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2:知恵 07/06 16:03 ID:hU softbank221017020005.bbtec.net
第二話 芽生え
私はヒザを押さえながらゆっくり立つ。すると、目の前には男子が立っていた。
「すまん、大丈夫か?」
心配そうに私の顔を覗きこむ。その顔の近いことといったら…。
「う、うん。そっちこそ大丈夫…?」
「おう、俺はな。でも、お前ヒザから血ぃ出てんぞ」
「あ…!?ホントだ…」
そーいえば、この人、知ってる。自己紹介の時、名前聞いた…。
えっと、確か…。中曽根秀(ナカソネシュウ)って人だ。
「わりぃ、俺ちょっと責任感じるし、保健室まで一緒行こうか」
「えっ…!?」
思わずびっくりしてしまう。
「ひな!!中曽根くんと保健室に行くなら、奏は先に帰ってるね!バイバイ♪」
奏はそう言うと、先に帰ってしまった。
「ほら、行くぜ」
そう言うと、中曽根は私の腕をぐいっと引っ張ってきた。
「は、はい…」
ちょっと強引だな、この人…。そう思いながらも一緒に保健室まで行った。
「着いたぞ」
保健室に着いた。中曽根は今までずっと私の手を掴んでいたのを、
やっと放した。大きい手だったな…。って、私なんてこと考えてるの!
「おい、お前顔赤い」
もう!!顔が赤いのは貴方のせいです、中曽根さん!
そう、心の中で叫んでいた。
「バンソーコー、貼るか?」
「お、お願いします…」
―――ぺタ
「ホレ」
「ありがとう、中曽根」
「あれ、お前、俺の名前知ってたんだ?」
「え?自己紹介の時知ったんだよ」
「ふぅん。あ、ごめん。俺、お前の名前知らねぇわ」
…!!知らないって!!ひどーい。
「…牧野ひな」
私は少し機嫌を損ねたようにそう言った。
「あ、すまんね。傷付けちゃった?マジごめん、ひな」
いたずらな笑顔で中曽根は言った。
え、ちょっと待って…、今、"ひな"って下の名前で呼んだ…!?いきなり…!?
私はまた顔が真っ赤になる…。
「お前、やっぱ熱ある?」
中曽根がそう言うと、私の額を小突いてきた。
あーもう!!だからだから!中曽根がそーいうことするから赤くなるんだって!(爆)
…でも、内心ちょっと嬉しかったり。
あれ…?ちょっと待てよ。今、保健室にいるのって、私と中曽根2人きり―――
そう考えるとますます心臓がバクバクしてきた。
ヤバい、緊張してきた…。もうここにいたら私、死んじゃうよ!!
「中曽根。わざわざありがとね!!じゃあ、そろそろバイバイ!!」
私は慌ててそう言うと、走って帰ろうとした。
その時―――
私が脚をくじいて転びそうにった。
しかし、その転ぶ先には中曽根が…!
そして、その先には保健室のベットが…!!
ドッシーン!!
「ん…、い…痛ぁ…」
ゆっくりと目を開ける。すると、そこにはかなりヤバめの光景が。
私が転んだ衝撃で、
私と中曽根はベットに横たわり、
私は中曽根の上に乗っかっている状態だったのだ…!!!
>>続く
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