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1: 厨房逝ってヨシ:09/01/30 17:47 ID:26 [ p1230-ipbf2601hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp ]
志井駅中央口は思いがけないほどひっそりとしていた。
夏の行楽シーズンだというのに人はおろか、烏一匹すらいない。
かつてはタクシーやバスがひっきりなしに往来していたであろうロータリーがこの場に不相応なほど堂々と構えてある。

「これは凄いですね。ある種の秘境ですかね…。」
モララーは言いながらロータリーの中央にポツンと置いてあるバスの時刻表を見に行った。
「どうだ?」
「…ホントに秘境ですね。バスが一日3往復。次に来るのは3時間後ですね。」
モララーは唖然としていた。奴が都会っ子だからか、それともまだ取材の経験があまり無いから分からなかったのだろうか、
一日3往復のバスなど田舎に行ってみればゴマンとある。俺に言わせてもらえばこんなことで驚くような者にレポーターは勤まらない。
「じゃあ、ハイヤーでも呼べばいいだろ。」
「あれ、ギコさんハイヤーの番号知ってるんですか?」
「そこら辺の電話ボックスにある電話帳で探してこいよ。お前電話帳も知らないのか?」
「あ、ハイ!!分かりました!!探してきます!!」
モララーはそう言うといかにも急ぐようなそぶりで駅の東口の方へと駆けていった。コイツは返事だけはハッキリとしている。

「志井町か…。」
俺はそばにあったボロボロのベンチに腰を下ろした。
実を言うと、俺は前にもこの町に来たことがある。今からざっと20年前のことだ。
このころ志井町には万博が開かれていた。国はこの万博に総力を挙げ、当時の国の最新技術をここぞとばかりに見せつけた。
日本は勿論のこと、世界の各国からも様々な人が訪れた。
駅舎も豪華なものに立て替えられ、送迎バスを到着させるロータリーも作られた。
俺達取材陣は当時この町の住民にインタビューをしたことがある。その住民は
「今後の志井町の発展が楽しみです!!」
と、ニコニコしながら語っていた。

しかし、この状況はとある一つの建物によって一変した。
国は万博終了後、会場跡地に「全国公正不能保護観察しぃ族院」が設置されたのだ。
そして、この施設が出来てから何故だか分からないが、町はみるみる衰退し、
しぃ族院と駅舎とロータリーだけが国の置き土産のごとく残った。
「この町も万博バブルによってやられたのか…それとも…」
俺が言いかけたその時、モララーが息を切らしながら戻ってきた。

2: 厨房逝ってヨシ:09/09/27 15:25 ID:fI [ p1204-ipbf3207hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp ]
「すいません遅れました。ハイヤーが一軒あったので、こっちへ来るようにと連絡を入れてきました。」
「おう、ご苦労さん。」
俺達はしばらくボロボロのベンチに座り、ハイヤーが来るのをじっと待っていた。
ロータリーの先には険しい山が聳え立っていて、その向こうに「全国公正不能保護観察しぃ族院」は存在する。かつて万博会場だったところだ。

万博実行委員会にとって、この山は相当の難題だった。
当時志井駅周辺には商店街、住宅街が広がり、とても万博など実行できるスペースは無かった。
よって、交通の便が悪く住宅もあまり存在しない山の向こうを会場にすることにした。
しかし、志井駅から山を通り抜け会場に至るには小型バスで約2時間。世界各国から集まる大勢の客は到底運べたものではない。
そこで委員会が思いついたのが、トンネルだった。
トンネルをまっすぐに掘ることによって、向こうへの到着は約20分、1時間半以上も短縮できるのだ。
委員会は総力を挙げて国中の一流建設会社に工事を以来、青函トンネル以来の大トンネル工事となったのだ。

トンネルはかなり広く作られていた。万博当時は何台もの大型バスがひっきりなしにすれ違っていたのだ。
しかし、ロータリー同様かなり閑散としていた。今トンネルを走っている車は俺達を乗せているハイヤーだけだ。
「…。」
運転手は行き先を伝えてから何も話さなかった。むしろ俺達の顔を見て不快感でも覚えたかのような表情をしていた。
「ギコさん、この運転手無愛想だと思いませんか。」
「まあな。」
俺は特に気にも留めなかった。「お前無愛想だぞ」と運転手に言ったところでどっちも不快になるだけだ。
すると、運転手がとうとう口を開けた。
「あんたらさあ…。」
「はい?」
「あんたらさあ…。」
運転手は言葉が思いつかないのか、同じ言葉を二度発した。
「何でしょう。」
「あんたらさあ、やっぱり『虐殺』しに行くわけ?」
運転手の言葉には相当の倦怠感が混じっていた。
俺は少し頭にきた。もちろん俺達は取材をしに行くのである。虐殺などという流行りものをするためにわざわざお前を呼んだのではない。
「違いますが。」
するとミラーに映る運転手の表情は一変し、不快感をあらわにした表情から喜びの表情へと変わった。
「ああ、よかったあ!!」
運転手の叫び声は相当なうるささだった。おそらく今までたまっていた鬱蒼感を一気に吹き飛ばしたかったのだろう。
「実はね、ここ数年虐殺ブームでしょ?だからしぃ族院に虐殺しに行くから連れてけってやつが増えてきてね。行きはいいんだけど帰りはシートに血つけちゃったりしてさあ。洗うの面倒なんだよね。」
運転手の声は急に快活になっていた。なるほど、そういうことか。
「お客さんが虐殺しに行くっていうんであれば、金は返すから乗らないでくれ、って言うところでしたよ。いやあよかったなあ。」
黒いハイヤーは暗いトンネルの中を溶け込むようにして走っていく。

3: 厨房逝ってヨシ:09/09/28 17:40 ID:p2 [ p1204-ipbf3207hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp ]
やたら長いトンネルを抜けると、そこには何も無かった。
本当に何も無い。
建物はおろか電線も無く、挙句の果てには木一本も生えていない。
存在が確認できるのは今ハイヤーが走っているこの一本道だけ、というひどい有様だった。
「すごいですねこれは。昔の小説ですけど、それこそ『トンネルを抜けるとそこは雪国…』みたいな、普通は興味をそそられるような光景が広がっていたりするんですが…」
モララーが言った。正直それは小説の読みすぎだとは思うが、言いたいことはなんとなく分かるような気がする。
あまりにも殺風景なのだ。というより無機質に近い。とにかく何も伝わってこない。
次第にそれは不快感を催すものに変わり、激しく俺を苛立たせた。

そんな風景の中を十分ほど走り続けていると、「万博公園この先2q」という看板が目に入った。ということはしぃ族院もあと少しといくことになる。
公園の駐車場に着いたところで俺達はハイヤーを降り、約四千円を支払った。ぼったくりが問題化しているタクシーもといハイヤー業界の中ではまだ良心的な値段の方だろう。
さてここからしぃ族院までは徒歩五分足らずで着くのだが、取材開始時刻までは後一時間近くあった。
ただ院の前でぼーっとしているのもアレなので、俺達は広大な万博公園の中を散歩してみることにした。適当な時間つぶしにはなるだろう。
駐車場を出ると俺達を歓迎するかのようにいくつかのモニュメントが置かれていた。
「平和」を表すモナーの像、「情熱」を表すギコの像(そうか、俺は情熱なのか)など、像は多種多様にわたって作られている。
その中でも明らかに浮いているものがあった。しぃの像である。
白目を向き、この世の終わりとでもいうような絶望的な表情をし、真っ赤に塗られている。
「なんだこれ。悪趣味な奴もいるもんだなあ。」
モララーが能天気に言った。
「しかしこの気味の悪さは悪趣味だけじゃ済まされないだろう。」
あまりにも奇異だったのでしばらくその像を眺めてみることにした。
すると、像の方からうめき声のような音が聞こえてきた。
「・・・シ・・・・・・・シ・・・イ・・・。」
俺がこんな声など出すわけないし、モララーだってそうだ。となると、あの声はこの像が出したことになる。
事実、奴の口は微かに動いていた。それこそほんの些細に動いただけだったが、間違いなく奴は開閉運動をしていたのである。
「う、うわああああっ!!」
モララーは叫び、後ずさりしていが、俺は長年勤めてきたマスコミとしての習性か、それとも「情熱」のせいか、自然と像の方に近寄っていた。
よく見てみると、像に塗られている赤いペンキは今もダラダラと流れ続けている。まさか20年前に塗られたものが今も乾いていないわけないし、最近塗りなおしたとしても公園側がこんなずさんに行うわけないだろう。
これは血だ。この像は出血しているのだ。
「う、うわわわわわ!!」
これには流石に俺の習性も情熱も敵わなかった。思わず俺も10歩ほど後ずさりしていた。
生きていた。
これは像などではなく、無残に「虐待」され放置されたしぃを像に見立てて放置していただけだったのである。

後ずさりしてしばらく経ち、段々とこのしぃも見慣れてきたので、俺は改めてよく観察してみることにした。
しぃの尻には棒が突き刺されていて、それが地面に差し込まれていた。どうやら棒は肺の付近にまで来ているようで、呼吸しているのがやっとらしい。もっとも突き刺されていなくても虫の息だろうが。
俺はしぃの全体をカメラにおさめ、その場を立ち去ることにした。
モララーは
「このまま放っておく気ですか?」
と言っていたが、俺が
「放っておかないところで俺達には何もできねえよ。」
と言うと、それっきり黙った。しかし、像の前を横切るとき
「やっぱり悪趣味な像だ。」
と呟いていたのは聞こえた。

4: アリーナ eVpCOYLY:09/09/29 17:59 ID:V6 [ p1204-ipbf3207hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp ]
さっきのしぃ像があまりにも衝撃的だったので、俺達はあれからしばらくの間公園を歩き回っていたがボーっとしていて何も目に付けなかった。
そうこうしているうちに一時間は過ぎ、俺達はしぃ族院のインターホンを押そうとしていた。
「こうなったらあの像のことを徹底的に問い詰めてやるか。」
俺の発言にモララーも頷いた。
「ジンドーン」
インターホンはやたら音割れしていたが、それでも一応正常に働いているようだった。
しばらくすると、妙にナヨナヨした若い男の声が聞こえてきた。
「はい、こちら全国公正不能保護観察しぃ族院のタカラですが…。」
タカラと名乗る男の向こう側に、なにやら騒がしい音が聞こえる。大方しぃ達が発しているのだろう。
「すいません。こちら茂名新聞社の者ですが…。」
「はあ?」
返ってきた答えは意外と冷たいものだった。
「いや、ですから取材要請をされまして…。」
「取材?私はそのようなことは存じておりませんが。」
存知ないも何もアンタ達が俺達を呼んだんだろうが。それにしてもこの応対はあまりにも不愉快だ。
俺が口を閉ざしていると、しびれを切らしたのかタカラは
「…まあとりあえず部屋長に話を伺ってきますわ。」
と言うと、待機用の音楽をかけ部屋長に確認をとりに行ったらしい。
BGMは大分アレンジが施されているが、「およげたいやき君」だと一瞬で分かった。この院はしぃ像といいこれといい果てしなくセンスが無い。
たいやき君が一番に入るか入らないかのところで途切れ、また男の声が聞こえてきた。
さっきのタカラのふてぶてしい声と違い、わりかし温和そうな声だ。
「さっきは部下が大変失礼しました。第一部屋長のモナーです。どうぞ入りください。」
すると、重そうな鉄の扉がいとも簡単に開いた。

モナーはさっきの像の象徴である「平和」を見事に絵に書いたような男だった。何故このような男がこんなところにいるのか疑問は残るが。
俺達は応接間に通され、内部を見るより先にインタビューをさせてもらうことになった。
「どうぞ何でもお気兼ねなく。」
とモナーは言うので、俺はその言葉に甘えて例の像を質問してみることにした。レポーターはとことんがめついのだ。
「では質問しますが、駐車場のそばにあるモニュメントの中に、明らかに生きているしぃと思われるものがありますが、あれは一体?」
モララーは「もうそれを言うか」みたいな顔をしていたが、もう言ってしまったので仕方あるまい。
すると、モナーの柔らかい表情は一転して苦虫を踏んづけたようなものに変わった。やはり院となんらかの関係があったのか。
「…うーん、困りましたね。どう言ったら良いか…。」
モナーはしばらく言葉を濁していたが、やがて決心したかのように目の焦点を俺達のほうに集中し、こう言った。
「…実は、あのしぃは元々ここの院生でした。」
案の定である。
俺達はそれから少しメモを取っていたので部屋はしばらく無言の状態が続いていたが、それを断ち切るかのようにモララーが聞いた。
「では、どのようにしてあのような姿形となってしまったのですか?」
「村八分にされた故にです。」
村八分。
ある一定の者または家族が村の掟を破り、周囲からのけ者にさせられることである。
よく刑務所などでこのようなことがあったりするが、「公正不能」とまで言われている院のしぃ達に村八分などという風習が根付いているということは意外だった。
俺達が再度メモを取っているとモ、ナーはゆっくりと椅子から立ち上がり
「では実際の様子を少し早いですがご覧になってください。質問の時間はまた後で設けますので…。」
とドアの方に手を向けた。

5: 厨房逝ってヨシ:10/06/22 00:11 ID:WQ [ NWTfx-01p3-158.ppp11.odn.ad.jp ]
めっちゃ綺麗なお姉様にケツ穴開発された!!!!!!!!!!!!!!
http://xabrina.net/om/i8e5kmk

金と工口に釣られて行ったら・・・orz
メチャクチャ気持ちよかったけど、何か大切なモノを失った気がするわww


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