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30:藍梅ひらる 04/25 19:09 [sage]
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ブラックビューティーシスターズの二人は、異様に暗く 荒廃した地に降り立っていた。ここは海の底なのだが、現実世界とは異なる別次元であった。崩れかけた城とも見える建造物と 瓦礫の山が放置され、限りない寂しさが広がっている。シェシェとミミは、それに臆することなく崩壊した建物の中へ入っていく。二人は無言のまま突き進み、ある広間へと辿り着いた。そこは、何本もの 倒れた円柱の柱が目立ち、中央には以前は大浴場だったと見てとれる 円形の断裂した段差が目についた。
二人がしばし そこで対峙していると、声と共に目の前に、ボウッとガイトの幻像が現れる。
ガイト「おまえ達、何の用だ。」 不機嫌そうな言い方で、ガイトが訊ねる。
シェシェ「お久しぶりです、ガイト様。どうしても相談したいことがございまして、こうして参上した次第でございます。」
ガイト「ほう。おまえ達が新たな力に従えていることは すでに耳に入ってはいるが…。そして、マーメイドプリンセスを 未だ狙っていることも。」
ミミ「へぇー、さすがガイト様。そんなところまで知ってるんだ〜。」 ミミが口を挟む。
ガイト「私は、実体も無ければ力も失ったままだ。こんな私に何を頼むことがあるというのか。」
シェシェ「はい、ガイト様。単刀直入に申しますと、あなた様の配下の一人 ユーリを貸して頂きたいのです。」
シェシェがそこまで言うと、ガイトは考え込むように しばらく黙り込む。そして、
ガイト「あいつは私のものではない。好きにしろ。」 そう言い放つと ガイトの幻像は突如 消えてしまった。
そして、その直後 シェシェとミミの傍に一匹の小さな魚が出現し、泳ぎ回りだした。
ミミ「意外とすんなりいったわね、シスターシェシェ。」
シェシェ「そうね。」 シェシェはそう答えながら、ガイトがあの沈黙の時に何を考えていたのか気になっていた…。
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