【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜


FIRE EMBLEM@2ch2掲示板 > 【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜
全部1- 101- 最新50

【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜

1: 見習い筆騎士('-'*) ldOOTsV6:06/01/06 15:33 ID:E1USl4sQ
前のスレッドが容量オーバーで書き込めなくなったので
新しいスレッドを建てさせていただきました。
1部~2部イリア編序章は、以下のURLよりご覧いただけます。

1スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1100605267/7-106
2スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1123296562/l50

あらすじ
ロイ達が倒れ、世界が別世界から乗り込んできたハーフ(人と竜の混血種)に支配され早17.8年、ハーフ以外の種族は絶望の中にあった。
そんな中、ロイの子供セレナとシーナが立ち上がる。
彼女らは生まれ育った西方の仲間や傭兵ナーティ、伯母の子に当るアリスやセレスらと共に、神将器を集めながら進軍することになった。
そして、西方、エトルリアを開放し、一行はイリアで作戦を展開する・・・。


149: 手強い名無しさん:06/04/08 20:41 ID:9sML7BIs
城下町の外れまで来たカイは、ようやく解放された二人、クラウドとシーナの自由を奪っている縄を解いた。
そこで他の面子と待ち合わせをしていたのである。
「あーん、 カイ様! 怖かったよ!」
自由になるや否や、シーナはカイに抱きついた。 あそこにカイが来るのが後数分でも遅ければ、自分達は死んでいたのだ。
姉や父、友の顔を見ると、もう泣かずにはおられなかった。
アレンが血相を変えて二人に走り寄る。 守るべき姫と、自分の息子。 どちらも失う事は死ぬことより辛い人間だ。
顔を手で包み、両者の無事を確認する。 泣きそうになるのをぐっと堪えながら。
「危なかったな、シーナちゃん。 オレ様もうかつだったぜ。」
「カイ・・・。 助かった、礼を言うぜ。 親父、心配をかけた。」
「この・・・親不孝者が・・・。」
クラウドも今回ばかりはカイに礼を言わざるを得なかった。
恥ずかしいし、何か悔しい気もするが、命の恩人だ。 顔を背けながらだが、しっかり礼を言う。
「なぁに、いいってことよ。 オレ様達、オトモダチだろ?」
「・・・そうだな!」
「シーナ! 兄貴! おかえり!」
セレナも二人を歓迎する。 大切な大切な仲間が帰ってきた。
自分を支えてきてくれた二人が帰ってきてくれた。 セレナは嬉しくて仕方なかった。
しかし、それ以外の何かが、言葉に表せない、胸を焼き焦がすほどの何かが込みあがるのも感じていた。
「しかし、驚きましたよ。 まさかカイが、世界宗教のトップだったなんて。」
セレスもカイを認める。 本当に今回は、カイのお手柄だった。
「あれ、オレ様、前にも言った覚えが・・・まぁいいか。 ま、そういうことよ。
これからは、カイ師範と呼びたまえ! うひゃひゃひゃ!」
調子に乗るカイを無視して、セレナは前から疑問に思っていたことを彼にぶつけてみた。
「ねぇ、なんで種族間で宗教上の裁きまで変わってくるの?」
その疑問に、今まで笑っていたカイも静かになった。
そして、静かに理由を答え始めた。 この大陸の闇の部分の確信をつくかもしれない、その答えを。
「この大陸は、ナーガを神として崇めている。
そして、ナーガの言葉は聖典として、宗教上のルールを決める規律となっている。
その一説に、竜族は世俗世界にかかわってはいけない、というものがある。」
「あぁ、それは我らエレブにも伝わっています。」
アレンは思い出した。 かつてロイとナバタの里に行った時聞いた、竜の長老も、そのようなことを言っていた。
「そうか。 最初はそれもあまり重要視されなかったんだが・・・教皇があいつに代わってから
この一説はハーフ蔑視の大きな根拠として持ち上げられた。
半竜人は、掟を破った竜と人の子。 人であって人ではない。 悪しき心を受け継いだ悪魔の種族と解釈したんだ。」
カイの告白に、一同は発する言葉も無かった。 セレナには、先程から胸で痞えている感情が、何か分かってきた。
皆が真剣に話を聴くのを見て、カイは更に告白を続けた。
「教皇は、神の代弁者。 世界中が信じる宗教の教皇の言葉は、当然神の言葉として皆に受け取られる。
それまでも半竜人への差別は酷かったが、宗教に・・・神による根拠が示されて以来、それは一気に加速、激化した。
神の言いつけを破ったものに、救済は必要ない。 それが、同じ罪を犯しても半竜人だけ罪の重い理由だ。」
ここまで聞いて、セレナは完全に理解した。 自分の気持ちを。
この気持ちは、紛れもなく怒りだ。 教皇への真っ直ぐな怒りだ。
そして、それを信じて疑わない世界への怒り。 更に、それを変えられず、仲間を助けられなかった自分への怒り。
絶対に許せない。 こんな事がまかり通る世界は、絶対に変えてやる。
「決めた。 あたしは、教皇を倒す。 諸悪の根源を断つ。 それが、あたし達の求めた世界を作る第一歩だ!」



続きを読む
掲示板に戻る 全部次100 最新50
名前: E-mail(省略可): ID非表示