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小説板
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27:黒兎 05/24 23:05
学問の町ミンツ、世界中から多くの学生達が集う学園都市
普段は静かなこの町の一角にある小さな宿屋で小さな事件が起こっていた
それは…………

「メルディ、いい子だからちょっと布団から出てきてくれないかなぁ?」

ダークグリーンの髪の少女が頭から布団を被って震えているもう1人の少女へと声をかけていた
彼女の名前はファラ、元々はラシュアンと言う村に住んでいたのだがちょっとした理由があってこの町を訪れたのであった
その理由がベッドで震えているもう1人の少女、メルディのことであった

「ねえ、怒らないから………着替えないと風邪引いちゃうでしょ?」

彼女……メルディは数日前に空から謎の乗り物に乗ってファラたちの住むラシュアンの村に落ちてきたのだ
ファラはその乗り物のこととメルディのことを村長に相談したのだがある過去の事件があったことで村長はメルディを村から追い出すようにファラに命じたのである
責任感と正義感が人一倍強いファラは当然のごとく村長に対して反論し、メルディが危険でないことを証明しようとしたのであったがそれも失敗に終わる
村長の家で話を続けていたところ壁を破って突如メルディを襲撃してきた謎の男、ファラは一緒にいた幼なじみと共に辛くも男を撃退したもののこのことが切っ掛けで完全に村長はメルディのことを災いの種と判断したのであった

「ねぇ、メルディ………失敗しちゃって恥ずかしいのは分かるからね、風邪引いちゃう前に着替えよね?」

まだ幼さの残るこの少女を村から追い出すなんでファラには出来なかったのであった
そのため自分自ら村をでて少女と共に旅をすることにしたのであった
………彼女の幼なじみである1人の青年を引き連れて
と、ここまでが彼女が旅に出た理由であるが、旅のパートナーであるメルディには幾つかの問題があった
1つは言葉が全く通じないこと、村長が彼女を村から追い出すように強要したのもこれが原因の1つである
そしてもう1つは旅に出てから分かったのであったが………「・・・・・・・・・・・・」

ベッドに蹲っていたメルディが恐る恐る毛布を剥がし布団から起き上がる
その小さなお尻の下には黄色い染みが大きく広がっていたのであった

「あらら・・・・・・今日はまた大きくやっちゃったね…………」

そう言いながらファラはてきぱきとメルディのパジャマを脱がせ湿らせたタオルで股間や足回りを拭き新しい下着を履かせていく
メルディはこの間、顔を真っ赤にしたままうつむいており自分がしてしまったことにたいする自責の念に襲われていた

これが旅に出てから分かった彼女のもう1つの問題であった
メルディにしてみれば環境の変化と旅の疲れ、言葉が通じないという孤独感
それらが全て合わさって『夜尿症』という形で現われてしまったのである

「はい、着替え完了!! 今日は天文台に行くからね、早く支度しようね」

言葉が通じないと分かっていても思いは通じるはず、ファラはそう思ってメルディに慰めの言葉をかけているのだが
感情だけが伝わってしまうとメルディにはファラが自分がしてしまったことで酷く困っているように思えてしまうのであった

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