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566: 04/27 03:50
むしゃむしゃむしゃむしゃ…
がつがつがつがつ…
「うぷ、おえっ」
その日もいつものように大好物のカツ丼を頬張っていた苑子は突然激しい吐き気に襲われ、先ほどまで食べていたものをすべてその場に吐き散らした。
「マジ気分悪いし…呪いだ。」
体調が悪いといって寝込む苑子だったが、吐き気が収まる気配は無い。
さすがに心配した母親はすぐに病院に連れて行くことにした。
診察の結果、医者の口から出た言葉は耳を疑うものだった。
「苑子さんは、妊娠していますね。」
事実を聞かされた父親は憤慨した。
もともとおかしかった娘ではあるが、まさかこんなことはあるまいと思っていた。
なのに…
「相手は誰だ?言え!」
苑子は黙ったまま下を向いていた。
「あの男か?Higekiとか言う…」
堅く口を閉ざす苑子だったが、やがてぽつりと口を開いた。
「50代…」
「はあ?」
ポカーンとする両親。
「50代に犯されたし…。」
それだけ言うと苑子はまた黙ってしまった。
一体何を言っているんだろう。いよいよ狂い始めたのかと両親は思った。
沈黙を破ったのは父親だった。
「で、医者はなんと言っているんだ?」
「お腹の子どもはもうかなり成長していて、中絶も難しいとか」
母親が言うと、
「なんてこった。」
父親は両手を握り締めた。
とんでもないことをしてしまったという自覚があるのかないのか、苑子は布団に包まってお気に入りのアニメを見ていた。
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