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4:知恵 07/07 17:11 ID:h. softbank221017020005.bbtec.net
>花火屋姫さん レスありがとうございます!面白いと言ってもらい、光栄です。では。
第三話 困惑
これ、かなり…ヤバめな状態。
私が何も言えずにいると、中曽根の苦しそうな声が聞こえてきた。
「おい…。ひな…、早くどけよ…!!重ぇだろ…?」
「あ!?あっ、ごめん!!」
私は焦りながらもすばやくどいた。どうしよう。すっごく気まずい…。
「…………………」
私がただ顔を赤くして黙っているのを見て、中曽根はこう言った。
「お前。大丈夫か?よく転ぶね?ははは。もう脚大丈夫なら帰るぜ」
中曽根は…、今のこと、気にしてないのかな。それとも、私を気遣ってるのかな…?
「うん。帰ろっか。今日はありがとね!!バイバイ」
「ん。じゃあな」
私と中曽根はバイバイを言い、帰っていった―――
―――次の日―――
「おっはよ!!」
私は元気良く教室に入っていった。
「おはよー、ひな」
舞や一姫、奏につかさが私に駆け寄ってきた。すると、後ろから聞きなれた声が…。
「おっす。ひな」
後ろを見ると…。そう、中曽根だった。
「お、おはよう」
うっわぁ、やっぱりちょっと意識しちゃうなー。自然体、自然体。
「ひなっていつも朝は早ぇーよな。俺、今日寝坊しちまってさー」
「あはは。それはドンマイ」
私と中曽根は笑いながら楽しく話した。…それを横目で見ていたつかさ。
つかさはなぜか悲しそうな顔をしていた。
「……?」
私は少し疑問に思ったが、そこまで気に留めなかった。
そして休み時間になると、つかさが私を屋上に呼び出した。
「ひな、ちょっと来て」
「うん?」
どうしたんだろう、つかさ。朝から調子が変だ…。
そして屋上。風が強く、ビュウビュウと風がうなっている。
すると、つかさが口を開いた。
「…ひな、中曽根くんと仲良いんだね」
「そうかな。中曽根とは昨日しゃべったばっかりだよ」
私がそう言うと、つかさの顔はさらに険悪な顔になった。
何、私、なんか悪いこと言っちゃったかな…。
私とつかさはお互い黙り込んでしまった。今、聞こえるのは風のうなり声だけ。
「…ウチね、中曽根くんのこと…。好き、好きなんだ」
「えぇ!!つかさが、中曽根のことを…」
つかさはこくんと静にうなずいた。私はごくんと喉を鳴らす。
まさか…、つかさが中曽根のこと好きだったとは。でも…なんだろ、この気持ち。
ちょっといい気分しないな…。
「ねぇ、ひな!!」
「ん?」
「協力…。してくれる?ウチと中曽根くんのこと」
ドクン―――
つかさと中曽根の…、恋の、協力…。出来れば、応援したくない。
…!?え……?どうして私、つかさの協力したくないんだろ。
―――あ。わかった。
私…、中曽根のこと、好きなんだ…。
>>続く
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