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【頑張れ】苑子を応援するSSスレ β【ゴッチ】
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3: 10/16 08:43 [sage]
苑子が死んだー
入間川でザリガニを手掴かみで捕まえようと追いかけてた所、足を滑らせて頭を打ち、流されて下流で死体で発見されたのだった。
地元警察署の死体安置所で家族が対面となった。
職員が棺を開くと苑子の顔が現れた。
外傷は無く、生前同様に肥満で膨れたツラ、微妙に開いたクチビルの幼児の様な表情、間違いなく苑子であった。
その顔に触れてみると冷たい感触が手に伝わり、それが確かに生ける者では無くなっていた事を実感した。
しかし何か、この亡骸には"美"とでも言うべきものが在った。そう、"完成美"だ。
まるでこうなる事こそ相応しく、死んでこそ初めて完成とでも言う様な。
この亡骸がもう口をきかず、動かず、何も要求もしない事を思うと安堵感が湧いて溢れて来るのだ。
両親と妹が囲んでしみじみと見つめていた。
「…苑ちゃん…あんた、ようやく死ねたのねえ…良かったわねえ…あんた生きてても仕方無かったものねえ…もう苦しい事も何も無いのよ…」
しみじみと語る母。
「…来月から光熱費がだいぶ安くなるな…」
「水道代と食費も、携帯代とネット代もね…」

葬儀の際、苑子の知人と名乗る参列者が妙に多かった事を両親は不思議がった。
妹はおおよそ想像が付いてたが敢えて黙っていた。

苑子の部屋に在ったもの、漫画本、ぬいぐるみ、キャラクターグッズ等無数の小物類、ゲーム等、布団や家具やパソコンも合わせ、物は大量に有ったが躊躇無くダンボール箱に次々に詰められたおかげで一時間も掛からず作業は終わり、即座にゴミ処理場に運ばれた。
見違える程何も無くなった部屋は特殊清掃業者によって
念入りに清掃され、次に内装業者によって壁紙等完全に取り替えられた。

その後、遺骨は家族曰く本人の希望だったという事で海に撒かれた。

数日後、妹は将来を誓ったと言う彼氏を初めて家に招き、両親に紹介した。
贅沢な料理が並べられた楽しい食事の席は大いに盛り上がり、父と彼氏はすっかり酒が回りはしゃぎ意気投合し、仲良く床に並んで酔い潰れてる二人を見て母と妹は微笑し、これからやって来る幸せを感じずには居られなかった。
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