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熱血高話
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137: 04/16 11:42
 柳川 銭紋  133

 道摩はその箱を晴明が不在の時を見計らい見せてもらって、何とかして箱を開けてし
まった。そして晴明が帰宅した時に「私はこの道の秘書を授かった」と、彼に告げた。
晴明は「その秘書は自分が唐に渡って修行してようやく手に入れたもの。お前が持って
いるはずが無い。」と道摩を叱った。道摩は「今が晴明を抹殺する好機」と「ではその
秘書を私がもっていたらその首をいただく。」と言い、晴明はそれに応じてしまった。
そして道摩は懐からあらかじめ書き取っておいた金烏玉兎集を見せ、晴明の首を刎ねた
。同じころ、晴明に金烏玉兎集を授けた伯道上人は晴明が殺されたことを察知し、日本
にやってきた。そして無残に殺された晴明の骨を拾い集め、術を掛けて蘇生させた。そ
して弟子を殺された報復をするため、生き返った晴明と共に道摩と、晴明を裏切った上
に道摩の妻となっていた梨子の元へ向かった。伯道は道摩に「晴明はいるか」と尋ねる
。道摩は「かつてここにいたが、首を刎ねられて死んだ」と答えた。すると伯道が「そ
んなはずは無い。先ほど彼と会った」と言った。道摩は「貴方の言うことこそ、そんな
はずはない。もし晴明が生きていたらこの首を差し上げよう。」と答えた。そして伯道
は先ほど蘇生した晴明を呼んで道摩に見せた。こうして道摩は約束通り首を刎ねられ、
梨子も殺害したという。このことからこの書をみだりに、浅はかな気持ちで読むことは
死に値するとして、この書が秘伝中の秘伝であるということをあらわし、この話を冒頭
に置くことによってこの書の秘密性・神聖性を高めた。と言う。「三国相伝陰陽管轄笙
筧内伝金烏玉兎集(さんごくそうでんいんようかんかつほきないでんきんうぎょくとし
ゅう。」とは一体何なのか。実は、安倍晴明が編纂したと伝承される占いの専門・実用
書として日本に『三国相伝宣明暦経註(さんごくそうでんせんみょうれきけいちゅう)
』ともいい、『笙筧内伝(ほきないでん)』または『笙筧(ほき)』、または『金烏玉
兎集(きんうぎょくとしゅう)』と略称され広く伝えられている。『金烏玉兎集』は多
くの写本が現存し、田中太右衛門版のように「晴明朝臣入唐伝」の題名のみ記していて
、内容をすべて省略しているものまでもが存在する。全5巻で構成され、第1巻は牛頭
天王の縁起と、様々な方位神とその吉凶を説明している。第2巻は世界最初の神・盤古
の縁起と、盤牛王の子らの解説、暦の吉凶を説明している。第3巻は1、2巻には書かれ
なかった納音、空亡などが説明されている。第4巻は風水、建築に関する吉凶説をのべ
ている。第5巻は密教占星術である宿曜占術をのべている。1〜3巻と比べて、4〜5巻は
あきらかに異質である。最初に1〜2巻が書かれ、それの増補として3巻が加えられた。
それに、別個に成立したと思われる本が加えられ、これが4巻、5巻であったと考えられ
るという。晴明朝臣入唐伝である。牛頭天王の縁起では、牛頭天王は、インドにおける
大乗仏教運動の中で仏教に取り込まれて祇園精舎(きおんしょうじゃ)の守護神という
ことにされてしまったが、もともとはインド北方の九相国(きゅうそうくに)の土地神
だったとされる。九相国はときに「倶相国」「吉祥国」「豊饒国」等と記述されるが同
じである。「天竺北方の九相国に吉祥園があり、牛頭天王はその城の王で武塔天神とも
云う。」とされ桃源郷の守り神とされる。所謂牛頭人神である。なぜか武塔天神と書か
れ武闘神とは記されない不思議な神だ。

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