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7:知恵 07/07 21:03 ID:h. softbank221017020005.bbtec.net
第五話 犠牲
一体、中曽根の好きな人って…。私はすごく不安な気持ちになった。
中曽根の好きな人が、私以外の誰かだったら―――
…やめよう、そーゆうマイナス思考。私は両手で自分の頬を叩き、再びメールを始めた。
件名:えっ!?
内容:中曽根に、好きな人!?知らなかった…
てか、超気になるんだけど!!
by ひな
…と打ち、送信した。
―――中曽根につかさ以外の好きな人がいるとは…。
つかさがこれを知ったら悲しむだろうな―――
なんか、胸がきゅーっと締め付けられつように苦しかった。
「…あ、メール来た」
件名:まだ秘密
内容:まだ俺の好きな人は誰にも言ってないから、
ひなにもまだ秘密!!いつか教えてやるから、今はまだお預け!!
by 秀
中曽根の好きな人、まだ知られてないんだ…。すっごく気になるけど、聞かないでおこう。
私は中曽根にバイバイのメールを送ると、今日はもう寝た。
―――次の日―――
「ふぁ〜あ。良く寝たー」
私はあくびをすると、布団の中から出た。
「あれ?そーいうば、今…、何時だ?」
時計を見ると、私は絶叫した。だってだって…。
「いやぁー!!!遅刻だぁぁぁあぁああぁぁぁ!!!」
そう、遅刻。急いで家を飛び出し、走って学校へと行く。
「もぉー、ついてないよー><」
私が猛ダッシュで走っていると、前のほうに見慣れた背中が…。
―――中曽根だ。
「あっれー。中曽根じゃん!!中曽根も遅刻?」
朝から中曽根に会えるとは、ちょっとラッキー。
「遅刻!!ひなまで遅刻なんて珍しいじゃん?」
「あはは…。もう時間が無いから、2人で走って学校まで行こう!!」
「おう、いいぜ!!」
そして、私と中曽根は一緒に走っていた。
今、私と中曽根は2人きり。私は少し興奮して舞い上がってたらしく、
前から車が走って来ていたのが気づかなかったらしくて…。
キキ―――――――――ッッ
気がつくと、目の前には車が。それと同時に、中曽根の叫ぶ声が。
「ひな、危ない―――――!!」
―――ドンッ…!!
「ん…うぅ、う……」
私…、車に跳ねられた…?だけど、痛みは感じなかった。なんで…?
ふと前を見ると、そこには信じられない光景が。
中曽根が、中曽根が、血だらけになってて…、倒れていて―――
何、これ…。車に跳ねられそうになった私を、中曽根がかばって、犠牲になった、ってこと…?
「いやぁぁああああぁぁああぁ!!!秀ー!!!」
私は中曽根に飛びつく。身体をゆすっても、名前を何回叫んでも…、返事が無い。
「やだよ、やだやだ!!死なないでよぉ!!まだ、私、中曽根に言いたいこと、あるんだよ!?
今、たった一つ伝えてないことがあるんだよ…!?
まだ、"好きだよ"って伝えてないんだよぉ!?だから…、死なないでよぉぉおおぉ!!!」
私は意識がもうろうとした中、ただそうやって叫んでいた。私は急いで救急車を呼んだ。
ピーポーピーポー…
救急車が来て、中曽根は運ばれた。私も一緒に救急車の中に入れてもらい、
私は車の中でも泣き叫んでいた。でも、いくら叫んでも、返事が無い―――
「どうしよう、中曽根が死んじゃったら私のせいだ…!!」
私は身体全体の力ががくんと抜け、ただ彼の名前を呼ぶことしか出来なかった。
>>続く
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