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負けるな日本
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2: 03/27 16:27
黄泉の国物語 06 「ふーん・・・・そうかい・・やはり・・」と手を重ねながら一人考え込む老婆に
正気を取り戻したのか 少しあざが薄くなっていく 女は言った。「おばあさん聞い
ていいかしら。」「おや 少し気を取り直したかい。」「ええ ずいぶんと良くなっ
たわ。ところで此処は何処かしら。」「おやおや まだまだか。まあ後二三日は必要
だろうな。ああ 此処は 俗にいうあの世とこの世の境目だよ。ここが地獄と天国の
分かれ道の袂ってわけだ。」「う〜ん・・・」「お前さんはな 今しがた男に突然に
事故で殺されて此処に来たのさ。本当はこんな中州でなく もっと天国に近いところ
に降り立ったはずじゃが お前さんはまだ生きたいなどと思っていたから 妖魔が悪
さして 残った怨念を喰らいに来て お前さんを咥えたまま地獄の山まで飛んでいこ
うとしていた訳さ。それをこの胸飾りが助けたわけだ。」と女の首にかけられた小さ
な銀色に輝く十字架を見た。その胸元のそれを女はしげしげと見た。「恐らく貴やつ
はやけどして死んだだろうがな あははは。」「へ・・・」「であの重酷の川に落ち
たのだろうて。」「あの川は三途の川じゃないの。」「ああ俗にいう三途の川という
は もっと向こうの見返りの松がある中を抜けねばいけぬ ずいぶん遠い所でな。そ
う そういい忘れておったが 此処では決して勝手な行動はしてはならぬ。お前さん
はここで治療して4・5日したらすぐに天国に旅たつ事が出来るようになるからな。
間違えても妖魔や魔怪道にそそのかれて地獄へ覗きに行ったり 遠回りして日を稼ぎ
旅立ってはならん。お前さんに この子ら達を天国まで連れて行ってくれないと困る
事がおこるでな。なあにこの事をお頼みしようとお前さんを呼び止めた訳だがそれが
お前さんの行く道じゃて。なあに心配いらねぇお前さんはきっと天国に行くて。何が
あっても地獄には行かせない。たとえ夜叉や鬼や妖鬼が来てもだ なあにこのお婆が
その道は教えてやるがに この子もそれなりの呪文を知っ取るがて。お前さんが現生
のののしりや恨みすら無くなると すぐに天国への旅に出れるさ。」とまじまじと女
を見た。

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sage
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