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【頑張れ】苑子を応援するSSスレ β【ゴッチ】
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8: 11/03 10:18 [sage]
ある年の雪が降り積もる真冬の埼玉県入間市。
駅に5,6人の男女が降り立った。
「久しぶりだなあ、ここの駅も」「何年ぶりだっけ?」
一団はかつて此処を地元とし、同じ高校に通い、
卒業後偶然同じ土地に移り同郷の士として親交を交わしながら人生を築き、
この年末、久しぶりに一緒に地元に戻って来た一団であった。
「…ねえ…アレ見て…」「んっ?」
一人が指差したのは駅構内で汚れた毛布にくるまったホームレス女だった。
薄汚れて変色はしてたがドピンクのキャラ絵入りTシャツ、
伸びまくりフケだらけでボサボサの長髪を幼児向キャラの髪留めでとめ、
薄汚れた子供向けの様なスカート、
それを大股開きで全開にし、黄色とか茶色とかそんな色すら超えてカビと思われる緑掛かった凄まじい色のパンツを丸出しにして寝ていた。
「…うわっ…アレ…苑子じゃねえか…」「…やっぱりああなったか…」「…うわあ…凄い有様…」
その時、一人が哀れに思ったのか駅で清算の際受け取ったまま握ってた小銭を苑子の傍に放り投げたが、大きな間違いだった。
硬貨の音に苑子がカッと目を見開き、一団に目をくれると彼らの顔に驚きの表情を見せ、飛び起きて一団に駆け寄った。
「みんな!!わたしだし!苑子だし!!助けて!!もう何日も食べてないし!お腹空いたし!!死んじゃうし!」
涙を流し顔面をグシャグシャにして悲哀の声を上げ一人の胸にしがみつく苑子。
「うわっ!!!くせえ!!!」
生ゴミ捨て場の様な凄まじい悪臭にかつての苑子の同級生は思わず苑子を蹴り離した。
「ぐはっ!!だし」
他の皆も近づいただけで鼻が曲がる様な悪臭に鼻を押さえながらむせ返ってる程だった。
「…やべ、蹴っちゃった…」
と呟いた同級生だが、しがみつかれた自分の白地の服に見事に人の形にドス黒い汚れと生ゴミ汁の様な悪臭が付着しているのに気がつき、
「この野郎!!買ったばかりの服こんなにしやがって!!」と激しく怒り罵った。
「助けて!!助けて!何か食べさせて!!死んじゃうし!!」
餓えに飢えてた苑子も必死で再び駆け寄りかつての同級生達にしがみついた。今度は広げた両手で数人一度にしがみつき、その悪臭に同じ様に蹴り飛ばされた。
それでも飛びかかってくる苑子。
一同皆、服やカバン等を酷く汚され、そんな事はお構い無く己の食い物しか頭に無い目の前の豚に怒りがメラメラと沸き出した。
「この野郎っ!!いい加減にしろ!気持ち悪いんだよ豚!!」ガッ!!「ブヒいっ!!」
今度はとっさの動作ではない、容赦無い本気の蹴りが苑子の顔面に放たれ、苑子は勢いよく転がった。
見ると倒れた苑子の下半身から床石にジワリと湯気と共に糞尿が広がっていった。
「うわあっ……」一同しかめた顔で同様の声を上げた。
皆早く今夜の宿である一人の実家に行こうと駅を後にした。

一同年末から正月にかけてそれぞれ故郷の家でのんびりと過ごし一週間程経ち、再び皆で帰ろうと揃って駅に向かった。
見ると駅の構内に誰かが供えたのか花が置かれていた。
近くに立って居た駅員に訊いてみると、今朝ホームレスの女が冷たくなって死んでいたとの事だった。
皆帰りの帰途で高校の頃少しとは言え関わった者の末路をそれぞれ考え、
一人などはいつか子供が出来て妊娠中の子に障害が見つかった時は半端な情けなどかけずに即堕胎しようと誓った。
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