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4:和泉 07/21 13:29 ID:m6 61-22-154-21.rev.home.ne.jp
外
真優は、近くのベンチに座って、アイスを食べていた。
宗助はバスケのコートを使ってバスケの練習を1人でしていた。
宗助はバスケ少年だ。毎日毎日バスケの練習。
当然、そんな宗助はバスケ部。
そんなにバスケが好きなのか・・。
真優は最初は呆れたが、一生懸命の宗助の姿を目で追ってしまう。
「っあー!疲れた!」
宗助はバスケのボールを持って真優の隣に座った。
「うわっすごい汗」
「うるせぇよ」
真優が驚くように聞くと、宗助は笑って答えてくれた。
「あっつー・・」
宗助が流れるような汗を拭きながら呟く。
「だろうね。バスケ少年くん」
「なんだよそのあだ名」
むっとして言う宗助。あだ名のこと知らなかったのか・・。
「知らないの?みんな言ってるよ」
「げっ!まじで?」
初耳だったようだ。かなり驚いている。
「あーおいしい♪」
アイスをひとかじりしていう真優。
「どれどれ」
宗助がふっと真優のアイスを奪うと、宗助もひとかじりした。
「・・あー!!!!あたしのアイスー!!!」
真優は最初何があったのか分からなかったが、やっと状況を理解したのか、大きな声をあげた。
「うるせぇなぁ。ケチケチすんなよ」
親指をペロっと舐めながら言う宗助。
「なっ・・自分のアイスあるでしょ!?」
「急にそっちのアイスが食いたくなったんだよ」
宗助は真優のアイスを指差した。
「もー!あんた何様なわけ!?」
真優が聞く。
「俺様」
勝ち誇ったように言う宗助に、真優は呆れた。
馬鹿みたい・・。
そう思ったけれど、やっぱり愛しくて・・。
「何笑ってんだよ?」
そう聞かれて、少しドキっとしたけれど、
「なんでもない」
そう答えて空を見上げた。
「いい天気・・」
真優は思わず呟いた。
「そうだな」
宗助も呟いた。
いつまでも、いつまでも・・こうしていられますように・・。
真優はそっと願った。
宗助の隣にいること。
それが、私の小さな幸せ――・・。
≪続く≫
1話終了。次からは第2話です。
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