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パワプロ小説
38/40頁 (391件)
370: 06/21 02:39 [sage]
「誰だろー気になるなー」
「戸美子、箸くわえたまま喋らない」
「はーいお母さん」
 なかなかノリが良い。
「なに? もしかしてアンタもあの沢内のこと狙ってんの? あんなキザったらしい変態のどこがいいんだか」
「? 玲奈ちゃん沢内君のこと」
「ああいや、知らない。知らないようんあはは」
 すんでのところで回避。危ないところであった。
「アンタはどうなのよ戸美子。もしかして沢内狙い?」
「ち、違うよー」
 ちょっと赤くなりながら否定する戸美子。その様子が格別可愛い。やっぱ女の子は可愛くてナンボだ。うん。と玲奈はオヤジ思考で一人うんうんと頷いた。
「ほら、やっぱり人の恋って気にならない?」
「いや、全然」
 玲奈は即座に否定した。
「えー玲奈ちゃんそれはつまんないよ」
「そうかねぇ」
 玲奈は昔から恋愛沙汰にあまり興味が無い。そりゃフツーの女の子であるからして、告白される経験もしたことはあったけど、全部断った。興味が無かったから。流行りの恋愛ドラマも、同級生の話題が気になって観てはみたものの結局最後まで観通すことはできなかった。面白くなかったから。恋する暇あるなら野球やる。そういう小中学生時代よ。恨むなら野球を教えた父を恨むべし。
「恋愛してみるのも、面白いのかもね」
 無理だけど。
 ぼそっとつぶやいてから、玲奈は最後のタコさんウィンナーを食べることに集中する。
 そんなふうに過ぎていく、ある日の昼下がりであった。


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