【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜


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【3スレ目】ファイアーエムブレム〜双竜の剣〜

1: 見習い筆騎士('-'*) ldOOTsV6:06/01/06 15:33 ID:E1USl4sQ
前のスレッドが容量オーバーで書き込めなくなったので
新しいスレッドを建てさせていただきました。
1部~2部イリア編序章は、以下のURLよりご覧いただけます。

1スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1100605267/7-106
2スレ目:http://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/emblem/1123296562/l50

あらすじ
ロイ達が倒れ、世界が別世界から乗り込んできたハーフ(人と竜の混血種)に支配され早17.8年、ハーフ以外の種族は絶望の中にあった。
そんな中、ロイの子供セレナとシーナが立ち上がる。
彼女らは生まれ育った西方の仲間や傭兵ナーティ、伯母の子に当るアリスやセレスらと共に、神将器を集めながら進軍することになった。
そして、西方、エトルリアを開放し、一行はイリアで作戦を展開する・・・。


159: 手強い名無しさん:06/04/08 22:04 ID:9sML7BIs
そうやって空を眺めると、向こう何か見えてきた。
「お? おい、見えてきたぞ。 ブレーグランドだ。」
カイの指差すほうに、街並みが見えてきた。 そこが一行の目指した半竜族の国、ブレーグランドだった。
一行は募る不安をお互いに拭い合いながら、半竜族の国、エレブを乗っ取ったハーフの親玉、メリアレーゼの故郷へと入っていった。

第三十九章:狭間の者
街の様子を見た一行は目を疑った。 国というより・・・スラムと言ったほうが正しいかもしれない。
マーキュレイを見た後だと尚更そう思えた。 皆掘っ立て小屋に住み、ぼろきれ同然のシャツ一枚で生活している。
文明と言うには悲しすぎる様子だった。 更に、彼らは自分達を見た途端、逃げ出していってしまった。
「おい! 何で逃げ出すんだよ!」
クラウドは逃げていった同族を見て走って追いかける。
何故、同族からも逃げられなければならないんだ。 セレナは兄を追いかけようとしたが、それをカイが止めた。
「ちょっと、離してよ。」
「オレ様達が行くと、余計にあいつらは逃げるぜ。 半竜族は、人間も竜も嫌いだからな。」
彼らは迫害する人間も、それを見て見ぬ振りする竜族も嫌いだった。
どちらの血も自分に流れているのに、どちらからも受け入れられない。 彼らは自分に流れる血そのものを嫌っていた。
「私も行ってくる!」
シーナは疾風のごときスピードで駆けていった。 兄だけでは心配だ。
他の面子は、それを追いかけることも出来ず、ただ、二人の帰りを待つしか出来なかった。
自分達はハーフを助けたいと思っているのに、相手から一方的に拒絶される悲しみ。 イリアのときと同じだ。
でも、相手も最初はそうだったのだろう。 受け入れてもらいたいのに、一方的に拒絶される。
長年の積み重ねが、彼らをこういう風に変えてしまったのだった。

「おい! 待てよ! どうして逃げるんだよ!」
逃げるハーフをクラウドが袋小路に追い詰めた。 相手は栄養状態も悪いらしく、体力が無い。
「うるさい! どうせ、また半竜狩りをしに来たんだろう!」
「半竜狩り?」
「人間が、『優良種の保存』を名目に、半竜を殺しに来たんだろう?!」
その男は興奮していた。 だが、クラウドには身に覚えが無い。 それどころか、自分は同族だ。
「おい、よく見てみろよ。 俺もハーフだぞ。」
興奮していたその男は、クラウドにそういわれ、彼のエーギルの波動を辿ってみる。
おお・・・これは間違いなく同士のもの。 しかし、騙されんぞ。
「だが、お前は人間と共にいただろう。 俺達をおびき寄せる為のおとりだろ。」
マーキュレイの手先のような事を扱いにされ、クラウドはカチンと来た。
「ふざけろ! あんなゲス共と一緒にするな! さっきのは俺の仲間だ!」
真剣に怒るクラウドに、その男も少しテンションが下がった。
しかし、そんな事は信用できない。 半竜を人間が受け入れるわけが・・・ない!
「騙されないぞ! ハーフのお前が人間の仲間? そんなことありえないだろう! ほらを吹くな!」
そのとき、後ろから声がした。 怒鳴りあう二人の男にとっては、何か癒されるような気分になる。 そんな優しい声。
「本当だよ。 私達、あの人たちとずっと旅をしているんだもん。」
シーナだった。 その男はシーナを見るとエーギルを確認する。 やはり同士のものだ。
「そんなバカな・・・。 半竜が、迫害されている半竜が、人間の仲間など・・・あろうはずも・・・。」
「信じて。 だって、貴方を殺すのなら、もうとっくに兄が貴方を殺しているはずでしょう?」
男は黙ってしまった。 こんなことが・・・あるわけがない。 半竜と人間が一緒に旅をするなど。
だが、目の前にはそのありえないはずの存在が二人もいる。 ・・・一体どういうことなんだ。
「俺は、同族のこの悲惨な状況を救いたいんだ。 だから協力してくれ。 頼む!」
クラウドに真顔で見つめられた男はこれ以上強く出れない。
その目が真剣そのもので、嘘を言っている様には決して見えなかったからだ。
その傍らには、心配そうに、そして同族に拒否されて悲しい顔をするシーナの顔・・・。



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