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579: 05/01 19:24
ある夜、苑子は夢を見た。
夢の中で回し車をする苑子。
その姿をじっと見守る人影…。
目が覚めた苑子は小雪のケージを見た。
しかし、小雪が居ない…。
「依子の仕業?」
苑子は名前を呼びながら小雪を探した。
しばらくして苑子はある事に気づいた。
歩いているのに前に進まないのである。
走ってみた。
やっぱり同じ。
それだけじゃなかった。
止まると後ろに戻るのだ。
「何で…?呪い…?」
苑子は巨大な回し車の中に居た。
「うそー?これじゃハムスターじゃない。」
ハムスター。そこで気づいた。
いつの間にか四つんばいで歩いていたのだ。
ふと目の前の巨大な鏡を見た。
そこには苑子ではなく、一匹のハムスターが映っていた。
「夢だ!悪い夢だ!」
ほっぺをつねろうとする苑子。だが手が短くて抓れない。
どうしたら良いか分からない苑子はいつの間にか自分の周りを囲っていたケージをかじりだした。「苑子…マジかわいいし…w」
薄気味の悪い女がケージの外で笑いながらこっちを見守っている。
「出せ!ここから出せ!キィィィィィイ!」
その時、1階から母親の声が聞こえた。
「小雪ちゃん、ご飯出来たわよ〜!」
「小雪?!」
直後、目の前の女が後ろを振り向き返事をした。
「は〜い」
(完結)
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