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敵キャラユーリとヒッポのエロ小説大募集
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37:藍梅ひらる 05/09 18:35 [sege]
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 ヒッポの心の中では、ユーリに対する様々な想いが交錯していた。ユーリが人間に危害を加えるなんて、今では あり得ないことだ。それに、もし 復活しているのなら、第一に自分に接触しようとしてくるはずだ と信じている。こういった考えから、ユーリが存在しているはずがない と自分に言いきかせるのだが、心の奥底では実際にいて欲しい と願ってしまい、それを打ち消すことができないでいた。とにかく 今は、いるか いないかも分からない ユーリの存在と、相次ぐ海の事故がユーリと どのように関わっているのか 知りたい気持ちでいっぱいだった…。
 どこに向かうとも決めず、ヒッポはただ あてもなく海中を泳ぎ回っていた。ヒッポは、人間の姿にチェンジしていた。この姿のほうが ユーリが実際に存在しているのなら、向こうから気付いてくれる可能性もあると思ったからだ。でも それは敵に見つかるというリスクも兼ね備えている。しかしヒッポは、ユーリに会いたいという気持ちのほうがはるかに上回っていたため、危険も顧れず 不用心な行動になってしまっていた。
 様々な場所を巡るヒッポは、ある所で 不意に立ち止まり 神経を集中させる。ピアノの旋律が聞こえ始めたのだ。それが、ユーリが弾いているのかは分からない。それを確認するため ヒッポは、どちらの方向から聞こえてくるのか判断すると、そちらに向けて一直線に進み始めた。
 巨大な岩場の上に、グランドピアノが置かれている。しかし、その主は どこにも見当たらない。いや、先ほどまでは いたのだが ヒッポが近付くにつれ、音が止み そして、姿も忽然と消えてしまっていた。ヒッポは、そこに置かれているピアノを眺める。そして やや混乱していた。このピアノを見る限り、実際にユーリがいるような暗示を受ける。しかし、何故いなくなってしまったのだろうか。それが疑問だった。もしかすると、水妖の罠に嵌められようとしているのか、ヒッポがそう思い立った時、ヒッポが今いる少し離れた場所で、何か揺らめく影が視界に映った。
 ヒッポ「あ、あれはユーリさん!?」
 はっきりと断言できないが、その揺らめきながら去って行く人影はユーリに酷似していた。ヒッポは意を決して、その影を追い掛けることにした。追いつ、追いつかれず その影は海中を移動する。影に向かって何度も呼び掛けるのだが、聞こえていないのか 全く 止まってくれる様子を見せない。水妖の罠かもしれないと思ったが、例え1%の可能性でも ユーリであることを信じたかった。そして その影は正体を明かさぬまま、岩場に空いていた 洞窟内へ消えてしまった。ヒッポは一旦、洞窟前で立ち止まる。洞窟内を覗き込んでみるが、暗いのと 内部の道が僅かにカーブしているようで、どこまで続いているのか分からない。ヒッポは、少し ためらった後、覚悟を決めて 洞窟内に入って行った。
 少し進んだ所で、ヒッポは はっ と息を呑んで 立ち止まる。洞窟の奥から、すすり泣く声が聞こえてきたからだ。それがユーリなのかは分からない。誰が泣いているのか、何が悲しいのか、ヒッポは それを知るために その泣く声のするほうに向かって行った。
 洞窟内のかなり開けた場所に出た。この洞窟は ここで行き止まりとなっており、コケで覆われた岩壁が一面に立ち塞がっている。しかし、そこには誰の姿も見つけられなかった。しかも、すすり泣く声も いつの間にか消えている。ここまでの道のりは、途中で 枝分かれした道なんて無かったはずだ。にも関わらず 誰もいないことを思案していると、不意に後ろから 声を掛けられた。
 シェシェ「ようこそ、ヒポカンポス。」
 びっくりして、振り返るヒッポ。そこには、妖しく微笑みながら立っているブラックビューティーシスターズの姿があった。

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