[*]前 次[#] [0]戻 [4]履歴
[1]最新 [2]最初 ▼[3]コメント欄
45:TFF ◆QQQQ.raI 06/23 18:01 [sage]
そう思ったとき・・・ばあさんが笑った。
憎悪の目の色はそのままに、口元を醜く歪め、
「ケケケ・・・」
首を前後左右、くねくねと動かしながら笑いつづける。
そしてその声はだんだん大きくなり、
しまいには洞窟を思わせるような口の中の闇を見せながら
「ぎゃーーはははははははは」と笑い出した。
その声は目の前のばあさんの笑い声なのに、
地下からわいてきて部屋中を揺るがすような、ものすごい音量だった。
実際、敷布団からびりびりと音が響く振動を感じていた。
ばあさんは笑いつづける。高く、低く・・・
ばあさんの笑う声が最高潮に達した時、頭の中で「ピキーン」と音がした。
と、同時に金縛り状態になった。体が動かない。声がでない。
しかし、俺の右腕だけが別の意識をもつ生き物になったかのようにスルスルと、
左側に寝ていた女房めがけて伸びていく。
右手がなにをするつもりなのか、まったくわからなかった。
女房の首をつかみ、ソロソロと力を加えていく。
あせった。助けようにも体が動かない。
声にならない声で「起きろっ!逃げろっ!」と叫んでみたが、
眉間にシワを寄せ、苦しげに「うぅ・・・」と言うだけで起きる様子がない。
[*]前 次[#]
▲[6]上に [8]最新レス [7]ピク一覧