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小説板
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62:黒兎 05/27 23:54
「んで姉さん、僕になんの用なの?」

ホールにある椅子に腰掛けたジーニアスは姉に何故自分を捜していたのか? と聞いた

「何故って………言われなくても分かってるんじゃないの?」

「う………やっぱりそうなんだ………」

実のところ、ジーニアスは姉がどんなことを言うのか大体予想がついていたのであった
少し前からジーニアスは頻繁におねしょをしていた、そのため寝る時にはおむつを履くように、とリフィルに散々いわれていたのであった

「やだよぉ………子供じゃないんだし……」

「12歳は十分子供です、それに最近は毎晩布団を濡らしている貴方は十分過ぎるほど子供です」

「とにかく絶対に履かないからね、それにもうおねしょなんて絶対にしないからね」

「ふーん、じゃあ賭ける?」

「え?」

「じゃあ約束ね、もし明日の朝ジーニアスのベッドが濡れていたら…………そうね、罰として恥ずかしい格好で明日1日過ごすって言うのはどう?」

「は、恥ずかしい格好!?それってどんな………」

「さあねぇ〜だっておねしょなんか絶対にしないんでしょ? ま、せいぜい頑張ってね〜」

そう言うとリフィルは意地悪く微笑むとさっさと部屋へ戻ってしまった
一人残されたジーニアスは暫くの間姉に対する悪態(大人気ない、なんでそんなことを決めるのさ・・・)をついていたが
時間と共に自分が今どれだけ危機的な情況に置かれているかが分かってきた
不味い、猛烈に不味い

「どうしよう…………」

先ほどずいぶんな量の飲みものを空にしてしまった
トイレに行けば出ることには出るだろうが、それ以上の量を飲んでしまっているため…………
夜中 → おしっこがしたくなる → 起きられない  → 限界  → おねしょ  →  朝リフィルに見つかる
という方程式が成り立っている

「どうしよう………どうしよう………あ……」

考えながらロビーを歩いていたジーニアスは売店の一角にとある物が並べられているのを見つけた
『大きめのお子さんでも大丈夫、2回分のおしっこをしっかり吸収!』
可愛らしい兎の絵が描かれた紙オムツが販売されていた
親子連れも多いためこのような生理用品もホテルには売られていることが多いのである

「そうだ………でも恥ずかしい………でもやっぱり腹に背は変えられない………」

意を決したジーニアスは無邪気な子供を装って売店のカウンターに近づくとあくまで冷静に店員に尋ねた

「すいませーん あれくださーい」

頭の中では顔から火が出るくらいに恥ずかしかったがそれを表面に全く出さない口調でジーニアスは店員を見上げていた

「え、えっとあれって子供用のオムツだけど…………もしかしてお母さんとかに頼まれたのかな?」

よっしゃ、とジーニアスは心の中でガッツポーズをした
普通、母親などの言いつけでこう言う物を買に来る子供の場合大抵は恥ずかしげな表情を浮かべている
それをあえて逆手に取ったのだった

「うん、妹がまだおねしょしちゃうから、頼まれたの」

「そっかー偉いね、妹さんの年はどのくらい?」

「僕よりちょっと下だけど体の大きさはそんなに変わらないかなぁ?」

「ボクちょっと分からないなぁ」と言うと店員は棚においてある中から大きめの袋を1つとってジーニアスに手渡した

「じゃあ一番大きいサイズのがいいね、小さい子でもサイドテープを止めれば大丈夫だから」

「ありがと、代金はここにおいて置くね」

そういうとジーニアスは「バイバイ」 と店員に手を振って売店を出た
内心かなりの冷や汗をかいていたジーニアスは大きく息を吸うとロビーにあるトイレに入った

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