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39:藍梅ひらる 05/16 18:50 [sage]
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ヒッポ「お前たちは、い 、いったい私に何の用だ。」 怯える気持ちに負けまいと 強気に言おうとするのだが、舌がもつれる。
シェシェ「あら、無愛想ね。私達、あなたと その姿で接するのは、初めてだというのに。」
ミミ「本当だよね〜。」
ヒッポ「よ、よくも私を騙したな。」 怒りを露わにして言う。
シェシェ「騙すって、何のことかしら?」
ミミ「ただ単に あんたが、誰かさんと勘違いして ついて行っただけでしょう?」
ヒッポは怒りがピークに達した。それは、今までの自分の愚かな行動に対する悔しさでもあった。
ヒッポ「 うお〜〜!」 ヒッポは、タツノオトシゴが型取られているカギを取り出すと、雄叫びを上げ 変身を開始した。
ブラックビューティーシスターズは、そんなヒッポの行動に余裕の笑みだ。ただ、シェシェが何かに向けて 合図を送る仕草をしただけだ。と、その途端、ヒッポの身体は 何かに巻き付かれ、手足を拘束されてしまった。変身も止まってしまい、人間の姿のままであった。
ヒッポ「……こ、これは。一体、何が。」 ヒッポは、何が伸びて来ているのか確かめようと 首を無理に後ろに向ける。ピンク色の触手めいたものが、背後の壁の中から伸びているのが見えた。そして、その次にヒッポが見たものは……。壁の中より出現した異様な姿をした水妖だった。全身が鮮やかな色とりどりのヒダに覆われ、とても派手な姿をしている。ヒダの合間から、色白の顔が見えており、それを見ると 女だということが分かる。そして 足は多数の触手になっており、その中の 一本だけが先端に何かをかぶせたような硬く鋭い形状をしていることが、特に目を引いた。
ヒッポ「放せ!」 必死にもがく。
シェシェ「あら、せっかくの美形なのに、もう あんなグロテスクな生き物になろうとするなんて。」
ミミ「本当だよね〜。イソギンチャン、そいつをしっかり押さえとくんだよ。」 そのカラフルな水妖の名らしい。
イソギンチャン「あいあい、分かってますって〜。」 口調がやけに陽気だった。
ミミ「ねぇ、シスターシェシェ。今は とりあえず 変身は防いだけど こいつ、いつまたヒポカンポスになろうとするか分かんないよ。」
シェシェ「そうねぇ。私達も、こっちの姿のほうが扱いやすいですし、もしヒポカンポスになれたとしても 私達からは逃げられないことは言うまでもありませんが。でも、万が一ってこともありますからねぇ。」
シェシェはミミに何か耳打ちする。それを聞いたミミは、とても嬉しそうな表情をする。
ミミ「それって、すごく大胆♪」
──その後、この今いる洞窟内に変化が見られ始めた。海水が洞窟の外へ流れて行くのだ。しばらくして 今いる空間は、海の中なのに水が無いという奇妙な場所と化していた…。
シェシェ「水の中じゃなければ、変身は無理でしょう?」
ヒッポは二人の妖しい微笑みを見て、一瞬 身震いした。
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