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11:知恵 07/09 20:54 ID:Iw softbank221017020005.bbtec.net
第八話 告白
私と秀は付き合って一週間目になりました―――
「秀ー♪一緒に帰ろ?」
「おうよ」
今ではすっかり噂になったラブラブ(?)カップルです。えへへ…。
そして、私たちは学校を出た。秀と一緒におしゃべりをしながら。
「牧野先輩!!」
すると、いきなり後ろから呼び止められた。
「え?」
私が振り返ると、そこには同じ中学だった、中3の後輩が立っていた。
「わぁ、水島くん!久しぶりー」
「はい、お久しぶりですね!覚えていてくれたんですか!」
私と水島くんは懐かしそうに話していた。
「そいつ、ひなの後輩か?」
すると、ちょっとムッとした顔で秀が聞いてくる。
もしかして…、ヤキモチ?秀ってば、可愛いんだな…。
「そうだよ、中3の後輩。別に好きとかそんなんじゃないんだから、怒んないでよー?」
私は少し秀をからかってみた。
「そ…、そうだけどよぉ」
ちょっとふてくされている秀。可愛いな…、なーんてね。
「牧野先輩!!」
「ん?」
「その方…、牧野先輩の彼氏ですか…?」
川島くんは少し不安そうな顔で言った。
"そうだよ"と、私が言う前に、秀が口を挟んだ。
「ひなの彼氏の中曽根だ」
「そ…、そうなんですか…」
うわぁ、どうしよう!!ちょっと秀、怒ってるかも…;;
川島くんも少し焦ってるみたい…?
すると、川島くんがとんでもないことを口にした。
「中曽根せんぱーい、牧野先輩を僕にゆずってください」
―――はぁ!?川島くん何言ってるの…!?
それと同時に、秀の顔がひきつった。
「秀!!川島くんのことは気にしないで!!ちょっと冗談がキツいところもある子だから…」
と、私が言うと、川島くんが…。
「冗談じゃありません!!僕は本気です!!牧野先輩がだーい好きです」
と、言ったかと思うと、いきなり抱きついてきた。
ぎゅっ…
「かか、川島くん!!何やってんの…」
私がそう言ったと同時に、秀は思い切り川島くんを引きはがした。
「おい川島!!俺のひなに…、手出すな」
秀…。
そのあまりにもすごい秀の顔にやられて、川島くんは去っていった。
「ひな、大丈夫か?」
「うん、ごめんね、秀…」
「別にいいよ」
でもやっぱり、秀は少し怒っていた。それにしても…、川島くんは
本気だったのだろうか…?確かに、いい後輩なんだけどね…。
しかし、ここ後、川島くんがすごい事件を引き起こすなんて、
私にも秀にも知るよしがなかったんだ―――
次の日の朝―――
私はいつものように、秀と待ち合わせをしている場所まで向かった。
いっつも一緒に投稿してるからね、秀とは。
待ち合わせ場所に向かっている間、また誰かに呼び止められた。
「まーきーのー先輩っ☆」
聞きなれた声…。これはまさしく…。
「川島くん!?」
そう、川島くんだった。
「どうしてこんな朝早くから…」
私がそうたずねると、川島くんはちょっと真剣な目つきになった。
「僕、やっぱり、あんな凶暴な男が牧野先輩の彼氏だとは認められないんです!!」
…何言ってんのこの子は。少しあきれた私。
「でもね、ホントに付き合ってるし、私も秀のことが好きだから…」
川島くんは私の言葉に耳を傾ける気はなさそうだった。
「牧野先輩、僕と…付き合ってください!!」
「がから、いや…」
と、言いかけた瞬間―――
ぐいっ!!
いきなりあごを掴まれ、突然のキス…。
「あっ…、んっ…」
声が出せない。
「ちょ…っと、やめ―――」
「やめません」
ぴしゃりと川島くんにそう言われた。またキスをしてくる。
「……っ」
私が必死に抵抗していると、いきなり誰かに腕を掴まれた。
「ひなっ…!!大丈夫か、逃げるぞ!!」
―――秀だ。秀が助けに来てくれたんだ…!!
「うんっ」
私と秀は一緒に走って、その場から逃げた。
チッ―――
「あんな男が邪魔に入らなければ牧野先輩と僕は今頃…」
その場で静に、川島くんが舌打ちを打っていた―――
>>続く
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