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【頑張れ】苑子を応援するSSスレ【ゴッチ】
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597: 06/01 11:50
苑子は夢を見た。
夢の中で苑子は飼い犬サードと遊んでいた。
「サード!」
名前を呼ぶとしっぽを振って走ってくるサード。
よく見ると口に何かくわえている。
「なんだろう…」
苑子が手を伸ばすとサードのくわえたそれはいきなり眩しい閃光を放ち、空に舞い上がった。
「うわ…眩しいよ!」
そう言った瞬間、光の物体は苑子の手に収まりそして吸い込まれるように消えた。

目が覚めた苑子は思いついたようにタンスから現金を持ち出すと、何かに導かれるように家を出た。
気が付くと電車に乗り東京に向かっていた。

東京に着いた苑子は住むところを探し歩いた。
しかし持ち出した所持金ではどうにかなるものではない。
もう日も暮れてきた。
仕方なく駅の構内で夜を明かすことにした。
「お腹すいた…」
その日苑子は眠れなかった。

「どうしてこんなところに来たのか」
急に怖くなった苑子は家に帰ろうと思った。
切符売り場で財布の中を見てみる。
2000円と少額の小銭が顔を出した。
「うそ…」
苑子は愕然とした。
仕方なく表に出た苑子はお金が落ちてそうなところを見渡したが見つかるわけもなく、諦めることにした。
「仕方ないか…」
アルバイトを決意した苑子はコンビニなどを当たってみるが、浮浪者のような苑子を雇ってやろうという店はあるわけなかった。
公園のブランコに乗って気を紛らわせていると、小学生が石けりをしているのが目に入った。
「そうだ!いいこと思いついた♪」
突然立ち上がると文具店で絵の具やらクレヨンを買ってきたかと思うとちょうどよさそうな石を探し始めた。
30分ほどかかって15個程集まるとそれをきれいに洗って絵を書き始めた。
小学生時代に習い成績のよくなかった苑子が唯一誉められたのが図工の時間。
絵画では誰にも負けない自信があった。
ただの石ころにカラフルな色が付けられ、たちまちアニメのキャラやら人や動物に変わった。
「よし、で〜きた!♪」
そう言うと早速きれいに並べた。
しばらくすると20後半ぐらいの男が苑子の目の前で立ち止まった。
「い…いらっしゃいませ」苑子が小声で言うと男は苑子を見た。
胸が高鳴る苑子。
「ん?君…」
「…はい」
「これって君が描いたの?」
男は石の一つを手にとって言うと苑子は少し照れくさそうに。

「1つ50円でお譲りしますよ」
と言った。
「売ってるんだ…これ…貰おうかな」
「あ、ありがとう…ございますっ!」
男は財布を取り出すと
「あっれ?100円しか無い」
と言って苑子に100円を渡すと
「お釣りは要らないから」
と言って石を鞄にしまうとその場を後にした。
「あのっ…」
思わず男を呼び止める苑子に、男はウインクを返し立ち去った。


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sage
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