翠星石は俺の嫁2


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翠星石は俺の嫁2

1: ミーディアム@薔薇乙女:05/12/14 06:50 ID:rflFsU6Y
結婚しました。皆さん、祝福してください

322: 翠星石:06/04/12 19:37 ID:1vX1EEFk
「ジュン、手伝って。」真紅はまず十字架を一旦引き抜き、地面に寝かせるよう指示した。
「おっ?意外に簡単に引き抜けるじゃないか。それからどうすんだ?」
真紅はその十字架の上に満身創痍の翠星石を寝かせて、両手を拡げさせる。
両足は既に破砕されて失われているので、両手と頸部を十字架に固定させるように指示する。
「そうね。この子のおさげを使うと良いわね。」そういうと、真紅はおさげ髪を巧く使って
翠星石の左手首を架上に括りつけた。「ジュン、右手を御願い。きつく縛るのよ」
最後にリボンで頸を括りつけた。「無駄に長いクソ髪だったが、こういうときには役に立つな!
皮肉なもんだよなあ、このジャンクミドリ!」そういうと、ジュンはまたコルセットを
力いっぱい蹴り上げ、また右眼に刺さったままの柄をぐりぐりと抉り回した。
「ジュン、遊んでいる暇はないわ。処刑の準備・最後の儀式よ。
コレをあの子の全身に、くまなく、塗りなさい。顔面にも、左目にも。
しっかり、剥けたりしないように。」そういうと、無臭の不思議な軟膏のようなものを
ジュンに手渡した。淡々と、軟膏を翠星石の衣裳・カラダのパーツ・顔面・そして
残った左の眼球にも塗っていく。幾重にも。幾重にも。
「お疲れ。ジュン。いいわ。十字架を元の場所に立てて頂戴。いい具合ね。」
ジュンは元通りに立て直すと、まじまじと架上の翠星石を眺め、最後の罵声を放った。
「へっ!いい気味だぜ!この性悪毒舌クソミドリ!誇り高き真紅様が
おまえの処刑を直々に取り仕切ってくれてるんだからな!」そういう矢先、
真紅が反対の方向を指差した。「うふふ。来たわね。」

果たしてその方向には、夥しい数の鴉の群れが近づきつつあった。
「さあ、ジュン。私たちはここを離れるわよ。」後は彼ら(そういって真紅は鴉を指差した
に任せましょう、そういって真紅はジュンの手を引き、十字架の元を立ち去っていった。
程なく、架上の翠星石は、何十匹もの鴉に拠ってたかられ、一瞬のうちに黒山の鴉だかりの塊と化した。
『びぶぶぶぅ!ぐびぶぶぅ!げぶぅごぶびおごぶぶぅぅぅぅぅぅ!』
嘴による容赦ない攻撃を全身に浴び、翠星石の陶器のビスク素体は粉々になろうとしている。
軟膏〜鴉のフェロモン剤〜を満遍なく塗られた顔面も例外ではない。
『ふぶほぶぶぶぅぅぅぅぅ!ごぶぶぶぅ!ぐばぶぼぶぅぅ!ぶがふぶぅぅぅぅぅぅ!』
既に顎の周り、鼻立ち、額、無数の嘴による穴ぼこで一杯、ゆっくりと罅が入り、
少しづつ、翠星石の顔は破砕していき、粉々に崩れ落ちていった。
「カァアァーーーーーーーーーーーーーーーッ!」一際、体格の大きい一匹の鴉が雄叫びを上げると、
その嘴には碧色の左目の眼球が銜えられていた・・・・・・
「これが・・・ドールの、処刑、なのか・・・?」ジュンですら、その異様な光景に呆気にとられていた。
「そう。これが、私たち薔薇乙女の誇りを穢し、ミーディアムとの絆を犯した人形に
与えられる、最も残酷な罰。ドールの最高刑。このフィールドはそのための最終処分場。
これは、あなたが望んだことよ、ジュン。でも、気に病む必要もないわ。
あの子の雛苺への仕打ちには私もうんざりしていたわ。いずれ遅かれ早かれ、
貴方に代わって私自身が同様の決断に至っていたでしょう。そう思うの。」

バサバサバサッ!鴉の群れが十字架を離れると、そこには既に翠星石たるものの
一片すらも満足に残されてはいなかった。無残にもビスクパーツは粉々に砕けて
十字架のたもとに堆く積もり、あのおさげ髪の残骸が架上に残され、
チャームポイントだったヒラヒラミドリのスカートの残滓のみが破れかぶれになって
引っかかっていた。暫くすると、ビスクパーツの残骸の山の中から、
緑色の光玉のようなものが浮遊する。ローザミスティカ。
「最後の仕上げよ。ジュン。あなたが取り込みなさい。もう永遠にこの子は
物理的にも精神的にも蘇ることはないわ。」そういうと真紅はジュンを促し、
ジュンはゆっくりとその胸の中に、かぼそく消え入りそうなその光を
受け入れていった。一瞬頭がクラクラしたが、次第に妙な力が漲ってきた。
「これで処刑は終わりよ。ジュン。気は済んだかしら・・・
あの子のRMは、あなたを介して私と雛苺が共有する形になるわね」
「べ、べつに僕はRMなんかちっとも欲しくない。真紅の気の済むようにしてくれ。
そもそも真紅にはRMをものにする権利があるはずだろ。そうしろよ・・・」
そういうと、ジュンは何か後味の悪さが残るような独特の気分の悪さを感じ、
それから押し黙ってしまった。二人は骨の原野を後にし、自らの世界へと戻っていった。
かくして性悪クソミドリは、永遠にこの次元の狭間に、
浮かばれることもなく、取り残され、忘れられていったのであった・・・・・・fin


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