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パワプロ小説
36/40頁 (391件)
356: 06/03 01:18 ID:rE [sage]
「こういうことぁ、軽い調子で早めに言っといた方がいいだろうが。これから長い付き合いになるんだし。それともなんだ? 辛気臭ぇ雰囲気の中でぼそぼそ語ってもらう方がお好みか? お前」
「そ、そういうわけじゃないけど……なんか、アンタの口から言うことじゃないでしょうって、思っただけよ」
「それぐらいで人を半殺しにするかねこの女は……」
 やれやれと肩を落としてみせる。その姿が若干癇に障ったが、せっかく片桐が引き止めてくれた拳だと思い、玲奈は殴るのを我慢した。
「……あの、本当にごめんね片桐君、変に無理させちゃって」
 お気遣いありがとう、もしくは話しかけてくれてありがとうとでも言わんばかりに、巨体の腰をかなり折って、片桐は玲奈に丁寧に丁寧に頭を下げた。きっと優しい巨人だかなんだかという童話の作者は、こういう人間をモデルにお話を作ったに違いない。厳つい身体に似合わず、片桐の表情は終始和やかである。
「片桐君ってさ、いい人だね」
「…………」
 少しだけ、嬉しそうな微笑だった。
 久しぶりにまともな人と対話を交わした気分で、玲奈は思わず胸を撫で下ろす。良かった。自分はまだ、まともな人間とまともな会話をするだけの能力を備えている。アイツがいなくなってからというもの、普段の会話の相手が基本的にこの変態ド馬鹿のみであるから、自分の常識や会話センスが狂っていないか心配だったのだ。これで戸美子とも、もっと清々しく会話できるに違いない。
 ああ、世界がこんな心優しい巨人で、もとい人間で溢れればいいのに。そうすればきっと、もっと世界は素敵になる。ほら見て、うふふ、蝶が舞っているわフランソワーズ。あら本当ねマリー、とても可憐だわ、さぁ私たちも踊りましょう。ええ喜んで、それ、可愛い右手を拝借。らんらんらん。
 ああ、片桐君の向こう側に白いお花畑が見える……。
「あ、そういえばよ」
 なんて純白、汚れを知らぬ白。まさに純潔、そして清純。
 こんな透明な白がこの世界にあったなんて。
「次に飛び蹴りやるなら、白以外のパンツで頼むぜ。もうアレは見飽きたからさ」
 直後、全てが赤く染まったことは言うまでもない。 そのうち補完も終わらせますが、今はこっちの話にしばしお付き合い下さい。
 これいつ終わるかなぁ……。(・ω・`)

 いつも通り、気長にお待ち下さい。
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