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50: 01/29 07:35
中江君の叫び ２０
「何をか言わんや 我国の遠祖が脈々と築いたる治政の下に 百般の事務が任されたる
官僚が事務を托してその指令に循じたるその様子は他国には無し。無知にして一身に主
となり生計を建てるほどの能無しを藩内に住まわせたる城主なぞいない。後世子孫にも
名家誉れの安らぎを有せんと欲するに自主の権を復せんと必ず欲するものなりて それ
こそ国づくりに邁進し泣き笑いし語り草となった各地の話は暇がないほどに文化や歴史
を織りなさんや。言語・文化・習慣・生活 共にこうも違う世界の考え方を取り込む程
此の国の精神が腐れていくを傍観しては 先人の知恵をないがしろにするものであろう
。遠祖より脈々と息づいて育てたものを 其の深意も知らず異国の暴徒と協約や盟約を
結び 因習久しく君民に織り成した権限すべからず破棄してまでも 異教徒の慣習やら
考えを取り込むなどという事は 愚妄にして劣悪なる相談事なりて これこそは 君主
のみならず民衆をかどわかし 無礼を覚えざる者なり。世界万国の歴史を紐解いて地理
千般の事情をば見聞し数百千年間の政事的力の経路を点検すれば 直ぐに明らかなる事
正に 其の進化進歩を頼むに其の理の境界の第一歩たるは そうした非礼な蛮民や蛮行
を排除して先に進む事であるはずだ。阿非利加（アフリカ）然り阿米利加（アメリカ）
然り即ち欧州列強が 此の亜細亜諸国に入たる以来駐留して止まず。未だ払う事なしに
今に到は 東西洋文明の度級の相異ある事の所以なりて ここに防衛の理由あり。遅く
とも最初には１８世紀には境界を出て更に第二の境界に入れり。これを如何にするや。
悪事万里を走るがごときに 或いは悪貨は良貨を追駆するごときに 自由主義の美名
の下議会制民主主義をして 一足早く列強となった国が 非礼にして蛮行に及ぶはその
功罪は人類に及ぶは当然の理なり。こうして立憲政治とは言え専制君主の狭間にあって
渓谷にわけ入りて 暫くは憩休せしめその身体気強爽なるを待って 又駆け出して此の
荒野の国々を益々目を凝らし仰望して 緑樹天摩 禽鳥和鳴をなさん。これこそが民主
制度の最高峰への道筋なり。」
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