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103:、 11/03 22:18 ID:i2
オカルティズムの観点から、寿命を延ばすことの意味を考えてみると、生死に関する決定的な点
は、死んだ後にも意識が存在するしかないと言う問題があって、もし死んだ後にも意識も
しくは記憶が続いていくのだったら、それは死んだことにならないと言う考え方なのです。
逆に言うと、自分自身の過去を限りなく遡っていくことが何らかの手段によって可能にな
るのであれば、それは無限に寿命を延ばすことと同じ事になります。そのような技術を、
まだ肉体が健全な状態のときに先取りしてしまおうと言うのです。カリオストロの五千歳、また
は五千五百二十七歳と言うのは、いわば象徴的な言い方であって、ある人間がまだ生きて
いる間に、例えば5百年前あるいは5千年前の自分の生活を知ることができたときには、
5百年でも5千年でも人間の寿命を延ばしたこととまったく同じ意味になると考えるのです。
ですから『生命を永らえる方法』を書いたカリオストロは明らかに「輪廻転生」のもんだいをろ
んじているにちがいない、とシュタイナーは考えています。
もう一つ5線星形のほうは人間の五体を客観的に認識する方法です。五体満足という五体
は、人体の5つの部分(筋、脈、肉、骨、皮膚)をさしますが、オカルティズムでは肉体そのも
のが5つの人体に過ぎません。そのほかに生命体(もしくはエーテル体)と言われる部分、アスト
ラル体といわれる部分、メンタル体といわれる部分、それから自我体として存在しています。
5千系を人体の5つのあり方のシンボルと捉えて研究することを、フリーメーソンでは認識の道徳
的再生と言う言い方をしている、とシュタイナーはいっています。
特にカリオストロにとって重要な問題だったのは、エーテル体とアストラル体を如何に意識化するかという
ことで、彼はそのことに関してヨーロッパ各地で弟子に秘儀を伝授しました。
シュタイナーはゲーテ学者だったのですが、ゲーテの有名な『イタリア紀行』に、カリオストロの故郷をたずね
る話が出てきます。シシリーに生まれ悪事のために逐電した一人の男が、ヨーロッパを股にか
けて活躍した大山師と言われるカリオストロなのか。大抵のフリーメーソンの関係の本ではカリオストロは明ら
かにシシリー生まれの詐欺師であると言う言い方をしているのですが、『神殿伝説』の編者
註によれば、最近のカリオストロ研究家、フランソワ・リバドー・デューマやマルク・アヴァンは、文献を調べて
いくと、宗教裁判の記録の中でもカリオストロがシシリーの生まれであったことは最後まで確か
められず、恐らくカリオストロがどういう経歴の持ち主なのかは、いまだにわかっていない、と
述べているそうです。
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