【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜


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【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜

1: 見習い筆騎士('-'*) ldOOTsV6:06/01/06 15:33 ID:E1USl4sQ
前のスレッドが容量オーバーで書き込めなくなったので
新しいスレッドを建てさせていただきました。
1部~2部イリア編序章は、以下のURLよりご覧いただけます。

1スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1100605267/7-106
2スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1123296562/l50

あらすじ
ロイ達が倒れ、世界が別世界から乗り込んできたハーフ(人と竜の混血種)に支配され早17.8年、ハーフ以外の種族は絶望の中にあった。
そんな中、ロイの子供セレナとシーナが立ち上がる。
彼女らは生まれ育った西方の仲間や傭兵ナーティ、伯母の子に当るアリスやセレスらと共に、神将器を集めながら進軍することになった。
そして、西方、エトルリアを開放し、一行はイリアで作戦を展開する・・・。


153: 第三十八章:半竜族の国:06/04/08 22:02 ID:9sML7BIs
「さぁて、これからどうするかな。 オレ様達も今じゃ異端者だぜ。 もう安住の地は無い。」
カイは背伸びをし、他人事のように暢気に話す。 自分まで暗くなっては他にも響く。
いまだにシーナやクラウドは何時もの明るさを取り戻していない。
そんな兄妹の様子をセレナは心配して気にかけていた。
「大丈夫? 二人とも。」
「姉ちゃん・・・私、人間のこと、嫌いになっちゃいそうだよ。」
「シーナ?!」
「だって・・・街の人皆で、お前は悪魔だって罵られたし、もう少しで殺されそうになった。 ハーフというだけで。
人間には悪い人もいる、というわけじゃなくて、人間でも、良い人はいると言った方がいい気がしてきたよ。」
「シーナ・・・。」
泣きそうになるシーナに加えるように、クラウドも口を入れた。
「俺も・・・自分に流れる人間の血が嫌になってきた。
いや、それだけじゃない。 竜に流れる血もだ。 逃げているだけの、神と言いながら何もしない竜も嫌いだ。」
皆の心がばらばらになりかけていた。 カイも、セレナも・・・竜が嫌い・・・つまり自分が嫌いと言われ、閉口してしまう。
しかし、ここまで来て、こんなことで終りたくない。 重い雰囲気に光をもたらしたのは、アリスだった。
「皆、どうしたの?! そんな暗い顔をして。」
「どうしたのって・・・。 アリス姉ちゃん。」
「こうなる事は分かっていたことでしょう? アルヴァネスカは、ハーフが差別される世界。
それは、ハーフがエレブに逃げてくるほどに。 その様子を見るために、この大陸に来たのではないの?」
アリスにいきなり分かりきった事を言われ、クラウドも戸惑った。
「そんなこと分かってるぜ、姉貴。」
「本当に? 何故、ハーフが逃げてきたのか、よく考えてみて。 これはエレブにも言える事よ。」
「そりゃ、人間がハーフを差別するからだろ? 姉貴も見ただろ? 俺達もう少しで殺されるところだったんだぞ!」
興奮気味に話すクラウド。 無理も無い。
自分は何も悪いことをしていないのに異端と勝手に決め付けられ、ハーフと言うだけで処刑されそうになったのだから。
「落ち着いて、クラウド。 何故、人間が差別するの?」
「何故って・・・。 そんなの!」
頭に血が上ってまともな会話が出来なくなっているクラウド。
それに変わって、シーナが答える。また、道を踏み外しそうになった。
「世界宗教が・・・教会法が、ハーフ差別を合法としているからだね。」
「そうね・・・。 そして、その教会法は誰によって作られているの?」
「あの教皇・・・。」
「そう。 この世界の意識を変える為には、まず教会法を変えなくてはならない。 その為には、まず教皇を何とかしないとね。」
「そうだけど・・・寄って集ってハーフを苛める人間って汚いよ。 例え扇動されているとしても。」
その言葉に、セレナが反応した。 前も妹は、同じ事を言っていた。
そのときはうまく説得できたと思っていたが、今回のことでまた傷が開いてしまったようだった。
「シーナ! それは人間だけじゃないよ。 ハーフだって竜族だって同じじゃない。
ハーフはメリアレーゼの命令で人間を迫害していた。 竜族だって、神の考えと疑うこともなく
見て見ぬ振りをしていた。 何も行動を起こさないなら、竜族だって同罪だよ。」
「姉ちゃん・・・。」
「だから、人間と言う一括りで責めないで。 前も言ったじゃない。 責めるべきは、悪い人じゃなくて悪い心なんだって。」
シーナは思い出した。 かつて、アリスやセレナにそう言われた事があった。
エレブのハーフは人間を差別していた。 でも、サカにいたハーフは、エレブの人間を憎んでいないと言っていた。
それはつまり、悪い心を持った人間は憎んでも、そうでない人間は憎んではいないと言うこと。



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