる。そこにいたのは普段よく見慣れたポケモン、イワークであった。
 ブソン「…って、イワークじゃねえか!」 期待を裏切られたような口調でブソンが真っ先に声を上げる。
 バショウ「私達の任務はここで終わりのようですね。ブソン、撤退です。」
 ブソン「ああ、そうみたいだな。誰だ? こんな任務をよこしたのは? もっと調べてからよこせってんだ!」 荒々しく愚痴るブソン。
 2人は手早く車に乗り込むと、
 ブソン「じゃあな、また会おうぜ。」 そんな声を残し、エンジン音を豪快に立てながらあっという間に去って行った。

374:嵐の日の荒らし 02/07 18:49 [sage]
 意外な結末に唖然とするケンタ&マリナ。まさかツチームがイワークの進化前だったなんて…。そのイワークは今ではケンタの横で申し訳なさそうに頭を垂れている。どうやらケンタに進化前の行為を詫びているらしい。そんなイワークにケンタは、気にするなというように体を撫でてやる。ケンタの様子をマリナは優しく見守っていた。一時はどうなることかと はらはらしたけど最後は無事に全てが上手くいった。(のかな?) 無茶なことをすると思ったこともあったけど、ポケモンのことを一番に想う心があのポケモンを進化させる結果となったのだ。偶然、良い結果で終わったと言えるのかもしれないけど、マリナはケンタのポケモンへの一途な気持ちが奇跡を起こしたと感じた。やっぱりケンタってすごい!(のかな?) 割り切れないところもあったので疑問系の形で留めておくマリナであった。

375:嵐の日の荒らし 02/07 18:50 [sage]
 ケンタとマリナは今、山を下っていた。マリナの服も乾いたことだし、ジュンイチの話を聞いた村の者たちが心配してるとも思ったからだ。2人とも寝ないで、しかもロケット団とやり合っていたのでかなり疲れてはいたが、2人同意の上で一刻も早く下山することに決めた。山を下る途中、2人はまともに会話も交わさず黙々と歩いていた。喋ることも億劫なほど疲れていたのだ。それでもたまにケンタはマリナに声を掛ける。
 ケンタ「大丈夫か?」
 マリナ「大丈夫だよ。」
 ケンタ「もうすぐ着くからな。」
 マリナ「うん、そうだね。」
 そんなケンタの言葉にマリナは明るい調子で返事を返す。あのイワークは本当に申し訳なさそうな様子で去って行った。でも本当にロケット団に捕まらなくて良かった。そして、信じてもらえて良かった。このことを思うとケンタはわりと意気揚々とした気分で山を降りることができたのであった。

376:嵐の日の荒らし 02/07 18:51 [sage]
 村に着いたのは夜が明けて少し経ってからだった。
 食堂のおばさん「おや、あんたたち、無事だったのかい?」
 村に着くと、ちょうど外に出ていたあのおばさんに声を掛けられた。どうやらジュンイチから事情は聞いていたらしい。おばさんはすぐに疲れ果てている俺たち2人を食堂に招き入れてくれた。
 ケンタ「申し訳ないです。こんな俺たちの為に。」 詫びを入れるケンタ。
 おばさん「そんなこと気にしなくていいよ。何たってあの山に棲むポケモンを助けようとしてくれたそうじゃないか。その為にジュンイチって子はあんな怪我までして…。あんたたちも早く休んだほうがいいよ。」

377:嵐の日の荒らし 02/07 18:52 [sage]
 ジュンイチがどこまでこと細かく話したかは分からないが、あまり大げさにはされたくないと思ってしまうケンタであった。
 おばさん「狭いけど。」 そう断りを入れながらも2階にある一室を貸してくれる。ケンタはおばさんのその好意を遠慮なく受け入れることにした。
 ケンタ「あの、ジュンイチは?」 不意に思ったことを尋ねてみる。
 おばさん「ああ、その子なら向こうの部屋で休んでるよ。」 指で指し示しながら、おばさんがそう答えた時だった。
 奥の部屋の扉が勢いよく開き、聞き覚えのある声と共に1人の少年が一目散に駆け寄ってきた。
 ジュンイチ「マリナちゃーん、無事だったんだー。」

378:嵐の日の荒らし 02/07 18:53 [sage]
 嬉しさを満面に浮かべ、自分は片足を包帯で巻いているというのに勢いよくマリナに飛びつく。
 ジュンイチ「ぼ、僕、もうマリナちゃんに会えないと思ってたよー。良かった、良かった。」
 マリナにしがみつきながら泣きじゃくるジュンイチ。どうやらマリナのことが心配で眠れなかったらしい。それにしても、俺だって無事に帰って来たんだから声ぐらい掛けろよなと思うケンタであった。ケンタのことは全く眼中にないらしい。マリナは多少、困り顔をしながらジュンイチをなだめていた。せっかく服 乾いたのに今度は涙と鼻水で濡れてしまっていた。
 ケンタ「お、おい、離れてやれよ。」 耐え難くなったケンタは必死でジュンイチを引き剥がすのだった。

379:嵐の日の荒らし 02/07 18:54 [sage]
 ここ数日はこのシキノ村で滞在していた。それは自分自身の疲れの癒しの為と、せめてジュンイチの足がある程度は回復するまで一緒にいてやろうとそう思ったからだ。マリナはジュンイチの怪我が治るまでは離れられないようだし、ケンタもこのまま2人を残していくのは何故か躊躇われた。いや、もしかすると久しぶりにマリナと一緒にいたいという感情が働いたのかもしれなかったのだが、ケンタはその理由をそんなに深く考えることはしなかった。
 そして、ジュンイチがようやくまともに歩けるようになった頃…旅立ち そして別れの時がやってきた。食堂のおばさんとの別れ、この村との別れ、そしてマリナやジュンイチとの別れ。皆、別々の方向へ旅立つのだ。去り際にマリナがケンタに言う。
 マリナ「ケンタ、また何かあったら電話するからね。また来て欲しいな。」

380:嵐の日の荒らし 02/07 18:56 [sage]
 ケンタ「いや、もうマリナからの電話はこりごりだからな。もう行かないかもな。」
 マリナ「え〜、また私の胸だったらいくらでも見せてあげるから来てよ〜。」 突拍子も無いことを言うマリナにケンタは顔を赤らめながらも、
 ケンタ「バ、バーカ! だ、誰が! 」 と、つい 慌ててしまう。
 ジュンイチ「え〜、マリナちゃんの胸って? ケンタ、まさかマリナちゃんの胸を…」 ジュンイチが疑わしい目付きでケンタの顔を覗き込んでくる。
 ケンタ「んなわけないだろ!」 ケンタはそう言うと一目散に駆け出す。
 ここ数日の間のことが急に頭の中で蘇る。無事なマリナを発見したこと、自分の気持ちがあのポケモンに伝わったこと、そしてあのポケモンの進化によりロケット団が退散する羽目になったこと。嬉しい出来事が次々と浮かび、ケンタの気分も最高潮となる
381:嵐の日の荒らし 02/07 18:57 [sage]
 マリナ「ケンター、またねー。」
 後ろからのマリナの声に大きなアクションのみで返事を返すと、ケンタはそのまま伸びている道を駆けていくのであった。
 …to be continued.
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