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5:和泉 07/24 17:46 ID:Qc 61-22-154-21.rev.home.ne.jp
  第2話
ザアッ・・・・
風で木がゆらゆらとゆれ、涼しい音を立てて消えていく。
2人は空を見上げていた。
ふと、真優は宗助の横顔をじっと見つめた。
同じ空を見上げて、今・・何を考えてるんだろう・・?
なんとなくそう思ったけれど、すぐに気にはならなくなった。
その時、背後から声が聞こえた。
「・・・青春だねぇ・・」
「恋・・ってやつかぁ・・・」
バッと真優と宗助は振り向いた。
そこに立っていたのは、同じクラスの渡辺和泉(わたなべ いづみ)と、3年の瀬戸優介(せと ゆうすけ)先輩だった。
和泉とは小学5年から知り合った。瀬戸先輩は、バスケ部の先輩だ。
「和泉!瀬戸先輩!」
真優より先に宗助が声をあげた。
「よっ!」
「はろー」
優介と和泉は笑いながら答えた。
「なに?ついに付き合い出したのー??」
和泉がニヤニヤしながら聞いてくる。
「つ 付き合ってなんか・・!!」
真優は全力で否定した。
「分かってるよ。宗助はバスケ少年だから、恋愛なんて興味ねーもんなぁ?」
優介は宗助の頭をくしゃくしゃと撫でながら言った。
「やっ・・やめてくださいよ!瀬戸先輩!」
「やめてくださいよ!だって!かーわいいー!!」
和泉はちゃかしてもて遊んでいる。
「っそれより!なんで和泉と瀬戸先輩が一緒にいるんですか!?」
宗助は話題をそらそうと、質問をしてきた。
「俺が宗助を探してて、和泉に廊下でばったり会ったんだよ。それで、居場所教えてもらったってわけ」
真優は「なるほど」という納得した表情を見せた。
だが、まだ分からない事があるのか首をかしげ、問いかけた。
「じゃあ、瀬戸先輩はなんの用で来たんですか?」
もっともな質問だな・・といわんばかりに微笑むと、
宗助のほうを向いて言った。
「宗助の、今度のバスケの市大会の事で話があってな」
「そっかあ・・市大会、もうすぐだったね!いづも行きたかったなあ」
和泉がぽん!と手を叩いた。
和泉は自分の事を「いづ」と言っている。
和泉と真優と宗助は同じバスケ部だ。
そして、宗助と瀬戸先輩が話し合ってる間、真優と和泉はバスケの練習をしていた。
昼休みが終わり、和泉と瀬戸先輩は先に帰り、2人で教室へ戻る途中、宗助が話し掛けてきた。
「真優」
「え あ、なに?」
いきなり言われて少しビクッとなった。
宗助が真剣な顔をして真優と向き合っている。
「来週の市大会が終わったら・・」
宗助が少し言い、そして沈黙が続いた。
「終わったら?」
真優が言うと、宗助は照れくさそうに髪をかき上げた。
みるみる内に顔が赤くなり、宗助は真優に背を向けた。
「終わったら・・伝えたい事があるんだ・・・」
真優に背を向けたままそう言い放つと、宗助は先に階段を駆け上がっていった。
『伝えたい事があるんだ・・・』
宗助の言葉が頭をめぐる。
な・・なんなんだろう・・?
そのあと何分か固まっていたが、チャイムの音で正気に戻った真優は、教室へと急いだ。
        ≪続く≫
2話終了。(早ッ!!
次からは第3話です。
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