敵キャラユーリとヒッポのエロ小説大募集


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敵キャラユーリとヒッポのエロ小説大募集

1: :05/10/07 12:49 ID:nC6vLrqs
敵キャラユーリとヒッポのエロ小説大募集してます。

2: nanasiu:05/10/24 21:54 ID:g.4l.WEE
・・・・・・・

3: & KySTSpOo:05/10/26 01:08 ID:hG5DF.hg
>1はnanasiu氏がレスしたので

とりあえず

糸偏に冬



4: nanasiu:05/10/27 20:41 ID:pkwtsFfo
まま、どうしていつも僕をたたくの?
まま、どうしていつも僕をけるの?
まま、どうしたていつも僕のつめをむくの?
まま、どうしていつも僕の髪の毛をぬくの?
まま、どうしていつも僕の骨を折っちゃうの?
まま、僕のその足とその腕どうするの?僕、動けないよ?
まま、なんかもう痛み感じないよ?なんでかな?
まま、僕耳が聞こえないよ。まま、僕目が見えないよ。
昨日、まま僕を楽にしてくれたんだよね?
おかげで痛みが何もないよ。
でも、僕独りぼっちだ。ままの代わりが欲しい。
僕は、ままと同じやり方で人を楽にしてあげたいよ。
僕がやってあげたい人は、このメ−ルを見た時に
10人以上に回さない人をやってみることにしたよ。
楽しみだな。僕の写真をあげるけど、
回す前に見た人は許せないよ。だってままとの唯一の写真だもん。
http://www.freepe.com/ii.cgi?poohlove

怖いので貼ります・・・
本当にすいません・



5: 名無しさん@お腹いっぱい。:05/12/21 18:27 ID:/43Am95A
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=bbsteacupbbs

6: 名無しさん@お腹いっぱい。:06/01/30 09:53 ID:???
                   〃        ', ',
                 _,..-―'''''''''''''ー-..   ', !
               ,.. ''"  ,....--―--.._  `ヽ、!l
             //  /-‐'''''''''''ー-.. ヽ、  ',レ;=---=-、
               / / ..., ' .  ..  ....//',ヽ`、  `ヽ   `、ヽ     波音もキョーレツだったけど
            ' i.::;イ .::`ヽ、::;:-/'_,,,_ ', ヽ i   ',    ', l   あららちゃんのはもっと臭うぞ
                 l:/i .::::,.r‐<`/"´  `''i:. ', l   i    i,'
                 |' l::::/"/i;7   "テ'ヽ、l:: lノ:.:: .: l    〃
                  V,' ヾシ    (`li:´il./〃::__::, /  ‐'''"   ,............---..._
           ,.........=ュ..'......_7ー¬ ー`-‐' //~ //,へ__    / ,..-‐'`"ヽ、 `ヽ、
         ,...-<    二i'ヽ~|´ ,ノ    ',..-'/-='---'´|___/ /. _____ ..`、
    ,......-‐''''ヽ,  _i___  ,...='-ヽ.=ー'""''、-‐/`ー'`ー`ヽ .....,../---‐'   |____  \□ □
  /      'ーニ.....r‐/   ヽ、     `Y   `、ヽ___/              / /   _____
 く          /;;/ .._    ヽ、   `ヽ、 ヽ \__              / /   |_____|
  `ー----....................';;;',   `''ー-  `''ー    `ヽ、`ー--二二二二ニ==-- 、  / /
          くi、 ', Y`ー、   ,......_      /  '、          `、:::::::::`、 ̄
       ,.. ',..'<`ニ-〈 `7'''":::::`、`''    , '    lノ           ',::::::::::::',           (⌒ ⌒ヽ
     ,.. ',.. '   ',   ', ,'....::::::::::::: `、  /  l _,..'--‐―‐-- ...__    `ー-、:::',       (´⌒  ⌒  ⌒ヾ
   ,.. ',.. '      't-''"',.'、:::::::::|::      ,..-''"         `、`ヽ、    ヽ;;!      ('⌒ ; ⌒   ::⌒  )
,.. ',.. '           ',  ' ,`ヽノ  -....___/             `、;;;;`、          (´     )     ::: )
. '            ',   `i'"`|    , '               `、;;;;`≡≡≡≡≡三(´⌒;:    ::⌒`) :;  )
              ',   ,'  !、  , '                 ',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、    (⌒::   ::     ::⌒ )
                 `ー ..._,.. ''" `、,'                   i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',、   (    ゝ  ヾ 丶  ソ
                    /                        l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ',     ヽ  ヾ  ノノ  ノ

7: すみません:06/02/03 23:05 ID:2FkplTRs

このコメントをみたあなたは4日後に不幸がおとずれ44日後に死にます。それがイヤならコレをコピペして5ヶ所
にカキコしてください。私の友達はこれを信じず4日後に親が死に44日後に行方不明・・・・。いまだに手がかりもなく私はこのコピペを貼り付け
ました。すると7日後に彼氏ができ10日後に大嫌いなひとが事故で死にました。

8: 名無しさん@お腹いっぱい。:06/04/02 09:19 ID:BAvqEqGQ
すまんと思ってるんだったらのせるな
ここは、そうゆうスレじゃない!

9: 名無しさん@お腹いっぱい。:06/04/17 22:25 ID:YI6dK5NU
神は、まだ?

10: :06/05/02 11:45 ID:???
   _  _ _   _
  l[》'《|l   ヽl|
   i| lノノリノ)))〉 ブッブー
   )ノ!リ ^ヮ^ノl|
   ´(⊃⌒*⌒⊂) =3
     /_ノ ヽ_)
   _  _ _   _
  l[》'《|l   ヽl|
   i| lノノリノ)))〉 ピタッ
   )ノ!リ ^ヮ^ノl|
   ´(⊃⌒*⌒⊂)
     /_ノ ヽ_)
   _  _ _   _
  l[》'《|l   ヽl|
   i| lノノリノ)))〉 ポコッ
   )ノ!リ ^ヮ^ノl|
   ´(⊃⌒)*(⌒⊂)
      /_ノ ヽ_)
   _  _ _   _
  l[》'《|l   ヽl|
   i| lノノリノ)))〉  ブッブー ブゥッ! ブリブリブリ!!
   )ノ!リ ^ヮ^ノl|
   ´(⊃⌒)*(⌒⊂) =3
      /_ノ ヽ_) ・ ●、: .●

11: 名無しさん@お腹いっぱい。:06/05/03 06:32 ID:BAvqEqGQ
↑誰だよあんた!!

12: 名無しさん@お腹いっぱい。:06/05/07 07:41 ID:BAvqEqGQ
まじでココ人がいねーな・・・・。

13: 名無しさん@お腹いっぱい。:06/05/07 21:35 ID:YI6dK5NU
もう・・・・誰も来ないのかなぁ・・・・・。

14: 名無しさん@お腹いっぱい。:06/05/14 15:40 ID:exUhe/b2
きっと誰か来るよ・・・。


15: 名無しさん・・・:06/05/27 15:05 ID:bvetBF8I
はじめまして。ここは、「名無しさん@お腹いっぱい。」さん
しかいないんですか??私は、今日ちら〜っと来ただけで、
もう来ませんけど・・・だって、ここのHPあらしが多いし、
キモイし・・・


16: 名無しさん・・・:06/05/27 15:10 ID:bvetBF8I
あははは

17: <浜崎あ○み>幻のあの映像を入手しま:06/06/09 02:24 ID:???
突然のメール失礼します。
数年前ネット上に15分だけ流出したと言われる浜崎あ**のあの映像をついに入手しました。
2000円でお譲りします。当局対策のため本日限りとします。
連絡方法は下のURLから入り、(あゆっち2222)で登録してある会員にアクセスしてください。
詳しいダウンロード先、方法等をお伝えします。
また、アクセス数が1000を超えた時点で終了させていただきます。



http://vqlh.com/?jy103










配信停止希望の方は
s_for_sweetbaby@yahoo.co.uk


18: 名無しさん@お腹いっぱい。:08/06/15 23:21 ID:X.
ユーリ

19: 藍梅ひらる:09/04/18 19:15
俺の傑作、書いていいの?かな?

20: 藍梅ひらる:09/04/19 19:38
 疑問があるんで 訊きたいんだけど、
アニメ無印のほうで シェシェとミミが
太郎ちゃんを拉致しようと、コンサート会場を
襲った話 あったよね?
その話の序盤で、シェシェとミミはダークラヴァーズから
強引に訊き出し、太郎の存在を知ったという流れだった。
それを知っているのはユーリな訳で、どういう いきさつがあって
その情報を仕入れたのかが気になる。
 アニメでそういう場面は出されなかったので きっと視聴者に
見せられないような卑劣な光景があったとみているんだが、
どうだろ?
 小説を書く上で参考にしたいので、意見を聞かせて欲しいです。
 よろしくお願い致します。

21: 名無しさん@お腹いっぱい。:09/04/19 20:00
2ch見たらこっちのサイトのほうが詳しいって書いてたよ?

 http://dreamyjob.net/aab/
もうチェック済みだったらゴメンm(__)m


22: 名無しさん@お腹いっぱい。:09/04/20 00:27
ヽ( ^ω^)ノ サクセス!

23: 名無しさん@お腹いっぱい。:09/04/20 00:27
ヽ( ^ω^)ノ サクセス!

24: 名無しさん@お腹いっぱい。:09/04/20 12:51
                  ih  .   ヽ.:.:.:.:... :.\  \ .... \ `丶、  あたしの焼肉を食えー!
             U! .:.}:.ト、:.:.:.:.:.:込}_、:.:.:、:.ヽ:..  丶、:.:.:.:.:.:......  丶 __ _ _ _
              !.小:.トト=・= r ‐、 =・=ヽ:.:N^:.:.:.:.:.:.:.:.....`¨二ニ= "´   ...:.:......... ̄`丶、
             ハ{.:.:.Y「  i   i    }′い:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:......._,,.. -‐:.''" ̄ヽ`丶、:.ヽ:.:.:.:.:.:.:..\
                 ;  ヽ:.:.:i∵; ,|. : : 人; ∵;   ム:.:.:.:.\ー−:"´:.:.:.:.;イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ  \:.:\:.:.:.:.ヽ.',
                , {  :.`i `''"`ー- '   ー  r:ノ\:.:.:.:.丶:.:.__;;/厶--、:.:.:.:.:.:.:.',   ヽ:.:iヽ:.:.:. リ
            { ハ :.八   V⌒ヽ    / \ヽ:.`ー-====--=ミ、、\:.:.:.:.:.i    ',:l i:.:.:.j
              ヽヽ、 :.:_>‐くハ.__ノ,     j :!`ヽ辷_一:.:.:,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ヽ';.:.:.:.:|   ノ′|:.:.;′
             /´`>‐マ`Yヽ `¨´ /  ィ仍    ` <:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ:.:.:.:.l イ    ノ:.:{
              ,  レー、 :Vイ、:.`¬i"-- ‐'´i沙′       `丶.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;!|ヾー-=彳:.:ノ
            j /⌒ヽ:マ:/ `ヽ::ヽ`iー‐ '´             i:.:.:.:.:.:.:.:.:.〃リ   ノ:/
            / /"こ.丶.}':/    \\   j _,. '             |:.:.:|:.:.:.r' / `¨¨⌒´
          / h/VV`ー';′     } :.:ヽ /'´        i       !:.:.:!:.:.:{    , 、
         /  l/VV::::::::j y'       ノ :.:.:.:}          ! ,.、    !:.:.:.}、:.:〉‐- ′ \
        /  /ニ V::::: r' /  ヽー ´  .:,ノ /  r‐:、_    ヽ:{    ムy厶:'::.:     ..{_/ヽ
        /, イ/¨))ノ::::::ノ ,′   フ´.::..:/ / _r 、 `ー、 \  }:Vー'¨ブ::.::.::.:  .  .::.::.    j,,.. ._
     /'"´   /〃`フ~´ {    ,' {...:.:.i   { い、ヽ._  ):::::`ー1::{_彡'^^j::.: ..::.:   .:         }
    /     /.イ{ /       {八:.:.:.:、_,、,ヘ、\ヽ:__ ̄::::::::::::::::::!_,..ハ‐'::.::.::,             ;
   ,′    i' i |:.!        \、__,,>ーい::.::`ぃ.二ュ:::::::::::::::::::::ハ、_!::./               /
    |       |. |ヘ::l       `ヽ::::::\:::.:::.:〉、:/:`ー‐i::、:::::::::::::::://  `Y         ..........::.厂´

25: 藍梅ひらる:09/04/20 19:55 ID:XU
 >21さん、ご丁寧にありがとね〜。
最近、ネット始めたんでよく分からん。
ジャンプしたら変なとこ行ったヨ。
これが噂の圧縮・解凍ってやつか?
 >22 >23さん、ゴメン 意味分からん。

26: 藍梅ひらる:09/04/23 19:05 ID:2w
↑ 悪ぃ、嘘付いてた!最近じゃなくて、去年の7月から始めてる。
まだまだ分からないこと たくさんあるけど、そのうち分かってくるよな?
何か間違ったことしてたら、ご指導のほど ヨロシクお願いしたい!

27: 藍梅ひらる:09/04/24 18:48 ID:h.
どうにか明日にはUPできそうだ。ようやく 人に見せれるぐらいの仕上がりになってきた。
明日こそは序章だけでも、何が何でも入れるのだ。
こんなに長い文章、上手く入ってくれるかな? ちょいと不安…。

28: 藍梅ひらる:09/04/25 19:03 ID:K.
 ピッチピュアの時代に、マーメイドの捕獲作戦として シェシェとミミが、いつかは
ヒッポとユーリの恋を利用するだろう と思っていて、そこから出来上がったストーリーです。
週1の間隔で少しずつ入れていこうと思ってます。エロは少ないですが、残虐シーンが多く
なりそうです。批判があれば即 やめます。
評価が不安だよ〜。気が弱くてスマネ!  では、いきますね〜。

29: 藍梅ひらる:09/04/25 19:05
1       
 ここは、薄暗く 異様なほど静かな海底。そこで、ブラックビューティーシスターズの姉妹は次なるマーメイド打倒作戦に思案していた。
 ミミ「ねぇ、シスターシェシェ。使える水妖も だんだんと尽きてきたし、次は どうしよっか? いい加減 成果を上げないとミケル様に愛想つかれるかもね〜。」
 シェシェ「本当よね。どうしましょう。」
 考え込む2人。シスターミミの『水妖』という言葉に僅かだが いい作戦が閃きそうな予感がしたシェシェは 考えた末、ミミに こう切り出す。
 シェシェ「水妖ならいいのがいるわ。ねぇ、シスターミミ、以前 私達があのヒポカンポスと戦った時のことを覚えているかしら?」
 急に、以前の話を切り出され 少し戸惑うミミ。
 ミミ「う、うん。それって、前に 私達が元の姿に戻された時のことだよね。」 ミミは、思い出すようにして話す。
 シェシェ「ほら、その時 ちょっと驚かされたことがあったじゃない?」 シェシェは言いながら、自分の指をミミの喉元にあてがい 優しく撫ぜる。
 ミミ「そういえば そんなこともあったわねぇ〜。」 シェシェに愛撫され、脱力感と共に口調にも熱が篭り始めるミミ。
 シェシェはそんな妹が愛しくてしょうがないというように、ミミをみつめる。
 ミミ「うん、その作戦で行こ、シスターシェシェ。なんだかゾクゾクしちゃう。」 ミミは、これから起こそうとしている行動に 異様に興奮し 身悶えする。
 そんなミミに、シェシェは嬉しそうな表情をする。
 シェシェ「では、早速 行動に移りましょう。」
 ミミ「ええ。」
 そして、次の瞬間 二人の姿は瞬時に消えていた…。


30: 藍梅ひらる:09/04/25 19:09

 ブラックビューティーシスターズの二人は、異様に暗く 荒廃した地に降り立っていた。ここは海の底なのだが、現実世界とは異なる別次元であった。崩れかけた城とも見える建造物と 瓦礫の山が放置され、限りない寂しさが広がっている。シェシェとミミは、それに臆することなく崩壊した建物の中へ入っていく。二人は無言のまま突き進み、ある広間へと辿り着いた。そこは、何本もの 倒れた円柱の柱が目立ち、中央には以前は大浴場だったと見てとれる 円形の断裂した段差が目についた。
 二人がしばし そこで対峙していると、声と共に目の前に、ボウッとガイトの幻像が現れる。
 ガイト「おまえ達、何の用だ。」 不機嫌そうな言い方で、ガイトが訊ねる。
 シェシェ「お久しぶりです、ガイト様。どうしても相談したいことがございまして、こうして参上した次第でございます。」
 ガイト「ほう。おまえ達が新たな力に従えていることは すでに耳に入ってはいるが…。そして、マーメイドプリンセスを 未だ狙っていることも。」
 ミミ「へぇー、さすがガイト様。そんなところまで知ってるんだ〜。」 ミミが口を挟む。
 ガイト「私は、実体も無ければ力も失ったままだ。こんな私に何を頼むことがあるというのか。」
 シェシェ「はい、ガイト様。単刀直入に申しますと、あなた様の配下の一人 ユーリを貸して頂きたいのです。」
 シェシェがそこまで言うと、ガイトは考え込むように しばらく黙り込む。そして、
 ガイト「あいつは私のものではない。好きにしろ。」 そう言い放つと ガイトの幻像は突如 消えてしまった。
 そして、その直後 シェシェとミミの傍に一匹の小さな魚が出現し、泳ぎ回りだした。
 ミミ「意外とすんなりいったわね、シスターシェシェ。」
 シェシェ「そうね。」 シェシェはそう答えながら、ガイトがあの沈黙の時に何を考えていたのか気になっていた…。


31: 藍梅ひらる:09/04/25 19:11

 崩壊したガイト城から離れたブラックビューティーシスターズは、泡の中に包んだ一匹の魚を持参していた。閉じ込められた その魚は、じっとして 様子を見守っているようだった。
 シェシェ「シスターミミ、ここらで作戦の第一段階といきましょう。」
 ミミ「本当だよね〜。」 ミミが浮かれたような調子で言葉を返す。
 シェシェとミミは向き合うような配置につくと、手の平を翳し 泡に向けて黒のエネルギーを放出した。途端に中の魚の状態に変化が現れ、人の形に変貌していく。シェシェの顔が妖しく歪む。
 シェシェ「更にいくわよ、シスターミミ。」
 ミミ「ええ、シスターシェシェ。」
 二人が放つエネルギーの量が増した。その膨大な悪のエネルギーを浴び、その苦痛から辛そうな悲鳴が上がり始める。
 ──そして、しばらくして ようやく放出が止められた。シェシェとミミの目の前には、一匹の魚より蘇生したユーリの姿があった。しかし、彼女はうな垂れたまま微動だにしない。シェシェとミミは予定通りというように、妖しく微笑んだ。
 シェシェ「さぁ、シスターミミ、次の行動に移りましょう。」
 ミミ「うん。それにしても遅いわね。そろそろ来ても おかしくないはずなんだけど。」 辺りをきょろきょろしながら答える。
 シェシェ「あら、それなら もう とっくに来てるわよ。」 シェシェは そう言うと、目線を下に落とす。
 そこには、くねくねと蠢く 多数の触手を持った影が揺れていた。


32: 詩音:09/04/29 15:30 ID:uk
凄い続きが気になります!!
がんばってください^^

ヒポユリらばーですw

33: 藍梅ひらる:09/05/02 19:16 ID:yg
 一週間ぶりに来ました。どんな批判めいたこと書かれてるかと思うと怖いし。
でも、これを読んで下さってるかたがいて 喜んでもらえれば嬉しいです。
 続き、行くっす。

34: 藍梅ひらる:09/05/02 19:17

 ここは、パールピアリ。そこに住む一行は今、テレビのニュース番組を険しい表情で見入っていた。相次ぐ海難事故と題し、実際に起きた様々な事故を語っていた。海で溺れる者、波にさらわれる者、更には 何かに刺されたのか神経毒に冒された者までいた。
 るちあ「これって もしかして…」
 リナ「ああ、水妖の仕業に間違いないだろう。」 テレビを睨みつけながら言う。
 波音「今回は なかなか派手にやってくれるじゃない。」
 リナ「私たちを捕まえる いい方法があるんじゃないのか?」
 るちあ「ってことは、私たちをおびき出すために こんなことをしてるの?」
 波音「私達 マーメイドプリンセスを捕まえる為に、人間に危害を加えるなんて 絶対、許せないよ。」 悔しさを露わにして言う。
 るちあ「よ〜し、行ってみよっ。波音、リナ。」 立ち上がる るちあに、ヒッポがすかさず止めに入る。
 ヒッポ「るちあさん、敵の罠に のこのこ出かけて行って どうするんですか?」
 るちあ「って言ったって、どうしろって言うの?」
 その時、テレビを凝視していた にこらが口を挟む。
 にこら「事故が起こる直前に聞こえる、ピアノの旋律か…。」 にこらの言葉に、一同はまたテレビを見直す。実際に災難に遭った人のインタビューがされていて、その中での話しだった。
 るちあ「ピアノっていえば…ユーリ?復活したのかな。」
 波音「そんなわけないよ。だって もし そうだとしてもガイトとは和解してるわけだし、今時 ユーリが私達をおびき出そうとするなんて、有り得ないわよ。」
 リナ「ピアノを扱う 別の水妖か、もしくは 本当にユーリが復活しているとしたのなら、誰かが後ろで操っているのかもしれないな。」
 るちあ「ユーリを操る…って、一体 何の為に?」
 リナ「う…ん。」 リナは突如、黙り込んでしまった。これ以上は、あまり予想でものを言っても想像の域を出ないと思ったからだ。
 話しの中にユーリのことが出てきてからというもの 動揺が隠せないでいるヒッポであったが、どうにも我慢できなくなり 突然 皆にこう叫んだ。
 ヒッポ「皆さん、今から 私が行って、様子を見てきましょう。」 そして、すたすたと歩いて部屋から出て行こうとする。
 リナ「お、おい、待て ヒッポ!」 リナが叫ぶが、ヒッポはそのままドアを開けて出て行ってしまった。
 リナ「追うぞ!」 リナは慌てて立ち上がる。るちあと波音がそれに続く。
 リナが走りながら言った。
 リナ「ユーリが敵にいるとしたら、奴らの狙いは間違いなくヒッポだぞ。」


35: 藍梅ひらる:09/05/02 19:20

 るちあ達は、ヒッポを追って 海へと続く砂浜までやって来ていた。どこに消えたのか、ヒッポを完全に見失ってしまっていた。
 るちあ「もう、ヒッポったら どこ行っちゃったのよ〜。敵の罠に のこのこ出掛けるのってヒッポのことじゃないのよ〜。」
 リナ「ユーリのことを出す前に、しっかりとヒッポを抑えておくべきだったな。配慮が足りず、申し訳ない。」
 るちあ「リナのせいじゃないよ。」 謝るリナに慌てて 言葉を返す。
 波音「そうよ。勝手な行動をする、あいつが悪いのよ。」
 波音の言葉に、るちあは顔を曇らせる。そんな時、るちあは この海岸にいる顔見知りの3人グループに気が付いた。
 るちあ「あっ、海斗だ! 海斗〜。」 そう叫ぶが早いか、るちあはもう海斗のほうへダッシュしている。
 そんな るちあを、呆れた顔をしながらも ついていく後の二人。
 海斗たちのほうへ近付くにつれ、少し様子がおかしいことに気付く るちあ。何か緊迫したような雰囲気だったからだ。
 るちあ「海斗っ、どうしたの?」
 海斗「ああ、るちあか。」 海斗が振り向いて言う。
 るちあの目に、ケガを負ったケンゴの姿が飛び込んできた。ケンゴの左足はパンパンに膨れ上がり、辛そうな呻き声を漏らしている。
 リナ「クラゲか なんかに刺されたのか?」 後ろからやってきたリナが言う。
 ケンゴ「痛ぇよ。 なぁ、海斗。俺がこのまま死んじまっても、俺のこと 忘れないでいてくれるか?」
 海斗「ああ、もちろん。」 真顔で答える海斗。
 リナ「何でもいいから早く、病院で毒抜きをしてもらえ。」 
 るちあ「海斗は何とも無かったの?」 心配そうに尋ねる るちあ。
 海斗「ん? それがな、俺は刺されはしなかったけど、何かがおかしいんだよな。サーフィンしてても、波の動きが予測できない…っていうか、まったく理解できない動きしやがる。ダイチはそれで溺れかけるしな。」
 ダイチ「そうなんだよ。何かさ〜、誰かに足 引っ張られるような感じがして。でも、見ても誰もいないし…。もう、無我夢中でもがいてさ。…あの時、海斗が助けてくれなかったら、俺 今頃、どうなってたか分からない…。」
 るちあ「ねぇ、その時、ピアノの音を聞かなかった?」 海斗に問いかける。
 海斗「?…ピアノ? 聞いてないな。ダイチ、ケンゴ おまえ達はどうだ?」
 ダイチ「聞いてないなー。」 ケンゴも首を振っている。
 海斗「それがどうかしたのか?」
 るちあ「あ、んーん、別に気にしないで。」 首を横に振って、慌てたように 何でもないといった仕草をする。
 そんな るちあに、少し不振を抱いた海斗であったが、軽く 受け流したようであった。
 ───その後、到着した救急車に乗せられて ケンゴは去って行った。ケンゴの見舞いに行くという海斗達と別れた、るちあ・波音・リナは海中の捜査に乗り出すことに決めたのであった。


36: 藍梅ひらる:09/05/09 18:33 ID:0U
 辛いな、ヒッポの想いの文章化…。もう、これでいいや。
とりあえず続きいく。

37: 藍梅ひらる:09/05/09 18:35
  6
 ヒッポの心の中では、ユーリに対する様々な想いが交錯していた。ユーリが人間に危害を加えるなんて、今では あり得ないことだ。それに、もし 復活しているのなら、第一に自分に接触しようとしてくるはずだ と信じている。こういった考えから、ユーリが存在しているはずがない と自分に言いきかせるのだが、心の奥底では実際にいて欲しい と願ってしまい、それを打ち消すことができないでいた。とにかく 今は、いるか いないかも分からない ユーリの存在と、相次ぐ海の事故がユーリと どのように関わっているのか 知りたい気持ちでいっぱいだった…。
 どこに向かうとも決めず、ヒッポはただ あてもなく海中を泳ぎ回っていた。ヒッポは、人間の姿にチェンジしていた。この姿のほうが ユーリが実際に存在しているのなら、向こうから気付いてくれる可能性もあると思ったからだ。でも それは敵に見つかるというリスクも兼ね備えている。しかしヒッポは、ユーリに会いたいという気持ちのほうがはるかに上回っていたため、危険も顧れず 不用心な行動になってしまっていた。
 様々な場所を巡るヒッポは、ある所で 不意に立ち止まり 神経を集中させる。ピアノの旋律が聞こえ始めたのだ。それが、ユーリが弾いているのかは分からない。それを確認するため ヒッポは、どちらの方向から聞こえてくるのか判断すると、そちらに向けて一直線に進み始めた。
 巨大な岩場の上に、グランドピアノが置かれている。しかし、その主は どこにも見当たらない。いや、先ほどまでは いたのだが ヒッポが近付くにつれ、音が止み そして、姿も忽然と消えてしまっていた。ヒッポは、そこに置かれているピアノを眺める。そして やや混乱していた。このピアノを見る限り、実際にユーリがいるような暗示を受ける。しかし、何故いなくなってしまったのだろうか。それが疑問だった。もしかすると、水妖の罠に嵌められようとしているのか、ヒッポがそう思い立った時、ヒッポが今いる少し離れた場所で、何か揺らめく影が視界に映った。
 ヒッポ「あ、あれはユーリさん!?」
 はっきりと断言できないが、その揺らめきながら去って行く人影はユーリに酷似していた。ヒッポは意を決して、その影を追い掛けることにした。追いつ、追いつかれず その影は海中を移動する。影に向かって何度も呼び掛けるのだが、聞こえていないのか 全く 止まってくれる様子を見せない。水妖の罠かもしれないと思ったが、例え1%の可能性でも ユーリであることを信じたかった。そして その影は正体を明かさぬまま、岩場に空いていた 洞窟内へ消えてしまった。ヒッポは一旦、洞窟前で立ち止まる。洞窟内を覗き込んでみるが、暗いのと 内部の道が僅かにカーブしているようで、どこまで続いているのか分からない。ヒッポは、少し ためらった後、覚悟を決めて 洞窟内に入って行った。
 少し進んだ所で、ヒッポは はっ と息を呑んで 立ち止まる。洞窟の奥から、すすり泣く声が聞こえてきたからだ。それがユーリなのかは分からない。誰が泣いているのか、何が悲しいのか、ヒッポは それを知るために その泣く声のするほうに向かって行った。
 洞窟内のかなり開けた場所に出た。この洞窟は ここで行き止まりとなっており、コケで覆われた岩壁が一面に立ち塞がっている。しかし、そこには誰の姿も見つけられなかった。しかも、すすり泣く声も いつの間にか消えている。ここまでの道のりは、途中で 枝分かれした道なんて無かったはずだ。にも関わらず 誰もいないことを思案していると、不意に後ろから 声を掛けられた。
 シェシェ「ようこそ、ヒポカンポス。」
 びっくりして、振り返るヒッポ。そこには、妖しく微笑みながら立っているブラックビューティーシスターズの姿があった。


38: 藍梅ひらる:09/05/16 18:49 ID:fg
 スレタイがエロ小説ってことは、エロいのを入れないと 板違いになるのか?
こんなに長いストーリーを作成せずに、エロいシーンだけ と〜こ〜したほ〜が
良かったのか?でも乗り掛かった船だ!最後まで こんな調子でいくか!!
 ところで、ヒポユリ のエロは どこまでを望むのか?
 1.非 2.微 3.激 4.極
 該当するものに○をつけなさい。
 …続きいく…。

39: 藍梅ひらる:09/05/16 18:50
  7
 ヒッポ「お前たちは、い 、いったい私に何の用だ。」 怯える気持ちに負けまいと 強気に言おうとするのだが、舌がもつれる。
 シェシェ「あら、無愛想ね。私達、あなたと その姿で接するのは、初めてだというのに。」
 ミミ「本当だよね〜。」
 ヒッポ「よ、よくも私を騙したな。」 怒りを露わにして言う。
 シェシェ「騙すって、何のことかしら?」
 ミミ「ただ単に あんたが、誰かさんと勘違いして ついて行っただけでしょう?」
 ヒッポは怒りがピークに達した。それは、今までの自分の愚かな行動に対する悔しさでもあった。
 ヒッポ「 うお〜〜!」 ヒッポは、タツノオトシゴが型取られているカギを取り出すと、雄叫びを上げ 変身を開始した。
 ブラックビューティーシスターズは、そんなヒッポの行動に余裕の笑みだ。ただ、シェシェが何かに向けて 合図を送る仕草をしただけだ。と、その途端、ヒッポの身体は 何かに巻き付かれ、手足を拘束されてしまった。変身も止まってしまい、人間の姿のままであった。
 ヒッポ「……こ、これは。一体、何が。」 ヒッポは、何が伸びて来ているのか確かめようと 首を無理に後ろに向ける。ピンク色の触手めいたものが、背後の壁の中から伸びているのが見えた。そして、その次にヒッポが見たものは……。壁の中より出現した異様な姿をした水妖だった。全身が鮮やかな色とりどりのヒダに覆われ、とても派手な姿をしている。ヒダの合間から、色白の顔が見えており、それを見ると 女だということが分かる。そして 足は多数の触手になっており、その中の 一本だけが先端に何かをかぶせたような硬く鋭い形状をしていることが、特に目を引いた。      
 ヒッポ「放せ!」 必死にもがく。
 シェシェ「あら、せっかくの美形なのに、もう あんなグロテスクな生き物になろうとするなんて。」
 ミミ「本当だよね〜。イソギンチャン、そいつをしっかり押さえとくんだよ。」 そのカラフルな水妖の名らしい。
 イソギンチャン「あいあい、分かってますって〜。」 口調がやけに陽気だった。
 ミミ「ねぇ、シスターシェシェ。今は とりあえず 変身は防いだけど こいつ、いつまたヒポカンポスになろうとするか分かんないよ。」
 シェシェ「そうねぇ。私達も、こっちの姿のほうが扱いやすいですし、もしヒポカンポスになれたとしても 私達からは逃げられないことは言うまでもありませんが。でも、万が一ってこともありますからねぇ。」
 シェシェはミミに何か耳打ちする。それを聞いたミミは、とても嬉しそうな表情をする。
 ミミ「それって、すごく大胆♪」
 ──その後、この今いる洞窟内に変化が見られ始めた。海水が洞窟の外へ流れて行くのだ。しばらくして 今いる空間は、海の中なのに水が無いという奇妙な場所と化していた…。
 シェシェ「水の中じゃなければ、変身は無理でしょう?」
 ヒッポは二人の妖しい微笑みを見て、一瞬 身震いした。


40: 藍梅ひらる:09/05/16 18:52
  8
 ヒッポは悔しさよりも、だんだんと悲しさのほうが増えてきてしまっていた。こんなに簡単に騙され、そして あっけなく捕まり 自分の愚かさを責め立てるが、もう どうにもならない。
 ヒッポ「一体、私を捕らえて 何を企んでるんだ!」 自分の弱い心を読み取られまいと、強い口調で言う。
 ミミ「ヘ〜、まだ自分が捕らえられた理由が分かって無いんだ〜。」 可笑しそうにしている。
 シェシェ「まぁ、どこまで間抜けなのかしら。あなたを囮に、マーメイドプリンセスを捕まえるってことに決まってるじゃない。」
 ミミ「本当だよね〜。それにしても、こんなに簡単に捕まってくれるなんて予想外だったよね。」
 シェシェ「本当に。まだ、第二・第三の作戦も考えてありましたのに。」
 イソギンチャン「このアタシの すすり泣く演技が素晴らしかったから、こんなに上手くいったんですよ〜。おぉ、しくしくってね!」 この水妖のすすり泣きの演技が始まった。
 ヒッポはそのすすり泣く声を聞くと、また 悔しさが蘇った。
 ミミ「はいはい、もう分かったから。」 ミミがその すすり泣きを止めさせる。
 シェシェ「ねぇ、シスターミミ。この水妖、大丈夫なの?」 小声で囁く。ミミも困り顔だ。
 ミミ「それにしても こんなに簡単にいくんだったら、あの子 いらなかったんじゃないの?」
 シェシェ「私は そうは思わないわよ。実際の存在感を作りだすためには、あの子の存在は必要だった。」
 ミミ「ふ〜ん。」
 ヒッポは そういった会話を心無しに聞いていた。会話の内容は もう どうでもいい。怒りの感情のまま、わめき散らすだけだった。
 ヒッポ「お前たち、絶対に許さないぞ。私の気持ちを利用するなんて。それに、こんなことをしてもマーメイドプリンセス様たちは絶対に捕まえられない!」
 ミミ「そんなこと、やってみなきゃ 分かんないでしょ。」 余裕そうに答える。
 シェシェ「それなら、実際にユーリに会うことが出来たのなら 許してくれるのかしら?」
 ヒッポ「え?」 ヒッポはシェシェの言葉を、一瞬 聞き違えたかと思った。


41: 藍梅ひらる:09/05/23 19:03 ID:2w
なんかもう、ユーリさんの性格があやふやになってるよ〜。
こんなんだったかなぁ〜。
ずっと会ってないと、ヒッポのごとく心の中で(ユーリの性格が)美化していきます。
 …と、言い逃れの言葉で前置きしておいた。大丈夫、間違ってない?

42: 藍梅ひらる:09/05/23 19:10
  9
 ヒッポ「ユ、ユーリ? じょ、冗談はよして下さい。そうですとも、もう 絶対にお前たちには騙されない!」
 シェシェ「あら、ユーリは いないと思っているのね?」
 ミミ「ねぇ、シスターシェシェ。二人を会わせてみようよ。何か面白いことになりそう。」
 シェシェ「そうね、シスターミミ。」 答えながら、ミミの喉元を撫ぜる。やがて二人は、ヒッポのほうに向き直る。
 ミミ「まぁ、あの子は じきに帰ってくるでしょう。でも、あんたのことなんて もう忘れちゃったんじゃないの〜。」
 ヒッポは それに受け答えしない。真意の程が まるで分からないし、これ以上話しても 意味を成さないと思ったからだ。
 しばらく こんな調子で対峙していると、洞窟の入り口方向から 顔を覗かせた者がいた。
 ユーリ「やっほ〜。」 突然のユーリの出現に、ヒッポはおもわず面食らう。
 ユーリ「な〜んだ、もう 捕まえちゃったの? せっかく、次の作戦も期待してましたのに。あ〜、でも 人間をからかうのって、とても楽しかったですわ。」 本当に楽しそうに笑っている。
 ヒッポは、そんなユーリを見て 困惑していた。表情を見ても、ヒッポの知っている 穏やかさがまるで無く、以前 敵対していた時のような 悪意に満ちた面持ちがある。性格も おしとやかさを備えた感じがあったのに、今のユーリは喋り方からして大胆だった。そして、以前から 無邪気っぽいところがあり、そんなところの可愛さを感じていたのだが、今 目の前にいるユーリは、そんな無邪気っぽさが 性悪の印象にしか感じることができなかった。
 ヒッポ「ど、どうしちゃったんですか、ユーリさん? あなたはこんな悪いことをするような人じゃない。」 気持ちを抑えきれずに、言葉が口をついて出てしまう。ヒッポの言葉にユーリが一瞬 止まる。
 ユーリ「?? …えっと、ユーリと会うの 今が初めてなのに、いきなり 『 さん 』 付けだなんて、何だか親しい仲に思われてしまいますわ。」
 ヒッポ「……。」 ユーリの言葉が理解できなかった。目の前にいるのは、ユーリではなく 別人なのであろうか。そんな感覚に捕らわれてしまう。そして先ほどのシスターミミの言葉が思い起こされる。『 あんたのことなんて、忘れちゃったんじゃないの〜 』 まさに、そのとおりになっていることに違和感を感じたヒッポは、ようやく訳が分かりかけてきた。
 ヒッポ「お前たちの仕業だな!」 ブラックビューティーシスターズを睨みつける。
 シェシェ「 さあね。」 明らかにとぼけている ことが分かる。
 ヒッポ「ユーリさんを元に戻せ!」
 ミミ「うるさいわね〜。元に戻せって言っても、ある意味 元に戻ってるのよね〜。」
 シェシェ「そうね。元に戻ってるっていうか、これは、ある一種の記憶喪失みたいなものなの。どこまで消えたか分からないけれど、おまえとの邪魔な記憶は とりあえず消すことができたみたいね。」


43: 藍梅ひらる:09/05/23 19:12
 ヒッポ「な、なんだって!」 それを聞いてヒッポは愕然とした。ユーリと過ごした時間、お互いを想う気持ち、そして 育んできた愛。そのすべてがユーリから消えていると思うと、虚しさだけがヒッポの心を支配した。
 ミミ「記憶を消したのはいいんだけど、何か あの子、私たちの知らない性格が出てきてるんだけど。」 シェシェに聞こえるぐらいの小さな声で話す。シェシェも、それについては感じていることだった。以前のユーリの、しおらしさ みたいなものが まるで無い。行動を見ても 開放的で、強引さと勝手さが多少 目に付く。扱いに、やや手を焼く という感じだった。
 ユーリ「もう!皆、何をごちゃごちゃと話してますの? ユーリには、さっぱり意味が分からないんですけど。ねぇ、それよりも あなた。お名前は何て おっしゃるの?」 ヒッポに向かって言う。
 ヒッポ「 ヒ、ヒッポ。」 力無く、ただ答える。
 ユーリ「ふ〜ん、ヒッポさんね。でも何か、すごく かっこいい方ですわね〜。海の世界にも こんな方、まだ いましたのね。ま、ガイト様よりは劣りますけど。」 顔を覗き込んでくるので、ヒッポは 泣き顔を見られてしまった。
 ユーリ「あら? 泣いてますの? きっと怖いんですのね。でも、大丈夫。あの方たちはマーメイドプリンセスを捕まえたいだけ なんだから、目的を遂行できれば あなたは解放してくれると思いますわ。だから、それまで大人しくしてることね。」 ほとんど、悪役っぽい脅しだった。
 ヒッポ「お願いです、ユーリさん! 思い出して下さい! 私たち、あんなに愛し合った仲じゃないですか?」 必死にユーリに訴える。
 ユーリ「きゃははは! 何を寝ぼけたこと 言ってますの? 敵同志、そんなことあるわけないじゃない。」 まるで相手にしてくれない。それどころか、馬鹿にされたように嘲笑され ヒッポの心は傷付くばかりだ。
 ユーリ「さ〜て、そろそろ マーメイドプリンセスをおびき寄せる作戦に入りましょうか。」 そう言いながら、ヒッポの側から 離れていく。
 ブラックビューティーシスターズは、そんな ヒッポとユーリの やりとりを楽しそうに見入っていた。


44: 藍梅ひらる:09/05/23 19:13
Aシェシェ「愛する者からも見放され、なんて惨め なのかしら?」
 ミミ「本当だよね〜。ねぇ、シェシェ、 もう次の段階に行っちゃう? 役割分担とか決めちゃおっか?」 
 シェシェ「そうね…」 次の言葉を言いかけて、制止する。ヒッポから離れたユーリが そのまま洞窟の出口へ向けて、歩を進めているのを見たからだった。
 シェシェ「ちょっと、ユーリ。どこ行く気?」 シェシェの言葉にユーリが振り返る。 
 ユーリ「え? どこって、ユーリの役目は終わったんだから もう好きにしていいでしょ?」
 シェシェ「何ですって? まだ あなたには、やってもらいたいことがあるのよ。」
 ユーリ「だって、これ以上は ユーリにとって、何のメリットも無いんですもの。」 そして、再び歩き出す。
 シェシェ「待ちなさい、ユーリ。誰が、あなたを復活させたと思ってるの? 私達の命令は きいてもらうわよ。」
 ユーリ「だから ユーリは、あの男を捕まえるため手を貸した。それで おあいこ ですわ!」
 シェシェ「生意気ね…。ま、いいわ。あなたなんて、さっさと何処かへ 行っちゃいなさい!」 手を振って、追い払う仕草をする。
 ユーリ「言われなくても そのつもりですわ。せっかく 力を手に入れたんだから、これでガイト様を復活させて〜、それで思いっきり ユーリを褒めてもらっちゃお。」 そんな想像をして、一人で喜んでいる。
 そんなユーリの思惑を聞いたシェシェは、表情が一変する。
 シェシェ「何ですって? やはり あなたを、外へ出す訳には いかないようね。」 そう言うとシェシェは、手で軽くアクションをとる。
 その直後、洞窟の出入り口方向より出現した一筋の鉄砲水がユーリを襲う。ユーリは軽く悲鳴を上げると、飛ばされ そのまま洞窟内に舞い戻された。
 ユーリ「何をするの!」 身体を起こしながら、シェシェをおもいきり睨みつける。A
 シェシェ「ガイトを復活させるなんて、許さないわよ。私達は今、もっと偉大な方に仕えているの。もし、ガイトと敵対することにでもなったら厄介なのよ。」
 ミミ「ここで、始末しちゃう? シスターシェシェ?」
 シェシェ「そうする他、無いですわね。まぁ、元のお魚に戻すってことも 出来ますけど、それは面倒だから 一気に消滅させてあげるわ。」
 ミミ「うん。あんたがもっと素直に 私達の言うことをきいてれば、こんなことには ならなかったのにね〜。」
 二人は凶悪な笑みを浮かべながら、手の中で 暗黒のエネルギーを増幅しだす。
 ヒッポ「逃げて下さい、ユーリさん!」 悲痛に満ちた声で叫ぶ。しかし、ユーリは そんな声など聞こえていない とでもいうように、ブラックビューティーシスターズのほうを見据えたまま 微動だにしない。
 シェシェ「さぁ、ユーリ、謝れば 許してあげないこともないわよ。それとも、もう 死の覚悟が できているのかしら?」
 ユーリ「誰が、あんたたち なんかに謝るもんですか。」
 ミミ「あら、最後まで強情ねー。」
 シェシェ「まぁ、いいわ。どうせ、謝っても 私達の気持ちは変わらなかったんだから。」
 シェシェとミミは、一際 凶悪な表情になると、濃縮されたエネルギー弾を打ち飛ばした。
 迫る、黒の波動にユーリの目が赤く光る。進行方向を曲げようとするのだが、どうやら相手のパワーのほうが上らしい。ユーリは この今の現況がどうすることもできないことを ようやく悟った。


45: 藍梅ひらる:09/05/30 18:32 ID:Yw
 あ〜、疲れた…。
 エロ無し、正統派の小説でいくわ!エロいのはまた状況を見ながら入れてく。
 18禁っていうけどさ、どうしてこんなに規制が甘いのか。手の届く範囲に、
有りふれてるし。自主規制なんてできんのか? …と思ったけど、規制を厳しく
しすぎても よくねぇよな。そう思うと、自己判断要素も必要か。
 …ということはだよ。書き込む奴が、その辺を考えないといけないってことだ
よな。難しい問題だ…。もう少し考えてみるぜ。

46: 藍梅ひらる:09/05/30 18:36
  10
 ブラックビューティーシスターズによって ユーリが抹消されそうになっている状況に、ヒッポは じっと していることが出来なかった。この触手をなんとか解いて、ユーリを助けに行きたい。ユーリが消されるなんて、絶対に耐えられなかった。
 イソギンチャン「ほらほら〜、暴れないの〜。」 がむしゃらに動くヒッポを、必死に押さえつける。
 ヒッポ「だって、ユーリさんが、ユーリさんが…。」 右腕だけでも 何とか抜こうと、もがき続ける。
 イソギンチャン「こらこら〜。」 右腕を抜かせまいと、そちらに集中する。しかし、その時 隙ができた。
 右腕が固定されると、今度は全身を使って暴れ始めるヒッポ。注意がおろそかになっていた左腕が タイミング良く抜かれる。しかも 悪いことに、勢い余った左腕の動きが イソギンチャンにぶち当たった。
 イソギンチャン「うげー。」 巻きついていた触手が緩む。すかさず、ヒッポは それらの束縛から脱出すると、ユーリのほうを見る。ブラックビューティーシスターズから、暗黒エネルギーが放たれたところであった。ヒッポは もう無我夢中で、ただ ユーリを守るためだけの必死な行動となっていた……。


47: 藍梅ひらる:09/05/30 18:37
 ヒッポはユーリを抱き 地面に転がっていた。どうやら、迫り来る 破滅の弾をかろうじて避けることが出来たらしい。しかし 安堵する間も無く、すぐに次の悲劇が襲い来る。標的を失った 迫る凶器は そのまま真っ直ぐ突き進み、絶壁に衝突し 壁を崩壊させる。崩れゆく岩盤と共に落石が生じると、ヒッポとユーリの頭上に降り注いだ。ヒッポは咄嗟な判断で ユーリを護るために、膝立ちでユーリの上の位置となる。その崩壊は壮絶で、しばらくすると 二人は完全に 岩に埋め尽くされてしまっていた。
 ───ここは崩れた岩盤の下。ユーリは静かに目を開ける。あれだけの落石の中、身体の痛みは特に感じなかった。ただ、多少 窮屈で身動きが取りにくいだけだった。ふと 上を見やると、(確か ヒッポと名乗った)少年の顔が見えた。彼の背中には大きな翼が広がっており、それで落石から 身を護ったらしかった。どうして そこまでしてまでも自分を護ってくれるのか 訳が分からずに思案していると、その少年の目が静かに開く。それでも、相手の出方を覗うように見続けていると、少しの間を開けて 少年の目が自分の存在を捕らえた。 
 ヒッポ「良かった。あなたが無事で。」 そう言うと同時に、とても嬉しそうな顔をする。
 そして、広がった翼も小さくなっていく。上手く 岩同志で支え合い、とりあえずは 崩れることはなさそうだった。ユーリは その満面の笑顔を見ると、ますます訳が分からなくなる。
 ユーリ「助けてくれたことは感謝しますけど、礼は言いませんわよ。ただの愚か者が、勝手にユーリを助けたぐらいとしか思っていませんわ。」
 ヒッポ「私はそれでも、構いません。」 そう言った直後から、急にヒッポの目に涙が溜まり始め、溢れた涙がこぼれ落ちる。
 ユーリ「どうしたんですの、急に…」 ヒッポのその行為に、やや戸惑う。
 ヒッポ「ユーリさん、本当に 私のことは忘れてしまったのですか?」 泣くのを こらえるような感じの喋り方だった。
 ユーリ「忘れるもなにも、ユーリは水妖、あなたは マーメイドプリンセスの仲間。常識的に考えて、そんな親しい仲に なれる訳がないでしょう? あなたの その話、どこか根本的に おかしいですわ。」
 ヒッポ「そんな関係でも、私達は愛し合っていました。どうか、思い出して下さい!」
 ユーリ「馬鹿じゃないの? そんなこと、あり得ませんわ。 あ〜、もう、あなたと喋ってても 埒が明かないですわね。あなたの方こそ 何か、でたらめな現実でも植え付けられたんじゃありませんの?」 そこで、さも 可笑しそうに笑う。
 ヒッポ「そんな…」 愕然とした感じで呟くと、とても悔しそうな顔をする。それは、自分の思い通りとならない現実に突き当たったといった感じで、そんな顔を見た瞬間、ユーリは 何か以前にも こんな表情をいくつも見てきたような感覚に陥った。
 しかし、そう感じたのも 束の間、そんな感覚は すぐに消えてしまう。「何、今の?」 ユーリは心の中で自問する。
 ヒッポ「分かりました、ユーリさん…。もう、あなたの記憶から 私が蘇ることなんて無いんですね。それだったら それでいいです。けれど、私の中に ユーリさんとの記憶がある以上、あなたには 絶対に生きていて欲しい。ユーリさんなら、ここから たやすく出られるでしょう。私は どうなっても構わない。だから、一人で あいつらから上手く逃げて下さい。」
 ユーリ「そんなこと、分かってますわ。」
 ヒッポ「お別れですね。ユーリさん…。」 そう言うと、にこやかな表情をする。それは無理にでも、繕おうとした笑顔だった。
 ユーリ「………。」 そんな表情を見た時、心が一瞬 揺れ動いた。(え? この感覚は何?) 先程、感じた感情とは 明らかに別のものだった。暖かく 心地よくて、もっと味わっていたい感覚。ガイトを想う気持ちとは また違った別の感覚。初めての感情のはずなのに、それはどこか懐かしい感じがした。そして そんな感覚も、またすぐに消えていく。その感覚を引き戻したいと思ったのに、何故か 遠くの闇に吸い込まれるような感じになり そして、消えてしまった。この想いが 何なのか、以前 どこで味わったのか知りたくて、もう一度 そんな感覚を呼び起こそうと ヒッポの顔を見る。
 ユーリ「え?」 ヒッポの顔を見た瞬間、今度は脳裏に一瞬だけ ヒッポの姿が浮かび上がる。それは、明らかに以前 どこかで出会ったことがあるような感覚だった。しかし、何も思い出せない。今までに一瞬、感じては消えていった感情を合わせると何故か、とても大切なものを忘れてしまったような感覚に陥った。頭の中の うやむやを掻き分けて、目の前の少年の記憶を手繰り寄せようとする。しかし、その時 激しい頭痛が襲う。この頭痛も、どこかで味わったことのあるような感覚に捉われていた…。


48: 藍梅ひらる:09/06/06 17:53 ID:c6
 定番ストーリーで申し訳ない。
 しかも、こんなに長くなるストーリーだとは
思わなかった!こんなに文面ばっかの書き込み
誰か、読んでくれる人いるのかな〜。
 また、続きできた。

49: 藍梅ひらる:09/06/06 17:55
  11
 ヒッポ「どうしたんですか? ユーリさん。」 突然、頭を抱え 苦しそうに呻くユーリを目にして、咄嗟に声を掛ける。
 ユーリ「あなたは 一体、誰? 思い出せない!」 
 苦しむユーリを見て、少しでも苦しみから 和らげようと、ヒッポは 思い切った決断をする。
 ヒッポ「ユーリさん、どうか 思い出して下さい!」 祈るように言うと ヒッポは、ユーリの上に覆いかぶさり、そして優しく キスをする。ユーリは一瞬、驚いたように抵抗をみせたが、それは最初だけで その後は大人しく、されるがままになっている。
 ヒッポは我に返る。どんな事情が あろうとも、口づけは やばかったと感じ、急に その行いが恥ずかしくなり、急いで ユーリから離れる。
 ヒッポ「す、すみません。つい…。」 どんな仕返しが来るかと覚悟を決め、そして恐る恐る ユーリの顔を覗う。ユーリは頬を僅かに赤く染めており、それに 先程まで感じていた邪険そうな表情も、すっかり消えていた。
 ヒッポ「ユーリさん……?」 今が どういった気持ちなのか、確認するように呼び掛けてみる。
 ユーリの表情が だんだんと喜びが伴った笑顔へと変化していく。
 ユーリ「分かりますわ。ヒッポさんのこと。ヒッポさんのおかげで、ユーリの記憶が甦りました。」
 ヒッポ「い、いえ、私は…。」 先程の行為を思い出し、照れ隠しで視線を逸らす。ユーリも それを感じたのか、二人して照れてしまっていた。
 ユーリ「ごめんなさい、ヒッポさん。ブラックビューティーシスターズの術に掛かったとはいえ、一番 大切なヒッポさんのことを忘れてしまうなんて…。」
 ヒッポ「いいんですよ。ユーリさんの記憶の中に、私の記憶が少しでも 忘れずに残っていたから、思い出すことができたんです。」 そこで二人は笑顔となり、再会を喜び合った。
 ユーリ「では、ヒッポさん、ここから脱出しましょうか。」 再会の嬉しさの余韻が冷めた頃、ユーリが話し掛ける。
 ヒッポ「でも、ブラックビューティーシスターズが まだ います。 あいつらをどうにか しないと どうにもならない。」
 ユーリ「でも、いつまでも ここにいても、どうにもならないですわ。」
 ヒッポ「それは そうですけど…。」
 ユーリ「大丈夫。きっと、上手くいきますわ。」
 ヒッポの心配をよそに、ユーリは余裕そうだった。ユーリは気を集中させると、手中にエネルギー弾を生み出す。そして、それを埋め尽くされた岩塊に向けて、掛け声とともに打ち出した。ヒッポの後ろに 覆いつくされていた岩が吹き飛ぶ。
 ユーリ「さぁ、ヒッポさん、出ますわよ。」
 そんなユーリの豪快な行動を見て、ただ唖然とするヒッポであった…。


50: 藍梅ひらる:09/06/06 17:56
大切な人質が 崩れた岩の下敷きとなり、一時は呆然となっていたブラックビューティーシスターズだったが、今度はそれの責任争いで揉めていた。
 シェシェ「どうして こんなことになったのでしょう。」
 ミミ「本当だよね〜。…でも 元はといえば、イソギンチャンが あの男をしっかり押さえとかないから いけないんだよ。」
 イソギンチャン「なんだって! 全部、私が悪いってゆーの? だいたい、あんた達が壁を壊したから こんなことになったって いうのにさ!」
 シェシェ「何? ちょっと あなた、私達に立てつく気?」
 ミミ「あの男を逃がしておきながら、随分と態度が でかいじゃない!」 二人は怒りに満ちた表情で、イソギンチャンに責め寄る。
 イソギンチャン「あ、いえ。何でもないです…。」 二人の勢いに気迫され、一気に体を萎縮させる。
 シェシェ「あんたの その二面性格、どこかで見たことあるわね。」 呆れた感じで言う。
 ミミ「本当だよね〜。前に、ダークラヴァーズを名乗ってた中にも そんな奴、いたっけ。」
 こんな調子で やり取りしている中、突如 岩が粉砕する音と共に、その下から二人が現れる。
 ミミ「あれ? な〜んだ。生きてるじゃない。」
 シェシェ「これで まだ、私達の計画を続行できるって訳ね。」
 イソギンチャン「何は ともあれ 良かったですと〜。」 また 訳の分からない言葉遣いをしている。
 シェシェ「さぁ、ユーリ、これも何かの縁ですわね。さっきのことは、すべて水に流して、どう? 私達の下で働くと いうのなら、生かしてあげてても いいですわよ。」
 ミミ「助けてあげるって 言ってんだから、早く その男を連れて こっちに来なさいよ。」
 ユーリ「お生憎さま。このお方は、ユーリにとって 大切な方ですから、その申し出は却下させて頂きますわ。」 この言葉に、二人は 少し驚いた表情をする。
 ミミ「あ、あれ? あの子の記憶、戻ってる? 落石のショックで戻ったのかな?」
 シェシェ「そんなことで、私達の あの術は 解けないはずよ。」
 ヒッポ「ブラックビューティーシスターズ! 私達の愛の力の前には、どんな術も効かないことを知りなさい!」
 シェシェ「あら、生意気 言ってくれるじゃない?」
 ミミ「愛の力だって。何それ? よく そんな恥ずかしい台詞が吐けるわね〜。」
 ヒッポ「う、うるさいな〜。」 二人に煽られ、赤面するヒッポ。
 ユーリ「何は ともあれ、私達は これで失礼致しますわ。」
 シェシェ「ユーリ、勝手な行動は許さないわよ。」 少し声を荒げた調子で言う。
 ミミ「どうせ 逃げたって、すぐに捕まえてやるんだから!」
 ユーリ「それでは、みなさん ごきげんよう!」 ユーリは完全に二人を無視すると、ヒッポと共に その場から瞬時に姿を消した。
 ───こんな状況の中、それでも未だ 不敵に笑みを浮かべているブラックビューティーシスターズの姿があった…。


51: 藍梅ひらる:09/06/13 17:57 ID:rg
 基本的に、純粋な いい娘は、エッチな気を起こしてはいけないという制御
が働きます。ピッチキャラは全員がその対象です。
 それなのに…、最近は俺の純粋さが失われつつあるのか、だんだんエッチさ
が受けいられるようになってきました。
 でも、なんでだろう? ある程度まで服を脱がすと、その後 思考ストップ。
 やっぱりピッチキャラだと人間じゃないという思考からか、その先を思い描
けないというのが現状なんだな…。

52: 藍梅ひらる:09/06/13 17:58
  12
 ユーリ「ここからは 泳いで行きましょう。」
 瞬間移動した先の、海の中に出た二人。ヒッポは いくらか安心してしまっていた。そして、自分が かなり疲れていることに気付き、そう思った直後 体から不意に力が抜けてしまう。
 ユーリ「大丈夫ですか? ヒッポさん?」 そう言い、咄嗟に身体を支えてくれる。ヒッポが握っていた手から 鍵が放れ、ゆっくりと沈んで行く。ユーリは それに気付いたが、拾いに行くよりも ヒッポを支えるほうを優先することにした。
 ユーリ「ヒッポさん、もう少しだけ 頑張りましょう。 ここから もっと別の所へ進んだほうが、より安全になるから。」
 ヒッポ「あ、すみません、ユーリさん。何か、急に疲れが出たようで。」
 ユーリは そこで、にこやかに微笑む。そんな優しい表情を見て、ヒッポは とても嬉しくなる。しかし そんな穏やかな一時も、すぐに終わりを迎えることになったようだ。突然 辺りが暗くなったかと思うと、徐々に視界も悪くなってくる。
 ヒッポ「あれ? 一体 これはどうしたというのでしょう。」
 ユーリ「いけない! どう見ても これはブラックビューティーシスターズの仕業のようですわ。私達のいる場所を やはり、把握しているみたい。」
 ヒッポ「あいつらも なかなか、しつこいですね〜。一体、今度は何をしようとしているのでしょう。」
 ユーリ「さあ。ユーリにも それは分かりませんけれど、私達に不利なことだけは 分かります。ヒッポさん、あいつらが来る前に ここから早く 離れましょう。」 もう すっかり、落とした鍵のことは忘れていた。
 ヒッポ「ええ、分かりました。ユーリさん。」 重い身体を無理にでも動かして、先に進もうとする。しかし、視界の暗さも一段と増してくる。 と、不意に 何か、目眩のような感覚が襲い 意識が朦朧としてきた。
 ユーリ「しまった! この空間自体が、あいつらの創り出したもの なんですわ。ヒッポさん、しっかり…」 と言いつつ、ユーリのほうも意識が遠のいていくことに気付く。
 ヒッポは ユーリの言葉は聞こえてはいるが もう、ほとんど上の空になっていた。そして、二人は意識を完全に失ってしまった…。


53: 藍梅ひらる:09/06/13 17:59
  13
 何か、長い夢を見ていたようだった。ヒッポは静かに目を開けると、ここが何処なのか確認しようと まだ、完全に目覚めていない頭で 辺りを見回す。だだっ広い洞窟内。触手にて 束縛された自分の身体。背後には色派手な水妖。
 イソギンチャン「あ、やっと目覚めたわね〜。」 その言葉にて ようやく完全に意識が戻り、現状がはっきりと見えてくる。しかし、その現実は あまりにも非情なもので、今の状況を見ると ユーリと逃げた現実が まるで夢だったように思えてくる。ヒッポは 未だに 悪夢を見ているような感覚で、周囲を見回し ユーリの姿を探す。しかし ユーリの姿も、ブラックビューティーシスターズの姿さえも 見つけ出すことができなかった。
 ヒッポ「ユーリさんは どこだ!」 投げやりな口調で、後ろの水妖に訊く。
 イソギンチャン「ん〜、ユーリさんね〜。ブラックビューティーシスターズさんに連れられて 外に出てったから、今頃は 激しいおしおき でも されてるんじゃないの〜。」 明らかに 楽しんでいるような口調だった。
 ヒッポ「私は ユーリさんを助けに行きたい! 放せ!」 ヒッポは めちゃくちゃに もがく。
 イソギンチャン「暴れるんじゃないよ! もし今度 おまえを逃がしたら、次にあいつらに消されるのは この あたし。いい加減に 大人しくしないと、容赦しないよ!」 イソギンチャンの、いつもと違う 迫力ある口調に 動きを制されてしまうヒッポ。そして、何かの異変に気づき つい、後ろを振り返ってしまう。そこでヒッポが見たものは、イソギンチャンの内部に隠された 恐ろしい醜体を露にした姿だった。
 本来 イソギンチャンの首に当たる部分の、下あたりが バクッと割れたかと思うと、それが第二の口と なったのだ。その口は 異様に大きく、鋭く大きな牙が無数に並んでおり 濡れた唾液が 余計に、醜怪さを増している。それを目の当たりにしたヒッポは おもわず たじろいでしまう。
 イソギンチャン「ブラックビューティーシスターズが出てってから もう かなり時間が経ってるし、あのユーリとか いうのも、もう消されてる頃さ。諦めて、観念するんだな。」
 ヒッポ「く…」 ヒッポは、抵抗する気力も失せていた。もう、ユーリが生きているという保障がない。もはや、生きているとは到底 思えなかった。失望し、悔しさのあまり 歯を思い切り、噛み締める。
 イソギンチャン「よしよし、大人しくなったわね〜。」 ヒッポが抵抗しなくなったのは、自分の口による威嚇の効果によるものだと 思い込んでいるらしかった。
 そんな時、洞窟内に突如 ブラックビューティーシスターズが出現する。ヒッポは無意識にそちらに目をやる。そして、そこに ユーリがいることを捉えたのだった…。


54: 藍梅ひらる:09/06/20 14:54
 ストーリー的に、この展開しか思い浮かばなかった。
物憂げなユーリさんの表現が出せてるといいな。
 ストーリーも暗く辛い時期に入ってるので、読んでて
胸苦しくなるかもしれません。
 俺としては、ユーリさんが苦しんでるシチュエーション
結構好きだな。(この萌え感覚 やばいかもな。)

55: 藍梅ひらる:09/06/20 14:56
  14
 ヒッポ「ユーリさん!! 無事だったんですか?」 ヒッポの言葉にユーリは、少しだけ微笑む。でも、どこか無理したような笑みだった。そして、すぐに悲しそうな表情に戻る。
 イソギンチャン「あれれ〜。始末 しそこなったんですか〜?」
 ミミ「うっさいわねー。しそこなった とは何よ!」
Bシェシェ「そのつもりだったんだけど、すでに消される覚悟ができてるのをただ攻撃しても つまんないでしょ。」 どんな思惑があるのか、そこでシェシェは妖しい笑みを見せる。
 シェシェ「ユーリ、あなたの願いは叶えてあげるわよ。ただし あなたがどれだけ その男のことを想っているのか、見させてもらいますわよ。」
 ミミ「本当だよね〜。あんたの言葉がどれだけ真実なのか試してあげるからね。」
 ユーリは相変わらずの悲しげな表情のまま、顔を強ばらせていた。
 イソギンチャン「え?なになに?何の話〜?」 触手を意味なく 大袈裟に動かしながら訊く。
 ミミ「自分は どうなっても構わないから、その男だけは助けて欲しいんだって。」
 シェシェ「ユーリ、あなたは その男の前に立ち、私達の攻撃から耐えるの。それで あなたの言ったことが正しいかどうか判断するわ。」
 ミミ「いい、イソギンチャン。もし、ユーリがおかしな行動をとったら、構わずに おまえはその 得意の毒を、その男の腕に注ぎ込んでやるのよ。」
 シェシェ「腕が一本や二本 無くなろうとも、人質ということに なんら代わり映えは ありませんから。」
 イソギンチャン「う〜ん。それって大役。任せといて といて〜。」 また変な言葉遣いだった。そして 先端の鋭い触手が伸びてくると、それを見せ付けるかのように その先から透明な液体を滴らせる。
 ヒッポ「私は 何をされても大丈夫ですから、ユーリさん、あなたは ここから逃げて下さい!」
 ユーリ「で、でも…」
 ヒッポ「私は 大切な 人質です。どんなことがあっても、生かされ続けるでしょう。そして あいつらは私達に屈辱を与えて、楽しみたいだけなんだ。そんな奴らの言うことなんか、聞く必要なんて無い! だからユーリさん、早く逃げて!!」         
 ユーリ「ヒッポさんを置いて 一人で逃げるなんて、ユーリには出来ません。それに この方たちの言うことを聞けば、ヒッポさんの人質としての役目が終わった後、必ず 無事に解放する…と。」
 ヒッポ「こいつらの言うことなんて、あてにならない!」
 ユーリ「それでも ユーリは、この方たちを信じるしか 無いんです。」
 ヒッポ「………。」 何を言っても、ユーリの気持ちは変えられないと感じた。どう言えば 自分の気持ちを解かってくれるのか、ユーリの心を動かすような それに適応した言葉が、みつからない自分に もどかしさを感じた。
 シェシェ「さあ ユーリ、そろそろ始めるから その男の前に立つのよ。あなたの信念がどれだけ強いか 確かめてあげるから。」
 ミミ「私達に手間を取らせたバツも含めてね。」
 シェシェとミミの言葉に無言のまま、ユーリは ゆっくりとヒッポの前まで やって来た。そして二人を鋭い目付きで見据える。
 ヒッポ「お願いです ユーリさん、私の為に そんなことをするのは やめて!」
 ユーリ「これは、ヒッポさんの為じゃ ありませんわ。ただ単に あの方たちとユーリの、意地のぶつかりあいですわ。」  
 ヒッポ「だから、それをやめてと言ってるんです。」 そして、ヒッポは思い切った発言をする。
 ヒッポ「私はユーリさんの苦しむ姿なんて見たくない。こんなことをするんだったら、もう あなたとは絶交します。私が望まないことをするのだから、それは当然でしょう。」 
 ユーリ「え?」 ユーリが驚いたように振り向く。そして 悲しげな表情となると、再び口を開く。
 ユーリ「…それも仕方のないことかもしれません。ユーリは……それも覚悟しています。」
 そう言うと背を向けてしまう。肩が小刻みに震えており、一瞬だったが 涙が滴るのを見たような気がした。この発言は ユーリをただ傷つけただけだったのではないかと思うと、ヒッポの心が痛んだ。
 シェシェ「さあ、準備はいいかしら? 始めますわよ。」
 ミミ「絶えられなかったら、逃げてもいいよ。ただ その場合、後ろの男は どうなるか分かんないけど。」
 ヒッポ「やめて下さい!こんなこと!」
 ヒッポの絶叫に近い 叫びも虚しく、ブラックビューティーシスターズから第一の暗黒エネルギーが放出された…。B


56: 藍梅ひらる:09/06/27 17:59 ID:a6
 今回は、るちあサイドのストーリーを話の繋がり要素で入れます。
たまには違うキャラのを書くのも気分転換になるけど、難しいわ!
特に波音に何を喋らせようか、すごく悩んだよ〜。
 でも結構、面白くできたと思うので、是非ご賞味下さい。
 それでは レッツらゴー?

57: 藍梅ひらる:09/06/27 18:00
  15
 ヒッポの行方を探す マーメイドプリンセス達は、みつからないヒッポに少々 苛立っていた。
 波音「あ〜、もう。どこ行っちゃったのよ。あの、クソペンギン! こんなに私達に 心配かけるなんて。」
 るちあ「まあまあ 波音。ヒッポだって悪気があるわけじゃないし。でも ヒッポ、水妖に捕まってなきゃいいけど…」
 波音「もし捕まってて、人質とかにされてても 私達、無視してよっか?」
 るちあ「それじゃあ、ヒッポが可哀想 過ぎるよー。」 波音のあまりの暴言に、るちあが声を上げる。
 るちあは、何事かを考え込んでしまっているリナに気付く。
 リナ「どうしたの、リナ? 何、考えているの?」 るちあの言葉に顔を上げるリナ。
 波音「ヒッポが何事もなく 帰って来たら、メロンプリンでも奢らせようと 考えてたんだよね?」
 リナ「ん? ああ。実は そうなんだ。……って んな訳ないだろ。」
 るちあ「じゃあ リナも、もし ヒッポが捕まってても 放っておこう とか、考えてたの?」
 リナ「何で そうなる…。まぁ、ヒッポのこと なんだが、状況から見て 水妖に捕らえられた可能性が高い とでも言っておこうか。」
 るちあ「え〜!! 何で?」
 波音「これだけ探しても みつからないって ことからだよね。」
 リナ「それも あるんだが、さっきまで 騒がれてた海の事故が 急に起こらなくなってる。てことは、やつらが 目的を達成したと考えるほうが妥当だろう。」
 波音「あ、なるほどね〜。」
 るちあ「ねぇ、本当に ユーリって、敵に いるのかな。」 曇りがちな表情で言う。
 リナ「おそらく な。状況から見て そうだと言える。」
 波音「人間が襲われた時に ピアノの旋律を聞いた者がいるし、あとは やつらの狙いがヒッポなら、ユーリを手駒に ヒッポをおびき出したほうが早いってことよね。卑劣な あいつらが使いそうな作戦よ。」
 リナ「へ〜、波音、なかなか冴えてるな。まぁ、付け加えるなら、人間を襲う 程度が違うって ことだろう。背後にブラックビューティーシスターズがいるとして、あいつら だけの所業ならば もっと大胆に 豪快にいくはずだ。あの、手の込んだ人間の襲いかたは、まさしく ユーリっぽい。」 
 るちあ「ユーリが敵に いるのなら、ヒッポは どんな心境なんだろう。思い詰めてなきゃ いいけど…。それに愛し合う二人の心を利用するなんて、絶対 許せない!」
 リナ「そうだな。それから 敵は、もう一人か もしくは それ以上 いる可能性があるから、二人とも気をつけろよ。」
 るちあ「え? なんで、そんなことまで 分かっちゃうの?」
 波音「本当にバカね〜、るちあって。ほら、さっき 海斗くんに会った時、見たでしょ? 毒を扱える水妖が いるはずなのよ。」
 リナ「そういうことだな。ユーリや ブラックビューティーシスターズとは、明らかに 扱う能力が違うからな。」
 るちあ「あっ、そうなんだ〜。あれっ…?」 急に、声質を上げる るちあ。
 リナ「どうした? 急に…。」
 るちあ「ちょっと 二人とも、そこで待ってて。」 そう言うと 急に、潜水を始める。
 波音「るちあー、…もう、一体 どうしちゃったのよ。」
 リナ「行ってみるか。」
 二人も るちあについて、潜って行く。その先には 何か、煌めくものが見える。やがて、海底の砂地で三人は 重要な手掛かりを目にしていた。


58: 藍梅ひらる:09/07/04 17:33 ID:iE
 ブラックビュティーシスターズってこんな感じだったかな? 違った印象を受けたら
申し訳ない。ようやくクライマックスに近づいてきたよ。定番ストーリーだから、容易に
内容はわかりそうだけど…。(エロ無しです。)続きいくかな。

59: 藍梅ひらる:09/07/04 17:34
  16
Cヒッポ「もう やめて下さい! ユーリさんが苦しむ姿なんて、これ以上 見たくない!」
 ブラックビューティーシスターズからの3度目の暗黒波が今、止められたところだった。撃つ度にエネルギーも次第に増幅され、攻撃を受ける度に ボロボロになっていくユーリ。抵抗を一切することなく 忠実に奴らの攻撃を受けるだけの姿に、ヒッポはもう耐えられなかった。攻撃を受けても 全く 悲鳴を上げずに、ただ耐え凌ぐユーリ。それは、苦しみを見せないように配慮しているのかもしれなかった。
 シェシェ「あら、よく頑張るじゃない。」
 ミミ「そんなにしてまで その男のことを守りたいの〜? 信じらんない。」
 シェシェ「ま、次が最後ということにしといてあげるわよ。時間もあまり ありませんし。」
 ミミ「でも 次のは強力だよ。とりあえず 死なない程度には調節するけど。」
 ユーリは多少 ふらふらしながらも 立ち上がり、ブラックビューティーシスターズの方を見据える。
 ヒッポ「…もういい、もういいから……ユーリさん、こんなことはもうやめて!」
 ユーリ「…ユーリは あんな方たちに負けたくないんです。…悪いんですけど、ヒッポさんの言うことでも これだけは聞けません…。」
 こちらを向いて、強気に言うユーリ。しかし ダメージがあるのか、途中から喋りに張りがなくなり そしてヒッポから視線を外してしまう。
 シェシェ「ほら、いくわよ。」 そう言うと、両手の中で再びエネルギーを溜め始める。
 ミミ「全く 後ろの男は何やってるの? 好きなのに助けようとせず、ただ見てるだけなんて。」
 シェシェ「シスターミミ、そうは言っても あの状態では助けたくても助けることなんて出来ませんわ。」
 ミミ「あ、そうだったわね。」
 明らかに こちらの気に障る言葉を吐いて楽しんでいる。ヒッポはそんな屈辱を味わい、悔しさが更に増大していった。感情も高まりすぎて、声にならない呻き声が自然に洩れてしまう。
 ユーリ「ヒッポさん、あんな嫌がらせの言葉に負けちゃダメ。あいつらの思う壺ですわ。」
 ヒッポ「…どうしてユーリさんは、そんなに平然としていられるんですか?私はユーリさんを助けたい。なのに それも出来ず、悔しくてしょうがない…」
 ユーリ「ごめんなさい、ヒッポさん……。」
 ヒッポの言葉に、何故か 謝るユーリ。ユーリの目から涙が零れ落ちる。彼女の心境がいまいち理解できなくて、それを考えようとするのだが それもすぐに、ユーリを襲う黒の放出エネルギーに断念させられてしまう。


60: 藍梅ひらる:09/07/04 17:35
 ───凶悪なエネルギーにユーリの身体が包み込まれる。相変わらず 声は一切上げず、苦しいのにそれは耐えているという感じは明確で、それは逆にヒッポの心を苦しめた。そんなユーリの姿を直視できず、ヒッポは顔を背けてしまう。
 …じきに放出が止まる。ユーリは地に両手と膝を付き、荒く呼吸をしていた。ヒッポは何も言葉が出て来ない。
 シェシェ「ユーリ、あなたのその男を想う気持ちは充分 伝わりましたわよ。どうしてそこまでするのか、理解は出来ませんけど。」
 ミミ「本当だよね〜。私達に歯向かった罰はそれで許してあげる。」
 シェシェ「良かったわね。ヒッポさんとやら? 最後にユーリにそこまで想いがあることが証明できて。」
 ヒッポ「く! こんな形で確かめようとするなんて酷すぎる!」 悔しさをそのまま吐き出すように答える。
 ミミ「あ〜あ、もうちょっと面白いと思ってたのに。私達に消されることが分かってるから、何かもう 死を覚悟するように必死に護っちゃってさ。」
 ヒッポ「え?」 衝撃的な言葉に耳を疑う。さっき聞いた シスターシェシェの『最後』という言葉に違和感を感じていたのだが、そういう意味が含まれていたことをようやく知る。
 シェシェ「あら、シスターミミ、面白いことなら 今からすることがそうでしょ。」
 ミミ「あ、そうだよね〜。ユーリが今度は本当に消される状況だとしたら、その男は どんな顔をするんだろ。」
 ヒッポは二人のあまりにも卑劣な会話を聞きながら、その話の内容に唖然としてしまっていた。そして次第にやりきれなさが増大してくると、歯を噛み締め 声も出せない状態となる。ユーリにも、消されることが分かっていながら自分を護ろうとする理不尽さを感じた。一緒に生きているからこそ嬉しいのに ユーリの取った行為は一方的で 、こちらの気持ちなんて全然 考えてないと思った。
 ヒッポ「…ユーリさん、逃げて下さい! これ以上、私を苦しめないで!」
 ユーリ「…ユーリにはもう そんな力、残されてませんわ。」
 ヒッポ「……。」 ヒッポは悔しかった。自分の為にユーリ自身が犠牲になろうとしてくれたことは分かる。しかし それが逆に、辛さは倍増していた。ユーリはどうして そのことを分かってくれないのか、苛立たしさも感じていた。
 シェシェ「さぁ ユーリ、立つのよ。今度ばかりは耐えられない、私達の闇の力をお見舞いしてあげるから。」
 ミミ「本当だよね〜。あんたの役目は全て終わり…。記憶が戻ってなくて、そしてもっと素直だったのなら もっと生かしてあげたのにね〜。」
 あいつらに玩ばれた挙句 終いには消される儚さを背負わされたユーリに、ヒッポは我慢の限界が頂点に達していた。そんなヒッポの感情とは裏腹に、ユーリは一切 抵抗も見せず、静かに立ち上がった。


61: 藍梅ひらる:09/07/11 18:04 ID:5M
 続き… こんなもんで…

62: 藍梅ひらる:09/07/11 18:06
  17
 シェシェ「ここで私達が余りある力を発動すると、被害が大きくなるわね。しょうがないからシスターミミ、少し向こうへ移動しましょうか。」
 ミミ「うんうん、そうしよ。本当は 目の前で消滅するところを見せたかったんだけど、それも しょうがないか。」
 そんなことを話しながら、ユーリを促す。
 ユーリ「ヒッポさん…、ユーリが攻められ続け ヒッポさんが辛い思いをしていたことを、ユーリは知っていました。ユーリは所詮、水妖。想いを寄せ合ってる相手に対しても、本当に相手を思いやることなんてできない性分なんですわ。こんなユーリなんて嫌いですよね。だからもう、ユーリのことなんて忘れてしまわれて…。」
 ヒッポは ユーリの言葉を聞きながら、ユーリの眼から涙が滴るのを見た。その涙を見た時、ユーリの今の言葉が 本心の偽り、本当は望んでいないことなのだと感じた。これまでにも、時折 涙を見せていたユーリ。それが自分との別れに繋がることを予測した上での涙だったことに気付くヒッポ。
 ヒッポ「ユーリさん、あなたは始めから そいつらに消されることを知っていて、私との別れを覚悟していたから…、わざとだったんですね!」 二人に連れて行かれようとする ユーリの後ろ姿に向けて 声を掛ける。ユーリは何も答えない。C
 ヒッポ「ユーリさん、私はユーリさんのことを忘れることなんてできない! 私のことを こんなにも想ってくれてるのは伝わってます。ユーリさんの 私への想いがあるからこそ、私だってあなたのことを想わずにいられない。だから あなたのことを嫌いになんてなるはずがない!」
 ヒッポの言葉に、ユーリは立ち止まり 振り向く。その瞳には 溢れんばかりの涙が溜まっていたが、表情は とても嬉しそうだった。しかし それも束の間、すぐに困惑したような表情となる。
 ユーリ「そんなことを言って下さるなんて、ユーリ とても嬉しいですわ。けれど そんな想いを持ったまま別れるなんて、辛いだけ…。ユーリは、ヒッポさんに嫌われても いいと思ってた。だって そっちのほうが辛さが軽くなるって思って…。けれど、それも叶いませんのね…。」
 ヒッポ「私は最後まで諦めない! だから ユーリさんも希望を捨てないで。私はここから無事に脱して、ユーリさんと もっと一緒の時を過ごしたい!」
 ユーリの瞳から、涙が 次から次へと零れ落ちる。その涙は 辛さから来るものではなく、明らかに嬉しさからのものだと分かった。
 シェシェ「ちょっと あなた達、いい加減にしてくれます?」
 ミミ「ほんとだよねー。ユーリが永遠にいなくなれば、そんな余計なこと考えなくても よくなるわよ。」
 シェシェ「そうね。希望って、なんて嫌な 言葉なの? すぐに絶望に差し替えて あげますわよ。さぁ、ユーリ 早く こっちに来なさい!」
 二人に強引に 手を引かれ、どんどん ヒッポとの距離が引き離されていく。
 ユーリ「お願い、ユーリは まだ死にたくない。私達のことを どうか許して!」
 シェシェ「あら、気が変わったの? でも、残念ね。私達の気は 変わらないわよ。」
 ミミ「あんたの役目は、もう とっくに終わってるのよ。」
 ヒッポとの距離を充分取った位置まで 移動すると、ユーリを手荒く突き飛ばす。
 シェシェ「この距離なら、さっきみたいに あの男が助けに来たとしても 間に合いませんわね。」
 ミミ「じゃあ、すぐに行っちゃう? シスターシェシェ?」
 シェシェの返事を合図に、ユーリに向けた二人の手の中で 黒いエネルギーが渦巻いていた。


63: 藍梅ひらる:09/07/18 18:27 ID:KU
 18
 地上で暮らしている時も、いつかは ユーリと出会えることを信じ、それが身の支えとなっていた。しかし、ユーリと永久に会えないと分かっている暮らしの中では、何を糧に生きていけばいいのか。自分は どうなっても構わないから、絶対にユーリを失いたくなかった。それに 先程 最後まで諦めないと、ユーリと約束したばかりだ。それらの想いが ヒッポの心を熱くし、身体にも激しい躍動を湧き起こす。そんな感情の赴くまま、ヒッポは 巻き付く触手を引きちぎるような勢いで暴れ出した。
 イソギンチャン「久々に喋るようにみえるけど、本当は いろいろなところで喋ってたのよ。だけど、いちいち入れるの面倒だし そんなに重要なこと喋ってないってことで、カットされてたのよ。あ〜、くやし! と、そんなこと言ってる場合じゃなかったわね。」
 シェシェ「ん? …あいつは一体、どこに向かって喋ってる訳?」
 ミミ「…さあ。それより イソギンチャン、今度 そいつを放したら、ただじゃ おかないからね。」
 こちらの様子に気付いたシェシェとミミが、手の中の黒いエネルギーを増幅させながら言う。
 イソギンチャン「ほら、暴れるんじゃないよ。今度 あんたに逃げられたら、次に消されるのは この あたし。それ以上、暴れてみな。この私の獰猛な口が黙っちゃいないよ。」 そう言うと同時に、首の下に隠された大きく醜怪な口が再び 開く。
 ヒッポの後ろで 怪異的な音を立てながら、開くそれに 思わず振り向いてしまう。普通なら 大きな牙に身が竦みそうになるのだが、今のヒッポは もう無我夢中で そんな気持ちになる余裕もなかった。暴れまくる中、無意識にもヒッポの翼が勢いよく拡がると それが思いきり 背後の口にぶち当たった。
 イソギンチャン「ぎえ〜〜!」 予想もつかなかった反撃を喰らい、悲鳴と共に巻きついていた触手が緩む。
 ヒッポはそれを機に 触手から脱出すると、ユーリのほうに向けて一目散に駆け出した。


64: 藍梅ひらる:09/07/18 18:28
  19
 イソギンチャン「よ、よくも私の大切な口を! 貴様、許さん!」
 イソギンチャンは、下の口からの出血を確認すると自我を失ってしまったようであった。縦横無尽に空を切り裂くような動きで一つの触手が舞うと、次に狙いを定めるように先端の鋭い部分が標的に向け 構えられる。
 ミミ「ねぇ、シェシェ。あいつ、やばいよ。」
 シェシェ「こら! 何やってるの。そいつは、大切な人質なのよ。正気に戻りなさい。」
 しかし、そんな声もイソギンチャンには届いていないようだった。向けられた鋭い触手が放たれると、ヒッポ目掛け襲う。
 背後からの殺気を感じ 走りながら後ろを振り向くヒッポの目に、迫り来る凶器が映った。
 ヒッポ「う、うわぁー」 思わず声をあげ、立ち止まる。どうしようかと考える間もないほどに、それはもう すぐそばまで接近していた。ヒッポはもう どうすることもできず立ち尽くすのみで、突き刺さる瞬間 目をつむってしまう。
 …その直後、勢いよく突かれる音と共に、 ヒッポは最悪の場合 生命の終わりを予感する。しかし 何故か、身体に突き刺さった感触が一切なく、ましてや痛みさえも感じない。そんな矛盾さに疑問を感じ 恐る恐る目を開けると、その眼前で起きている光景に驚愕してしまう。これが、夢であることを願ってしまいたくなるほどに、劇的で悲惨な現実だった。
 ヒッポ「ユ、ユーリさん!?」 あまりにも思い掛けない状況に、それ以上 なんて声を掛けたらいいのか戸惑い、言葉が詰まる。
 殺人の意思を持った 迫り来る触手の前に、ヒッポを庇おうと瞬時移動してきたユーリ。その胸には深々と、金属のような光沢を持った触手の先が突き刺さっている。しかも その触手の内部にて毒が送り込まれるような動きがあり、それは外から見ていても容易に分かるほど大きな律動だった。それでもユーリは最後の力を振り絞るように、二つの手の内にてエネルギーを生み出すと それをイソギンチャン目掛けて放った。
 イソギンチャン「うぎや〜〜!」 イソギンチャンの最期だった。悲鳴と共に、木っ端微塵に吹き飛んでしまった。そして その後、ユーリも膝を折り 崩れ落ちてしまう。
 ヒッポは慌てて 倒れそうになるユーリを支える為、手を伸ばす。ヒッポの腕の中で、ユーリは苦しそうに呼吸を繰り返している。胸に突き刺さった触手は もう抜け落ちてはいるが、その部分は滲むほどに濡れ 衣服もそこだけ濃く変色していた。
 ヒッポ「ユーリさん!しっかり!」 そして、少しだけ腕に力を込める。
 こんな結末を迎えたのは 自分のせいだと思った。もう少し考えて行動していれば、こんなことにはなっていなかっただろう。ユーリを助けたい一心で ユーリの元へ駆け付けて どうしようとしていたのだろう。こんな不甲斐ない行動が、ユーリを危険な行動に走らせる きっかけとなってしまったことが悔やまれた。ユーリの容態から、もう絶望的だと悟ったヒッポは こらえきれず涙をこぼした。
 ユーリ「ヒッポさん…、ごめんなさい。少し無茶…しすぎたのかも…。せっかく、もっと一緒の時間を過ごしたいって言って下さったのに…。」
 ヒッポは そんな彼女を安心させようと、優しく手を握り締めた。もう こんな行為にて、ユーリを励ますことしかできない。
 ユーリは今までにない 穏やかな表情で、ヒッポの顔を見続けていた…。


65: 藍梅ひらる:09/07/25 18:48 ID:K.
 この物語も今回で最終回な。文が上手くなくて申し訳ない。
 次回からは、上手くないにしても ここ本来のエロ小説を入れて
いこうと思っているので、期待せずに待っててください。
 (あまりエロくは しないけどな。そこそこなエロで。)
 では、ごきげんよう!

66: 藍梅ひらる:09/07/25 18:49
  20
 シェシェ「上手いこと、私達のする手間が省けたみたいね。ねぇ、シスターミミ?」
 ミミ「本当だよねー。私達の手駒の水妖は、いなくなっちゃったけどね。」
 シェシェ「あんなのは いらないわよ。」
 二人はそんな言葉を交わし、ヒッポとユーリのほうを見ながら被虐的な笑みを浮かべている。その時だった。洞窟 入り口より突如、新たな乱入者たちが現れた。
 るちあ「私達も、ヒッポと あなた達を引き離すという手間が省けちゃった!」
 波音「人質を取ったら、こんなに離れちゃ ダメじゃない。」
 突然のマーメイドプリンセスの出現に、驚きを隠せないでいる ブラックビューティーシスターズ。
 シェシェ「 マーメイドプリンセス! 何故 ここが分かったの?」
 ミミ「これからが本番なのに〜。」
 るちあ「これが、ヒッポの場所を教えてくれたの。」 そう言うと、ヒッポが落としたカギを見せ付ける。
 シェシェ「そ、それは ヒポカンボスのカギ! いつの間にマーメイドプリンセスの手に渡ったの?」
 ミミ「あっ、あの時だよ。二人で外に逃げた時…。」
 シェシェ「しまった! こいつらに そこまで知恵が回るとは!」
 ミミ「ヒポカンボスへの変身封じに こんな大掛かりなことしないで、ただ単に カギを奪っちゃえば 良かったんだよ。」
 シェシェ「私達の大胆さが、裏目に出てしまったようね。」
 リナ「どんな手を使っても、お前たちに勝ち目はないんだ。覚悟しろよ。」
 その後、るちあ達は光に包まれるとコスチュームのバージョンアップを完了した。
 るちあ「ヒッポ、このカギは返しとくね。」 ヒッポに向かって カギを優しく放り投げると、そのカギはまるでヒッポへと導かれるような軌道を通って ヒッポの手中に収まった。
 ヒッポは、腕の中で横たわるユーリの姿をもう一度みつめる。目は少し開いてはいるが、見えているのか定かではない。呼吸も、だんだんと か細くなってきてるような気がしても、今 一番 相応しい対処法が何なのかなんて分からない。ただ 強く抱きしめ ユーリの名を呼び、生き延びて欲しいと祈るだけだった。るちあ達の、水妖を撃退する為の歌の伴奏が流れ出すと ヒッポはユーリが影響を受けないように、カギの力にてアーケードを張り巡らす。その中で ヒッポは、ユーリが こんな状況に陥ったことに対して、ユーリを護りきれなかった自分ばかりを責め続けていた…。


67: 藍梅ひらる:09/07/25 18:50
  21
 マーメイドプリンセスが歌い出すと同時に、もがき苦しみ出すブラックビューティーシスターズ。そしてその力も解けたのか、海水が洞窟内に戻って来る。ヒッポの造ったアーケード内にも水が溢れ 急に ふわっとした感じになると、号泣の涙も洗い流されていく。それでも ヒッポは泣き続ける。
 ユーリ「ヒッポさん…、泣かないで。ユーリは…大丈夫だから…。」
 消え入りそうなその声に、ヒッポは驚いて ユーリをみつめる。このまま 絶命を覚悟していただけに、信じられない気持ちだった。傷口はまだ 痛々しかったが、表情を見ても先程とは違い 僅かでも生を感じることができる。
 ヒッポの必死の願いが奇跡を生んだのか、マーメイドプリンセスの歌声による奇跡なのか、それとも 海水による効果なのかは分からない。しかし ユーリの意識は戻って来ており、ヒッポを見て僅かに笑顔となった。
 ヒッポ「本当に大丈夫なんですか?」 まだ半信半疑で 確認するように訊く。
 ユーリは小さく頷くと、囁くような声で言葉を絞り出す。ヒッポは そんな彼女を気遣いながらも、その言葉を聞くことに専念していた…。
 外では、マーメイドプリンセスの歌が続く…。
 シェシェ「また、マーメイドプリンセスにやられてしまうなんて! 今回の作戦のどこに、問題があったていうの?」
 ミミ「もしかして、本当に愛の力には勝てないってこととか?」
 シェシェ「そんなの絶対に信じないわよ! あ〜、もう、どうしてこうも上手くいかないの?」
 ミミ「人質の交渉に入る前に やられてる私達って一体なに?」
 ラストのラブシャワーピッチが入ると、二人は逃げるように消え去ってしまった。
 ブラックビューティーシスターズを撃退したマーメイドプリンセスは、次にヒッポの傍までやってくる。
 るちあ「ヒッポ、ごめんね。遅くなっちゃった。」
 波音「本当にユーリが いたなんてね。でも、ユーリ 大丈夫なの?」
 リナ「心臓からは外れているみたいだが、すぐに手当てが必要だな。」
 ヒッポ「皆さん、お願いです。ユーリさんを運ぶのを手伝ってもらえますか?」
 るちあ「もちろんよ、ヒッポ。」 後の二人も頷いてくれる。
 ───そんな時だった。ぼぅっと、むやむやとした幻影が皆の前に現れると、それは しばらくしてガイトの姿を形作った。
 ガイト「マーメイドプリンセスの歌声に我が惑いの心、引き付けられし…。」
 るちあ「えっっ? ガイト?」 突然のガイトの出現に皆、驚きを隠せない。
 ガイト「愛たるもの、障壁と より強力な試練を乗り越えた時、その愛は一層 確実なものとなる。それを現実とするため ユーリを奴らに託したのだが、やや過酷過ぎたようだな。おまえの想いを早く実現させる手立てとしては都合が良いと思ったのだが、どうやら判断を誤ったようだ。あの時、やはり お前を引き渡すべきではなかったようだ。すまなかった…。」
 ユーリ「ガイト様…。」 ガイトの言葉に涙目となるユーリ。
 ヒッポ「そんなことより、早くユーリさんの手当てを!傷も深いし、毒で手遅れにも成り兼ねない。」
 ガイト「毒なら心配は不要だ。自然界で生成された毒であれば、ユーリはその自然治癒能力に長けているからな。」
 ヒッポ「え、そうなんですか?」 少し安心するヒッポ。
 ガイト「しかし、その傷を癒すには時間が掛かりそうだな。もう一度 城へ戻り、安静するがよい。沙羅なら治療方法も知っているだろう。」
 ユーリの身体が浮くと、ガイトの方へ引き寄せられる。そんなユーリを、ヒッポは黙って見つめていた。
 ガイト「ではな、マーメイドプリンセスたちよ。」 そして、ガイトとユーリは共に一瞬にして消え去った。
 永遠に ユーリと会えない訳ではなく、また会えるという希望がある。ヒッポは、ユーリが消え去った方向をいつまでも みつめながら、マーメイドたちが歌う中 アーケード内で聞いたユーリの言葉を思い返していた。
 もし、ユーリが無事でいられたら 今まで以上にもっとヒッポさんと愛し合いたい…と。


68: 藍梅ひらる:09/08/01 18:52 ID:DM
 上記ストーリーは、実は一部が改変された偽事ストーリーだったのだ!
 実際にもよくあるだろ。ある理由によって事実を差し替えられたり、それに
触れられずに書かれたものとか。歴史を学ぶ当たり、多々そういうのはあるし
語り継がれた昔話だって、意図的に変えられた物も存在する。
 ここからのストーリーはそういった裏事情のあったものであり、かつ自然的
なストーリーでもある。これこそが真のストーリーだったのだ!
 下記のストーリーを上記A〜A間の文と差し替えて下さい。するとエロ小説
に変化します。他にもB〜B、C〜Cってのもありますが、それはまた次の機
会に。エロいのだけ希望の方はここだけ読んでくだされば、ストーリーは断辺
的にはなりますが、まとめてエロシーンだけ楽しめます。

69: 藍梅ひらる:09/08/01 19:01
 シェシェ「愛する者からも見放され、なんて惨め なのかしら? それからマーメイドプリンセスを捕まえる作戦に入るのは、ちょっと待って。」
 ミミ「今度は何をするの?」 シェシェの新たな悪だくみに感づき、その期待にミミは身を悶えさせる。
 シェシェ「こんなに可愛い少年くんを捕まえたんだから、せっかくだし 男のあそこがどうなってるか 見てみたいと思わない?」

 シェシェのその言葉に、一同の様々な歓声が上がる。
 イソギンチャン「よっ、待ってました!」 一番、ハイテンションだった。
 ミミ「う〜ん。ちょっと、見てみたいかも。」 やや、顔を赤らめながら言う。
 シェシェ「ユーリは どうなの?」
 ユーリ「え? ユーリは、そんなの別に見たくありませんわ。」 と、言いながらも どこか気になっているようだった。
 ヒッポ「な、何 こんなことで、盛り上がってるんですか!」 その信じられない、異様な活気に ヒッポは慌てだす。
 シェシェ「では イソギンチャン、やっちゃって。」
 イソギンチャン「は〜い、では、いきますよ〜。」 2本の触手が伸びて来たかと思うと、ズボンの前部を開きに掛かる。
 ヒッポ「ちょ、や、やめて下さい!」 ヒッポは もがくが、手足を拘束されているため やはり、どうすることもできない。
 触手は器用に動き、ズボンの前部を全開にさせると 今度はパンツを下にずらす。4人の女性の視線を受け、ヒッポの顔は 真っ赤になっていた。
 シェシェ「まぁ、なんて可愛いこと!」
 ミミ「ほんとだよね〜。小さ〜い。」 笑い声をたてながら言う。
 ユーリも、笑いが止まらないといったように 笑いっぱなし だった。そして、ヒッポは そんな屈辱に、ぐっと耐えていた。
 シェシェ「今は あんなに小さな物でも、触感を与えると 大きくなるのよ。」
 ミミ「へ〜、それは 見てみたいわね〜。」
 ユーリも、興味津々と いったように、目を輝かせて覗き込んでいる。
 ヒッポ「も、もう、しまって下さい!恥ずかしくて、死にそうだ。」
 そんなヒッポの懇願も、全く受け入れてはくれない。
 イソギンチャン「では!皆さん!只今より、陵辱を開始致しますよ〜。」 2本の触手が、くねくねと蠢く。
 シェシェ「ちょっと待って。」 突如、イソギンチャンを制止させる。
 シェシェ「その役目は、ユーリに やってもらいましょうか。」 
 ユーリ「ど、どうして ユーリが そんなこと しなくちゃ いけませんの?」 突然の指名に驚き、そして、咄嗟に反論する。
 シェシェ「あら、いいじゃない。この男、ユーリのことが好きみたいですし、してあげれば 本望だと思いますわよ。」
 ユーリ「そんなの、絶対 イヤですわ!」
 シェシェ「ユーリ、これは命令ですわよ。早く、あの男のを おしゃぶりするのよ。」
 シェシェの言葉に、完全に 気を悪くしたユーリは、シェシェを睨みつける。
 ユーリ「ユーリは もう、あなた達とは一緒に やっていきたくは ありませんわ。これで、失礼させて頂きます。」 冷ややかに言うと、ユーリは洞窟外へ 出て行こうとする。
 シェシェ「待ちなさい、ユーリ。誰が、あなたを復活させたと思ってるの? 私達の命令は きいてもらうわよ。」
 ユーリ「だから ユーリは、あの男を捕まえるため手を貸した。それで おあいこ ですわ!」
 シェシェ「生意気ね…。ま、いいわ。あなたなんて、さっさと何処かへ 行っちゃいなさい!」 手を振って、追い払う仕草をする。
 ユーリ「言われなくても、出て行きますわ。… さてと、せっかく 力を手に入れたんだし、どうしよっか? あ、そうだ! ガイト様に力を分けて 復活させて〜、ガイト様をユーリが独り占めってゆうのも面白いかも〜。」 そんな想像をして、一人で喜んでいる。
 そんなユーリの思惑を聞いたシェシェは、表情が一変する。
 シェシェ「悪いけど、やはり あなたを外へ出す訳には いきませんわ。」 咄嗟にユーリの腕を掴むと、洞窟の奥に向けて 勢いよく突き飛ばす。ユーリは足元のちょっとした段差につまづき、膝をついてしまう。
 ユーリ「何をするの!」 シェシェを、おもいきり睨みつける。


70: 藍梅ひらる:09/08/09 20:22 ID:0U
 この小説を書く当たり、ストーリー的にどうしようか困った部分が一箇所
あった。それは洞窟内の海水。こいつが何をしようにも邪魔で、考えた挙句
シェシェとミミに排除させるようにしました。流れ的にも自然な感じとなり
これで良かったと思ってます。何故、海水が邪魔だったのかは ご想像にお任
せします。
 あまりエロいのに進展がないけど、下の文を次はB〜Bに貼り付けて下さ
い。

71: 藍梅ひらる:09/08/09 20:25
 シェシェ「まぁ、最初は そのつもりだったんだけど、まだ使えることがあると思ったから 生かしておくことにしたの。」 どんな思惑があるのか、そこでシェシェは妖しい笑みを見せる。
 シェシェ「さぁ、ユーリ。私達への忠誠の程が どれくらいあるのか、見せてもらいましょうか。」
 ミミ「本当だよね〜。もし さっきの言葉が嘘なら、あんたは ともかく、その男も ただじゃ済まないよ。」
 ユーリ「分かってますわ。」 それだけ言うと、口をつぐむ。
 イソギンチャン「え?なになに?何の話〜?」 触手を意味なく 大袈裟に動かしながら訊く。
 ミミ「自分は どうなっても構わないから、その男だけは助けて欲しいんだって。」
 シェシェ「だから、その言葉がどこまで真実なのか、試すことにしたの。」
 ミミ「いい、イソギンチャン。もし、ユーリがおかしな行動をとったら、構わずに おまえはその 得意の毒を、その男の腕に注ぎ込んでやりな。」
 シェシェ「腕が一本や二本 無くなろうとも、人質ということに なんら 代わり映えは ありませんから。」
 イソギンチャン「う〜ん。それって大役。任せといて といて〜。」 また変な言葉遣いだった。そして 先端の鋭い触手が伸びてくると、それを見せ付けるかのように その先から透明な液体を滴らせる。
 ヒッポ「私は 何をされても大丈夫ですから、ユーリさん、あなたは ここから逃げて下さい!」
 ユーリ「で、でも…」
 ヒッポ「私は 大切な 人質です。どんなことがあっても、生かされ続けるでしょう。しかし、あなたは違う! いつ、消されるかもしれない。私は、あなたに絶対に 生きていて欲しいんです!」
 ユーリ「ヒッポさんを置いて 一人で逃げるなんて、出来ません。それに この方たちの言うことを聞けば、ヒッポさんの人質としての役目が終わった後、必ず 無事に解放する…と。」
 ヒッポ「こいつらの言うことなんて、あてにならない!」
 ユーリ「それでも ユーリは、この方たちを信じるしか 無いんです。」
 ヒッポ「………。」 何を言っても、ユーリの気持ちは変えられないと感じた。どう言えば 自分の気持ちを解かってくれるのか、ユーリの心を動かすような それに準じた言葉が、みつからない自分に もどかしさを感じた。
 シェシェ「ユーリ、そろそろ 私達が言ったこと、始めるのよ。」
 ミミ「あぁ、考えただけで ぞくぞくしちゃう。」
 シェシェとミミの言葉に頷くと、ユーリは ゆっくりとヒッポの側まで やって来た。そして、ヒッポの足元でしゃがみ込む。
 ヒッポ「ユーリさん、あいつらにいったい 何を言われたんですか?」
 ユーリ「ごめんなさい、ヒッポさん。…ヒッポさんのこれを、ユーリが口に含めば ヒッポさんの命は取らないって…」 そう言いながら、ヒッポの股間を指差す。
 ヒッポ「ちょ、ちょっと待って下さい。」 ヒッポは慌てる。
 ユーリ「それをするだけで、ヒッポさんのことを助けてくれるんだから 簡単でしょ?」
 ヒッポ「い、いや、それは 簡単とか そういう問題じゃなくて……」
 ユーリ「ヒッポさん、恥ずかしいのは分かりますけど すぐ終わらせるから、しばらく我慢していて下さいますか?」
 ヒッポ「駄目です! そんなこと、絶対に!」
 ユーリ「どうしてですか?」
 ヒッポ「それはその…私にも 男としてのプライドがあります。そんなことをされるなら、死んでしまったほうが まだ ましだ。それに、もし それでもすると言うのなら ユーリさん、あなたとは もう絶交します!」
 ユーリ「そ、そんな…。」 ヒッポの思い切った発言に、ユーリは戸惑う。
 完全に行動を停止してしまったユーリに対し、ブラックビューティーシスターズが一喝する。
 シェシェ「あなたたちは、そこで討議しない! 決定権は全て、私達に あるんだから。」
 ミミ「私達の言うことが聞けないなら、その男に 毒を注入するまでよ!」
 ユーリは困惑した表情を浮かべていたが、やがて意を決したように ヒッポのほうに向き直る。
 ユーリ「ごめんなさい…。もう、こうするしか 道が残されて無いんです…。」 そう言うと、ユーリは腕を伸ばし ヒッポのズボンを脱がしに掛かる。
 ヒッポ「だ、駄目です!ユーリさん!」 もがこうにも、触手での拘束が それを許してくれない。
 やがて ユーリの指先は、ヒッポのブリーフを下ろす行為にまで 進展していた。


72: 藍梅ひらる:09/08/15 15:49 ID:oo
 本日でこのストーリーもラストになります! ストーリー的には自信あるん
だけど、文自体がへたくそだって思います。精進、努力します。
 さて、例によって下の文を次はC〜C間の文と入れ替えちゃって下さい。エ
ロ小説の全文がこれで完成します。
 これで当分はここには来ませんが、次小説の大まかなストーリーは出来上
がっているので書く気になったら、また来ます。
 ヒッポとユーリに加え、ココ、ノエル、かれんも巻き込んだ そんなスト
ーリーを考えています。そんなこんなで…
 じゃあな、あばよっ!

73: 藍梅ひらる:09/08/15 15:54
 ユーリは、困ったような表情で ヒッポの それを見入っていた。そして、思い切ったように それを口に含む。
 ヒッポ「駄目です! そんなこと、ユーリさん!」 ヒッポの必死の訴えも虚しく、ユーリは もう覚悟を決めたようであった。
 ミミ「うわ、凄い…。あんな物、口に入れるなんて。なんだか、ゾクゾクしちゃう。」 ミミの その言葉を受け、ユーリは恥じらいを必死に耐えているようだった。
 シェシェ「ユーリ、私達が いい と言うまで、それを口の中に入れたままにしてなさい。もし 出したら、その男が痛い目を見ることになるわよ。」
 シェシェの言葉を 更に威圧させるが如く、イソギンチャンの触手が揺らめく。ユーリの瞳が だんだんと、涙で潤ってくる。
 ヒッポ「ユーリさん、もう放して下さい。あいつらの言うことなんて 聞く必要ない!」 
 ヒッポは その時、ユーリの瞳から 一雫の涙が落ちるのを見た。ブラックビューティーシスターズに抵抗できないことへの悔しさ なのだろうか。
 シェシェ「さぁ、ユーリ。じっとしてないで、口の中にある物を おしゃぶり しなさい。そう、アイスキャンディーを舐めるように。」
 ユーリは シェシェの言葉に 眉をひそめると、一瞬 ためらったあと 意を決したように静かに口を動かし始める。
 ミミ「あんなものを 舐めてるなんて、信じらんな〜い。」 ミミが言葉で煽る。
 少しずつの感触でも、ヒッポの下腹部は徐々に反応していく。
 シェシェ「あんた、アイスキャンディーを そんな風に舐める訳? もっと前後に激しく、舌で もっと味わうってのが一般的じゃなくて?」
 シェシェの その言葉に、ユーリは戸惑いながらも それを実行する。ユーリの口の中に溜まった唾液に まみれながら、柔らかな舌と唇に責めたてられた ソレは、ヒッポの意思とは関係なく むしろ、想いとは全く逆の反応を見せ始める。こんなことを されるのは嫌なのに、何故だか ある意味 心地よい。そんな下半身の心地よさに、頭脳も支配されたような感覚に陥った。それでもヒッポは、そんな感覚は受け入れまいと 必死にその感情を打ち消そうとする。ユーリは献身的に 口での行為を続けている。ヒッポのモノが、ユーリの可愛らしい口から 出ては入りを繰り返し、口内から溢れた唾液が垂れ落ち 彼女の胸元を濡らす。そんな様子を目にしたヒッポは 一気に興奮度が上昇し、意思では もう到底 抑えられない状態となる。
 ヒッポ「も、もう、やめて! ユーリさん!」 下半身の変化を悟ったヒッポは、必死に声を上げる。


74: 藍梅ひらる:09/08/15 15:56
 ユーリは、口に含んでいるモノが急激に肥大化したことに驚く。口を動かすことも、舌を動かすことにも苦心するほどに それは口の中、いっぱいに広がっていた。ユーリは咄嗟にそれを口から出し、しばし みつめた後、変わらぬ悲しそうな表情をしたまま うつむき視線を逸らす。
 ミミ「なにあれ〜。さっきと、大きさも形も違うんだけど。しかも、な〜んか すごくイヤらしい形してるような。」 恥ずかしさを煽るミミ。
 ヒッポ「あなたは いちいち、言葉で説明しないで下さい。」 顔を火照らせながら 喚くヒッポ。
 シェシェ「それにしても大きいですわね。そこら 男の水妖と比べても、そんな大きなモノは初めて見ましたわ。」
 ユーリ「なんでもいいから、これでもう終わりでいいですよね?」 振り向いて ブラックビューティーシスターズに訊く。
 シェシェ「いいえ、まだですわ。第一、 私達がいつ 放していいって許可を出したのかしら?」
 ユーリ「じゃあ、一体 いつまで こんなこと、すればいいんですか? 口に含めばいいって、約束だったじゃない!」
 シェシェ「そんなの、最後まで するに決まってるでしょう?」
 ユーリ「さ、最後までって…」
 シェシェ「ヒッポさんが絶頂に達するまでよ。さっきのように しゃぶり続けていれば、男はいつか 絶頂を迎える。それまでよ。分かったら早く、それを口に入れなさい。」
 イソギンチャン「ねぇねぇ、さっき 勝手に口から出したんだから、その男に毒をぶっ刺しても いいんだよね〜。」
 ユーリ「待って、すぐ始めるから。」 動揺したように慌てる。
 シェシェ「まぁ、今のは特別に許してあげるわ。第一段階は突破したわけだし。」
 ユーリは、大きく怒張したソレに向き直ると また口に含む。下腹部に再度 与えられる刺激から、軽い衝動がやって来る。
 ヒッポ「う〜、も、もう こんなこと、やめて下さい…。もう これ以上されると、どうにかなってしまいそうだ。」
 ヒッポの言葉に ユーリは、ヒッポの様子を窺うように見つめ、しゃぶる動作を調整する。
 シェシェ「ほら ユーリ、口の中におおきなチンコがあって、思うように動かせないのは分かるけど、もっと頑張らないと ヒッポさんが満足できないでしょ。」 そして シェシェは、ミミと連れたって ユーリの横にやってくる。
 シェシェ「こうやってやるのよ。」 そう言うと、ユーリの頭や顎を二人掛かりで押さえつけ、そして 強引に前後に動かしだす。
 ユーリ「い…や…、苦…しい……」 激しい動作に、喉元まで口の中のモノが届く。
 ヒッポ「お前たち、や、やめろ〜。」 苦しそうな表情のユーリを見て 声を上げるが、激しく擦られる 自分のモノに急激に快感が増し、周りのことが考えられなくなっていく。そんな、望まない快楽に 必死に耐えていると、ようやく 激しい動きが止まった。
 シェシェ「どう? 分かった? このくらいが ヒッポさんが望む激しさなのよ。」
 今度は自身の動きだけで、ヒッポのモノをしゃぶりだすユーリ。精一杯のスピードで、頑張る姿が見てとれる。
 ミミ「そのアイスキャンディ、そんなに おいしいの〜? そんなに夢中に しゃぶっちゃって。」
 シェシェ「ユーリ、もっと激しく、強く、熱く よ。」
 再び 襲う快楽に、一瞬の震えを催す。そして ユーリの口が往復されるごとに、異様に膨らんだモノの中で 何かが高まってくる。ヒッポのソレは、限界の膨らみに達したせいなのか 麻痺したように何も感じなくなっていた。ただその高まりが どんどん大きくなっていくのが分かるだけだ。もう 正常な思考力も保たれなくなってるヒッポだったが、無意識的にも それを抑えようと試みる。これを続けて、この先どうなるのか分からない。身体も異様に熱い。ゆっくりと目を開けると、白っぽい視界の中に 困惑した表情をしたままのユーリの顔が映った。口元を唾液で汚しながらも精一杯に頑張る その動作に、急にゾクゾクした感情が沸き起こる。それと同時に 内部の高まりが最高点に達し、その反動からか意識が一瞬飛ぶ…


75: 藍梅ひらる:09/08/15 16:02
 ヒッポ「う、うう〜〜〜。」 その高まりを到底 抑えられず、迎えた快感に呻き声を上げてしまう。そして それと同時に身体を退け反らせる。
 そんな ヒッポの様子を懸念したユーリは、動作を止め 心配するようにヒッポを見上げる。
 シェシェ「ユーリ、もう放していいわよ。」
 突然のシェシェの言葉に、ユーリはゆっくりと ヒッポのモノを引き抜いた。
 ユーリ「大丈夫ですか? ヒッポさん…」 ヒッポの状態がおかしいことを感じ、真っ先に声を掛ける。
 ヒッポの大きくなったモノが、内部から湧き上がる激しい律動と共に 大きく前後に脈動すると、その先端からは白濁液が勢いよく 飛散する。突然、顔に掛かる噴出液に 短い悲鳴を上げたユーリは、咄嗟に顔を背ける。そして、その後も 飛び散る白濁液によって 更に彼女の顔、髪の毛、服を汚していく。その噴出も おさまった頃、俯いていたユーリは 顔に付着した液を指で すくい取ると、それが何なのか確認するように 見つめた。そんなユーリの仕種を見ながら、ヒッポは下半身からの排出の 何ともいえない気持ちよさに驚いていた。管内から込み上がる絶頂感、排出時の快感、それに加え ユーリに掛けてしまったことへの 一種の支配感。しかし、そんな感情に浸っていたのも 束の間、我に返るとすぐに別の感情に捉われる。どんな状況だったにせよ ユーリに、自分の体内からのものを浴びせてしまったことによる 申し訳なさが増大しつつ、こんな状況にも関わらず 性の高まりを引き出してしまった自分が嫌になってくる。
 ヒッポ「す、すみません、ユーリさん。…こんなものが出てくるなんて 思わなかった。」
 ヒッポの言葉に、静かに首を振るユーリ。この結末に シェシェは納得いったような表情で微笑み、ミミは多少 驚きの顔つきとなっている。
 シェシェ「あら、随分と出たわね。」
 ミミ「一体、何 出してる訳? おしっこ じゃないみたいだし…。それに何? この独特の臭い。こんな汚いもの ユーリに掛けちゃって、どういうつもりなのよ。」
 ヒッポ「な、何を言ってるんだ!お前たちが、こんなこと するからじゃないか!これは私の意志じゃない!」
 シェシェ「自分で出しておきながら 私達のせいにする気? それに 自分の男の精を、好きな女性に掛けれて、内心は満足してるんじゃない?」
 ミミ「へ〜、あのばっちいのが 男の精なんだ〜。良かったじゃない、好きな男から そんなに いっぱいもらえて。そうでしょ、ユーリ?」
 ヒッポのソレから飛び出したものが 男の精だと知ったユーリは、顔を赤らめ 少し うっとりとしていた。しかし、ミミに話しを振られると そんな表情も消え失せ、一気に反論しだす。
 ユーリ「…でも これは、ヒッポさんの意志じゃない。ユーリは こんな、ヒッポさんの意志ではないものを もらっても嬉しくありませんし、…それにもう ヒッポさんは、ユーリのこと 嫌いになってしまわれたんだから すでにヒッポさんの意志で あるはずがない…。」 言葉の最後のほうは、悲しみをこらえるように 少し震えた声になっていた。


76: 藍梅ひらる:09/08/15 16:03
 ヒッポは困惑していた。自分の体内からのものを、ユーリに掛けてしまったことによる責任をどう取ったらいいのか、そして こんなことをしてしまった自分を、ユーリはもう無理にでも突き放そうとしているのか。ユーリの真の心理が まるで分からなかった。自分自身の失態もあり、ユーリになんて 声を掛けていいのかも分からない。ヒッポが戸惑っている中、次に動いたのは ブラックビューティーシスターズだった。
 シェシェ「なかなか面白かったですわよ。」
 ミミ「本当だよね〜。」
 悲しそうな表情をし、白濁液を浴び 惨めな姿となった ユーリとは対照的に、嘲笑する二人に怒りが込み上げてくる。
 シェシェ「さぁ ユーリ、立つのよ。あなたの役目は もう何も残されていませんわ。すぐに消してあげるから こっちに来なさい。」
 ミミ「その男が吐き出したせいで 臭くて たまんないわよ。早く始末してあげるからね。」
 ユーリは二人の屈辱にも一切 抵抗を見せず、静かに立ち上がった。
  17
 ユーリ「ユーリは所詮、悪い心を持った水妖です。ヒッポさんが嫌がっているのに、それを分かっていながら こんなことをしてしまいました。もう、ヒッポさんの傍にいる資格なんて無い。嫌われて当然なことをしたんだもの。ヒッポさん、ユーリのことなんて もう忘れてしまわれて…。」
 ヒッポは ユーリの言葉を聞きながら、ユーリの眼から涙が滴るのを見た。その涙を見た時、ユーリの今の言葉が 本心の偽り、本当は望んでいないことなのだと感じた。これまでにも、時折 涙を見せていたユーリ。それが自分との別れに繋がることを予測した上での涙だったことに気付くヒッポ。
 ヒッポ「ユーリさん、あなたは始めから、こいつらに消されることが分かっていたんですね。」 二人に連れて行かれようとする ユーリの後ろ姿に向けて 声を掛ける。ユーリは何も答えない。


77: 名無しさん@お腹いっぱい。:10/06/24 22:04 ID:A2
ヒッポとユーリが健気で可愛過ぎて好き。
作者の人まだ見てるか分からないけど乙でした。

78: のえる:11/08/08 15:00
今から小説かきます

第1話

放課後・・・ るちあ、 はのん、 りなの3人で帰っていると・・・。

3人「あしたは・・・」

か「・・・。 るちあ今日一緒にかえろーぜ(笑)」

る「ごめん今日わ・・・・・・」

は「どうせなら2人でかえってきな!ホラ!!」

る「うん・・・・・・・ かいと 帰ろっか♪」

か「おお!! 今日わとっておきのぷれぜんと付きだ」

る「ぇ〜プレゼントうれしいなぁ♪わくわくしてきたぁ」

か「着いたぞw」

る「かいとのうち!?いいの?入って」

か「当たり前だ! いいんだよ」

る「おっじゃまっしまぁ〜す(*^_^*)」

か「ベットに座れ・・・・(恥)」

る「ぇ・・・・・・・・・・・・ うんすわるね」

ざっざ 

かいとはべっとにるちあを押し倒した。 そしてキスをする

る「んん・・・・ぅ」

続きわまた


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