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35:藍梅ひらる 05/02 19:20 [sage]
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るちあ達は、ヒッポを追って 海へと続く砂浜までやって来ていた。どこに消えたのか、ヒッポを完全に見失ってしまっていた。
るちあ「もう、ヒッポったら どこ行っちゃったのよ〜。敵の罠に のこのこ出掛けるのってヒッポのことじゃないのよ〜。」
リナ「ユーリのことを出す前に、しっかりとヒッポを抑えておくべきだったな。配慮が足りず、申し訳ない。」
るちあ「リナのせいじゃないよ。」 謝るリナに慌てて 言葉を返す。
波音「そうよ。勝手な行動をする、あいつが悪いのよ。」
波音の言葉に、るちあは顔を曇らせる。そんな時、るちあは この海岸にいる顔見知りの3人グループに気が付いた。
るちあ「あっ、海斗だ! 海斗〜。」 そう叫ぶが早いか、るちあはもう海斗のほうへダッシュしている。
そんな るちあを、呆れた顔をしながらも ついていく後の二人。
海斗たちのほうへ近付くにつれ、少し様子がおかしいことに気付く るちあ。何か緊迫したような雰囲気だったからだ。
るちあ「海斗っ、どうしたの?」
海斗「ああ、るちあか。」 海斗が振り向いて言う。
るちあの目に、ケガを負ったケンゴの姿が飛び込んできた。ケンゴの左足はパンパンに膨れ上がり、辛そうな呻き声を漏らしている。
リナ「クラゲか なんかに刺されたのか?」 後ろからやってきたリナが言う。
ケンゴ「痛ぇよ。 なぁ、海斗。俺がこのまま死んじまっても、俺のこと 忘れないでいてくれるか?」
海斗「ああ、もちろん。」 真顔で答える海斗。
リナ「何でもいいから早く、病院で毒抜きをしてもらえ。」
るちあ「海斗は何とも無かったの?」 心配そうに尋ねる るちあ。
海斗「ん? それがな、俺は刺されはしなかったけど、何かがおかしいんだよな。サーフィンしてても、波の動きが予測できない…っていうか、まったく理解できない動きしやがる。ダイチはそれで溺れかけるしな。」
ダイチ「そうなんだよ。何かさ〜、誰かに足 引っ張られるような感じがして。でも、見ても誰もいないし…。もう、無我夢中でもがいてさ。…あの時、海斗が助けてくれなかったら、俺 今頃、どうなってたか分からない…。」
るちあ「ねぇ、その時、ピアノの音を聞かなかった?」 海斗に問いかける。
海斗「?…ピアノ? 聞いてないな。ダイチ、ケンゴ おまえ達はどうだ?」
ダイチ「聞いてないなー。」 ケンゴも首を振っている。
海斗「それがどうかしたのか?」
るちあ「あ、んーん、別に気にしないで。」 首を横に振って、慌てたように 何でもないといった仕草をする。
そんな るちあに、少し不振を抱いた海斗であったが、軽く 受け流したようであった。
───その後、到着した救急車に乗せられて ケンゴは去って行った。ケンゴの見舞いに行くという海斗達と別れた、るちあ・波音・リナは海中の捜査に乗り出すことに決めたのであった。
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