美香さんの為の僕のスレッド


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1: yPyqc5MQ:04/06/17 02:15 ID:???
1.僕に書ける美香さんの為の文章を書きます。
2.美香さんの為には一見ならなそうに思えても、遠回りに、いつかどこかで、そうなるかもしれない。
  という期待と希望を込めて書きます。
3.美香さんとは直接関係無いものも多数あると思います。時には議論が行われるかもしれない。
  それでも僕は、文章を書き続けると思う。
  それがあなたの為になると信じています。

36: yPyqc5MQ:04/06/22 00:37
ある哲学者が君に話しかける。
「ねえ、私の言うことを聴いてくれない?
あなたは哲学をしなければならない。
あなたは文学とか小説とか、なんか、そういうものに才能に満ちた栄光の人生の一時間を
消費するべきじゃないのよ。
哲学は純粋に学術的。
だから娯楽的要素の入り込む余地はまったくない。
そういう世界であなたのやるべきことはもっとも完全に生かせるのじゃないのかしら。
あなたは創造する力をもっているけれど、それはidea[ソクラテスの言う]への到達によってしか
真に真理的な意味を持たない」

そうかもしれない。
けれども君は思う。
[プラトンの言う]哲人政治は必要だけれど、その前に、[福沢諭吉の言う]学者の育成が急務なんだ。

もう一人の君が君に話しかける。
「で、君はいまその学者の育成のためにこんなことをしているっていうのか?」


そうだ。
僕は左手に包まれている黄色いボールを軽く放り投げると、ガットの中心で正確に打った。
それは相手側のコートの右端の隅に入った。

相手は素早い動きでそれを捉え、僕のいる反対側のサイドへはじき返す。
僕はそれを追って全力で平行移動する。バックサイドで今度は相手のいる逆の側へロブする。
足元でテニスシューズソールの隙間に挟まった砂が軋んだ音を立てる。
僕の耳はそれを情報に換えて脳波と化す。そして聴こえる。

頭上には半月が浮かんでいる。そして相手の打つボールの音が聞える。
「そしてどこにたどり着くって言うのだ」アリストテレスが君に話しかける。


37: yPyqc5MQ:04/06/22 00:54
「人間の最上の状態は『中庸』において発揮される、そのことを知っているね?
人間にとってもっとも価値の高い善いものつまり『最高善』は、eudaimonia=幸福なのさ。
それは君のオツムとかハートが握ってる理性的活動の高等化の果ての完成によって実現される。
ねえ、それはテオーリアによって可能なのだ。
アテレーを追求するんだ。日本語訳すれば『徳』とでも言おうか。そうだな・・・・・
テオーリアは観想(物思いにふけること、アルケーへ向って)とでも言おう。アルケーとは根源すなわち初め(一)のことだ。
さあ、君の奴隷を利用して、民主主義を確立し給え。
私が言った『中庸』をもっとも完全に適用できるような。その時、私はみんなに感謝するだろう。
よおく私の言うことを信用してくれ給えよ。さあ、がんばってくれ」
君はうなずく。
君はうなずく。
君は う な ず く 。
そして君は中国の奥地でお茶を振舞われる。小さな白い磁器からいい香りのする湯気が立っているのが確認できる。
傍には背の小柄な女性が立っている――君よりすこしだけ年下だろう。大体そう見える。

彼女は中国語で話しかける。
「あなたは、まず、私たちを理解しなければなりません」

ちょっとだけ風が吹いた。そして遠くからは何かの笛の音が聞える。
「すみれはどこに消えたのだろう?」

背の中くらいの彼女が君の茶碗に、まるでバレーボールを流し打ちする機械みたいに緻密に、緑茶を流し込む。
そこからは不思議な時間の塊が二分後に桜に変わるような色が生まれる。それを見る君。そして手を伸ばす。

「あなたたちはいったいどのようなことを考えているのですか?」
僕はなまかじりの中国語――発音を昨日までいっしょうけんめい勉強してきた――で話す。


38: yPyqc5MQ:04/06/22 01:06


「われわれは仁を人間性の中心だと思っている」
[たぶんそうであったとおもうんだが]孔子のような、立派な口調になって彼女は話す。
「それは道を行くことです。大きな道とはわれわれが存在するずっと以前に存在したものです。
そして今もわれわれのすべてをもっている。
われわれは天の声を聴く。
そして天は正しい者を天子としてつかう。彼はこの乱れた世の中を平和にします。
そして私たちは天命を知る。彼を君子となづけないことがあるでしょうか?

道はすべてをうみだしたし、またすべては道へと帰る。
私たちはその上を歩いているのです」
僕は空のどこかを歩いている。

そして町がどんどん小さくなっていくのを見て取る。
僕は天上界へ向って上っていく。僕自身が操作しているわけではない。誰かが僕を呼んでいる。
だから僕の肉体は僕をその山間の小庵に残したままで、空の向こう側へと飛んでいく。

彼女は中くらいの一礼をすると、獣道の中を進んでどこかへ消えてしまう。
僕はひとりきりで、お茶を飲み、そして大きな息をつく。
空気は澄んでいる。
山の下には川が流れている。水の音がする。笹船のような直線の端に船頭が長細い棒を持って立っているのが眺められる。

空の中心で僕はキリストに出会う。


39: yPyqc5MQ:04/06/22 01:27
空の中心で僕はキリストに出会う。


「私を信じる者は救われるでしょう」キリストが口を開く。
そうかもれない。

「わたしはchristos。メシア。救世主です。
私は神の国を実現するためにここにいます」
そうなのかもしれない。

「もしそれを見つけたなら迷わないでいる99匹のためよりもむしろ、その1匹のために喜ぶであろう。
――よく聞きなさい。あなたがたはこのことについてどう思うのか。
ある人に100匹の羊があり、その中の1匹が迷い出たとすれば、99匹を山に残しておいて、その迷い出ている羊を探しに出かけないであろうか。」わからない。
出かけるかもしれない。出かけないかもしれない。
僕の場合は、そのときの様々な事情を合わせて統一的な見解を出す。だから
そのような場面について絶対的な解決法といったものは思えにくい。

「誰かがあなたの右の頬を打ったなら、他の頬も向けてやりなさい」
  そうすることが正しいのかもしれません。
  けれども、正当防衛は必要なのではないでしょうか。
  最終的に殺されてしまってもあなたはその相手をお許しになるのですね。
  僕は思うのだけれど、それではわれわれの生まれてきた理由はどこにあるのですか?
  神の国はどうやって実現しようとするのですか。

「アガペー(愛)は唯一絶対的な愛です。
それは停止することはない。
永遠の愛です。
そこに存在するというだけで、惜しみなく与えることのできる愛です。つまり、無償の愛です」
そのような愛によって人間は、孤独を脱することが出来るというのですね。
「そう。
あなたはエロースを知っている」
一方で、こちらは価値へ向っての愛。
もし僕にとって万が一あなたの価値が停止してしまったら、僕は愛を停止させて、僕はあなたへの愛から外れてしまうかもしれない。
だからこそアガペーが必要なのですね?

「わたしが、律法や預言者を廃するために来たと思ってはなりません。成就するために来たのです」
純粋なアガペーによって神の国を実現するために来たのですね?

そこでアウグスティヌスが話に混ざる。


40: yPyqc5MQ:04/06/22 01:44
「すべては予定された道筋を辿るしかないのです」アウグスティヌスは胸に手を当てて話す。
「いかなるものにも神の国+地上の国の対立があります。それゆえ人間は歴史的現実の中で
神の国+地上の国のいずれにつくかを決断しなければならない」

それにもかかわらず、すべては予定された通りに進む?ライプニッツが口を挿む。
「あのね。宇宙の創造者としての神があらかじめモナド(単子)の調和を定めてあるがゆえに、
独立したモナドが自己の力で完全性へ――人間で言えば、理性へ――展開する。
それを予定調和と言うんだ。
生きることは苦しみより喜びが大きいんだよ」


キリストはもう姿を消していた。
そして彼の声がどこかから聞える。
「心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ」
「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ」
「誰でも私に着いて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負って、わたしに従って来なさい。
自分の命を救おうと思う者は、それを失い、わたしのために自分の命を失う者は、それを見出すであろう」

そうすることであなたは――ヘブライニズムの源流だ――絶対的な神へ向かう全員の統合性の中で、
自分と他人との関係の愛を、
各一個の人格の中で回復しようとなさるのですね?
創造主はわれわれを『彼の前に』平等につくり、そして同様に愛された。
だからこそわれわれは彼の前で再び『神の国』を再建しなければならないのですね?


僕はいつの間にかひとりで真昼の海岸線に立っている。


41: yPyqc5MQ:04/06/22 02:07

波は穏やかだ。
犬を散歩させている年配の女の人が歩いている。

僕は波打ち際へ下りていく。そして靴を脱ぎ、裸足になって、海の水にすこしだけ触れてみる。
それは冷たく、僕の知覚を刺激する。強烈な潮の匂いが僕の鼻腔を突く。
足の裏がざらざらの砂の中にたっぷりとのめり込んで、まるで地球に食べられそうな気がする。
遠くには小さく漁業船が見える。太陽が肌を照りつけ、紫外線でその色を化学的に変化させる。
なにかの微小な虫が波打ち際の砂にたくさんの穴をあけているのを知る。彼女らはそこで生活しているのだ。
それはぴょんぴょん跳躍している。僕らのサイズの世界だったら、スーパーマンの高さになるようなジャンプ力だ。
けれども彼女たちにとっては重力の負担が小さいから、その微小な筋肉でも充分な自由がある。

 海岸線を見渡せる歩道へ再び上がると、綿矢りさと窪塚洋介が話し合っていた。
[たぶん、デートしてるんだろう。けれど議論はけっこう熱が入っていた]

僕は近くのテトラポットに何気なく座ってその話をちょっとだけ[聞き耳を立てて]聴いたけれど、
話している内容は至極退屈なものだった。
芸能界と人生の関係についてなんかだ。
窪塚君はけっこう曖昧な言葉遣いで、思想の追求をしているというよりは、現在のそれを様々に展開させているだけみたいに思えた。
綿矢は自分自身の話をしているだけで相手の話の真意を理解する気がないみたいだった。――少なくとも僕にはそう見えた。
二人はやがて波打ち際のほうへ下りて行った。

僕は海とは逆の高速道路のほうへ向かって歩き出した。
高架の近くの自動販売機でc2[新しいコーラ]を買って、飲んでみた。
なんていうことはないんだ。
そして空き缶を近くのゴミ箱に――足で潰してから投げた。リサイクルのマークの人に、ヒゲが落書きされていた。


そして僕は、遠くのビルの陰からふつうのいでたちで現れた福沢諭吉に出会う。
始め誰かと思ったけれど、近づいてくるにつれて彼だとわかった。
懐手をして、少し茶色がかった紫色の和服に身を包んだ彼が、君の目の前の青いベンチに座った。
僕は今日は、と挨拶をしてその横に座る。
彼はこんにちはと返し、そのまま前を向いてしばらくなにかを考えている。
それから君へ向かって言葉をかけた。
「君は新しい日本の学生なんだね?」


42: yPyqc5MQ:04/06/22 02:28

「そうです」。僕は返す。彼はそれに対してすこしだけ間を空けて、言葉を続ける。
「私は長い永い旅の末にここにたどり着いた。
ここは未来じゃないかと思ったのだけれど」
僕は言葉を詰まらせてしまう。
ここは未来なのだろうか?
少なくとも新聞や雑誌には『現代社会』という台詞が並んでいる。だから、ここは現代時代じゃないかな、と思案する。
そして僕は言う。
「ここは未来です」
嘘をついたのではない。
福沢さんをがっかりさせたくは無かったのだ。
「そうか。
私は新しい世の中に向かって熱心に学問と教育、著作、事業に励み、生涯を過ごした。
君は私の耕した明治の代の果てにいる、若者なのだね?」
「そうです」
「私は、この日本を世界一立派な場所にしようと思った。
それは富国強兵、我が国の経済・法律・学術を世界最高の水準に高めることによって、
可能になると信じた。そしてその為に私立の学校を興して、当時はまだ強大な既成権力を誇った日本政府の力に対抗し、
日本社会全体をバランスの中で活性化させようとしたんだ」
「知っています」僕は言う。「あなたはとても立派なことをしたと思う」
諭吉さんは懐手を解き、ひざの上に片手を置き、もう片方の手で遠くのほうを指差した。

「君はこの先の道を行く。
その為に、熱心に学問に励みなさい。
どんなに努力しても、文明の為に、努力し過ぎるということは無いんだよ。
君は、私にくれた感謝を、将来の人間達からもっともっと大きく受けるべきだよ。

私は君に文学を読めとは言っていない。
実用のための学問を最優先にしなさい。科学理論を知り、それを実践へ生かしなさい。
洋書を読み、知徳を高め、民間の権利を飽くまで主張し、大事に当たりなさい。

そして日本国民の代表として、この国のあり方をその力で指揮しなさい。
天下泰平。これこそ我々の目的である」
僕はうなずく。僕の目からはいつの間にか涙がこぼれている。僕はそれを拭う。
「もし外国の民が日本人を愚弄しようものなら、その一身をもって全力でそれを覆さなくてはならない。
もし異国の民が我々の生き住む土地を奪おうとするものなら、その一命をもってこの場所を守りぬかなくてはならない。
この土地は、我々の国は、われわれの先祖から脈々と受け継がれた感謝しようにもしきれない莫大な遺産なんだ。
それに育まれて生き死にする我々は、この場所を愛している。――そうでしょう?
だからこそ、我々はその独立自尊の志をもって国民の立場を貫かねばならない」
僕はうなずく。


43: yPyqc5MQ:04/06/22 03:02
右手の道路からマルクスとカントとヘーゲルが現れる。
三人ともとても議論にのめり込んでいて、僕達がここで話していることに気がつかない。
教科書で見たのとそう変わらない格好と顔をしている。
そして僕達の隣のベンチに座ると、ポケットから携帯電話を取り出して、互いの番号を交換している。
カントのメールアドレスだけは聴こえた。「es ist gut@docomo.ne...」。これで良い?マルクスが聞いた。
ヘーゲルが二人の対話を持ち上げて言う。それが世界精神の方向ならば、この機会は正しいことだろう。
そうしてマルクスはヘーゲルに世界を変えることが重要だ、と話している。
カントはその話を聞いている、時々時計を気にしている。


福沢さんは立ち上がると、自販機であったかいおーいお茶を買って、戻ってきた。
そしてプルリングを持ち上げ、ちょっと飲むと、再び口を開いた。
「運動しなさい。
とにかく青白い本の虫にだけはなってはいけない。
学生はもっとのびのびと勉強しなくちゃ。バカでもいい、テストで0点とってもいいから、
とにかく身体を壊さないように気をつけなさい。元気に友人、同志と世をまわりなさい」
僕はうなずく。
彼は空き缶を、ヒゲが書かれたリサイクルマークのあるゴミ箱へひょいと放って、再びどこかへ歩いていった。

彼は若いとき相当の酒飲みだったことを僕は知っているんだけれど。
と思っていたら、角ところの酒屋さんへふらっと入っていったようだった。
気のせいかもしれない。
そういえばあの家の主人はかつての日本国首相のひ孫だって聞いたことがある。
きっと彼と知り合いか何かで[あるいははじめてかもしれないけれど]世間話でもしに行くのだろう。

僕は隣のベンチの白熱する議論を方耳に聴きながら、遠い空に浮かぶ雲が夕日に桃色に染まるのを眺める。

カントがさっと立ち上がって、失礼を詫びるともと来た道をひとり早足で引き返していった。パンクチュアル。

君は日が暮れる前に新しい世界へ踏み入ることになっている。
君は近くのコンクリート打ちっぱなし建築の一階に入っている本屋へ行ってみることにする。


44: yPyqc5MQ:04/06/22 03:38


その建物の内部はかなりのゆとりある吹き抜けになっている。
正面には夕日がまっすぐに漏れる十字形の巨大なガラス窓がある。
そこからは午後五時三十分過ぎの斜めに鋭い赤い色の光が、冷やりとした床に直線的なスリットを入れている。
僕は備え付けの簡易腰掛のひとつに少しだけ身体を持たせかけ、その様子を恍惚として眺める。
この世界の内部にある何かがコトリと音を立てて動き始めるのを感じ取る。
それを表現する建築。日本人の建築家が設計したものだ、と以前聞いていた。
日本の伝統的な茶室に通じるような静謐な時間に、コンクリートの激しく反自然的な暴力とも言える秩序が空間を構成する。
その中に立っている僕は、自然と、建築の、闘いの歴史と、そして高級な調和としての『現存』を弁証法的に感じている。
ヘーゲルとマルクスはいつの間にか二階に入っている喫茶店の前で、何を頼むか話し合っている。
マルクスはもっと庶民的な店に入りたいみたいだ。なぜだろう?

僕はそして本屋に行く。夕日は今や本屋の店頭に並ぶ雑誌コーナーのところにまで届いている。ここにおいてある本は日焼けしてしまうだろう。
雑誌だから、べつにいいのか。



僕は新刊書コーナーに「バカの壁」という本を見つける。
バカの壁を知っている人は天才なのだろうか?
それともバカには越えられない壁を構築する人が天才なのだろうか?
バカは努力しても無駄なのならば、「バカは死ななきゃ直らない」というタイトルのほうが向いているんじゃないかと思った。
僕はそのようにして、その新刊書をパラパラとめくってから表棚に戻す。
本棚の裏側に回ると、古典のコーナーになっていた。
新渡戸稲造の「武士道[の現代語訳」と樋口一葉の「たけくらべ」と、ジャックモノーの「偶然と必然」そしてデカルトの「方法叙説」が並べられていた。
僕はその前でしばらく立ち止まり、次に店内の様子を見渡す。
遠くのテレビゲーム+CD売り場niはたくさんの人がうじゃうじゃいるけれど、僕の周りにほとんど人は見えない。
週刊誌コーナーの前にも会社帰りのサラリーマンだかOLだかと見られる人たちがたくさんいる。
中学生が漫画コーナーに入っていった。ドラマ化決定という見出しが大きく張り出されたところで座り込んだ。
受験参考書置き場には予備校生と思われる女の子二人が大声で話している。予備校講師の噂話だ。
「この問題集三回やれば、どこの大学の英語でも一応通るって昨日言ってたよ」
「つーかさあ。高校でもらったパターン解釈の本丸暗記すれば同じでしょ?」
「でもモックン(予備校講師のあだ名だろう)、俺を信用すれば勝利へ一直線とか必死だったもん」
「それが商売だって!」
「えー」
「人気で給料上がんだもん、てきとーな嘘うまく言えばそれでダイジョブじゃん」
やれやれ。――ドン。
僕に肩をぶつけて、急いでやってきたような主婦(40歳半ばくらいのおばさん)が芸能人の本のコーナーへ向かう。
Gakutoの写真集ありますか?きょう入るって聞いたんですけど。息を切らせて近くの店員にスガリついている。
というか、すがりついているみたいに見える。必死だ。


45: yPyqc5MQ:04/06/22 05:02


僕のバックパックん外ポケットにあるケータイが着信メロディーを流した。
『GALAGA』だ。ナムコのゲーム音楽だ。
それは僕の彼女からのメールだった。名前は美花という。去年、インターネットの掲示板で出会った、年上の子だ。
いや、女性というべきだろうか?彼女は僕より十年とまでは行かなくても、そのくらい年上なのだ。
青いINFOBARの画面には次の文字が浮かんでいる。
「今度の池袋芸術劇場のやつのチケット、私の家に送られてきたから、今日私んち来て
の意味が分からん。
僕はケータイwoバックポケットにしまうと、歩き出したが、しばらくしてやっぱりバックパックのポケットに戻した。
ちょっと歩きにくいから。

僕が店の外に出て駅のほうに向かうと、駅前のスロープを車椅子の人が渡っていた。
それは乙武君だった。
乙武君は、黄色いお洒落な車椅子に乗っていた。

僕は切符を自動券売機で買うと、お釣りを近くの備え付けコインボックスへ入れた。それは細かい小銭をみんなが入れて、
その総計が被災地や非民主的な地域へ自動的に送る仕組みになっている昨年開発された新しい装置だった。
財務省と国務省と大蔵省が協力して国ぐるみのネットワークをつくりあげ、
ソニーの開発部が新プレイステーションの発売記念として「駅」に掛けて設置企画
そして新民党の先導で外務省を通して国連で議決、
JRが企業の一世一代の大きな賭けに出て実践化した素晴らしいプロジェクトの結果だった。
僕はその装置の表面に描かれた新造形主義絵画のグレイの直角を眺めて、優れた設計を造ったデザイナーに感動した。
それは小銭を置くだけで勝手に硬貨の内容を把握し、投入口へ流れていくようになっている。
安全なベルトコンベアがついたものだった。つまり、タッチパネルの流しそうめんみたいなものだ。
様々な色光と彩音を放つそれをしばらく楽しく眺めてから、僕は全自動改札を通り抜ける。
切符はその内蔵磁気によって改札機に判定され、光のバーが消える。
もし消えなかったらその人の期限切れ切符は無効と判定され、切符の裏面に真っ赤な色が焼きつくのだ。
そしてもうひとつの光のバーのところで機械が大きな音を出す。そのとき改札機からエアークッションのように風船が飛び出す。
これですべての人はびっくりして、それ以上先に進む気をなくしてしまう。進んだら風船を割ってしまうし。
実際にこの光景をまだ見たことはないけれど、小さな子どもがそれで泣いちゃったと言って駅員に説教しているお母さんを見たことはある。
もっともその子はカラフルな風船をもらえて嬉しかったらしいけれど。

そして僕は電車に乗る。それはスライド式地面になっていて、電車の前のエスカレーターに乗ると自然に電車の中に滑り込んでいく。
危険が無いように、発車の時間が来るとコンベアがもうひとつの道へリターンしてもといた場所へ帰る。
そういう仕組みになっているから、お年寄りなんかがよくそこで何度もくるくる回っているのを見かける。ほとんど遊んでいる。

電車は流れるように動き出す。切符には点字で行き先が書かれているようだ。
もっとも、携帯電話に元々組み込まれているicチップで料金を自動支払いしている人が今は大勢だけれど。
それだと、この切符の点字の感覚が味わえないから僕は嫌なのだ。真っ白の黄金長方形も美しい。

電車は夜が更けた町中を滑る。
備え付けの電子キーを押すと音がなる仕組みを利用して高校生が遊んでいる。電車内に流れている音楽とそれは調和する。


46: yPyqc5MQ:04/06/22 05:36



僕は目的の駅に着くと、簡易的な横棒状の席を立ち、ゆったりしたイス席を遠く離れ、グリーン席の前を通って、外へ向かう流れに乗る。

駅を降りるとそこは雪国だった。
そして僕は雪を丸めて小さなおにぎりみたいなものをつくり、それを透明のビニール袋に詰めてお土産にした。
密度のある新鮮な雪だったので、簡単には溶けないだろう。それを彼女のいる丘の上のアパートまで持っていこう。
と思ったら、途中でドラゴンクエスト4のパーティに会った。ライアンがホイミンと剣道の話をしていた。
グレイシー柔術は剣道に勝るか?とかいう話だった。 あまり興味が無い。
そして女勇者は銅の剣を200Gで売っていた。ちょっと安すぎない?とミネアが値切っていた。
店主はぎこちない微笑を浮かべて、そりゃあないよお嬢さんと言った。確かに。
僕はその隣を通り過ぎて、この雪のおにぎりは何Gだろうと思ってちょっと話しかけてみた。
]ボタンを押すと、相手のメッセージが表われた。「いらっしゃいませ。何の御用でしょうか[May i help you?」
僕はコマンドから「ねだんかんてい」を選ぶと、そのテレビ画面上の機械店員に向かって雪のおにぎりを見せた。
店員はしばらく唸ってから、近くの冊子をぱらぱらめくり[そんなプログラムがあったなんて知らなかった]、こう言った。
「お客様、それは当店では1Gになります」。僕はどうもありがとうと言うと、雪のおにぎりをもう一度ビニール袋に戻した。
1Gなら、彼女の飼っている猫のころにゃん(あだ名)にプレゼントするほうがマシだ。それで一時間くらい遊ぶことができるだろう。
僕はクリムトがホイミの呪文を唱えている横を通り過ぎると、前方の坂をダッシュで駆け上った。




 あなたはいったいどこに行くの?
僕の中の私が、僕に向かって話しかけた。


47: yPyqc5MQ:04/06/22 06:04

 あなたはいったいどこに行くの?
僕の中の私が、僕に向かって話しかけた。

あなたはこの世界のどこに向かっているの?

「ぼくはね、ぼくをよんでいる、彼女の家に向かって、走っているんだよ」

それは知ってる。あなたは こ の 世 界 の いったいどこに進んでいるって言うの?つまり、もっとも内的なイミで。

「ぼくは、どこに、向かっているんだ、ろう?」

あなたはこの世界の中心に向かっている。

「そんなはずは、ない。だって、この世界は、相対的に、なりたっている」

中心の否定?まるで百年よりもっと前のポストモダンみたいじゃない。2104年の現在は、未来現代と呼ばれる世界。

「そうだ。 でも、ぼくは、君の言う、中心へ向かっているのでは、ない、と、思う」

それならあなたは彼女のエロースへ向かっている。ギリシャ人の言う、それよ。つまり、永遠なものへ向かう愛。

「ああ、プラトン[だっけ?]の言った、それか。物質的なものから、精神的なものへ。個別的なものから、普遍的なものへ。
段階を追って知を深め、高め、そうして最高のイデア[普遍的定義]へ向かう生、
このような理想を追い求める衝動を、エロース(eros)と名づけた。そうでしょ?」

フム。あなたはなかなか古典的知識に通じているのじゃない。 で、どこに行ってるわけ?

「とにかく、ぼくは、彼女がとってくれた、明日の、今頃の、講演チケット、池袋の、芸術劇場で、為されるそれに、参加したい」

それがあなたにとっての『通過する現在[差延を含んだ』に通底するイデアであり、そこへ向かうエロースなのね?

「そうだ、ね。たぶん。間違いなく。倒置法を駆使して、も。」

そして僕の中の私は立ち消える。後には赤い羽根が残されている。
赤い羽根?
君はそれを拾い上げると、少しだけ自分が成長したような気がした。[何故だろう?]

君は気力を回復すると、彼女の家の前までやってきたことに気がつく。
その部屋からは明かりが漏れている。在宅しているだろう。そして二階へ上るとインターフォンを押す。
しばらくしてインターフォンからお待ちくださいというメッセージが流れ、音楽が流れた。
YMOかunderworldの曲だと思った。カキカキする音が、重低音の響きに対立している。


 そして部屋から出てきたのは[なぜか]レオナルドダヴィンチだった。


48: yPyqc5MQ:04/06/22 06:46


 部屋から出てきたのはあのレオナルドダヴィンチだった。でもあの似顔絵よりずっと若い、とても素敵な顔をしている。
 レオナルドダヴィンチは小さな咳をすると、[調子を整えるためにわざとしたみたいに聞こえる]僕に、どうぞ中に入ってくださいと英語で言った。
英語?彼はイタリア生まれじゃなかったっけ?イギリス語あるいはアメリカ語あるいは国際語を話せるのはなぜだろう?
グローバル化に対応したのだろうか?

やはりダヴィンチは偽物だった。
それは変装したアンディウォーホルだったのだ。
僕はそれに、彼がテープレコーダーを持っていることで気がついた。大体、ブルージーンズを穿いている万能人なんて見たことないぞ。
部屋の中には何故かピカソとモンドリアンがいた。彼らは絵についての討論をしていた。
レオナルドダヴィンチ[の変装をしたウォーホルに違いないのだが]は自分の作った食事を、黒いダイニングテーブルの上に並べた。
とても見た目に美しい料理で[正円の白磁器の食器類も綺麗だ]、とってもおいしそうだった。
真っ白のナプキンが綺麗に卓上に並べられていた。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、そして五つ。五つ?
そう言えば、彼女――美花はどこに行ったのだろう?ここは美花の部屋なのに、どうして絵画の巨匠たちがミニパーティってるんだ?

僕は席に着いた。
僕の前にスパゲッティカルボナーラが置かれた。長方形の小さな刻み海苔が振りかけられた。
それをしたのが彼女だった。
彼女は今買い物から帰ってきたのだ。
そしてウォーホルにレシートを渡すと、地面に置かれた大きな「そごう」の紙袋の中から、ハムレットのハムを出した。
冗談みたいな本当のことだった。
それは確かにハムレットのハムだったのだ。
そしてピカソが手の形のパンを持ち出して彼の目前に置き、モンドリアンは自己流の野菜スープを振舞ってくれた。
モンドリアンはとても料理がうまいのだけは分かった。彼は――生涯――独身だったのだから。
そしてハムレットのハムは食卓の中心でまるで自問自答するドンキホーテのようにその存在感を振りまいていた。
味のほうはまあまあだった。名作と言われるだけはあるけれど、残念、いささか悲劇的過ぎる嫌いがあった。
時代が時代だ、仕方ないだろう。

 モンドリアンは自分の絵は最終的には建築になると言っていた。
ピカソはそれを聴いて怒っていた。絵はどんな芸術よりも強くなければいけないと言っていた。
ウォーホルはそれを聞いて、冷笑するみたいに「絵画はゼロだ」と言った。ダヴィンチの物真似は忘れていた。
そしてモンドリアンが最後に「芸術はひとつになる」と言ってパーティはお開きになった。
希望が感じられた。

 そして僕はみんなと別れてから、彼女と楽しく遊んで一日が終わった。
ころにゃんに雪のおにぎりをあげたから、彼はひとりでそれで遊んでいたので手間がかからなかった。

 次の日起きると、窓の外は宇宙だった。


49: yPyqc5MQ:04/06/22 08:39


吾輩はころにゃんである。名前はころにゃんである。猫である。
吾輩はきょう、飼い主の美花の恋人の男にもらった雪の塊解け水の冷たさで目覚めた。
死にそうだった。風邪を引いていた。最悪だった。怒ろうしたけれど、吾が輩は猫だったので、にゃんと泣くのが限界だった。
そして爪を柱に突き立ててストレス解消をしました。

吾が輩は本日、晴天であるという天気予報を昨日テレビジョンで見聞きしたばかりなのでテッキリ外はさぞ晴れ晴れしているだろう
と信じていたんだけど、天気予言ではなく単なる確率予報だけに、実際見てみたら宇宙空間みたいな暗黒でビビッた。
そしてその暗黒の中には数え切れないが浮かんでいたのできれい。と吾輩は感動をしたのである。えっへん。
まるでライカ犬[人工衛星に乗せられた哀れな奴]になった気分でした。
ところで吾輩は、美花に先ほどから抱かれていて幸せである。

なぜ外が宇宙空間になっているのか?
吾輩は考えた。
そして美花のパーソナルコンピューター気がつけば、Halになっていることに気がついた一行。
恋人の男がハルに何やら話しかけている。Halは気取った口ぶりで何事かを返しておる。
ちなみに吾輩は日本語を知らないので、このような猫語しか扱えないのである。
これは知り合いの日本語学者の老猫が苦労して吾輩のとっても猫らしい言葉[練馬なまり]を翻訳してくれたものである。後から。
ですから、完全な状態であるとは思わずに、もし原文の猫モア[ユーモアの猫版]に触れたかったら直接、
苦労して猫語を習ってから頑張って文献を探してみてください。その語彙は50種類しかないし、文法はありませんが。すべてニュアンスです。

ところで吾輩、この男によって風を引かされたことを超高性能宇宙船司令塔[マザーコンピュータ]Halに相談して欲しかった。
長引かないうちに治さないと死んでまう。そう心配やってん。
よって何とか身振り手振りブッチホンで美花へ吾輩の意向を伝えきった。完璧にうまく行った、我々は至高の愛で結ばれているから
奇跡は無料大数回だって起こり得るのであーる。そして吾輩は鼻水をすすりながら、すすりながら
Halはこう答えおった。猫語翻訳機能つけとけ!!阿呆馬!鹿!よく分からない。
そして恋人の男は毛布を吾輩に巻きつけてくれた。これはありがたかった。こいつのせいで風邪を引いたのに、涙が出てきた。
そしてわおーん、じやあなかった、ねこにゃお〜Nと鳴くと、吾輩は宇宙のどこかのスペースで静かな眠りに落ちるのであった。丸。


 そして次に起きたとき、彼は新しい生活の一部になっている。
と、Halは言った。
ころにゃんは首を横に振った。イヤ、イヤ。そしてころにゃんは宇宙船[練馬のアパート]から外に出て行った。
別に空気的な問題はないみたいだった。

僕はそれを望んでから、この宇宙船の中で始めに何をすべきかを検討し始めた。
たぶん、それほど時間は残されていないのだ。
そしてころにゃんとテレパシー可能になった自分の超能力を悟る。


50: yPyqc5MQ:04/06/22 18:49

 僕は僕の中の僕[ころにゃん]に話しかける。
「君は結局のところ、いったいどうしたいのだ?」

僕は僕の中の僕[神]にしゃべりかける。
「ねえ、一体全体、どうしたいっていうんだよ」

どうなるかどうならないかは問題ではない。どうしたいかが重要なのだ。


僕はひとりで元居た場所に立っている。
そこは見渡す限り何も見えない。何も聞えない。
ただ、ただ、白い平面が永遠に続いている。水平線は直線だ。ここが地球じゃないことが分かる。
そして僕は、新しい川のひとつに入る。
その流れは急ではない、けれど、それほど緩やかでもない。
僕の二つある足はどちらも地面に張り付いている。その周りを爽やかな水が通り抜けていく。
ここは地球ではないのになぜ、重力が存在しているのだ?

彼の目の前に『新しい存在』が降臨する。


51: yPyqc5MQ:04/06/22 18:54


彼が言う。
『君はかつての存在』。

そうだと思う。
彼が言う。
『君はかつての世界に存在していた』

そうです。 でも、どうやら今は違うけれど。
彼が言う。
『君はどこでもない場所にやって来ている』

はい。
僕はうなずく。


そして僕は彼が冬のソナタの表紙の男みたいな眼鏡をかけているのを見た。

『君はここで何をしている?』

僕はあなたと対話するためにここにいます。
これは虚構です。
これは現実の会話というよりは、文章をある種の秩序で構築することによって
混沌の中に道を創造しようとする試みです。挑戦。
僕はこれが嘘だということを知っています。それでも、戦っている。

『君は私と何を話したい?』


52: yPyqc5MQ:04/06/22 22:21



僕はあなたに、僕自身の問題についてのヒントを教えて欲しいのです。
あるいは僕の話に関して、何らかの刺激を与え、その結果として僕の中の知を引き出し、そして相互納得としての結論[普遍的真理]に達したい。
分かり合うための議論つまり問答がしたい。
僕はまず、無知であり、その自覚の上で次に、本当に大切なことを知ろうとすることによって「正しさ」に到達したい。

『否定媒介的契機』

そう。助産術。無知の知です。ソクラテスのかつてやった、それです。

『けれども君はいったいどんな問題を持っていると言うのだい?』

僕は問題を持っています。それは人生に関する過程の障害についてです。

『さて、君は今や新しい時代を創造するだけの精神を蓄えた。
けれどもそれを実現する為の「力」を、具体的に、持っていない。
それが君にとっての問題点としてまず、間違いはないね?』

はい。

『君はその「力」をどのようにして手に入れるか、その前で試行錯誤している。
この問答もその一部だ。
そうだね?』

はい。そのとおりです。

『それで、君はいったいどうするつもりなんだ?
とにかく行動しないことには何も始まりはしない、それは明らかな人生の原理だ』




53: yPyqc5MQ:04/06/22 23:50
結局のところ大事なのは、ある人間にとってもっとも有用なものを見つけ出し、それが全人類にとっても同様かをそれぞれの
人生過程において絶えず検証し続けることなのよ。

そうなの?

そう。
いいかえると、それは絶え間ないレベルアップへの挑戦。

そうかもしれない。
それが僕にとって、これまで会った中でもっともうまくハマる理論システムだと思う。
それを僕にとっての新しい考感システムとして採用し、名づけよう。

『それを、創造主義と名づけなさい』


54: yPyqc5MQ:04/06/23 07:25
創造主義の格言
『何かの中からある人間にとってもっとも有用なものを見つけ出し、
 それが全人類にとっても同様かをそれぞれの人生過程において追求すること』


こうして僕は新しい生き方の方法を見つけ出した。


55: yPyqc5MQ:04/06/23 07:27
 僕は今日の夜、ブッダの講演会[池袋芸術劇場で行われる]に参加することになっている。

56: yPyqc5MQ:04/06/23 07:45
僕はそれまでの間、しばしの眠りにつくことにする。
人間はなぜ眠らなければ生きてはいけないのだろう?
僕は機械ではない、そして、すべての動物は眠るのだ。なぜ?
僕の高等動物としての知識の引き出しの一つを探し回ると、こんなよれよれになった解答が出てくる。
「動物はその活動に必要なエネルギーを、充電する必要がある。疲労は回復されねばならない。
睡眠は覚醒時間に対して均衡する。こうして我々は生物的リズムを獲得するのだ」
そうかもしれない。

僕は自分の手のひらを広げてみる。
そこには三本の曲線が刻まれている。その接し方は不思議なリズムを持っている。まるで必然のようだ。
赤ちゃんのときどのような手の握り方をしたかでこの形は決定するのだろうか?
それとも、産まれつき遺伝的に手の肉に線がこのように刻まれているのだろうか。
それは僕が子どもを生んでみて観察してみないと分からないな、と思った。

僕の右の側から青い宇宙船みたいな車が走ってきた。
日産CUBEに似ているけれど、前世代テレビゲームの中に出てくるもののようにカクカクしたポリゴンの傾向を強めていた。
それは僕の前で止まり、ドアが開かれると、そこには金正日が乗っている。
そして僕は車に乗った。


57: yPyqc5MQ:04/06/23 08:04
 同乗しながら、僕は鼻歌混じりで車を運転しているのがビンラディンであることに気がついた。
助手席には小泉日本国首相が乗っている。後ろの席にはもちろんブッシュ大統領がいる。当たり前だ。

そして僕らはジャクソン5の『ABC』をみんなで合唱した。
楽しかった。

僕らの車は大きな通り出た。ここはどこだろう?どこの都市だ?
バグダットであるわけがないし、ニューヨークみたいには見えない。平壌ではない。東京にしては人が居無過ぎる。
というか、そもそもここは地球星のどこかではないのだ。地平線が曲がっていないし、太陽も月も見えない。
ただ上のほうから満遍なく明るい光が降り注いでいる。
建物もみんな真っ白で、その影だけがグレイの鋭角を真っ黒の道路上に落としている。

僕らの車はある建物の中に入っていく。
まるで空港のように巨大だ。
ここはおそらく、宇宙基地か何かなのだろう。

そして光がトンネル天井から降り注ぐライトに切り替わった。
車内は和やかだ。
ビンラディンがチューインガムを小泉さんと金正日に渡し、彼が僕とブッシュへ渡した。
そしてみんなで噛んだ。
まるでミントブルーみたいな味だったけれど、包み紙には「桜の武士」と書いてあった。
桜の武士ガム、どこで売っているのだろう?
日本限定みたいな気がする。包み紙の内側だけが桜のような淡い赤色をしていた。

車が駐車場に着くと、僕達は車から降りた。

そして近くのエスカレーターから二階に上がった。
するとそこはもちろん中世だった。


58: yPyqc5MQ:04/06/23 08:37

騎士達が戦闘を繰り広げている。
僕達はその中で呆然と立ちすくんだ。

ジャンヌダルクだと思われる女騎士が僕達の目の前の要塞の頂上に座っていた。
そこから情勢を見極め、何かをトランシーバーで伝えている。


トランシーバー?

そう、言うまでもなくそれは映画の撮影現場だったのだ。
ジャンヌダルクは天花の人だった。
そして敵のボスは古館一郎だった。古館一郎?


そう、ここは言うまでもなく報道ステーションのスタジオだった。
そして村上龍がCMの間にウーロン茶を飲み、汗をADに拭いてもらっていた。
無精髭がキラリ。と思ったらマジックペンで描いていただけだった。

女性キャスターがジャンヌダルクとケンカし始めたので、ブッシュさんが止めた。
そして国連の普遍決議に基づき、永遠平和を確立しましょう!と2カメに向かってピースした。
スタジオと観衆[兵士役のエキストラの大勢]はどよめいてた。その中になぜか木村拓也が見えた。慎吾ママの格好をしていた。
そしてビンラディン君と僕と金正日さんでブッシュさんを胴上げした。小泉首相は隣で号泣していて何も出来なかった。

 「本番入りまーす!」そうディレクターが叫んだ。
そう、これはすべて予行演習だったのだ。

君は防災訓練用の非常放送が聞えるのを静かに教室の机について待っている。


59: yPyqc5MQ:04/06/23 09:09
君は防災訓練用の非常放送が聞えるのを静かに教室の机について待っている。

僕は防災訓練時の非常放送が聞えるのを静かに教室の机に着いて待っている。

彼は静かに深呼吸をしようとしたらムせった。そして涙目に。

ニコニコ先生が来た。防災訓練は中止なのだろうか?
そしてニコマコス倫理学の講義を始めた。変な名前だな、というのが第一印象なのは共通無意識だった。平均的日本人の。

僕の隣の隣の席の女の子がぼくの横顔をじいっと眺めている[僕に気がつかれないように]。きっと恋とかしているのだろう。
そしてNISHIKIGOIのINFOBARを取り出すと、授業中にもかかわらず通話し始めた。
yareyare。この分じゃ、義務教育の崩壊も近いな、と小学生であるにもかかわらずぼくは悟った。
「冗談じゃない!」と誰かが言った。逆隣の席の柄谷君だった。
じゃあ、大丈夫かな、と一瞬でぼくの意向は変化した。そういうこともある。


ぼくはフットサルの時間が来ることを真剣に待っている。今は三時限目だから、次が体育だ。ワクワクだ。

Andぼくはノートの一番後ろのnを破り小さな手紙を書いて、それを前の席の子に送った。すると
その子はそれを読まずに握り潰した。

そう、それは誰かと思えばジャックデリダ君(8)だった。脱構築の原型をあらわしているとしたら早熟だ。
アバター殺人事件に発展しなければいいけど。
Andポケットモンスターがぼくの机の前を歩いて行った。それはゼニガメとピカチューとゴキブリだった。


ごきぶり?

Of courseどこからともなく異様な女の子の叫び声が聴こえて、教室内は常時騒然となった。
君のノートには無限の未来が書き込まれている。


60: yPyqc5MQ:04/06/23 09:35
その一ページを開いてみよう。
そこには数え切れない希望と、そして絶望の記録が、更新されている。

その一行をここへ引用しよう。
「誰かにとっての幸福ならば、ぼくにとっての幸福はその後を追いかける」
さらに一行。
「空を飛ぶことは出来ないけれど、空を飛ぶことを想像することはできる」
さらにもう一行。
「ときどき一階に住んでるひとのセックスの声が聞こえる」


ぼくはそのノートを閉じると、ごきぶり退治に忙しい2−3教室を堂々と抜け出し、東京大学の講義へ向かった。
そこでは誰が講義しているのだろう?
そこではどんな話と討論が激しく、激しき討論が、激しき激しき巻き起こるのだろう?
そこではなぜ講義が行われているのだろう?

「そこではなぜ講義が行われているのだろう?」
彼はその疑問を小論にまとめた。レポート提出期限は明日の午後だ。ずいぶん前に完成した。

内容は要約すると次のようなものだ。
『ぼく達の目的は完璧に頭を鍛えることだから、心を極めることだから』
まとめすぎた。

そしてぼくはホップステップジャンプで少年マガジンの表紙を破り捨ててしまった。
それはバガボンドが表紙だった[なぜかは風の歌に聴け。
僕のソニーのノイズキャンセリングヘッドフォンからはビルエヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」が流れている。
武蔵[たけぞう]が君に話しかける。
「おい」
はい。 そしてペコが話しかける。
「宇宙一になっとく」
はい。
そして君は混乱し始めたので、少しだけ目を閉じて、メモリースティックウォークマンから繋がるコードを抜く。


親密で超然として閑静な沈黙が訪れる。















                                    シ
                                    |
                                    ン

キーン。飛行機が君のはるか頭上を切り裂いていく。その空に溶けた君は飛行機を呑み込む。ゴクン。
彼は飛行機のビジネスクラスの窓際で外を眺めている。そこには星空が広がっている。金星がきれいな黄色で瞬いてくれている。

金星[いちばん星]?


61: yPyqc5MQ:04/06/23 09:46

いつものようにここは地球であり、いちばん星は手が届かないものとなっているのである。
その存在感はまるでもはやほとんど手に入らない2000円札のようなものだ。

ペコが君の隣に座っている。手にはもちろん、ぺろぺろキャンディーみたいな着色料だらけの駄菓子がグっと握られてる。
君はいちばん星になるんやないの?
ぼくはペコに話しかける。
ペコは大きく首を横に振ってから――まるで窪塚君のように――変なアクションをした。
飛行機の中なのに逆立ちみたいな真似をし始めたのでぼくはw[笑った]。
そう、ぼくはスマイルだった。

と思ったら僕疑う故に僕だった。
いずれにせよ、人生は進んでいく。LIFE GOES ON. そしてパーティが始まる。


ぼくはそこで舞い戻った。
彼女はぼくの右手を握って、小さく微笑んだ。

この宇宙船[練馬のアパート]から外に出る為にはどうしたらいいのだろう?
下手をすれば、窒息するんじゃないだろうか?

ころにゃん! ころにゃん! ころニャーーーNんんん!!!




62: yPyqc5MQ:04/06/23 19:25




ころにゃんからの通信。
「あなたは今日の夜――あと3、4時間後くらい――に講演会に出る予定があるね。
だからあなたは何とかしてここから抜け出さねばならない。
いつまでも意味の分からない宇宙船の中にいるわけには行かない。
あなたと美花は、西部池袋線とかに乗って、ちゃんと、池袋にたどり着けねばなりません。
そのためには今まず何をすべきか。一にどうするべきなのか」
僕からの返信。
「そうだ。僕はその予定を持っている。

たぶん最も良い方法は、自分自身を息の根が止まるまで追い込み、追い込み、追い込むことだろう。
僕はなぜ宇宙船の中にいるのか?
そう、それはこの受験戦争の真っ只中から『一時的に』抜け出す為なんだ。
防衛機制で言えば、逃避だ。昇華である部分ももちろんあるけれど。合理的解決とは必ずしも言えない。
その作用が僕を連れ去る。

僕は何とかしてこの戦争から逃れたい。
避けられないものだと信じたくない」
美花が話しかける。
「ねえ、それはあまりに非現実的じゃないかしら。
というか、非現実的に過ぎる。

あなたはそう、将来立派な知識人として活躍したいのでしょう?
それならば学校で習う勉強はほとんどの場合かならず役に立つものなの。わかるでしょう?
あなたはもっと現実的な解決を見出さねばならない。
あなたが知らないことたちは、大学生にとって、否、大学教授にとって常識なの」

僕の手の甲に涙が当たった。


63: yPyqc5MQ:04/06/23 19:25
僕はいつの間にか泣いていた。

どうして僕らはこうしてまで戦い続けねばならないのだろう?
どうして僕らは戦わなくては生きてはいけないのだろう?
それは神が我々に何かを課しているという証拠なのだろうか?それともただ、自然にもてあそばれているだけなのか。
我々は自然の中でももっとも弱い一本の葦に過ぎない、と――パスカルは――言った。
それでも彼は宇宙が彼自身より強大なことを知っている。それ故、人間は宇宙より偉大である。なぜなら宇宙はそれを知らないから。
宇宙はなぜそれを知れないのだろう?

ころにゃんが言った。
「そもそものところね。にゃん。
ワシらは猫だから人間のことはよく知らんけれど、たぶん、
どこでも戦争みたいなものはあるのだよ。天国でも変わらんよ。まあ、ワシはそう思うというだ」
美花が答えた。
「そして私を奪いに来て!」

下らない。

僕は西洋の騎士ではなく、日本の武士なのだ。東洋の英雄でもない。たんなる一介の侍だ。
浪人だ。
彼がすべきは女人を保護するというだけではない。この乱れた浮世の平和を守ることだ。
そして僕は刀を鞘に納める。
新しい闘いが始まる。それまでに精神を統一しなければ間に合わない。





仏が君に話しかける。


64: yPyqc5MQ:04/06/23 19:26

『君は人間として、どうなんだい?』
と、おっしゃいますと。
『つまりねえ、慈悲心を持っているのかい?』
もっているけれど。と思うけど。。。
『僕が聴きたいのは慈悲心という単なるものじゃない。慈悲心に満ちた戦争行為を続けることについて』
つまり、受験戦争のことですね?それとも自由競争資本主義社会のことですか。
『どっちでも』
いつものように。


そして僕は美花の傍に行くと、彼女の肩を抱えた。
それは変な意味ではない。ただの確認だ。現世の、現時の。[源氏の?]

美花がため息をついたけれど、それは動物らしいような気がした。



僕は言った。
「これはインターネット掲示板上の書き込み文章であって、誰かがその中にいるわけではない。
ここに各自己の何かを投影することによってそれぞれの人間が想像力を生かしている[あるいは殺している]、それがすべてだ」

大事なのは幻想を排除し、あるいは一線を引き、現実とそれらを区別すること。

これが現実の一部である可能性は、その厳密性――数学的に、あるいは建築的に――つまり構成が緻密で曖昧な感情が無いこと。
理知によって、明快なたった一つの答えが「決定」されていること。





65: yPyqc5MQ:04/06/23 19:27



僕はゆっくり抜き身をする。
刀を目の前に垂直に立てる。それは夕日の光を受けてつややかな灰色に輝いている。
僕はビルの屋上に立っている。

彼は六本木ヒルズ森ビルの屋上に立っている。
そして脇に刺した小さな棒を取り出して何かをしている。それを目の前にかざしている。
それをちょこちょこと動かしている。

君はその刀を使って型の練習をする。
一、二、三、四
五。そして目の前の空を切った。 バシュ

あなたはそこで刀を抜くと、まざまざと眺めたあと、まるで元旦の誓いみたいな気合でそれを居合い抜き。
私は近くのビルの上階からそれを眺める展望レストラン店員[ウエイトレス]。
あなたはその刀を夕日に照らしてさまざまな角度に変化させる。そして何か――目に見えない何か、耳に聞こえない何か――を打っている。

僕はセスナのパイロット。
誰かがヘリポートにいるのが見える。青年だ。
彼は白銀の刀を取り出すと、素振りをしている。なぜあんなところで?そして僕は雲の中に入る。


君は雲の中に入る。
なぜ君はその戦争に参加しないんだ?

カラスが話しかける。
「なぜ君はその戦争に参加したくないって駄々をこねるんだ?」
ねずみが話しかける。
「なぜ君はその戦争に参加したくないってワガママ言うんだい?」
さくらが話しかける。
「なぜあなたはその戦闘に参加することを嫌がるの?」
かえるが話しかける。
「なぜあなたはその戦争に参加できないって言うんですか?」

僕はたった一人で宇宙の中心で世界で一番孤独になっている。


66: yPyqc5MQ:04/06/23 19:37
ここでCMです。

自身がインターネットを利用する本来の目的は、何

「僕の場合、自分自身の概念を明晰にし、観念を排除し、そして統一的な見解に到達
自分自身の人生を新しく正しい秩序へ結びつけることだ」。
みんなの場合はどうだろう?



自分を見失わない客観性が大事

インターネットは、「道具」のひとつでしかない
視野を広く持ち、自分を見失わない客観性をもって、あくまで「便利だから活用する」。
摂取の際にじゅうぶん配慮があれば、良薬になる。

中庸を誤らないように、常に自分に問いかけておくこと。


67: yPyqc5MQ:04/06/23 19:43



結局のところ、僕はそこに辿り着いた。
僕は長い長い、エスカレーターを上っている。
ここは池袋の芸術劇場だ。

今日はこれからブッダの講演会があるから聴きに来たのだ。


僕は美花ともう一人の友達と会場へ入る。
そこにはすでにブッダがいた。


68: yPyqc5MQ:04/06/23 20:23

僕は席に座る。
ブッダの横にいる修行僧がまず語る。
「次の世に何に生まれ変わるかは、現世の業[行為]によってきまる。前世の業の結果として、現世がある」

Hum…
興味深い。
もしそうだとすれば、われわれのこの人生は何らかの結果なのだ。
そしてわれわれはその過程に存在しており、この結果としての来世がある。
言い換えると、われわれはこの世の中の循環の一部なのだ。

ブッダが口を開く。
「人生は苦である。
なぜ苦が生まれたのか。苦の原因は欲望である。
よって、この原因をなくすことによってわれわれは救いを得る。欲望の炎を吹き消すことによって、永遠の平安の理想の境地へ達する。
その為の方法を教えよう」

もしそんなものがあったならば、確かに、われわれは永遠の平安の境地へ至るに違いない。
すべての欲望が消えた世界、そんな状態が考えられるだろうか?
それはもしかしたら、生きながらにして死に至る方法かもしれないな、と僕はふと思う。

「正しいことをする。
そして苦行という人為を廃し、また快楽という真実から目をそらす生き方を否定し、最後に、真理とひとつになって生きるのだ。
真ん中の道を行く」

僕はブッダの顔を見た。ブッダは悟りを開いた人特有の穏やかな微笑みを浮かべている。彼は存在法則とひとつになっている。



69: yPyqc5MQ:04/06/23 22:14
すべてのものには原因がある。
いかなるものも他のものに支えられてあり、支えあってある。
これを「縁起」と言う。

『これあるに縁りてかれあり、これ生ずるによりでかれ生ず』
「これがあるからあれがあり、これが生まれたからあれが生まれた」
『これなきに縁りてかれなく、これ滅するによりてかれ滅す』
「これがなければあれもなく、これが死んでしまえばあれも死んでしまう」

僕は仏教世界に入り込んでいく。時間は20時33分を過ぎた。部屋の中は不思議な香の匂いがする。

縁起とは、原因と結果の系列として考えられるようだ。

たとえば、芦束で説明すれば、
一つの芦束では立てることができないが、二つを束ねると立てることができる。
そのように、人間だって他のものだって、支えあうことによって存在している。
[我思う故に我あり、人間は考える葦である、実存は本質に先立つ、という西洋的世界観とは相容れないイメージが感じられる。
一方で、
ニーチェのいう永劫回帰を認識して超人を目指して生きる意志や、
ハイデッガーのいう死の有限性の自覚(死への先駆的決意性)によって本来的自己へ脱出して生きる実存、に近い思想に考えられる]
たとえば、パソコンの部品で説明すれば、
どれをとってもそれだけでパソコンとは言わないが、組み立てられればパソコンである。
部品とは別にパソコンというものがあるのではないし、パソコンは部品が無くては成り立たない。
人間も、人間を構成する諸要素の集まりであり、支え合いによって成り立っている。
人間もまた、他の人々や、自然物とのかかわり合いで生きている。

結局のところ、『すべては相対的・相互依存的な存在なのである』。

――これは、科学的事実とも合致する。
すべては原子および核子から成り立っている。そしてそれが無ければわれわれの存在は、いや宇宙はあり得ない。
反対にわれわれの存在があることとは原子・宇宙があることでもある。
相対性理論によれば時間と空間は付かず離れずのものであり、しかも伸び縮みする相対関係にある。
――他方、ライプニッツの言うモナド[単子]論とも多かれ少なかれ合致する。
アトム[原子]とは異なる「窓を持たない個体」、広がりの無い精神的なものとしてのモナド[単子]。
しかしここで違うのはモナド[単子]は相互に関係せず、それ自体の活動によって状態を変化させていく[と彼は言う]ことだ。
モナドは人間において理性となり、モナドは完全性に向かう欲求を持つ。
このようにしてモナドは独立しながらその表象[宇宙を映し出す鏡]を自己の力で展開させ、発展させ、けれども
宇宙の創造者としての神があらかじめモナドの調和を定めてある[予定調和]がゆえにその過程は理性的に展開する。
これは、科学的事実に対する直観的真実であり、仏教的『縁起』を通してみても、両者は同じ結論に到達すると思われる。
つまり、「物質と精神はそれぞれに展開し、最終的な宇宙にて統一する」。


僕はうなずく。僕はうなずく。 僕 は う な ず く。
そしてブッダは話を続ける。
さっき休憩の間に乳粥のペットボトルがみんなに振舞われた。[140円]。
運んできたバイトの子が女スパイのチンチャーです、と言っていた。コスプレは似合っていなかった。
[マイフェアレディーのヘップバーンが大江健三郎の振りをしているみたいな変な感じだった]。


70: yPyqc5MQ:04/06/24 01:09

物質[空間・原子]と精神[時間・単子]は、相互に関係する。
[というか、一方は他方を通してしか認識・知覚され得ないのだ]。
けれども、物質はそれ自体が関係し合い変化するのに対し、精神は独立して精神同士で関係しない。
つまり、動物は交尾し核は分裂し物は混ざり形や性質を変え空間はゆがむのに対して、
精神は不変で独立し完全疎通は無いし時間それ自体は同じである[ただ、相対的には変化していることがわかる、というだけだ]。


ブッダは続ける。
「こうして縁起=すべては相対的・相互依存的である、と分かれば、すべては絶対的でないことを悟るだろう」

そう言えば老子や荘子そしてヘラクレイトスも同じことを言っていた。
老子は語る。『無為にしてなさざるなし』[何もしないことによってしないことはなくなる、と。
中国の小庵で出合った中国娘が言っていた。
「道はすべてをうみだしたし、またすべては道へと帰る」。
老子は続ける。
人間は現象を「有」とし、知覚できないものを「無」として人知で限定しようとする。しかし、
「無」はものが現象として現れる以前をさすことばであり、有と無は『同じもの』に人間が違った名をつけたことに過ぎない。
有と無は支えあっている。その全体そのものが『道』である――。
それは人間には限定不可能なものであるから、仮に、今ここでは、『道』として名づけるしかないものである。

荘子は語る。
すべては相対的に支え合ってはじめて成り立つものであるから、「正」や「善」も、『不正』や『悪』に対してあるのであり、
それぞれは 対 立 す る も の と の 関 係 である。
結局、人知で区別したものに絶対のものは無い。
天地自然の道はそれを超えたものであり、それゆえ人は何かを一方的に見て、自分の考えにとらわれてはいけない。
人は自分の立場も相手の立場も包み込むような自然の調和と一体になっておおらかに、自由に生きるべきである。

ところで、アインシュタインやホーキングでさえも
『光の速さ』自体は絶対不変である
[見る人によって光が違う「速度」に見えることがあるのか?いや、無い。]ことを主張しているんじゃなかったっけ。
要するに、時間の基準は変化しても「光の速さ=光速」自体は変わらないのだ。
少なくとも、現時点の人類においてはそうであるはずだと思う。[光速変動理論(VSL,Varying Sped of Light)の真偽は僕には分からない]。
だから、ここで最終的に科学[実証+展開]と哲学[直観+論理]を統一すると、ひとつの美または真理に到達する。

「すべての相対なるものは、光速という絶対なるものと対立している」


71: yPyqc5MQ:04/06/24 01:51


そこで、僕はちょっと疲れてしまったので、会場の外へ出て空気を吸った。
窓から遠くを眺める。

近くのソファーに座って目を閉じる。
息を吸って、吐く。吐いて、吸う。そして30秒くらいそのままでいる。

立って、再び窓の外を見る。
そこには新宿の都庁が見えた。ここから見えたのだっけ?とにかくそれは
まるでWTCのように抑圧的な存在感で周りのすべてを見下しているようにみえるそれは、東京大学出身の建築家が建てたものだ。
無為にしてなさざるなし。どころではない。
官学的雰囲気が今となっては嫌に強く感じられるポストモダン建築だと思う。

僕は一階にエレベーターを使って下り、窓の外の電気店の広告宣伝から放たれる光速を目に受けながら、町を歩く人と相対的に僕自身の時間とその基準が変化した。
ただ、その変化は「光としての僕」に比べて微小過ぎてぜんぜん分からなかったけど。
ようするに地面を歩く人を見ながらエレベーターに乗って一階に下りた感覚がしたってことだ。

僕の生活は窓の外を歩く人より、感じられないくらい、ほんの少しだけ長くなった。
時間は相対的なものなのだ。だから、人生時間[生涯期間]も。
まあ、本人にとって同じ[人生=人生]ならあんま意味は無いんだけど。
これはタイムマシーンの発明によって初めて何らかの意味を持ち始めることなのだ。


と、僕は思いながら一階のカフェでコーヒーを飲んだ。温かかった。
マフィンを頬ばりながら店中を見た。
言うまでもない。そこには「マコト」がいた。長瀬智也だ。隣には加藤あいがいる。

ここは池袋西口公園なのだ。

うるせーよマジ、これ本気だからとか言っていた。


さて、とりあえず
ここで今日の日記は終わり。
明日また書きます。
と僕は言った。画面上に文章が並び、僕のいいたいことを日本語で表現した。


72: yPyqc5MQ:04/06/24 18:37

さて。
僕は新しい世界の一部になっている。
ヘラクレイトスは言った。
「万物は流転する」と。「同じ川に二度と入ることは出来ない」と。差延性だ。

僕はこの時点に、この人生で二度と戻ることは出来ない。

ブッダの講演は続いている。

僕は僕自身の現在について考え出す。
僕は「この文章を書いている主体」であり、年齢は20歳だ。
大学に入学する、というとりあえずの目標は常に掲げ続けているので、僕は浪人生だ。
そして三浪目の存在だ。

なぜ僕は浪人したのか?
僕は高校時代ずっと絵を描いていた。そして芸術の勉強をしていた。
しかしその時点では落ちた。僕自身の「絵画受験」勉強法が間違っていたと言うしかない。
僕はむしろたっぷり時間をかけて作品を描いていた。
受験は大学側の意向で、数時間乃至数日で完成させねばならない。無論、出来なかった。
それ以前に努力または才能が足りなかったのだろうか。今となっては分からないし、同じことだ。僕は全力だったから。

一浪目でさまざまなことに開眼した。速く描くことも覚え、自分の絵のスタイルも出来上がった。
一方で、芸術系大学の汚い部分が見えてきた。それは僕に芸術大学を嫌悪させるのに充分だった。
こうして僕は二浪目に入る。

二浪しながら、芸術をあらゆる角度から追求する中で
僕は自分の絵が建築の一部になって消滅する運命を持っていることを悟る。
「新造形主義」と言って、西洋美術史の純粋抽象絵画芸術の巨匠・モンドリアンが提唱したそれに共鳴し、統合した。
モンドリアンが主張することと僕の思うものはひとつになる。
『絵画の結論は建築における色彩造形である』

こうして僕は絵画を完成する為に建築家を目指す。
諦めたのではまったく無く、突き抜けたのだ。

大学は芸術大学を避け、一般大学工学部へ向かう。
そして受験勉強という壁が立ちはだかる。そこに僕はいる。現在、三浪目だ。



20歳。勝負のとき。いや、ゲームのとき?
分からない。
とにかく僕は宇宙の特異点のどこかでたったひとりで――完全にたった独りだ――考え抜く。

73: yPyqc5MQ:04/06/24 18:57
(無題) 投稿者:某予備学校講師  投稿日: 6月 7日(月)07時07分18秒
 学の訓育の何たるかを知れと言いたい。

 君は駒場に行かなくて良かった。行っていれば教養を変に悟った心持ちで終えてしまって本郷で辛い思いをしたことだろう。特に文Vはそういう学生が多い。

 「受験勉強が実学から離れている」と思うのは勉強不足。

 勿論、君のように、成績優秀にも関らず落ちる生徒は毎年いる。しかし、それは答案に魅力が無かったのか、はたまた採点間違いなのか、真の理由はわかるべくも無い。ただ確信を持って言えることは、それくらいのハードルは大したことは無い、学校に入ったら忘れるべきだ、ということ。人生はまだ長い。

 教育に携わる者として、君が大学での知的刺激に遭遇し、健やかで教養溢れる人格を獲得して社会に出て行くことを願って止まない。


素晴らしい予備校講師もいるものだ。
僕はそう思う。

『受験勉強が実学から離れていると思うのは勉強不足』
この一言には、人生の真理が――少なくとも、日本型受験戦争の真っ只中に実在する戦士から見ると――余すところ無く表現されている。


限界突破。
それが、すべてだ。


僕は受験勉強の
1.虚学性[人間らしい内容の無さ・意味の無さ。知的に仕組まれたおままごと]
2.競争試験としての自己目的性[形骸性・それ自体が目的となっており、「本来の学問の目的」からかけ離れてしまっている]
以上に、非常に強い抑圧を感じ、また社会矛盾を考えるので、こうしてここにこの文章を書いている次第である。


74: yPyqc5MQ:04/06/24 19:12

これは学歴社会を作り出す怨源となっている。
虚学性は、本来の学生のあり方を堕落させ、社会構成に空転を生み出す。
自己目的性はそれ自体が人生を汚濁し、人格を官僚主義によって骨抜きにする。

藤田正勝著、「理解しやすい倫理」100頁にはこう記述がある。
『各人の個性がじゅうぶんに発揮され、主体性や創造性を保持しうるような制度をくふうしていかなければならない』

我々は新しい教育制度を構築していかなければならない時にある。
受験勉強の中の実学性だけを純粋に抽象していくべきだ。
それはこの日本社会を変える。復活させる原動力となる。

これは一世一代の超大チャンスだ。僕がやらねば誰がやる。


受験勉強を超えた、限界突破としての、実学問を。
虚学を超越した実学力に到達する受験生。――その第一人者。

それが僕なのだ。
それが何なのだ?つまり、この社会の悪弊の根本を除去する掃除人といえる。

どのようにして?


75: yPyqc5MQ:04/06/25 08:23

もう僕はブッダから遠く離れている。

僕は僕自身の現実性と、その人生とたった一人で完全に向き合っている。

どこにも誰の入り込む余地も無い。

僕のやるべきことは何だ?

言葉にとらわれてはならない。無駄な言葉を使ってはならない。
情報社会はますます無量大数的に膨大化している。だが本質はいつも数え切れるほど少ない。
この「本質」を捉えるのだ。――プラトンはそれをidea[普遍的定義]と言った。
それが学問だ。



76: yPyqc5MQ:04/07/04 07:35









無駄な文章を書く馬鹿。
人生を無駄にする馬鹿。それが俺。

誰もが呆れてしまう。僕を見捨てる。君は廃人で、負け組の代表で、死に至る病を孕んでいる。そう言う。
そうかもしれないというか、その通りである。
僕は腐れ馬鹿だ。死んだほうが良い。日本にとっても世界にとっても邪魔者だ。
それ以外のなんでもない屑だ。


そして僕は書く。

77: yPyqc5MQ:04/07/04 07:42
死ね。
誰かがそう言う。
僕は頷く。
死んだほうがいい。僕は学校の屋上に登る。そこから50Mくらい離れた地面を見下ろす。
ここから落ちれば、僕の無用性は消え去る。
と同時に、友の幾人かと親に永遠の痛みと悲しみを与えて僕は消滅する。
それが正しい事だろうか?

僕はひとりでお風呂に沈んで考えている。

それが正しい事だろうか?――僕は10歳だった。



それから僕は20歳になった。
ますます屑になって。

僕はキーボードを打つ。それが自分を殺してくれると良いなと思っている。
だが、そんなことは許されていない。
当たり前だが、人間の身体は生存の欲求を持っているのだ。
腹が空いたら何かを吸収し、排泄し、酸素を取り込み二酸化炭素を吐き出し
時に精液を排出し、何かの希望を生み出そうとしているかのようだ。
僕は二度とそんなことが起こらないように僕自身を殺そうとする。
けれども、身体と傷つけるという意味ではない。そんなことをしてもどこにも行けない[僕は馬鹿ではない]。

キーボードに生命の痕跡を打ち付ける。
無意味だ。
無価値だ。
死への逃避だ。
それがこれだ。屑だ。


誰かが笑う。ワラえば良い。 僕自身を殺すための旅。

78: yPyqc5MQ:04/07/04 07:50
僕は海を散歩する。
朝日に照らされた波は世界で一番美しい光を放つ。
僕は軽くジョグしている。息が切れない程度の速さで、呼吸を繰り返して。

僕の胸には希望がある。
けれども、それはどこに辿り着くものだと言うのだ?
「勉強しなさい」と美香が言ってくれる。
その通りだ。宇宙一正しい。僕は頷く。


そして僕はにちゃんねるに無駄な文章を書く。

これをネット中毒という。病気だ。自覚的に現実的な病気だ。
僕はお酒もタバコもやらない代わりに、ネットにやられてしまったのだ。

僕はどこに行くと言うのだ?
どこにも行けない。これはただの無駄な情報の海なのだ。まるで使えない海水のように。


うむ。
では僕はネットワークを切って、パソコンを物置に閉まって、そして
毎日の学習にハマるべきだろう。
そうする事以外に何も無いのだ。僕は頷く。

美香はどこに行くのだろう?僕は心が配されるのを感じる。どこに行くのだろう?
きっと、幸福に向かっていくのだろう。僕は頷く。
僕はきっと、正しい事をしたのだ。この宇宙のどんな物だってそんなにうまくはやれなかった。
君は世界で一番正しい事をしたのだ。

まるで小説の一節のようだな――と僕は呟く。そうかな。
結局のところ、
我々はこの現実世界で直接的にかかわっていくべきなのだ。

79: yPyqc5MQ:04/07/04 07:56
人生はどこから見ても不完全なものだけれど、それでも
完全性に向かって成長する力を持っている。

それを「希望」と呼ぶ。

これが人生の原動力である。
胸に希望が秘められた人には限界が無い。




80: yPyqc5MQ:04/07/04 08:01
結局のところ、人生とは完全なものだと考えることも出来る。
なぜなら平穏とは全てが満たされている証拠だから。

この平穏を得る為に我々は努力してきたのである。
この平穏を守る為に我々は努力していくのである。



81: yPyqc5MQ:04/07/05 19:41
「セックスの為だけに恋愛する」のは最悪だ。
それは動物でさえない。快楽機械と言って差し支えない。堕落の、最悪の形態である。
これを不純異性交遊という。
人間性を堕落させ、貴重な人生の時間を浪費させ、価値ある目標から意思を背けさせるものである。

同性愛は自然から見れば異常なので、動物という見地からは判断できない。
個人ではどうであれ人類全体にとっては趣味の一形式であり、それ以上のものではない。
なぜなら男女の交わりが人類と言う種を存続させるからである。
将来的にも医学倫理はそれ以上の領域へ踏み込む事を赦さないと思う。

ところで実際、人間が男女間で交際するのは結婚生活を企てて幸福な関係を確立維持する為ではないか。
「人間には情欲があり、これを満たす事で幸福感を得る」。
この情欲の満足を社会的+人間的に安定させるのが結婚である。
結婚生活は[戦争ではなく]平和を求めるから、本質として[社会的+個別人的に]善だと考えられる。
この結婚生活を目的とした恋愛だけが正しいものなのである。
それには
1.社会的に公認されており、かつ経済的基盤が無くてはならない
2.個人両者の人格及びego-identityが確立されていなくてはならない
3.両者、個人において肉体的+精神的な成熟が期待される
従ってこの三点が無い恋愛は不純なままに留まると言うことが出来る。
なぜなら依存的な関係に過ぎないから。
理性的に言って、真の恋愛を楽しむ事は『独立』した両性によってのみ可能ではないだろうか。
これを『独立的な恋愛』とここで名づける。前者を「依存的な恋愛」と呼ぶ。
依存的な恋愛は――「セックスの為だけに恋愛する」のは最悪だと言ったように――
社会全体と人類文明の進歩の為にはまったく価値の無い人間悪である。
それが必要悪だと言うならば、われわれの善の責務は
『純粋恋愛』の見本を自ら提示し、彼らの目標となることで気風から不純さを徐々に取り除くことだ。
こうすることで今日の異性交遊に関する堕落は可能な限り回避されていくのである。

これを『成長の為の恋愛』と呼ぶことができる。
幸福で平和な結婚生活を目的とした努力の過程だから、
人間性を鍛え上げ、社会全体の発展に寄与することができる。この男女交際こそが人間善なのだ。

82: yPyqc5MQ:04/07/05 19:45
訂正
× 留まる
○ 止まる

83: yPyqc5MQ:04/07/06 12:16
 僕は何が本当に大切で何が本当に大切ではないのかを考えているんです。
僕の親は、僕が経済的・社会的に独立するまでは僕の事を支援してくれるとは思う。
だから大学に入って、働くようになったら親を悲しませるようなことはしなくて済むだろうと思っている。

 たとえばすべてが不安定で、無意味に思える時もあるわけです。

 美香とこうやってネットという文明社会の不完全な装置を通して通信する
それがいつ崩れるかそんなことは分からないし、いつか必ず壊れる運命を持ったものです。
こうやって一生過ごすわけには行かない。
生計を立てなくてはならないし、それには人の役に立つ仕事に従事しなくちゃならない。
美香はいつか結婚しなくちゃならない。[たぶん]。
 だからこんな不安定なものに人間としての自分の精神安定装置の役割をさせてはならないと思うわけです。
もっともっと確かで、具体的で、明らかなものを手に入れて守り続けなくちゃならない。
それが好きな人との結婚かもしれないし、まったく他人だった二人が愛し合うということかもしれない。
そこでは情愛というもので決して切れない確かで身近で永遠的な安定が手に入るわけです。

 一方で、
人間にとって絶対に確かなものは「独立の原則」だけです。
人間は一人で産まれて一人で死んでいく、それだけは確かな事です。
だからこそ人は一人で立ち、一人で自分の身体と精神の操作をし、やがて再び眠っていくことが正しい。
この為に自分の智徳を高める学問が必要だし、それを通した社会での仕事が必要です。


 何が本当に大切なもので、何が本当には大切じゃないものなのでしょうか。

僕に出来るのはとりあえずの目標に向けて成長していくこと。
その目標を結果から観察して、より適切なものに絶え間なく改革していくこと。
そしてまた成長を続ける。
完全な安定は「成長」自体に見出せると思います。
堕落にこそ不安定の源はあるのです。たえず修行し、養生し、向上しようと努めること。

84: yPyqc5MQ:04/07/06 12:37
 確かに僕は苦しんでいますが、それは自己矛盾との葛藤なわけです。

いわゆる自己同一性・自我同一性と云われるものを確立する間にある、青年としての発達課題ですね。
そこで「自分と言う者」を二度と揺るがないように確定する。
そして20代、30代、40代と全力疾走で駆け抜けることができるようになる。
だから、これは青春文学だと思います。
僕は思春期と呼ばれる段階は既にクリアしてしまったと思いますが
[まあ、性的なものは諸事情からほとんど経験しなかったわけですけれど]
その次にあるのがこのアイデンティティの確立という課題なのです。

ここで大事なのは、
自分自身の人生観とその為にするべきことを見出し、たった一人でも実行し続けられるようになる事だと思う。


 ところで話は少し反れますが、人間には第二の発達課題と呼ばれる地点があるようです。
10代後半から20代前半のそれに対して、『40代〜50代』の間にある過渡期です。
論語で不惑と呼ばれる年から、「天命を知る」までですね。
ここで本当のその人の生涯の価値が決定する。そのくらい大事な時期です。
 僕はある本で読んだのですが、人間にとっていちばん能力が発揮できる年齢は基本として40歳前後だそうです。
身体の面から言っても、諸能力から言っても、精神の面から言っても。
ですから、この時期に自分の人生の一番重要な力を結集させるのが大成功の秘訣なのです。
 このことの自覚は同時に、人生半ばの過渡期を生き生きと力強く乗り越える為に役立ちます。
この自覚にたち、今、僕は20歳前後の青春の過渡期を適切なように乗り越えるべきです。
いいかえると、
20歳の段階で世俗に完全に適応してしまうならば、40歳の過渡期の時に葛藤を乗り越える若さを失ってしまう。
こういうのが学歴エリートの弱点だと思う。
 僕は真の人間的エリートになる。

85: yPyqc5MQ:04/07/06 12:59
その為には既にある大衆風潮の毒に流されず、自分自身の生き方をいち早く決定し、迷いながらも
『自分の生き方[victory style』を貫く覚悟を決める事です。
キツイだろうけれど、長いスパンで観察すればむしろ大きな安楽を得る為ともいえるでしょう。

 僕が性経験を十代を通して重要視しなかったのは、皆が遊び呆けているその間に「芸術」を極めて、
将来的に安泰の中でもっともっと素晴らしい性的解放を味わう為だったと言えるでしょう。

 さて、僕のこの夏の当面の課題は
にちゃねるに何やらかんやらやっているこの試行錯誤の時間を可能な限り
科学的学問の為に捧げるよう自分を制御操作することです。
 今でも、こうしてにちゃんねるに何かを書いて、考えている時間以外はほぼすべて
学問の為に使っています。もちろん、健康維持の為の運動や、食事や生理、睡眠の時間はあるけれど。
それだけでは足りず一日のほとんどを学問の為に費やすべきだ、というわけです。

今は起きている間、
にちゃんねる等での思索50%、教養的学問30%、科学的学問10%、その他が10%
という所でしょうか。


大学に合格するためには科学的学問が必須ですから、
科学的学問70%、にちゃんねる等での思索10%、教養的学問10%、その他が10%
これが今年の夏の理想的生活構成状態です。
やる。


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