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592:>>586最終回 05/12 07:26
軽く汗ばむ5月のある日。
僕はまたいつもの駅で苑子と待ち合わせをしていた。
予定の時刻はもうとっくに過ぎている。
「また遅刻か…。」
僕はいらついていた。
苑子が時間にルーズなのは知っている。しかし、もう45分は待っているのだ。
「もしかしたらすれ違いになったかも知れないな。」
僕は携帯を見た。
「着信無し」
僕は気を取り直すと苑子の番号を再度ダイヤルした。「こちらはa○センターです。おかけになった番号はただいま電話に出る事ができません」
留守番電話…。
「もしもし。○○です。今どこにいますか?電話してきてください。」
用件を伝え終わり電話を切ろうとした時、構内アナウンスが流れた。
「○○駅にて人身事故。○時○分着の列車遅れて到着します。」
○○駅。胸騒ぎのした僕はすぐに苑子の家に電話を掛けるとすぐ母らしき人が出た。
「もしもし、○○です。苑子さん、いますか?」
苑子の母親は酷く焦った様子で、
「あ、○○君?!苑子が…うちの苑子が…うわあああああああ」
やっぱり何かあったんだ…。最悪の事態が頭を過ぎる。
「どうしたんですか?何かあったんですか?」親御さんの話によると、苑子は朝早くに家を出てこちらに向かったとのこと。
ホームで電車を待っているときに突然ホームに突き落とされ、直後特急列車に跳ねられたとのことだった。
そこまで聞き僕は涙が溢れ、止まらなかった。
「苑子…苑子…苑子…そのこーーーーー」
その日、夜遅くまで僕は泣いた。「ドキドキしながら苑子とデート」編 完結
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