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不思議・不思議
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不思議・不思議

 1月11日、中国が開発中のステルス戦闘機「J-20」が、ゲーツ国防長官の訪中に合わ
せたとしか考えられないタイミングで試験飛行を行い、広く注目を集めた。「J-20」
が実戦配備されるようになるまで、まだ5〜10年くらいかかるだろうというのが常識的
な見方であるとされる。
しかし J-20の評価よりもむしろ関心を呼んだのは、この試験飛行が行われたことを、
胡錦濤主席をはじめとする文官の中国指導者が知らなかったと報道されたことだ。
 ゲーツ国防長官との会談では、胡錦濤主席は「J-20」の試験飛行がゲーツ国防長官
の訪中とは無関係であることを強調し、「予定通り行われたにすぎない」と、その場
を繕った。がそうした反応にはすこし無理がある。最新鋭兵器の開発など、どこの国
でもトップシークレットのはずだ。それにもかかわらず人民解放軍はこれみよがしに
「J-20」の試験飛行を「公開」し、自由に報道させた。ゲーツ訪中を意識して実施
された人民解放軍のデモンストレーションであったことは言うまでもない。
 また、中央軍事委員会主席である胡錦濤の了解も取らず、人民解放軍がこうした行動
に出たとすれば、これは極端な表現で言えば「謀反」に匹敵する。
 「面子」をことのほか重んじる中国で、胡錦濤主席の面子を潰す挙に出た人民解放軍
の行動は、胡錦濤政権がすでにレームダック化していることを内外に示すとともに、
中国共産党の絶対的指導下にあるはずの人民解放軍が「自分勝手に」行動している現実
を示唆している。

 こうした中 アメリカは 中国関係と台湾外交の枝路に立たされる事を懸念している
ようだ。中国と台湾は、昨年「経済協力枠組み協定(ECFA) 」という、事実上の自由
貿易協定を結び、市場の一体化が加速している。台湾を訪れる観光客の第1位は中国人
であり、中台を結ぶ直行便も増加の一途である。とても中台で軍事的緊張が生じるとは
思えない関係の改善が実現している。
 しかし、中国はどうしたことか台湾への軍事的締め付けは一向に緩める気配がない。
福建省を中心に配備されている台湾に照準を定めた短距離弾道ミサイルや巡航ミサイル
は増え続けるばかりで、減少の兆しは見られない。
 台湾を取り巻く安全保障環境に改善が見られないとすれば、米国は当然の帰結として
台湾向け兵器供与を正当化させることができる。実際、訪中したゲーツ国防長官も米国
の台湾政策に変化がないことを確認していた。
 しかし、今回のゲーツ訪中から米中の軍事交流が事実上再開されたと言えるにせよ、
オバマ政権が新たな台湾向け兵器供与を発表すれば、また軍事交流や対共対話などが
中断されることは十分に予想される。
 だからと言って、台湾の防衛に関して米国が何もしないわけにはいかない。
現に「J-20」の開発状況を明らかにしたことからも分かるように、中国の軍近代化の
スピードは想像以上に速く、その脅威にさらされている台湾の自衛努力にも限界がある
。台湾の防衛に必要な兵器供与を義務づけた「台湾関係法」をホワイトハウスが無視
することはできない。
 その意味では、オバマ政権は、台湾と、中国との外交を並行して行わなければならな
いというジレンマを抱えていることになる。
 もちろん、人民解放軍の反対を押し切った形で米国との軍事交流再開に舵を切った
胡錦濤主席も、国内リスクを負っている。だからこそ、なおさらオバマ政権は台湾へ
の兵器供与には慎重にならざるを得ない事になる 悩ましい決断を迫られる。
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